怪物はささやく
怪物はささやく | |
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A Monster Calls | |
監督 | フアン・アントニオ・バヨナ |
原作 | 『怪物はささやく』(パトリック・ネス) |
出演者 | |
音楽 | フェルナンド・ベラスケス |
撮影 | オスカル・ファウラ |
編集 |
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製作会社 |
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配給 |
フォーカス・フィーチャーズ ユニバーサル・スタジオ サミット・エンターテインメント ギャガ |
公開 |
2016年9月10日(TIFF) 2016年10月7日 2016年12月23日 2017年1月1日 2017年6月9日 |
上映時間 | 108分[1] |
製作国 | |
言語 | 英語 |
製作費 | $43,000,000[3] |
興行収入 | $47,200,000[4] |
『怪物はささやく』(かいぶつはささやく、A Monster Calls)は、2016年のスペイン・アメリカ合衆国のダーク・ファンタジー・ドラマ映画。監督はフアン・アントニオ・バヨナ。原作は英国史上初のカーネギー賞とケイト・グリーナウェイ賞のW受賞を果たしたパトリック・ネスの『怪物はささやく』であり、映画の脚本もネスが担当した。母親とふたりで暮らしている12歳の少年コナーのもとに怪物が現れ、隠している“真実”を語れと迫る模様を描く。出演はシガニー・ウィーバー、フェリシティ・ジョーンズ、トビー・ケベル、ルイス・マクドゥーガル、リーアム・ニーソン。
2016年9月10日にトロント国際映画祭でプレミア上映された。2016年10月7日にスペインで、2017年1月1日にイギリスで一般劇場公開された。アメリカ合衆国では2016年12月23日に先行上映が開始され、2017年1月6日に拡大公開された。主題、演出、演技、視覚効果などで称賛され、好意的な批評を受けている。製作費は4300万ドルであり、全世界の興行収入は4720万ドルだった[4]。
キャスト
[編集]怪物役のリーアム・ニーソンは声とモーションピクチャーのみの出演である[5]。
※括弧内は日本語吹替
- コナー・オマリー - ルイス・マクドゥーガル(田村睦心)
- 孤独な少年[6]。
- クレイトン婦人 - シガニー・ウィーバー(塩田朋子): コナーの祖母
- エリザベス・クレイトン - フェリシティ・ジョーンズ(実川貴美子): コナーの母
- リアム・オマリー - トビー・ケベル(森宮隆): コナーの父
- 怪物 - リーアム・ニーソン(石塚運昇)
- 木の怪物。
- 5歳のコナー - マックス・ゴールズ
- ハリー - ジェイムズ・メルヴィル: いじめっ子
- 校長 - ジェラルディン・チャップリン
製作
[編集]撮影前
[編集]フォーカス・フィーチャーズは2014年3月に『怪物はささやく』の映画化権を取得した[7]。小説の原作者であるパトリック・ネスが映画の脚本を執筆、フアン・アントニオ・バヨナが監督に登用された[8]。
2014年4月23日にはフェリシティ・ジョーンズが母親役でキャストに加わった[9]。5月8日にはリーアム・ニーソンが怪物の声役でキャストに加わった[10]。8月18日にはシガニー・ウィーバーが祖母役でキャストに加わり[11]、8月19日にはトビー・ケベルが父親役でキャストに加わった[12]。9月3日、脚本家のネスは主役がルイス・マクドゥーガルになるとツイートした[13]。9月30日にはジェラルディン・チャップリンもキャストに加わった[14]。
撮影
[編集]2014年9月30日に[15]スペインとイギリスで[14][16]主要撮影が開始された。10月9日にはランカシャー州プレストンなどでの撮影が開始された[17]。怪物の声を担当したニーソンは、主要撮影の過程には加わらず、マクドゥーガルと一緒に室内でモーションキャプチャーの演技を行った[18]。
公開
[編集]アメリカ合衆国ではもともと2016年10月に公開される予定だったが[19][20]、『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』(トム・クルーズ主演)、『タイラー・ペリーの出たぞ〜! マデアのハロウィン』(コメディホラー映画)、『ウィジャ ビギニング 〜呪い襲い殺す〜』(ホラー映画)、『Mr.&Mrs. スパイ』との競合を避けるために公開が遅らせられた。2016年12月23日にアメリカ合衆国で限定公開が開始され、2017年1月6日に拡大公開された[21]。2017年1月1日にはイギリスで、[22]、1月6日にはインドで公開された[23]。
評価
[編集]興行収入
[編集]本作品の製作費は4300万ドルである[4]。アメリカ合衆国とカナダでは計370万ドル、その他の地域では計4350万ドル、あわせて4720万ドルの興行収入を得た[4]。
北アメリカでは『アンダーワールド ブラッド・ウォーズ』と同時に、また『ドリーム』と『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』の公開拡大と同時に公開された。当初、公開週末には1523館で1000万ドル以上を稼ぐと予測されていた[24]。しかし公開初日には659,000ドルしか稼げず、公開週末の興行収入予測は200万ドルに引き下げられた。結局、公開週末の興行収入は13位に終わった[25]。拡大公開された第2週末には537,262ドル(74.2%減)となり、公開劇場が42館にまで減ってしまった第3週には19,080ドル(96.4%減)となった[26][27]。
