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岡本哲司

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
岡本 哲司
徳島インディゴソックス 監督 #82
オリックス・バファローズの二軍監督時代
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 和歌山県有田郡金屋町(現:有田川町
生年月日 (1961-03-15) 1961年3月15日(63歳)
身長
体重
175 cm
80 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 捕手
プロ入り 1984年 ドラフト6位
初出場 1986年6月3日
最終出場 1994年9月25日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
選手歴
監督・コーチ歴

岡本 哲司(おかもと てつじ、1961年3月15日 - )は、和歌山県有田郡金屋町(現:有田川町)出身の元プロ野球選手捕手)、野球指導者。右投右打。

来歴・人物

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プロ入り前

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和歌山県立吉備高校(現在の有田中央高校)では、捕手であったにもかかわらず、チーム事情で投手として起用。1年下のチームメートに、藤村雅人投手がいた。

3年生だった1978年には、第50回選抜高等学校野球大会に出場。岐阜高校との1回戦に先発で登板したものの、チームは初戦で敗退した[1]夏の選手権和歌山県大会では、決勝で箕島高校と対戦したが、石井毅 - 嶋田宗彦の2年生バッテリーの前に完封負けを喫した。

高校卒業後に神戸製鋼へ入社すると、捕手に復帰。1984年都市対抗に出場する[2]と、その年のドラフト会議で、横浜大洋ホエールズから6位で指名された。ただし、会社側の事情などから、実際の入団は翌1985年の11月にまで持ち越された。この年は都市対抗野球に補強選手で出場、日本選手権でベスト4。

プロ入り後

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1986年には、シーズン終盤の一軍公式戦5試合で、スタメンマスクを任された。しかし、打力に課題もあって当時の一軍捕手陣に若菜嘉晴市川和正などがいたことから、3番手以降の捕手に留まると谷繁元信の入団でさらに出番は減った。

1990年には、公式戦開幕直後の4月に、二村忠美との交換トレードでプロ入り時の近藤貞雄監督が率いる日本ハムファイターズ移籍。しかし、移籍後も控え捕手の域を脱しなかった。

1996年には二軍バッテリーコーチ補佐を兼務したが、一軍公式戦への出場機会がないまま、シーズン終了後に現役を引退した。

現役引退後

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1997年から二軍バッテリーコーチ。

2003年から2006年まで二軍監督を歴任した。二軍監督時代には、後の主力選手である糸井嘉男武田久田中賢介小谷野栄一などを育てることで、当時低迷していたチームの再建に貢献。ダルビッシュ有も、入団1年目の2005年に、シーズン途中で一軍へ昇格するまで岡本の指導を受けていた[3][4]。2005年に日本ハムの2軍投手コーチに就任した佐藤義則に岡本が武田久を「壊れてもいいから徹底的に見れてやってくれ」と言い、佐藤は武田と話し合いしやりたい方向に助言をし、武田は一軍の抑えのエースに成長した[5]

2008年横浜ベイスターズ二軍ディレクターへ就任[3]

2009年には、6月8日からシーズン終了まで一軍総合コーチを務めた[6]後に、11月1日付で編成部長に就任した。

2011年に一軍総合コーチへ復帰したものの、チームが最下位に低迷したことから、シーズン終了後に球団からコーチ契約の解除を通告された[7]

2013年には信濃グランセローズ監督[8]2014年からはオリックス・バファローズの二軍監督を歴任[9]2015年限りでオリックスを退団して[10]からは、プロ野球経験者による高校・大学野球の指導に必要な学生野球資格の回復に向けて、研修会へ参加した。

2016年には、2月2日付で、日本学生野球協会から学生野球資格回復の適性認定を受けた[11]。さらに、故郷の和歌山県で4月9日から和歌山南陵高等学校が開校したことを機に、「野球王国の和歌山県に貢献したい」[12]という意向で硬式野球部の監督へ就任。部員と共に寮生活を送りながら、「個性を生かした育成」をモットーに、高校生を初めて指導している[4]NPBの球団で(一・二軍を問わず)監督を経験した人物が、退任後に高校野球の監督を常勤することは異例[3]で、和歌山県内の高校では初めてである[12]

2018年春にいったん退任し、高校時代の恩師・林宣男が夏の采配を執った[13]が、新チームになって復帰。

2021年1月25日、四国アイランドリーグplus徳島インディゴソックスに球団戦略アドバイザー兼コーチとして就任することが発表された[14]。後述の通り、岡本の子息が前年徳島に所属しており、その縁で声がかかったとコメントしている[14]

