広瀬正一
ひろせ しょういち 広瀬 正一 | |
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本名 |
|
生年月日 | 1918年6月23日 |
没年月日 | 不詳年 |
出生地 | 日本 |
職業 | |
ジャンル | |
活動期間 | 1950年 - 1990年代 |
配偶者 | 無[1] |
主な作品 | |
『キングコング対ゴジラ』 |
来歴・人物
[編集]1950年(昭和25年)、東宝に入社した。ソロモン海戦の生き残りということで「ソロモン」というあだ名がつけられた[6][7][8]。クレージーキャッツ映画の常連でもある。
『キングコング対ゴジラ』(1962年)でキングコング役を演じた[9][8]。ラストシーンでキングコングとゴジラが共に海に見立てた大プールに落ちるシーンでは、落下の勢いで中島春雄がゴジラに入ったまま溺死しかけたのを、キングコングに入っていた広瀬がとっさにすくい上げて九死に一生を得た、というエピソードを持つ[要出典]。
広瀬はこの『キングコング対ゴジラ』以前から怪獣役に興味を持ち、「何かあったらやらせてくれ」と熱心に特撮班に働きかけていた[8]。中代文雄によれば、特技監督の円谷英二が「今度のコング役は誰がいいかな」と言うので、普段の立ち居振る舞いから「彼(広瀬)なんてどうですか」と答えたところ、円谷も「あれはピッタリだな」と納得したという。ところが、実際に着ぐるみを着ての演技になると、動きが猿そのものになってしまい(広瀬自身、動物園で猿の動きを研究したという)、「普段通りにやってくれ」との指示が出たという[10]。
1971年、東宝の大部屋が廃止になり、所属俳優は全てリストラされたが、広瀬は撮影所のステージマンとして残り、1990年代まで元気な姿を見せていたという[11][7][8]。
しかし、同年代半ばごろに椎間板ヘルニアを患い東京都大田区大森南の東京労災病院に入院[1]。数年後、入所先の老人ホームで死去したとされるが、詳細な没年月日については不詳である[1]。
出演作
[編集]映画
[編集]- ラッキーさん(1952年) - 映画館の客[注釈 1]
- 生きる(1952年) - やくざの子分[注釈 1]
- 太平洋の鷲(1953年) - 赤城整備員[12][注釈 1]
- 七人の侍(1954年) - 野武士
- ゴジラシリーズ
- 透明人間(1954年) - 銀座の警察官[28]
- 獣人雪男(1955年) - 捜索隊員[要出典][注釈 1]
- ならず者(1956年) - 林業の労働者
- 鬼火(1956年) - 押し売り
- 空の大怪獣 ラドン(1956年) - メガヌロン[29]、パイロット[29][30]
- 地球防衛軍(1957年) - 警視庁の刑事[31]
- 変身人間シリーズ
- 大怪獣バラン(1958年) - 漁師A[35]
- 隠し砦の三悪人(1958年) - 山名の雑兵
- サザエさんの結婚(1959年) - 撮影所の映画監督[注釈 4]
- 暗黒街の顔役(1959年) - 鳴海[注釈 4]
- 日本誕生(1959年) - 熊曾の兵[注釈 4][36]
- 孫悟空(1959年) - 土人の酋長
- ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐(1960年) - 整備兵[要出典]
- 用心棒(1961年)
- モスラ(1961年) - ダム監視員[2][3][37]
- 黒い画集 第二話 寒流(1961年) - 鍛冶久一
- 青島要塞爆撃命令(1963年) - 警備隊当直下士[12]
- クレージー作戦シリーズ
- クレージー作戦 くたばれ!無責任(1963年) - バス停のわりこみ男
- 大冒険(1965年) - ヒゲの交通警官[38]
- クレージー大作戦(1966年) - 非常警戒の警官
- クレージーだよ天下無敵(1967年)- 職人風の通勤客
- クレージー黄金作戦(1967年)- 債権者
- クレージーの怪盗ジバコ(1967年) - タクシー運転手
- 海底軍艦(1963年) - ムウ帝国人[39]
- 日本一シリーズ
- 宇宙大怪獣ドゴラ(1964年) - 火力発電所員[40]
- クレージー映画(時代劇)
- ホラ吹き太閤記(1964年) - 棟梁