批評
[編集]Rotten Tomatoesは232件のレビューにもとづいて、支持率を88%と、平均得点を7.6/10点としている[28]。Metacriticは40件のレビューにもとづいて100点中76点とし、「概して好意的」としている[29]。
受賞とノミネート
[編集]映画祭/映画賞 | 日付 | 部門 | 対象者 | 結果 | 出典 |
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AARP映画賞 | 2017年2月6日 | 助演女優賞 | シガニー・ウィーバー | ノミネート | [30] |
世代間映画賞 | ノミネート | ||||
Camerimage | 2016年11月19日 | 撮影賞 | オスカル・ファウラ | ノミネート | [31] |
放送映画批評家協会賞 | 2016年12月11日 | 新人男優賞 | ルイス・マクドゥーガル | ノミネート | [32] |
特殊効果賞 | ノミネート | ||||
デトロイト映画批評家協会賞 | 2016年12月19日 | 助演女優賞 | フェリシティ・ジョーンズ | ノミネート | [33] |
エンパイア賞 | 2017年3月19日 | SF/ファンタジー作品賞 | 受賞 | [34] | |
新人男優賞 | ルイス・マクドゥーガル | ノミネート | |||
イブニング・スタンダードイギリス映画賞 | 2016年12月8日 | ブレイクスルー賞 | ルイス・マクドゥーガル | ノミネート | [35] |
ガウディ賞 | 2017年1月29日 | 作品賞 | 受賞 | [36] | |
非カタルーニャ語映画賞 | 受賞 | ||||
監督賞 | フアン・アントニオ・バヨナ | 受賞 | |||
プロダクション賞 | サンドラ・エルミダ | 受賞 | |||
美術賞 | エウヘニオ・カバジェロ | 受賞 | |||
編集賞 | ジャウマ・マルティ ベルナト・ビラプラーナ |
受賞 | |||
撮影賞 | オスカル・ファウラ | 受賞 | |||
音響賞 | ピーター・グロソップ マルク・オルツ ウリオル・タラゴー |
受賞 | |||
特殊効果賞 | フェリックス・ベルヘス パウ・コスタ |
受賞 | |||
黄金トマト賞 | 2017年1月12日 | イギリス映画賞 | 次点 | [37] | |
キッズ/ファミリー映画賞 | 次次点 | ||||
ゴヤ賞 | 2017年2月4日 | 作品賞 | ノミネート | [38] | |
監督賞 | フアン・アントニオ・バヨナ | 受賞 | |||
助演女優賞 | シガニー・ウィーバー | ノミネート | |||
脚色賞 | パトリック・ネス | ノミネート | |||
作曲賞 | フェルナンド・ベラスケス | 受賞 | |||
撮影賞 | オスカル・ファウラ | 受賞 | |||
編集賞 | ジャウマ・マルティ ベルナト・ビラプラーナ |
受賞 | |||
プロダクション賞 | サンドラ・エルミダ | 受賞 | |||
美術賞 | エウヘニオ・カバジェロ | 受賞 | |||
メイキャップ&ヘアスタイル賞 | マレセ・ランガン ダビド・マルティ |
受賞 | |||
音響賞 | ピーター・グロソップ マルク・オルツ ウリオル・タラゴー |
受賞 | |||
特殊効果賞 | フェリックス・ベルヘス パウ・コスタ |
受賞 | |||
ロンドン映画批評家協会賞 | 2017年1月22日 | 新人男優賞 | ルイス・マクドゥーガル | 受賞 | [39] |
フェロス賞 | 2017年1月23日 | ドラマ作品賞 | ノミネート | [40] | |
監督賞 | フアン・アントニオ・バヨナ | ノミネート | |||
脚本賞 | パトリック・ネス | ノミネート | |||
主演男優賞 | ルイス・マクドゥーガル | ノミネート | |||
作曲賞 | フェルナンド・ベラスケス | 受賞 | |||
予告編賞 | ノミネート | ||||
ポスター賞 | ノミネート | ||||
サンディエゴ映画批評家協会 | 2016年12月12日 | 特殊効果賞 | ノミネート | [41][42] | |
サターン賞 | 2017年1月28日 | ファンタジー作品賞 | ノミネート | [43] | |
新人賞 | ルイス・マクドゥーガル | ノミネート | |||
セントルイス映画批評家協会賞 | 2016年12月18日 | 特殊効果賞 | ノミネート | [44] | |
ワシントンD.C.映画批評家協会賞 | 2016年12月5日 | 新人賞 | ルイス・マクドゥーガル | ノミネート | [45] |
脚色賞 | パトリック・ネス | ノミネート | |||
声優賞 | リーアム・ニーソン | 受賞 | |||
モーションキャプチャー賞 | ノミネート |
脚注
[編集]- ^ “A Monster Calls (12A)”. 全英映像等級審査機構 (September 23, 2016). September 23, 2016閲覧。
- ^ a b “A Monster Calls”. トロント国際映画祭. February 19, 2017閲覧。
- ^ Browne, Kit Simpson (September 15, 2016). “Patrick Ness Explains Why 'A Monster Calls' Is Going To Make You Cry” October 13, 2016閲覧。
