春の声
『春の声』(はるのこえ、ドイツ語: Frühlingsstimmen)作品410は、ヨハン・シュトラウス2世が1882年に作曲したウィンナ・ワルツ。アルフレート・グリュンフェルトに献呈。
概要
[編集]1882年にヨハン・シュトラウス2世は、ピアニストであり親友でもあった当時71歳のフランツ・リストと即興演奏パーティで同席した時、余興でまとめ上げたといわれる。コロラトゥーラ・ソプラノ歌手のビアンカ・ビアンキのためにオーケストラ伴奏付きの歌曲(歌詞はリヒャルト・ジュネによる)として発表された[1]。初演は同年3月1日にアン・デア・ウィーン劇場で行なわれ、大成功を収めた。当時ヨハン・シュトラウス2世も3度目の結婚で得た幸福感を味わっていたことが、曲名や曲想に反映されたという説もある[2]。
日本では毎日放送系の長寿番組「皇室アルバム」のテーマ音楽として長らく親しまれ、東陽一監督、川上麻衣子、寺田農主演の映画『うれしはずかし物語』(全編シュトラウスの音楽を用い、物語にもオペレッタ『こうもり』を意識した面が若干ある)の主題曲にも用いられている。
構成
[編集]短い序奏に続き、第1ワルツが始まる。その後3つのワルツとコーダが続く簡素な構成である。演奏時間は約6分[1]。
歌詞 (ドイツ語)
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Die Lerche in blaue Höh entschwebt, Da strömt auch der Liederquell, |
O Sang der Nachtigall, holder Klang, ah ja! Ah des Frühlings Stimmen klingen traut, |
ニューイヤーコンサート
[編集]開催年 | 指揮者 | 備考 |
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1943年 | クレメンス・クラウス | |
1954年 | クレメンス・クラウス | |
1957年 | ヴィリー・ボスコフスキー | |
1961年 | ヴィリー・ボスコフスキー | |
1964年 | ヴィリー・ボスコフスキー | |
1972年 | ヴィリー・ボスコフスキー | |
1981年 | ロリン・マゼール | |
1987年 | ヘルベルト・フォン・カラヤン | キャスリーン・バトルが歌唱。当コンサートにおいてゲストが招かれたのは、2017年現在、この1度きり。 |
1989年 | カルロス・クライバー | |
2006年 | マリス・ヤンソンス |
出典
[編集]参考文献
[編集]- 音楽之友社『名曲解説全集 第三巻 管弦楽曲(上)』音楽之友社、1959年。
- 小宮正安『ヨハン・シュトラウス:ワルツ王と落日のウィーン』中央公論新社〈中公新書〉、2000年12月10日。ISBN 4-12-101567-3。
- 加藤雅彦『ウィンナ・ワルツ:ハプスブルク帝国の遺産』日本放送出版協会〈NHKブックス〉、2003年12月20日。ISBN 4-14-001985-9。
外部リンク
[編集]音楽・音声外部リンク | |
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Johann Strauss II - Frühlingsstimmen ("Voices of Spring") Op. 410 - ビルケント交響楽団による演奏。公式YouTube。 | |
Patricia JANEČKOVÁ: "Frühlingsstimmen" (Johann Strauss II) - ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団演奏、パトリツィア・ヤネチコヴァ歌唱。公式YouTube。 |