斉と公平太
斉と 公平太 | |
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生誕 |
齋藤公平 1972年12月??日 愛知県日進市 |
国籍 | 日本 |
出身校 | 名古屋造形芸術大学(現・名古屋造形大学) |
著名な実績 | 現代美術 |
代表作 | オカザえもん |
斉と 公平太(さいと こうへいた、1972年12月[1] - )は、日本の現代美術家。「オカザえもん」の作者として知られる。
来歴
[編集]中学3年生の頃にテレビで見たフランス出身の美術家マルセル・デュシャンの『泉』が創作の原点だという[3]。高校時代、建設中の高速道路の高架橋に感動。次第に美術の世界に魅了されていく[4]。
1991年、名古屋造形芸術大学(現・名古屋造形大学)に入学。仲間から刺激を受け、卒業後は現代美術作家になることを決意。1995年3月に同大学を卒業し[2]、警備員などのアルバイトをしながら制作を続けた[4]。2005年2月、第8回岡本太郎記念現代芸術大賞展にて特別賞を受賞[5]。
2009年、日本のご当地キャラクター現象に着目し[6]、「長者町くん」、「LOVEちくん」、「ARTくん」など一連の作品を発表[7][8]。LOVEちくんは着ぐるみが存在する。長者町くんは着ぐるみのほかに漫画もあり、Facebookで不定期連載されている。並行して「世紀マ3」というバンドで音楽活動も行う[9]。2012年7月、「長者町くん漫画」第1巻を出版。
オカザえもん誕生
[編集]2012年、現代美術展「岡崎アート&ジャズ2012」(11月1日~12月2日)のための出品の依頼を受ける。そこで制作したのがオカザえもんだった[9]。考案から完成するまでに約8ヶ月かかったという[4]。もともとはイラストだったが、同美術展では着ぐるみも出品した。会期中の11月17日、アートイベント「オカザえもん in 二七市(ふないち)」を開く[10]。
その後オカザえもんは徐々に人気を集め、2013年4月1日、岡崎市から「岡崎アート広報大臣」に委嘱された[11]頃から、市民に広く知れ渡るようになった。同年に開かれた「ご当地キャラ総選挙2013」と「ゆるキャラグランプリ2013」では、オカザえもんはそれぞれ全国2位と全国22位に選出された。
オカザえもんの関連商品は全国規模で販売されているが、斉とは岡崎市内の業者に限って「著作権料はいらない」と申し出ている[12]。
2013年11月、中京テレビの情報バラエティ番組『前略、大徳さん』のキャラクター、「大徳さん」を制作した[13]。
2014年3月、愛知県警岡崎署特別警戒隊のTシャツ(絵柄はオカザえもん)をデザインした[14]。
同年7月1日、「岡崎市制施行98周年記念式」において、産業功績者の表彰を受ける[15]。
同年7月26日、岡崎市のイベント・サミット「おかざきコウエンナーレ2014」が開幕。そのオープニング・セレモニーに登場した「ワルザえもん」をデザインした。目は血走り、体は包帯で覆われ、ロボットのようなカギ爪を持ち、胸部には「悪」の文字が吊されたワルザえもんはセレモニー後も岡崎公園内を闊歩し、「怖すぎるゆるキャラ」として話題をさらった[16][17]。
同年9月21日、高さ約8メートル「オカザえもんロボット」が岡崎公園に登場。23日には映像公開撮影も行われた。斉とは長久手市のアートユニット「ミラクルファクトリー」と共に、ロボットの各パーツの製作を手がけた[18]。
現在
[編集]2015年3月9日、平成26年度の愛知県芸術文化選奨文化新人賞を受賞した[19][20]。
同年4月6日、岡崎市から「あいちトリエンナーレ2016」のPR活動への協力を要請される。斉とは「新しいキャラクターも考えている」と記者の前で述べた。
展覧会など
[編集]- 1994年 - 勉強時代展 (於・ギャラリーP-house)
- 1997年 - 個展 (於・水戸芸術館現代美術センター)
- 1998年 - VOCA展98 (於・上野の森美術館)
- 1999年 - 個展 (於・ギャラリーCANOLFAN)
- 2000年 - 空き地 (於・豊田市美術館)
- 2005年 - 第8回岡本太郎記念現代芸術大賞展 (於・川崎市岡本太郎美術館)
- 2008年 - 新進アーティスト発見インあいち (於・愛知芸術文化センター)
- 2009年
- 2010年 - あいちトリエンナーレ2010 (於・名古屋市内)