- クレージーの殴り込み清水港(1970年) - 鮫造の子分
- 赤ひげ(1965年) - 地廻り
- 太平洋奇跡の作戦 キスカ(1965年) - 山下水兵長[12]
- フランケンシュタイン対地底怪獣(1965年) - トンネル工夫[12][41]
- フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ(1966年) - 山のガイド[12][42]
- キングコングの逆襲(1967年) - エクスプロアー号乗組員[43]
- 100発100中 黄金の眼(1968年) - レスラー
- ザ・タイガース 世界はボクらを待っている(1968年) - 秘密警察員B
- 激動の昭和史 軍閥(1970年)
- 白鳥の歌なんか聞えない(1972年)
- ゴキブリ刑事(1973年) - 吉田巡査
- ザ・ゴキブリ(1973年) - 警官
- 華麗なる一族(1974年)
- ルパン三世 念力珍作戦(1974年) - 美術館警備員
- 沖田総司(1974年) - 平山五郎
- 阿寒に果つ(1975年) - 看守
- ハウス(1977年) - ラーメン屋の客[44]
- 金田一耕助の冒険(1979年) - サラ金大王の配下の一人
- ねらわれた学園(1981年) - 関酒店の隣の老人
- 連合艦隊(1981年) - 整備兵[要出典][注釈 5]
- 日本殉情伝 おかしなふたり ものくるほしきひとびとの群(1988年) - 浜の勝造
テレビ
[編集]- 顔(1959年)
- 青春とはなんだ(1965年 - 1966年) - 用務員
- 快獣ブースカ(1967年)
- 第29話「地底戦車で探検」 - 地底軍大将
- 第33話「不思議なドンブラ島」・第34話「ドンブラ島の化け狸」 - 狸の山賊
- 第38話「海が呼んでる」 - サメ吉
- 戦え! マイティジャック 第20話「宇宙忍者をあばき出せ」(1968年) - 警備員
- 東京バイパス指令(1968年 - 1970年)[注釈 6]
- 日本沈没(1974年)
殺陣
[編集]- 日本一の若大将(1962年)
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c 「白石雅彦「ソロモンさんの思い出」」『別冊映画秘宝 特撮秘宝』 vol.4、洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2016年、202頁。ISBN 978-4-8003-1005-7。
- ^ a b c
- 東宝特撮映画全史 1983, p. 533, 「怪獣・SF映画俳優名鑑」
- ゴジラ大百科 1993, p. 127, 構成・文 岩田雅幸「決定保存版 怪獣映画の名優名鑑」
- ^ a b
- モスラ映画大全 2011, p. 125, 「脇役俳優辞典35」
- 初代ゴジラ研究読本 2014, p. 112, 「オール初代ゴジラ俳優大図鑑」
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- 初代ゴジラ研究読本 2014, p. 112, 「オール初代ゴジラ俳優大図鑑」
- ゴジラ365日 2016, p. 166, 「6月23日」
- ^ “俺とゴジラ 第四回 ゴジラ俳優 中島春雄氏(前編)”. 東宝 (2015年8月17日). 2017年8月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年8月16日閲覧。
- ^ a b c d 初代ゴジラ研究読本 2014, p. 112, 「オール初代ゴジラ俳優大図鑑」
- ^ a b c d e f g 超常識 2016, p. 140, 「Column ゴジラ映画 スーツアクター列伝」
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- ゴジラ大百科 1992, p. 138, 構成 早川優「ゴジラ映画を100倍楽しむ100のカタログ 50 ゴジラを演じた男たち」
- ゴジラ大百科 1993, p. 127, 構成・文 岩田雅幸「決定保存版 怪獣映画の名優名鑑」
- ^ 東宝特撮映画全史 1983, pp. 234–235, 「キングコング対ゴジラ」.