- ^ a b c d “A Monster Calls (2016)”. Box Office Mojo. April 5, 2017閲覧。
- ^ Schwerdtfeger, Conner (September 24, 2016). “The Strange Role Spider-Man Star Tom Holland Plays in 'A Monster Calls'”. Cinemablend. September 24, 2016閲覧。
- ^ 新スパイダーマン俳優が怪物の代役に?『怪物はささやく』主演子役が明かす - ライブドアニュース
- ^ Fleming, Mike. “Focus Features Makes $20 Million Deal For 'A Monster Calls' Movie”. Deadline.com. 2014年4月9日閲覧。
- ^ “Focus Dates 'A Monster Calls' For October 2016”. Deadline.com (1970年1月1日). 2014年4月9日閲覧。
- ^ “Felicity Jones To Star In Juan Antonio Bayona’s ‘A Monster Calls’”. deadline.com. (23 April 2014) 24 April 2014閲覧。
- ^ McClintock, Pamela (8 May 2014). “Cannes: Liam Neeson Joins 'A Monster Calls'”. hollywoodreporter.com 10 May 2014閲覧。
- ^ “Sigourney Weaver Joins High-Profile 'A Monster Calls'”. hollywoodreporter.com
- ^ “‘Fantastic Four’ Actor Toby Kebbell in Talks to Join ‘A Monster Calls’”. variety.com
- ^ Espina, Alfonso (September 4, 2014). “Lewis MacDougall to Lead Adaptation of Patrick Ness’ ‘A Monster Calls’”. upandcomers.net October 1, 2014閲覧。
- ^ a b “Three Join ‘A Monster Calls’”. deadline.com. (September 30, 2014) October 1, 2014閲覧。
- ^ “'A Monster Calls' Begins Production”. participantmedia.com. (September 30, 2014). オリジナルのOctober 3, 2014時点におけるアーカイブ。 October 1, 2014閲覧。
- ^ “Production Begins on A Monster Calls, Starring Liam Neeson”. comingsoon.net. (September 30, 2014) October 1, 2014閲覧。
- ^ “Hollywood film begins filming in Preston”. lep.co.uk. (October 9, 2014). オリジナルのOctober 11, 2014時点におけるアーカイブ。 October 10, 2014閲覧。
- ^ Ashley Lee (December 8, 2016). “'A Monster Calls' Speaks to Both Kids and Adults, Says Sigourney Weaver”. The Hollywood Reporter. December 27, 2016閲覧。
- ^ “Focus Features Sets A Monster Calls for October 14, 2016”. Coming Soon. 2014年4月9日閲覧。
- ^ Anthony D'Alessandro (June 1, 2016). “‘A Monster Calls’ A Week Later In October”. Deadline. June 2, 2016閲覧。
- ^ D'Alessandro, Anthony (August 29, 2016). “Focus Features’ ‘A Monster Calls’ Dials Up Christmas Weekend Release”. Deadline. August 30, 2016閲覧。
- ^ Lloyd, Kenji (June 19, 2016). “A Monster Calls UK Release Date Set for January, The Tree Awakens on First Poster”. Final Reel. August 30, 2016閲覧。
- ^ “A Monster Calls India Trailer”. YouTube. 2017年11月9日閲覧。
- ^ “'Hidden Figures' is likely to draw crowds as 'Rogue One' stays on top of the box office”. ロサンゼルス・タイムズ. 2017年11月9日閲覧。