- 2012年 - 岡崎アート&ジャズ2012 (於・岡崎市内)
- 2013年
- 7月 - ワークショップ「斉と公平太さんと商店街のキャラクターをつくってみよう!」 (於・みやざきアートセンター)
- 10月 - あいちトリエンナーレ2013 「オカザえもん展」 (於・名古屋三越栄店)[21]
- 11月 - 「がまごおり物語」展 (於・蒲郡市立図書館)[22]
- 12月 - 「オカザえもんの軌跡」展 (於・Masayoshi Suzuki Gallery)[23]
- 2014年
- 2017年
- 6月 - 中日新聞プラスにてコラム「芸術は漠然だ!~斉と公平太のムダに考えすぎ~」連載開始[26]
脚注
[編集]- ^ a b “芸術文化選奨 斉と公平太” (PDF). 愛知県庁. 2019年9月24日閲覧。
- ^ a b 文化新人賞 斉と公平太 | 愛知県芸術文化選奨の受賞者紹介(平成25年度~平成26年度)
- ^ 日本経済新聞 2013年8月24日、夕刊、中部3版、9面 「ちゅうぶ人 駆ける」
- ^ a b c “市政だより おかざき No.1247” (PDF). 岡崎市役所. p. 10 (2014年9月1日). 2021年3月3日閲覧。
- ^ 斉と公平太 Kouheita Saito - あいちトリエンナーレ2010あいちトリエンナーレ2013公式サイト
- ^ 東海愛知新聞 2012年10月25日、1面 「アートとジャズ街を巡る②」
- ^ アーティスト・斉と公平太 2009年12月15日Artholic Interview
- ^ アーティスト - 長者町くんあいちトリエンナーレ2013公式サイト
- ^ a b 現代美術作家が生み出した、白と黒のパブリック・アート!?「オカザえもん」とは何なのか?Special Interview : 斉と公平太WEBマガジン「LIVERARY」
- ^ 2012年11月の記事岡崎アート&ジャズ2012
- ^ “若い女性に人気!オカザえもん 岡崎市 アート広報大臣に委嘱”. 東海愛知新聞. (2013年4月2日) 2013年11月29日閲覧。
- ^ “キモかわいくて欲しくなる 愛知の「オカザえもん」商品”. 朝日新聞. (2013年6月22日) 2013年11月29日閲覧。
- ^ 「大徳さん」はオカザえもんの飲み仲間という設定。オカザえもんと同じく、黒と白のみで描かれている。番組名が『前略、大とくさん』に変更された際に、名前も「大とくさん」に変更。2024年9月に番組は終了したが、同年10月に開始した後継番組『ぐ〜たくさん』では、大とくさんをマイナーチェンジした「だいとくさん」が引き続き登場している。
- ^ “Tシャツにオカザえもん採用 岡崎署特別警戒隊”. 中日新聞. (2014年3月30日) 2014年4月2日閲覧。
- ^ 市政だより「おかざき」平成26年7月1日号、6-7頁
- ^ “「おかざきコウエンナーレ」100日間始まる-ワルザえもんも登場”. 岡崎経済新聞. (2014年7月29日) 2014年8月6日閲覧。
- ^ “おかざきコウエンナーレ2014、ワルザえもん初登場”. 内田康宏のブログ (2014年7月29日). 2017年11月11日閲覧。
- ^ “岡崎公園に「オカザえもんロボ」-高さ8メートル、足踏み歩行披露も”. 岡崎経済新聞. (2014年9月23日) 2014年10月3日閲覧。
- ^ “「志多ら」へ文化賞 奥三河を発信、振興に大きく貢献 県芸術文化選奨”. 東愛知新聞. (2015年3月10日) 2015年8月15日閲覧。
- ^ 【文化賞・文化新人賞】愛知県芸術文化選奨の受賞者紹介(平成25年度~平成26年度) | 愛知県
- ^ “総選挙2位「オカザえもん」 名古屋でグッズ公開イベント”. スポーツニッポン. (2013年10月8日) 2013年12月9日閲覧。
- ^ 斉と公平太「がまごおり物語」展蒲郡市立図書館
- ^ “岡崎のギャラリーで「オカザえもんの軌跡」展-直筆巨大ドローイングも”. 岡崎経済新聞. (2013年12月8日) 2013年12月13日閲覧。
- ^ みやざきアートセンター 2014年 9/13(土)~28(日)開催! オオウチハジメ氏を探す旅 展
- ^ オオウチハジメ氏を探す旅 展 | かごしま文化情報センター(KCIC)
- ^ 芸術は漠然だ!~斉と公平太のムダに考えすぎ~