東新潟火力発電所
東新潟火力発電所 | |
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正式名称 | 東北電力株式会社東新潟火力発電所 |
国 | 日本 |
所在地 | 新潟県北蒲原郡聖籠町東港1-1-155 |
座標 | 北緯37度59分59秒 東経139度14分28秒 / 北緯37.99972度 東経139.24111度座標: 北緯37度59分59秒 東経139度14分28秒 / 北緯37.99972度 東経139.24111度 |
現況 | 運転中 |
運転開始 |
1号機:1977年4月 2号機:1983年6月 3-1号:1984年12月 3-2号:1985年10月 4-1号:1999年7月8日 4-2号:2006年12月20日 |
運転終了 |
港1号機:2022年12月 港2号機:2022年12月 港3号系列:2015年6月21日 5号機:2019年3月15日 |
事業主体 | 東北電力 |
発電所 | |
主要動力源 | LNG |
二次動力源 |
港1、港2号機:重油 1、2号機:重油、原油 |
発電機数 | 19基 |
熱効率 |
3号系列:48.6%(LHV) 4-1号:55.6%(LHV) 4-2号:55.8%(LHV) (3、4号系列は増出力前の値) |
コンバインド サイクル発電 |
3号系列:CC方式採用 4号系列:MACC方式採用 |
発電量 | |
定格出力 |
総出力:416万kW 1号機:60万kW 2号機:60万kW 3号系列:121万kW 4号系列:175万kW |
ウェブサイト 東北電力の主な発電所 火力発電所 | |
2021年11月2日現在 |
東新潟火力発電所(ひがしにいがたかりょくはつでんしょ)は新潟県北蒲原郡聖籠町東港1-1-155にある東北電力の天然ガス・石油火力発電所。
概要
[編集]新潟県聖籠町の新潟東港工業地域に位置しており、新潟東港に隣接する。1972年11月に港1号機が運転を開始、4号系列までの合計6基(発電機数18基)が建設され、東北電力最大であり国内でも最大級の火力発電所である。なお、当時は東北電力と日本軽金属が出資した、新潟共同火力発電が港1号機および港2号機の運営を行っていた。
かつては沖合に位置していた阿賀沖油ガス田よりパイプラインで天然ガスを利用していたが、1998年以降は隣接地の埠頭付近に設置したLNG基地から供給を受けている。この基地からはパイプライン(総延長251km)を介して、東北天然ガスが新潟火力発電所や新仙台火力発電所への供給を行っているほか、東北地方南部地域を中心に天然ガスを供給している。
発電設備のうち3号系列は東北電力初の排熱回収多軸型コンバインドサイクル発電方式(ガスタービン3軸と蒸気タービン1軸の合計4軸による発電を行うユニットを2組設置)を採用した[1]。
4号系列は、熱効率が50%を超える性能の排熱回収多軸型1,450℃級コンバインドサイクル発電方式を採用している。なお、当初計画では系列単体出力80.5万kW[2]としていたが、4-1号系列では2001年4月より82.6万kWに増出力を行い[3]、4-2号系列ではガスタービン静翼環の改善や低圧蒸気タービン最終段翼に48インチ翼(4-1号系列では40.5インチ翼)を採用するなど最新技術を導入し、運転開始時より84.0万kWであった(ただし系列合計出力は161万kWであった)。また今後、設備の有効利用を計るため、廃止された5号機および秋田火力発電所5号機のガスタービンを4-1号系列のタービンに転用することが計画され[4]、2020年11月19日に転用工事を完了[5]。4-1号系列の出力は82.6万kwから87.79万kwに増強され、4号機系列合計出力も175万kwとなった。
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震および津波により東北電力の太平洋側にある発電所が甚大な被害を受けたことに伴い、3号系列が109万kWから121万kWへ、4号系列が161万kWから170万kWへそれぞれ増出力運用を同年3月17日に開始し[6]、長期計画停止中だった港1号機が同年5月31日に運転再開した[7]。
2022年(令和4年)10月20日、東北電力は東新潟火力発電所の港1、2号機を同年11月で廃止すると発表した[8]。
発電設備
[編集]- 2号機
- 発電方式:汽力発電方式
- 定格出力:60万kW
- 使用燃料:重油、原油、天然ガス、LNG
- 営業運転開始:1983年6月
- 3号系列
- 発電方式:多軸型1,100℃級コンバインドサイクル発電方式(Combined Cycle)方式
- 定格出力:121万kW*
- 3-1号:61.4万kW
- ガスタービン:13.7万kW × 3軸[10]
- 蒸気タービン:20.3万kW × 1軸