2022年1月20日、徳島の監督に就任することが発表された[15]。就任初年度に後期優勝を達成したが[16]、年間総合優勝を決めるリーグチャンピオンシップは高知ファイティングドッグスに敗れた[17]2023年は前後期を連覇し、リーグチャンピオンシップでも年間勝率2位の愛媛マンダリンパイレーツに勝利して、チームとして3年ぶりの年間総合優勝を達成した[18][19][20]グランドチャンピオンシップは、準々決勝(対富山GRNサンダーバーズ)には勝利したが、準決勝(対埼玉武蔵ヒートベアーズ)には敗退した[21][22][23]。シーズン終了後、リーグの2023年シーズン最優秀監督に選出された[24]2024年も徳島を前後期連覇に導いたが[25]、前年と同じく年間勝率2位の愛媛と対戦したリーグチャンピオンシップには敗退した[26]。2年連続の年間総合優勝はならなかったものの、シーズン終了後に前年に続きリーグの最優秀監督に選出された[27]

家族

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長男の直樹は、千葉商科大学を経て、実父の哲司が信濃の監督へ就任する直前(2012年11月30日)にBCリーグのドラフト会議で同球団から通常枠で指名[28]。哲司の現役時代と同じ捕手として1シーズン在籍した[29]後に、2014年から[30]2015年まで[31]BASEBALL FIRST LEAGUE兵庫ブルーサンダーズに入団して2015年には、球団史上初の副キャプテンを務めた[30]2016年にはBCリーグの富山GRNサンダーバーズに入団した[32](同年で退団)。

また、三男の良樹は専修大学から2020年の1シーズン徳島インディゴソックスに所属した[33][34]

詳細情報

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年度別打撃成績

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O
P
S
1986 大洋 18 20 19 1 4 1 0 0 5 1 0 0 0 0 1 0 0 1 2 .211 .250 .263 .513
1987 18 14 12 1 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 1 4 1 .083 .214 .083 .298
1988 17 21 20 2 2 0 0 0 2 0 0 0 1 0 0 0 0 1 1 .100 .100 .100 .200
1989 6 7 7 1 2 1 0 0 3 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .286 .286 .429 .714
1990 日本ハム 4 9 8 1 1 0 0 0 1 1 0 0 0 1 0 0 0 1 0 .125 .111 .125 .236
1991 11 8 8 2 4 0 0 0 4 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .500 .500 .500 1.000
1992 6 13 13 0 2 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 1 .154 .154 .154 .308
1993 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- ---- ---- ----
1994 7 8 8 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 0 .000 .000 .000 .000
通算:9年 89 100 95 8 16 2 0 0 18 5 0 0 1 1 2 0 1 13 5 .168 .192 .189 .381

年度別守備成績

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1986 18 13 12 1 .077
1987 16 3 1 2 .667
1988 17 7 6 1 .143
1989 6 5 1 4 .800
1990 4 3 2 1 .333
1991 11 1 1 0 .000
1992 5 4 2 2 .500
1993 2 0 0 0 -
1994 7 0 0 0 -
通算 86 36 25 11 .306

記録

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背番号

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  • 39 (1986年 - 1990年途中)
  • 28 (1990年途中 - 1996年)
  • 80 (1997年 - 2006年、2013年)
  • 82 (2009年、2011年、2021年 - )
  • 77 (2014年 - 2015年)

