オーバーフロー (ブランド)
Overflow | |
---|---|
ジャンル | ゲーム |
企業名 | 有限会社スタック |
審査 | ソフ倫 |
主要人物 | メイザーズぬまきち |
デビュー作 |
ら〜じ・PonPon (1999年11月26日) |
最終作 |
Strip Battle Days 2 (2016年4月28日) |
公式サイト | Overflow OFFICIAL WEB SITE |
オーバーフロー (Overflow) は、有限会社スタックのアダルトゲームブランド[1]。
本項では、有限会社スタックおよび代表のメイザーズぬまきちについても記載する。
オーバーフロー
[編集]概要
[編集]代表はメイザーズぬまきち。ブランド名の英字表記はOverflowだが、しばしば0verflow(1文字目が数字のゼロ)と書かれる。これはドメイン「Overflow.com」が他社により使用されていたため、機転を利かせて「0verflow.com」を取得したことが発端となっている。なお、ロゴもそれに倣っている。
マスコットキャラクターは「マヨちゃん」。
沿革
[編集]1999年に自主制作物のブランド名をオーバーフローに定め、『ら〜じ・PonPon』でデビュー。8作目の『School Days』では、メロドラマのような壮絶な愛憎劇と凄惨なバッドエンドの存在、そして全編がフルアニメーションで描かれたということで話題となり、2005年のアダルトゲームの上半期セールス2位・年間7位の約3万2千本のセールスを叩き出すという大成功を収め、いきなり注目ブランドに躍り出る。また、同作は2007年7月にTVアニメ化されて再び注目を集めた上、オーバーフロー作品としては初めてコンシューマ化され、2008年1月17日にガンホー・ワークスからPlayStation 2版『School Days L(-エルアンドエイチ、Love and Hate)』のタイトルで発売された。
2012年2月10日の『ニコニコ生放送』において、同年4月発売の『SHINY DAYS』を最後にブランド活動を終了することを発表した[2]。
ブランドカラー
[編集]- アージュやニトロプラスと共に、千代田区連合(ちよれん)を構成している。正会員のアージュには斉藤K、ニトロプラスにはジョイまっくす、準会員扱いのCIRCUSにはらまマンという名物広報がいるが、オーバーフローだけは代表のメイザーズぬまきち自身がプロモーションの先頭に立ち、イベントでは軽快なトークを飛ばす。
- シナリオで通信機器の機能に物語性を持たせる、物語の中におまじないや都市伝説など、言い伝えが多いという特徴がある(『PureMail -ピュアメール-』ではチャットやメール、『School Days』では携帯電話)。
- ほとんどの作品は世界が共通しており、その中でもファミレスチェーン「ラディッシュ」を舞台としたシリーズが設定の主軸となっている。世界観が一定しているため、別作品の主要人物のその後が語られることも多い。
- ほとんどの主要人物に血縁関係を持たせており、『オーバーフロー プレミアム・トリロジーBOX』付属のデータブックには、一部の人物相関図が掲載されている(一部誤表記あり)。『Snowラディッシュバケーション!!』の主人公・沢越止(さわこえ とまる)を基点とし(更に正確さを出せば、止の父親の伊能上(いのう じょう)が基点となるが、上の子孫は孫世代以降が全て、止を経由している)、各作品の主人公はその息子であることが多い。代表的な息子の主人公達は、以下のとおり。
- 伊能歩(いのう あゆむ) - 『ら〜じ・PonPon』
- 緒方圭(おがた けい) - 『PureMail -ピュアメール-』
- 間瞬(はざま しゅん) - 『Summerラディッシュバケーション!!』
- 間空(はざま くう) - 『Summerラディッシュバケーション!!2』
- 柴瑤二(しば ようじ) - 『MISS EACH OTHER』
- 伊藤誠(いとう まこと) - 『School Days』『Summer Days』
- 上記の別作品での後日談や人物相関図を紐解くと、作中の男女関係はほとんどが近親相姦であり、登場人物もほとんどが近親相姦による子供(であると確定する者・しない者・可能性が高い者がいる)となっている。これらは複数作品をプレイした上で発見することができる裏設定であるために、作中にインセスト・タブーが前面に押し出されることはない。ただし、後代の作品では単体のプレイでもある程度の近親相姦があることは、明白となっている。
- 孕ませ、妊婦、寝取られが大きく扱われることが多く、作品世界が繋がっているため、妊娠エンドを迎えたヒロインが別の作品で妊婦や母親になって登場することも(複数の人物に孕まされる場合は両方産むことになるか、どちらか一方の子を産んだことにされる)。子供が別の作品のヒロインとなったり、主人公が別の作品の寝取り担当となったり、ヒロインが寝取り担当の娘であることも多い。『Cross Days』では、それらの要素に加えて男性の同性愛(女装した男性も含む)や、筋肉質の女性とのセックスなども盛り込まれている。
