有明フェリー
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(有明海自動車航送船組合から転送)
設立 | 1956年(昭和31年)9月19日 |
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種類 | 一部事務組合 |
法人番号 | 1000020428566 |
法的地位 | 地方自治法 |
所在地 | 長崎県雲仙市国見町土黒甲2-28 |
関連組織 | 予約受付 0957-78-2105 |
ウェブサイト | http://www.ariake-ferry.com/ |
有明フェリー(ありあけフェリー)は、有明海自動車航送船組合が運航するフェリーであり、1993年(平成5年)4月以降、一般国道389号の海上区間を結んでいる。
概要
[編集]- 航路 : 熊本県玉名郡長洲町長洲の長洲港 - 長崎県雲仙市国見町土黒甲の多比良港(14km)
- 便数 : 午前6時 - 午後8時までの間、通常期(Aダイヤ)に19便、オフ期(Bダイヤ)に16便〔2022年(令和4年)3月時点〕
- 所要時間(片道) : 約45分
- 運賃(旅客・片道) : 大人500円、こども(小学生以下)250円。
- 予約センター 平日 9:00~17:30 0957-78-2105
- 利用状況
- 長崎自動車道、九州自動車道から離れている島原半島の住民にとっては、福岡・本州方面への重要な足の一つとなっている。有明海の北側の比較的穏やかな内海を航行するフェリーということもあり、高い就航率を誇っている[1][注 1]。
- 他交通機関との接続
- 長洲町側では、最寄りのJR九州長洲駅と2.2km以上離れていて、自動車・タクシーでも10分ほどを要する。かつては産交バスの路線が接続していたが2020年9月末で廃止され[2][3]、現在は地元のタクシー会社が、フェリー利用客向けに、長洲駅とを結ぶ予約制乗合タクシーを時間帯限定で運行している[注 2]。
- 一方、多比良港側ではバス停が至近に存在するほか、徒歩5分程度で島原鉄道線「多比良駅」まで向かうことが出来る。
- 1968年(昭和43年)から1997年(平成9年)まで、長崎 - 熊本間の特急バス「ありあけ号」がこの航路経由で運行されていた(バスをフェリーに載せて航送[6])。
- その他
- 冬場にはカモメが乗客からの餌を求めフェリーに群がり、乗客による給餌も盛んに行われている。フェリー内の売店でも餌として『かもめパン』を販売している。また、運が良ければ船上からスナメリを観察することができる。
有明海自動車航送船組合
[編集]有明海自動車航送船組合(ありあけかいじどうしゃこうそうせんくみあい)は、長崎県と熊本県により構成される一部事務組合である。組合の条例により、事業に地方公営企業法の財務規定を適用している。 組合管理者は両県の知事が2年交代で務めていたが、2008年(平成20年)に組合の規約が改正され、知事以外から管理者が選ばれることとなった。
沿革
[編集]昭和
[編集]- 1956年(昭和31年) : 有明海自動車航送船組合設置。
- 1958年(昭和33年) : 多比良 - 長洲航路の運航開始に伴い「有明丸」が就航。(6往復)
- 1959年(昭和34年) : 「第二有明丸」が就航し二隻体制となる。(10往復)
- 1967年(昭和42年) : 「第三有明丸」が就航し三隻体制となる。(14往復)
- 1968年(昭和43年) : 長崎市-熊本市を結ぶ特急バス「ありあけ号」運行開始。
- 1971年(昭和46年) : 「第五有明丸」が就航し4隻体制となる。(24往復)
- 1977年(昭和52年) : 「第六有明丸」が就航。
- 1980年(昭和55年) : 「第七有明丸」が就航。
- 1985年(昭和60年) : 「第八有明丸」が就航。
- 1988年(昭和63年) : 「第十有明丸」が就航。
平成
[編集]- 1994年(平成6年) : 「サンライズ」が就航。また多以良港に新ターミナルビルが完成。
- 1996年(平成8年) : 長洲港に新ターミナルビルが完成。
- 1997年(平成9年) : ありあけ号運行休止。
- 2000年(平成12年) : 運航効率改善のため長洲港に二層式可動橋が完成。従来の4隻体制から3隻体制での運航が可能となる。
- 2001年(平成13年) : 多比良港に二層式可動橋が完成。
- 2012年(平成24年) :「有明みらい」が就航。[7]
- 2014年(平成26年) :「有明きぼう」が就航。
船舶
[編集]運航中の船舶
[編集]- サンライズ
- 1994年(平成6年)2月竣工、同年4月1日就航[8]。888総トン、全長59.3m、幅13.4m、3,600馬力、最大速力15.6ノット、林兼船渠建造。
- 旅客定員490名。車両積載数:85台(乗用車換算)
- 有明みらい
- 2012年(平成22年)4月竣工・28日就航。759総トン、全長57.02m、幅12.80m、1,500馬力×2基、最大速力14.0ノット、前畑造船建造。
- 旅客定員450名。車両積載数:69台(乗用車換算)。最上部となる第四甲板の一部が展望デッキとして開放されている。バリアフリー対応で車椅子固定スペースやエレベーターを装備。第八有明丸の代替。
- 有明きぼう
- 2014年(平成24年)2月竣工・4月1日就航。759総トン、全長57.02m、幅12.80m、1,500馬力×2基、最大速力14.0ノット、前畑造船建造。
- 旅客定員450名。車両積載数:69台(乗用車換算)。船内仕様は「有明みらい」と同一。第十有明丸の代替。船体には熊本県のキャラクター「くまモン」をはじめとして沿岸自治体のゆるキャラがあしらわれ、中間部には国道389号線の海上区間を表すマークが表示されている。
-
