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朝鮮総督府警務局

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
朝鮮総督府警務総長から転送)

朝鮮総督府警務局(ちょうせんそうとくふけいむきょく、旧字体朝󠄁鮮總督府警務局)は、朝鮮総督府に置かれた部局。朝鮮における警察事務を管掌した。

本項では、前身となる統監府警務部についても述べる。

沿革

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朝鮮における日本の警察機構は、統監府警務部を前身とする。警務顧問・丸山重俊の招聘が契機となり、1905年明治38年)12月21日、統監府及理事庁官制(勅令第267号)により警務部(長は警務総長)が置かれ、理事庁に警部が置かれた。警務部には高等警察課・警務課・保安課・衛生課の4課が設置された。

1910年(明治43年)6月24日、大韓帝国の警察事務が日本に委任され、韓国の警視庁・警務局が廃止される。これに伴い、1910年(明治43年)6月30日の警察官署官制(勅令第296号)により、統監府外局として警察官署が設置され、中央に警務総監部、地方に警察部・警察署が置かれた。警務総監部の長は警務総長であり、韓国駐剳憲兵隊司令官がこの職を兼ね、韓国における警察事務を総務するとともに皇宮と漢城の警察事務を担当した。この制度は、韓国併合にともない朝鮮総督府が設置されたのちも引き継がれた。警務総監には憲兵隊司令官、各道の警務部長には憲兵隊長が任命され、地方行政機関の外に立って一般警察・衛生事務を統理・執行させた(憲兵警察制度)。

1919年大正8年)8月20日、憲兵警察制度は廃止され、独立官庁(外局)であった警務総監部や、各道の警察部も廃止された。総督府(本府)には警務局が置かれ、地方では各道知事警察権を行使することとなり、第三部(1921年2月以降「警務部」)が置かれた。また、廃止後の機構再編として警察署等も補強され、1920年大正9年)に京城(ソウル)2署、平壌1署、咸鏡北道1署、釜山1署の計5つの警察署が新設置された。これに伴い各道の839箇所の駐在所及び14箇所の派出所のうち、防犯上重要な駐在所には警部補が追加配置された。

機構

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1941年(昭和16年)9月1日現在。

  • 警務局
    • 警務課
    • 防護課
    • 経済警察課
    • 保安課
    • 図書課
    • 衛生課
    • 発破技術員養成所

このほか、総督府所属官署として、警察官講習所などがあった。 各道には警察事務を担当する部局として警務部が置かれていた。

歴代局長

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氏名 在任期間 備考
統監府警務総長
岡喜七郎 1905年(明治38年)12月31日 - 1907年(明治40年)9月19日
岡喜七郎 1907年(明治40年)9月19日 - 1910年(明治43年)6月14日 事務取扱
明石元二郎 1910年(明治43年)7月1日 - 1910年(明治43年)10月1日
朝鮮総督府警務総長
明石元二郎 1910年(明治43年)10月1日 - 1914年(大正3年)4月17日
立花小一郎 1914年(大正3年)4月17日 - 1916年(大正5年)4月1日
古海巖潮 1916年(大正5年)4月1日 - 1918年(大正7年)7月24日
兒島惣次郎 1918年(大正7年)7月24日 - 1919年(大正8年)8月20日
朝鮮総督府警務局長
野口淳吉 1919年(大正8年)8月20日 - 1919年(大正8年)9月5日 死去[1]
赤池濃 1919年(大正8年)9月20日 - 1922年(大正11年)6月14日
丸山鶴吉 1922年(大正11年)6月17日 - 1924年(大正13年)9月13日
三矢宮松 1924年(大正13年)9月13日 - 1926年(大正15年)9月27日
淺利三朗 1926年(大正15年)9月28日 - 1929年(昭和4年)11月8日
森岡二朗 1929年(昭和4年)11月8日 - 1931年(昭和6年)6月26日
池田清 1931年(昭和6年)6月26日 - 1936年(昭和11年)4月22日
田中武雄 1936年(昭和11年)4月22日 - 1936年(昭和11年)9月5日
三橋孝一郎 1936年(昭和11年)9月5日 - 1942年(昭和17年)6月2日
丹下郁太郎 1942年(昭和17年)6月2日 - 1944年(昭和19年)8月1日
西廣忠雄 1944年(昭和19年)8月1日 - 日本統治下最後の局長

脚注

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  1. ^ 『官報』第2148号、大正8年10月1日。

参考文献

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  • 朝鮮総督府編『施政三十年史』(朝鮮總督府、1940年)
  • 朝鮮総督府編『朝鮮事情 昭和十七年度版』(朝鮮總督府、1941年)
  • 戦前期官僚制研究会編『戦前期日本官僚制の制度・組織・人事』(東京大学出版会、1981年)

関連項目

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