「修正パッチ」と「自主回収」
[編集]2作目『PureMail』では10回、8作目『School Days』では11回、9作目『Summer Days』では9回の修正パッチが公開された更に『Summer Days』では修正ファイル総容量が2.3GBまで達し、初回版では完全にバグが解決することなく修正パッチのリリースが停止。発売から約4か月後には、リニューアルパッケージ版が発売されるという事態にまで発展した(詳細は巨大修正ファイル配布と自主回収、そしてリニューアル版を参照)。 また、『Summer Days』はボツになった無修正CGファイルをDVD-ROMに入れてしまったため、『School Days』のドラマCDはプレス時のミスにより再生時の音声の速度異常が発生したため、一旦回収され修正されている。 『School Days』以降にパッチを当てていないとまともにゲームをプレイすることすら不可能なバグが多発した理由として、メイザーズぬまきちは、『Summer Days』製作中にプログラマーが病気などにより離脱したことや、一部のスタッフによる会社の輪を乱す行為や職務怠慢などが原因であると語っている[3]。
エイプリルフール企画
[編集]制作する年にはこのためだけに多大なコストを投入し、専用ページやショートムービーなどを公式サイトで公開している。また、それだけに留まらず、2002年の『Summerラディッシュバケーション!!』や2007年の『マジカルハート☆こころちゃん』のように、後で製品化されたものも存在する(前者はパッケージ版が制作され、2003年4月1日のイベント当日限定で発売された後、アップデート版『Summerラディッシュバケーション!!1.1』が続編『Summerラディッシュバケーション!!2』と同時発売された。後者の詳細は、School Days (アニメ)#マジカルハート☆こころちゃんを参照)。
2020年にはブランド活動の終了から8年ぶりに企画『Mother Days』を公開した[4]。
作品一覧(オーバーフロー)
[編集]※『マジカル☆ユニティー』を除き、各作品は世界観を共有している。
- ら〜じ・PonPon [1999年11月26日]
- PureMail -ピュアメール- [2000年8月25日]
- オーバーフローぷれじゃ〜BOX [2001年4月27日]
- Snowラディッシュバケーション!! [2001年12月28日]
- 妹でいこう! [2002年12月27日] (舞台は同じだが、血縁などの関わりはない)
- Summerラディッシュバケーション!! [2003年4月1日]
- マジカル☆ユニティー [2003年12月28日]
- MISS EACH OTHER [2004年4月30日]
- Summerラディッシュバケーション!!1.1 [2004年8月13日] (コミックマーケット66限定発売)
- Summerラディッシュバケーション!!2 [2004年8月13日] (コミックマーケット66限定発売)
- LOST M [2004年10月15日]
- School Days [2005年4月28日]
- オーバーフロー プレミアム・トリロジーBOX [2006年1月27日]
- Summer Days [2006年6月23日]
- Cross Days [2010年3月19日]
- School Days HQ [2010年10月8日]
- SHINY DAYS [2012年4月27日]
- IslandDays [2014年7月3日] (共同開発:クロン)
- 野球拳 Strip Battle Days [2014年10月31日]
- Strip Battle Days 2 [2016年4月28日]
- SCHOOLDAYS SERIES COMPLETE BOX [2020年9月25日]
有限会社スタック
[編集]種類 | 有限会社 |
---|---|
本社所在地 |
日本 〒101-0052 東京都千代田区神田小川町2丁目4番地5号 杉商ビル9階 |
設立 | 1997年(平成7年)3月 |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | モーションキャプチャー受託、コンピュータゲームソフト開発・販売、デジタルコンテンツ制作、デジタルアニメーション制作 |
代表者 | 代表取締役 大沼明夫 |
従業員数 | 12名 |
1997年3月に、コンピュータゲームやデジタルアニメなどの開発請負会社として設立された。一般向けの「STACK software」とアダルトゲーム用の「オーバーフロー」の2つのブランドを有する。その各公式サイトで公開している求人情報のプログラマ部門では、バーチャルリアリティ機器のドライバ作成、群衆シミュレーション作成、行政向けの業務システムを開発の履歴として挙げており、ゲーム以外にも多岐に渡る業務を行っている。
