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急成長階層

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
急増加関数から転送)

急成長階層(きゅうせいちょうかいそう、: fast-growing hierarchy)および拡張グジェゴルチク階層(かくちょうグジェゴルチクかいそう、: extended Grzegorczyk hierarchy)とは、1970年にマーティン・レーペ(Martin Löb)とスタンリー・S・ウェイナーによって定義された[1]、最大 層からなる計算可能関数の階層である。急成長階層の定義にはいくつかのバージョンがあるが、特にウェイナーが αε0 の範囲について1972年の論文[2]で定義し、ケトネンとソロヴェイが簡略化した[3]バージョンをウェイナー階層: Wainer hierarchy)と呼ぶ[4]

急成長階層の定義に登場する、可算な順序数で添字づけられた計算可能関数の族 τ は適当な極限順序数)を急増加関数と呼ぶ。

定義

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以下の関数 fα の定義はケトネンとソロヴェイの論文[3]による。極限順序数 α の基本列とは、自然数で添え字づけられた順序数の単調増加列 {αn}n < ω であって α に収束するものである。

極限順序数 α (≦ ε0) と自然数 n に対して α[n] を以下で定義する:

  • α と書ける場合、
  • αβ は極限順序数)と書ける場合、
  • α = ε0 の場合、

順序数 α (≦ ε0) に対して、自然数上の関数 を次のように定義する:

  •  (α が極限順序数の場合)

ただし n > 0 に対してとする。

計算可能関数の集合 は、fα を含み、ゼロ関数・後者関数・射影関数・関数の合成・限定再帰で閉じた最小の集合として定義される(グジェゴルチク階層も参照)。

他の巨大数の表記法との比較

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関連項目

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参考文献

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  1. ^ Löb, M. H.; Wainer, S. S. (1970-03-01). “Hierarchies of number-theoretic functions. I” (英語). Archiv für mathematische Logik und Grundlagenforschung 13 (1): 39–51. doi:10.1007/BF01967649. ISSN 1432-0665. https://doi.org/10.1007/BF01967649. 
  2. ^ Wainer, S. S. (1972). “Ordinal Recursion, and a Refinement of the Extended Grzegorczyk Hierarchy”. The Journal of Symbolic Logic 37 (2): 281–292. doi:10.2307/2272973. ISSN 0022-4812. https://www.jstor.org/stable/2272973. 
  3. ^ a b Ketonen, Jussi; Solovay, Robert (1981). “Rapidly Growing Ramsey Functions”. Annals of Mathematics 113 (2): 267–314. doi:10.2307/2006985. ISSN 0003-486X. https://www.jstor.org/stable/2006985. 
  4. ^ “Fast growing functions based on Ramsey theorems” (英語). Discrete Mathematics 95 (1-3): 341–358. (1991-12-03). doi:10.1016/0012-365X(91)90346-4. ISSN 0012-365X. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0012365X91903464.