- ^ 中島春雄『怪獣人生 元祖ゴジラ俳優・中島春雄』洋泉社、2010年、329頁。ISBN 978-4-86248-589-2。
- ^ a b c d e f g h i j k 東宝特撮映画全史 1983, pp. 535–537, 「主要特撮作品配役リスト」
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- ^ DVDオーディオコメンタリー及び特典『ゴジラ道』での中島春雄の証言より。
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- ^ バトル・オブ・キングギドラ 2020, p. 29, 「キングギドラ スチール写真ギャラリー 1964-1972 怪獣大戦争」
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- ^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 185, 「『メカゴジラの逆襲』作品解説」
- ^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 9, 「『透明人間』作品解説」
- ^ a b “空の大怪獣ラドン”. 東宝 WEB SITE. 東宝. 2022年2月27日閲覧。
- ^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 21, 「『空の大怪獣ラドン』作品解説」
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- ^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 29, 「『美女と液体人間』作品解説」
- ^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 47, 「『電送人間』作品解説」
- ^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 51, 「『ガス人間第一号』作品解説/俳優名鑑」
- ^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 33, 「『大怪獣バラン』作品解説」
- ^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 39, 「『日本誕生』作品解説」
- ^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 55, 「『モスラ』作品解説/俳優名鑑」
- ^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 99, 「『大冒険』作品解説」
- ^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 75, 「『海底軍艦』作品解説」
- ^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 83, 「『宇宙大怪獣ドゴラ』作品解説」
- ^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 95, 「『フランケンシュタイン対地底怪獣』作品解説」
- ^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 107, 「『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』作品解説/俳優名鑑」
- ^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 115, 「『キングコングの逆襲』作品解説」
- ^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 193, 「『ハウス』作品解説/俳優名鑑」
参考文献
[編集]- 『東宝特撮映画全史』監修 田中友幸、東宝出版事業室、1983年12月10日。ISBN 4-924609-00-5。
- Gakken MOOK(Gakken)
- 『ENCYCLOPEDIA OF GODZILLA ゴジラ大百科 新モスラ編』監修 田中友幸、責任編集 川北紘一、Gakken〈Gakken MOOK〉、1992年12月10日。
- 『ENCYCLOPEDIA OF GODZILLA ゴジラ大百科 [メカゴジラ編]』監修 田中友幸、責任編集 川北紘一、Gakken〈Gakken MOOK〉、1993年12月10日。
- 洋泉社MOOK 別冊映画秘宝(洋泉社)
- 『別冊映画秘宝 モスラ映画大全』洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2011年8月11日。ISBN 978-4-86248-761-2。
- 『別冊映画秘宝 オール東宝怪獣大図鑑』洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2014年4月27日。ISBN 978-4-8003-0362-2。
- 『別冊映画秘宝 初代ゴジラ研究読本』洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2014年8月24日。ISBN 978-4-8003-0452-0。
- 『東宝特撮映画大全集』執筆:元山掌 松野本和弘 浅井和康 鈴木宣孝 加藤まさし、ヴィレッジブックス、2012年9月28日。ISBN 978-4-86491-013-2。
- 『ゴジラの超常識』[協力] 東宝、双葉社、2016年7月24日(原著2014年7月6日)。ISBN 978-4-575-31156-3。
- 野村宏平、冬門稔弐『ゴジラ365日』洋泉社〈映画秘宝COLLECTION〉、2016年11月23日。ISBN 978-4-8003-1074-3。
- 『バトル・オブ・キングギドラ』双葉社〈双葉社スーパームック〉、2020年6月4日。ISBN 978-4-575-45842-8。
外部リンク
[編集]- 広瀬正一 - 日本映画データベース
- 広瀬正一 - allcinema
- 広瀬正一 - KINENOTE
- Shôichi Hirose - IMDb