沿革(有限会社スタック)
[編集]- 1997年3月 東京都目黒区青葉台3-21-1に有限会社スタック設立。
- 1997年5月 東京都千代田区神田神保町1-29 山村ビルに移転。
- 1998年1月 TV放映用デジタルアニメーション彩色を開始。
- 2001年5月 東京都千代田区神田小川町2-4-5 杉商ビルに移転。
- 2008年2月 モーションキャプチャースタジオ開設
- 2008年4月 川口第二開発室開設。
作品一覧 (STACK software)
[編集]※PS:PlayStation、SS:セガサターン、DC:ドリームキャスト、DS:ニンテンドーDS、PC:パーソナルコンピュータ
- センチメンタルグラフティ 限定版特典「セカンドウィンドゥ」 [1998年1月22日、SS] (発売元:NECインターチャネル)
- Piaキャロットへようこそ!!2 [1998年10月8日、SS] (発売元:NECインターチャネル)
- フレンズ 〜青春の輝き〜 [1999年4月29日、SS] (発売元:NECインターチャネル)
- With You 〜みつめていたい〜 [1999年7月29日、SS] (発売元:NECインターチャネル)
- 絆という名のペンダント with TOYBOXストーリーズ [2000年4月6日、PS] (発売元:NECインターチャネル)
- センチメンタルグラフティ2 予約特典「サードウィンドゥ」 [2000年7月27日、DC] (発売元:NECインターチャネル)
- Sister Princess [2001年3月8日、PS] (発売元:メディアワークス)
- Pia♥キャロットへようこそ!!2.5 [2001年6月21日、DC] (発売元:NECインターチャネル)
- Apocripha/0 アレクディスク [2001年7月27日、PC]
- Apocripha/0 プラチナディスク [2001年8月10日、PC]
- Sister Princess ピュア・ストーリーズ [2001年12月13日、PS] (発売元:メディアワークス)
- Apocripha/0 FANBOX 〜Happiness Cage〜 [2001年12月29日、PC]
- Sister Princess PREMIUM EDITION [2002年3月28日、DC] (発売元:メディアワークス)
- Sister Princess 2 [2003年3月20日、PS] (発売元:メディアワークス)
- Sister Princess 2 プレミアムファンディスク [2003年11月13日、PS] (発売元:メディアワークス)
- まほデミー・週番日誌 デスクトップアクセサリー [2004年12月25日、PC]
- S.S.D.S. -刹那の英雄-(せつなのあこがれ) [2005年5月20日、PC]
- メイド★はじめました 〜ご主人様のお世話いたします♥〜 [2007年12月28日、PC](発売元:Vivid Color)
- ダン←ダム 〜Dungeons & Dam〜 プロモーションムービー [2009年4月29日、DS] (発売元:アクワイア)
メイザーズぬまきちの経歴
[編集]1972年生まれ、札幌市出身。リバーヒルソフト、フライト・プランなどの家庭用ゲーム機のソフトハウスを経て有限会社スタックを設立[5]。
2010年5月30日には、東京大学本郷キャンパス 工81講義室(工学部8号館)で開催された『メイザーズぬまきち講演会「R-18ゲームは、現実社会といかに共鳴しえるか?」』に出演。同じく出演者である吉田正高や昼間たかしと共に、アダルトゲームとそれを巡る問題について議論を行った[5][6]。
脚注
[編集]- ^ “Overflow”. エロゲー批評空間. 2019年7月18日閲覧。
- ^ “Overflow_staff (overflow_staff) on Twitter”. 2012年2月12日閲覧。
- ^ “「会社が宗教団体に乗っ取られかけたことも……」Overflow・メイザーズぬまきちロングインタビュー - 日刊サイゾー”. 2012年5月25日閲覧。
- ^ 【Overflow】Mother Days
- ^ a b Come on! common's. - 情報学環教育部自治会 コンテンツゼミ主催 五月祭講演会「R-18ゲームは、現実社会といかに共鳴しえるか?」より。
- ^ 「メイザーズぬまきち 講演会のお知らせ」より。
外部リンク
[編集]- Overflow OFFICIAL WEB SITE (年齢確認有)
- 有限会社スタック
- STACKSoftware Official Homepage
- オーバーフロー - Enty
- オーバーフロー (@Overflow_staff) - X(旧Twitter)
- スタック - メディア芸術データベース