- ^ “‘Rogue One’ Doesn’t Want To Fall To ‘Hidden Figures’ As Winter Storm Helena Closes Theaters”. Deadline.com. 2017年11月9日閲覧。
- ^ “Uni/Blumhouse’s ‘Split’ Is A Hit With High $39M To $40M+; ‘Xander Cage’ Falls Down”. 2017年11月9日閲覧。
- ^ “Biggest Theater Drops”. Box Office Mojo. 2017年11月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年11月9日閲覧。
- ^ “A Monster Calls (2016)”. Rotten Tomatoes. Fandango. January 23, 2017閲覧。
- ^ “A Monster Calls Reviews”. Metacritic. CBS Interactive. January 23, 2017閲覧。
- ^ Rahman, Abid (December 15, 2016). “Denzel Washington's 'Fences' Leads Nominations for AARP's Movies for Grownups Awards”. ハリウッド・リポーター. December 26, 2016閲覧。
- ^ “Camerimage 2016 Main Competition Line-up!”. Camerimage (October 24, 2016). November 11, 2016閲覧。
- ^ “La La Land Leads with 12 Nominations for the 22nd Annual Critics' Choice Awards”. Critics' Choice (December 1, 2016). December 1, 2016閲覧。
- ^ Graham, Adam (December 14, 2016). “Local critics: 'Moonlight', 'Manchester' best of 2016”. The Detroit News. December 15, 2016閲覧。
- ^ Nugent, John (19 March 2017). “Three Empire Awards 2017: Rogue One, Tom Hiddleston And Patrick Stewart Win Big” (英語). エンパイア. 19 March 2017閲覧。
- ^ Moore, William (November 17, 2016). “Evening Standard British Film Awards - The Longlist”. ロンドン・イブニング・スタンダード. November 29, 2016閲覧。
- ^ “Guardonades - IX Premis Gaudí”. Academia del Cinema (January 29, 2017). March 3, 2017閲覧。
- ^ “Golden Tomato Awards - Best of 2016”. Rotten Tomatoes (12 January 2017). 2017年11月9日閲覧。
- ^ Rolfe, Pamela (December 14, 2016). “Juan Antonio Bayona's 'A Monster Calls' Leads Goya Award Nominations”. The Hollywood Reporter. December 16, 2016閲覧。
- ^ “‘Moonlight’ and ‘Love and Friendship’ Lead London Film Critics’ Circle Nominations”. バラエティ (December 20, 2016). December 20, 2016閲覧。
- ^ “La lista completa de ganadores de los premios Feroz 2017” (Spanish). ハフィントン・ポスト (January 23, 2017). January 25, 2017閲覧。
- ^ “2016 San Diego Film Critics Society’s Award Nominations” (December 9, 2016). December 9, 2016閲覧。
- ^ “San Diego Film Critics Society’s 2016 Award Winners” (December 12, 2016). December 12, 2016閲覧。
- ^ McNary, Dave (March 2, 2017). “Saturn Awards Nominations 2017: 'Rogue One,' 'Walking Dead' Lead”. バラエティ. March 3, 2017閲覧。
- ^ “2016 StLFCA Annual Award Nominations”. St. Louis Gateway Film Critics Association (December 12, 2016). December 12, 2016閲覧。
- ^ “The 2016 WAFCA Awards Nominations” (December 3, 2016). December 4, 2016閲覧。