サンライズ - 長洲港
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有明みらい - 多比良港
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有明きぼう - 長洲港
過去に運航していた船舶
[編集]- 有明丸[9]
- 1958年(昭和33年)3月竣工、同年4月就航。大洋造船建造。
- 496.86総トン、全長47.85m、幅11m、深さ3.4m、ディーゼル2基、機関出力700ps、航海速力10ノット。
- 旅客定員485名、乗用車20台。
- 1964年(昭和39年)の東京オリンピックでは、聖火輸送の大役を担った。
- 1980年売船、1982年日本船舶明細書より削除。
- 第二有明丸[9]
- 1959年(昭和34年)竣工・就航。1977年、「第六有明丸」の就航に伴い引退[10]、売船。
- 第三有明丸[11]
- 1967年(昭和42年)3月竣工。林兼造船長崎造船所建造。
- 530.94総トン、全長49.75m、型幅11.50m、型深さ3.50m、ディーゼル2基、機関出力1,300ps、航海速力11ノット。
- 旅客定員486名、大型バス6台・乗用車28台または乗用車50台。
- 就航時は車両甲板が一層だったが、1973年に輸送力増強のため二層化改造を実施。1985年ホンジュラスに売船[9]。
- 第五有明丸[11]
- 1971年(昭和46年)5月竣工、同月1日就航。林兼造船長崎造船所建造。
- 530.66総トン、全長49.75m、型幅11.50m、型深さ3.50m、ディーゼル2基、機関出力1,440ps、航海速力11ノット。
- 旅客定員462名、大型バス6台・乗用車28台または乗用車50台。
- 後に第三有明丸と同様に車両甲板の二層化改造を実施。1994年ホンジュラスに売船[9]。
- 第六有明丸[11]
- 1977年(昭和52年)3月竣工、4月12日就航[10]。林兼造船長崎造船所建造。
- 695.16総トン、全長54.00m、型幅12.80m、型深さ3.80m、ディーゼル2基、機関出力2,400ps、航海速力13.50ノット。
- 旅客定員488名、大型バス8台・乗用車30台または乗用車80台。
- 就航当初より二層の車両甲板を装備。1994年フィリピンに売船[9]。
- 第七有明丸[11]
- 1980年(昭和55年)2月竣工、同年3月27日就航[12]。林兼造船長崎造船所建造。
- 692.70総トン、全長54.00m、型幅12.80m、型深さ3.80m、ディーゼル2基、機関出力2,400ps、航海速力13.50ノット。
- 旅客定員488名、大型バス8台・乗用車30台または乗用車80台。
- 車両甲板を改良し、従来の船では不可能だった大型トレーラー等の輸送に対応。2002年タイに売船[9]。
- 第八有明丸[13]
- 1985年(昭和60年)3月竣工、同年4月1日就航[12]。林兼造船長崎造船所建造。
- 694→721総トン[14]、全長57.32m、型幅12.80m、型深さ3.80m、ディーゼル2基、機関出力2,600ps、航海速力13.50ノット。
- 旅客定員488名、大型バス10台・乗用車32台または乗用車90台。
- 第十有明丸[13]
- 1988年(昭和63年)2月竣工、同年4月1日就航[8]。林兼造船長崎造船所建造。
- 696総トン、全長57.02m、型幅12.80m、型深さ3.80m、ディーゼル2基、機関出力2,600ps、航海速力13.50ノット。
- 旅客定員488名、大型バス10台・乗用車32台または乗用車90台。
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第八有明丸 - 多比良港
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 「カモメの群れが船旅のお供 有明フェリーの冬の風物詩」『西日本新聞』2020年1月14日。2022年3月13日閲覧。
- ^ “バス停の新設・名称変更・移設・廃止”. 九州産交バス. 2021年1月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月10日閲覧。
- ^ “【2020年10月1日】路線バスダイヤ改正のご案内”. 九州産交バス (2020年9月29日). 2021年1月19日閲覧。
- ^ “ターミナル案内~長洲港ターミナル”. 有明フェリー. 2022年3月13日閲覧。
- ^ “予約型乗合タクシー「長州港⇔JR長州駅」”. 有明フェリー. 2022年3月13日閲覧。
- ^ 「魅力別ローカルバス路線」『旅 (雑誌)』No.746「今、バス旅がおもしろい!」、JTB、1989年5月、pp. 112。
- ^ 初のバリアフリー「有明みらい」28日就航 - 長崎新聞2012年4月26日
- ^ a b フェリー・旅客船ガイド 2006年春季号 (日刊海事通信社 2006)
- ^ a b c d e f 世界の艦船別冊 日本のカーフェリー -その揺籃から今日まで- P.273 (海人社 2009)
- ^ a b 世界の艦船 第242集 1977年7月号 P.102 (海人社)
- ^ a b c d 日本船舶明細書 1983 (日本海運集会所 1982)
- ^ a b 全国フェリー・旅客船ガイド 1987年上期号 (日刊海事通信社 1986)
- ^ a b 日本船舶明細書 1997 (日本海運集会所 1996)
- ^ “記事訂正・補遺 「日本のカーフェリー──その揺籃から今日まで」”. 海人社. 2023年2月7日閲覧。
参考文献
[編集]- イカロスMOOK 『日本全国たのしい船旅2』 イカロス出版、2006年(平成18年)。