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時枝正

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
時枝 正
生誕 (1968-04-02) 1968年4月2日(56歳)
日本の旗 日本 東京都
国籍 日本の旗 日本
研究分野 数学
研究機関 プリンストン大学
ケンブリッジ大学
スタンフォード大学
教育 Lycée Sainte-Marie Grand Lebrun[1]
出身校 上智大学[1]
オックスフォード大学
プリンストン大学
博士課程
指導教員
William Browder
主な受賞歴 Paul R. Halmos–Lester R. Ford Award (2014)[2]
プロジェクト:人物伝
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時枝 正(ときえだ ただし、1968年4月2日 - )は、日本出身の数理物理学者幾何学者スタンフォード大学教授(数学)[3][4]。数学と物理学の現実世界の驚きを独自に明らかにして探究するおもちゃの発明、収集、研究などを積極的に行なっている[5]。専門は流体力学シンプレクティック幾何学など。

略歴

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東京都生まれ[6]。絵が得意で、1974年に6歳で上野の不忍画廊で二人展開催[7]遠山啓の算数教材をやらされるのがいやで、表紙に「とおやまのばか」と落書きした[8]

14歳で渡仏し、ボルドーの寄宿学校(fr:Lycée Sainte-Marie Grand Lebrun)に入学[9]ガルシア・ロルカの詩に親しむためスペイン語の学習を始め、その後ラテン語、古代ギリシャ語の習得に没頭し、文献学者になる志を立てた[9]

バカロレア取得後帰国、上智大学文献学を専攻(1989年卒業)、「パピルス学」を講義するポストを得、古代ヘブライ語や中国語、点字も学び、盲人にフランス語を教える[9][7]

図書館でたまたま数学者で物理学者のレフ・ランダウの伝記(イヤ・バサラブ『ランダウの生涯』東京書籍、1985年)を手に取り、ランダウが息子に数学の問題を出したときに「お前は教養があるかのように振る舞っていながら、こんな簡単な問題も解けないのか」と激高する場面に衝撃を受け、自分もその問題が解けるまで勉強しようと決め、1年半かけて解いたのち、休職してブリティッシュ・カウンシルの奨学金でオックスフォード大学に2年間留学し、数学の学士号を取得、さらに退職して、プリンストン大学でシンプレクティック位相幾何学の博士論文に取り組み、1996年にPh.D.取得[9][7]。1997年にイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校博士研究員(J. L. Doob Research Assistant Professor)[10]

自分の研究テーマを説明するためのちょっとした実験をするようになり、「おもちゃ」を使った方法論を生み出す[9]。2004年よりケンブリッジ大学トリニティー・ホール(en:Trinity Hall, Cambridge)のフェロー、数学主任となり、2010 年から同図書館長、2013 年~14 年はハーバード大学ラドクリフ研究所(en:Harvard Radcliffe Institute)のフェロー[7]。その後スタンフォード数学科教授[11]

フランスやアメリカを中心に物理や数学の一般向け講演、ケープタウンのアフリカ数理科学研究所(en:African Institute for Mathematical Sciences) を基点に発展途上国での活動も多い[7]

脚注

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  1. ^ a b (Japanese) 数学まなびはじめ 第3集. Tōkyō: Nihon Hyōronsha. (23 July 2015). pp. 190–203. ISBN 978-4-535-78592-2 
  2. ^ Paul R. Halmos - Lester R. Ford Awards - Mathematical Association of America”. www.maa.org. 2021年2月14日閲覧。
  3. ^ 講演:時枝 正(スタンフォード大学 教授) - 京都大学OCW”. ocw.kyoto-u.ac.jp. 2021年2月14日閲覧。
  4. ^ Stanford, © Stanford University. “Faculty & Lecturers | Mathematics” (英語). mathematics.stanford.edu. 2021年2月14日閲覧。
  5. ^ Tadashi Tokieda” (英語). Radcliffe Institute for Advanced Study at Harvard University. 2021年2月14日閲覧。
  6. ^ 著者紹介 時枝正日本評論社
  7. ^ a b c d e <特別寄稿>ある古い図書館を訪ねて時枝正、西洋古代史研究 2013
  8. ^ 『数学まなびはじめ 第3集』数学のたのしみ編集部、日本評論社、2015.07、「はるいちばん......時枝 正」
  9. ^ a b c d e 仏紙が唸る「数学を世間に広める能力で、時枝正にかなう者はいない」クーリエ・ジャポン、2023.6.9
  10. ^ Math Times The University of Illinois at Urbana–Champaign, 1997
  11. ^ Tadashi TokiedaStanford University

外部リンク

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