- 3-2号:61.4万kW
- ガスタービン:13.7万kW × 3軸[10]
- 蒸気タービン:20.3万kW × 1軸
- 使用燃料:LNG
- 熱効率:48.6%(低位発熱量基準)(増出力前の値)
- 営業運転開始
- 3-1号:1984年12月
- 3-2号:1985年10月
- *全軸を合計して最大121万kWとなるよう運転される。(増出力前は最大109万kW)
- 4号系列
- 発電方式:多軸型1,450℃級コンバインドサイクル発電方式(More Advanced Combined Cycle)方式
- 定格出力:175万kW*
- 4-1号:87.79万kW
- ガスタービン:27.885万kW × 2軸[11]
- 蒸気タービン:28.03万kW × 1軸
- 4-2号:88.5万kW
- ガスタービン:29.5万kW × 2軸
- 蒸気タービン:29.5万kW × 1軸
- 使用燃料:LNG
- 熱効率:
- 4-1号:55.6%(低位発熱量基準)(増出力前の値)
- 4-2号:55.8%(低位発熱量基準)(増出力前の値)
- 営業運転開始
- 4-1号:1999年7月8日[12]
- 4-2号:2006年12月20日[13]
- *全軸を合計して最大175万kWとなるよう運転される。(2011年3月17日から2020年11月18日までは最大170万kW、2011年3月16日までは最大161万kw)
廃止された発電設備
[編集]- 港2号機(旧新潟共同火力発電2号機)(廃止)
- 発電方式:汽力発電方式
- 定格出力:35万kW
- 使用燃料 重油、LNG
- 営業運転開始:1975年11月
- 廃止:2022年12月1日
緊急設置電源
[編集]2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震および津波により複数の発電施設が被災し、電力供給力が大幅に低下したため、緊急設置電源が新設された[14][15]。
電力需給が逼迫した際に稼働していたが、被災発電所の復旧等により、港3号系列は2015年3月21日に、5号機は2019年3月15日にそれぞれ廃止された。
- 港3号系列(緊急設置電源)(廃止)
- 発電方式:ガスタービン発電方式
- 定格出力:2.69万kW × 2台
- 使用燃料:軽油
- 熱効率:約33%(低位発熱量基準)
- 営業運転期間:2011年8月26日[16] - 2015年3月21日[17]
出典
[編集]- ^ 産業用大型ガスタービンの技術系統化調査 (PDF) 産業技術史資料情報センター
- ^ 最新鋭高効率コンバインドプラントの設計と試運転実績-東北電力(株)東新潟火力発電所第4-1号系列の建設- (PDF) 三菱重工 技術情報 三菱重工技報
- ^ 東新潟火力発電所4-1号系列が、年間の熱効率で初の50%以上を達成 2003年6月5日
- ^ a b “秋田火力発電所5号機、東新潟火力発電所5号機の廃止について”. www.tohoku-epco.co.jp. 2019年4月17日閲覧。
- ^ “東新潟火力発電所4-1号系列のガスタービン転用工事の竣工および出力変更(増出力)について~熱効率の向上により燃料消費量およびCO2排出量の削減を実現~| 東北電力”. www.tohoku-epco.co.jp. 2021年11月7日閲覧。
- ^ 東新潟火力港1号機の運転再開に向けた点検の開始について2011年3月22日
- ^ 東新潟火力発電所港1号機の運転再開について2011年5月31日
- ^ “東北電力、東新潟火力発電所港1、2号機を11月廃止”. 新潟日報. 2022年10月21日閲覧。
- ^ “火力発電所|東北電力”. www.tohoku-epco.co.jp. 2022年12月1日閲覧。
- ^ a b 日本卸電力取引所 発電情報公開システム 2016年8月30日 19:17更新 2016年8月31日閲覧
- ^ 日本卸電力取引所 発電情報公開システム 2020年11月18日更新 2021年5月3日閲覧
- ^ 東新潟火力発電所第4-1号系列が営業運転を開始 1999年7月8日
- ^ 東新潟火力発電所4-2号系列の営業運転開始について 2006年12月20日
- ^ 供給力確保に向けた緊急設置電源の新設について 2011年5月17日
- ^ 火力発電所の復旧状況および見通し 2011年9月30日 (PDF)
- ^ 東新潟火力発電所港3号系列の営業運転開始について 2011年8月26日
- ^ 緊急設置電源 東新潟火力発電所港3号系列および新潟火力発電所6号機の廃止について 2015年3月20日
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 主な発電所:火力発電所 - 東北電力
- 東新潟火力発電所 はまなす館