脚注

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  1. ^ 「選抜高等学校野球大会60年史」毎日新聞社編 1989年
  2. ^ 「都市対抗野球大会60年史」日本野球連盟 毎日新聞社 1990年
  3. ^ a b c 岡本哲司氏が高校野球監督に転身 プロ監督経験者では異例スポニチアネックス2016年4月19日配信
  4. ^ a b 和歌山南陵高校野球部が始動日高新報2016年4月19日配信
  5. ^ 週刊ベースボール 2024年 04/22号、証言インタビュー、私が見たレジェンドたち、佐藤義則(元阪急)、35頁
  6. ^ 岡本氏を1軍コーチに=プロ野球・横浜”. 時事通信. 2009年6月8日閲覧。
  7. ^ 横浜:尾花監督2年目で解任、「来季も戦いたかった」”. カナロコ (2011年11月22日). 2011年11月22日閲覧。
  8. ^ 岡本哲司新監督の就任のおしらせ - 2012年11月29日
  9. ^ 岡本哲司2軍監督就任の件”. オリックス・バファローズ・公式サイト. 2013年11月18日閲覧。
  10. ^ 岡本哲司二軍監督 退団のお知らせ”. オリックス・バファローズ・公式サイト. 2015年9月30日閲覧。
  11. ^ 学生野球資格回復に関する規則第4条による適性認定者 - 日本学生野球協会
  12. ^ a b 和歌山)夏の高校野球 7月13日開幕 和歌山大会朝日新聞2016年4月19日配信
  13. ^ 16年ぶり復帰の名物監督8強で終戦
  14. ^ a b 徳島IS 球団戦略アドバイザー兼コーチ就任のお知らせ - 四国アイランドリーグplusニュースリリース(2021年1月25日)
  15. ^ 徳島IS 岡本哲司監督決定のお知らせ - 四国アイランドリグplusニュースリリース(2022年1月20日)2022年1月20日閲覧。
  16. ^ 後期優勝決定および4球団監督のコメント - 四国アイランドリグplusニュースリリース(2022年9月17日)2022年9月25日閲覧。
  17. ^ 高知ファイティングドッグス 13年ぶり3度目の総合優勝! - 四国アイランドリグplusニュースリリース(2022年9月24日)2022年9月25日閲覧。
  18. ^ 四国アイランドリーグplus 2023シーズン前期優勝決定のお知らせ - 四国アイランドリーグplusニュースリリース(2023年6月3日)2023年10月29日閲覧。
  19. ^ 2023シーズン公式戦 後期優勝決定のお知らせ - 四国アイランドリーグplusニュースリリース(2023年9月15日)2023年10月29日閲覧。
  20. ^ 徳島IS 3年ぶり7度目の総合優勝! - 四国アイランドリーグplusニュースリリース(2023年9月22日)2023年10月29日閲覧。
  21. ^ “独立リーグGCS インディゴが9-6で富山に競り勝つ”. 徳島新聞. (2023年9月29日). https://www.topics.or.jp/articles/-/967625 2023年10月29日閲覧。 
  22. ^ “インディゴが準決勝で埼玉武蔵に惜敗、独立リーグ日本一逃す”. 徳島新聞. https://www.topics.or.jp/articles/-/968082 2023年10月29日閲覧。 
  23. ^ 2023年シーズン グランドチャンピオンシップ - 四国アイランドリーグplus
  24. ^ 2023シーズンのMVP・ベストナイン・最優秀監督・最優秀審判が決定 - 四国アイランドリーグplusニュースリリース(2023年11月2日)2023年11月3日閲覧。
  25. ^ 2024シーズン公式戦 後期優勝決定のお知らせ - 四国アイランドリーグplusニュースリリース(2024年9月4日)2024年10月19日閲覧。
  26. ^ 愛媛MP 8年ぶり3度目の総合優勝! - 四国アイランドリーグplusニュースリリース(2024年9月23日)2024年10月19日閲覧。
  27. ^ 四国アイランドリーグplus2024 年間MVPおよびベストナインならびに最優秀監督・最優秀審判決定のお知らせ - 四国アイランドリーグplusニュースリリース(2024年10月15日)2024年10月19日閲覧。
  28. ^ 信濃は8選手を指名 BCリーグドラフト会議”. 信濃毎日新聞[信毎web]. 2012年12月5日閲覧。
  29. ^ 退団選手のお知らせ”. 信濃グランセローズ・公式サイト. 2013年10月23日閲覧。
  30. ^ a b 新キャプテンのお知らせ”. 兵庫ブルーサンダーズ・公式サイト. 2016年4月19日閲覧。
  31. ^ 任意退団選手のお知らせ”. 兵庫ブルーサンダーズ・公式サイト. 2016年4月19日閲覧。
  32. ^ 2016新入団記者会見”. 富山サンダーバーズスタッフブログ. 2016年4月19日閲覧。
  33. ^ “岡本良樹(専修大)が徳島インディゴソックスに入団!専大松戸時代は原嵩、渡邉大樹とともに甲子園出場”. 高校野球ドットコム. (2020年2月29日). https://www.hb-nippon.com/news/36-hb-bsinfo/40548-bsinfo20200229003 2021年1月25日閲覧。 
  34. ^ 退団選手のお知らせ - 徳島インディゴソックス(2020年11月6日)

関連項目

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外部リンク

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