急成長階層
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急成長階層(きゅうせいちょうかいそう、英: fast-growing hierarchy)および拡張グジェゴルチク階層(かくちょうグジェゴルチクかいそう、英: extended Grzegorczyk hierarchy)とは、1970年にマーティン・レーペ(Martin Löb)とスタンリー・S・ウェイナーによって定義された[1]、最大 層からなる計算可能関数の階層である。急成長階層の定義にはいくつかのバージョンがあるが、特にウェイナーが α ≦ ε0 の範囲について1972年の論文[2]で定義し、ケトネンとソロヴェイが簡略化した[3]バージョンをウェイナー階層(英: Wainer hierarchy)と呼ぶ[4]。
急成長階層の定義に登場する、可算な順序数で添字づけられた計算可能関数の族 (τ は適当な極限順序数)を急増加関数と呼ぶ。
定義
[編集]以下の関数 fα の定義はケトネンとソロヴェイの論文[3]による。極限順序数 α の基本列とは、自然数で添え字づけられた順序数の単調増加列 {αn}n < ω であって α に収束するものである。
極限順序数 α (≦ ε0) と自然数 n に対して α[n] を以下で定義する:
- α が と書ける場合、。
- α が (β は極限順序数)と書ける場合、。
- α = ε0 の場合、。
順序数 α (≦ ε0) に対して、自然数上の関数 を次のように定義する:
- (α が極限順序数の場合)
ただし n > 0 に対してとする。
計算可能関数の集合 は、fα を含み、ゼロ関数・後者関数・射影関数・関数の合成・限定再帰で閉じた最小の集合として定義される(グジェゴルチク階層も参照)。
他の巨大数の表記法との比較
[編集]- f0(n)=n+1
- f1(n)=f0n(n)=n+(1·n)=2n
- f2(n)=f1n(n)=2(2(...2(n)...))=2nn>2↑n (クヌースの矢印表記 を参照)
- f3(n)=f2n(n)>2↑↑n
- fω(n)=fn-1n(n)>2 ↑n-1 n ≒ {n,n,n-1} (配列表記・BEAF を参照)
関連項目
[編集]参考文献
[編集]- ^ Löb, M. H.; Wainer, S. S. (1970-03-01). “Hierarchies of number-theoretic functions. I” (英語). Archiv für mathematische Logik und Grundlagenforschung 13 (1): 39–51. doi:10.1007/BF01967649. ISSN 1432-0665 .
- ^ Wainer, S. S. (1972). “Ordinal Recursion, and a Refinement of the Extended Grzegorczyk Hierarchy”. The Journal of Symbolic Logic 37 (2): 281–292. doi:10.2307/2272973. ISSN 0022-4812 .
- ^ a b Ketonen, Jussi; Solovay, Robert (1981). “Rapidly Growing Ramsey Functions”. Annals of Mathematics 113 (2): 267–314. doi:10.2307/2006985. ISSN 0003-486X .
- ^ “Fast growing functions based on Ramsey theorems” (英語). Discrete Mathematics 95 (1-3): 341–358. (1991-12-03). doi:10.1016/0012-365X(91)90346-4. ISSN 0012-365X .