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本和菓衆

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

本和菓衆(ほんわかしゅう)とは、老舗和菓子店の若手店主で結成されたグループ名、および三越で秋に開催されている同グループによるイベントの名称。

概要

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1859年(安政6年)創業の田中屋せんべい総本家6代目・田中裕介の呼びかけにより、三越で毎年春に開催されている「全国銘菓展」に参加していた老舗和菓子店うち、3代・100年以上続く30代から40代の若手店主9人により結成された[1][2]。和菓子の伝統を受け継ぎつつ、時代に合った新しいコンセプトの菓子創作を目的としている[3][4]。生み出される和菓子はネオ和菓子とも評される[4]

結成のきっかけとなったのは2013年(平成25年)の「第67回 全国銘菓展」[5]。数年前から展示会に若い跡取りが増えてきた状況を見た田中裕介が、以前から親交のあった1874年(明治7年)創業の彩雲堂6代目・山口周平のほか数人を誘って「半人前の会」を結成したことに端を発する[5]。当初は具体的な目的のない集まりであったが、三越のバイヤーから「10月の三越日本橋本店の創業340周年祭で何かやらないか」と提案されたことから活動を始め[5]、10月23日に最初のイベント参加を迎えた[2][6][7]。地下1階に設けられた特設コーナーは人数に比して狭いものであったが、老舗和菓子店の店主が一堂に会して和装で売り場に立って丁寧に説明する姿は話題となった[1][2][8]2014年(平成26年)以降は毎年秋に三越(当初日本橋本店、2017年から銀座店)でイベントが行われているが、店主自らが売り場に立ち直接反応を見る形式が続けられている[4]。毎年それぞれが新作の菓子を創作して持ち寄っており、中には2015年(平成27年)のつちやの「みずのいろ」のようにSNSを通じて大人気となる商品も生まれている[4][9]

『和菓子のアン』との繋がり 

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2016年(平成28年)には坂木司小説和菓子のアン」とのコラボで話題となった[4]。ある催事で本和菓衆を知った坂本が「何か一緒にできたら面白いんじゃないか」と声をかけて実現したものである[10]。三越日本橋本店で4月6日から12日にかけて開催された「第70回 全国銘菓展」の会場内に「和菓子のアン」の主人公・杏子が働く和菓子店「みつ屋」が再現され、作中に登場する菓子を再現したものが販売された[10]。和菓子のイベントとしては予想以上の盛況となり、同年秋の本和菓衆のイベントはコラボ第2弾として開催されることとなった[11]

2020年(令和2年)、2023年(令和5年)のイベントは「和菓子のアン」最新刊の発売に合わせてコラボ企画が行われた[12][13]

メンバー

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以下は三越で秋に開催される本和菓衆のイベントに参加したことがある和菓子店と、その年度ごとの参加の有無を一覧にしたものである。

店名 所在地 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024
五勝手屋本舗 北海道   × ×
佐藤屋 山形県
龜屋 埼玉県            
菓子舗 間瀬 静岡県                      
田中屋せんべい総本家 岐阜県
きよめ餅総本家 愛知県
深川屋陸奥大掾 三重県
平治煎餅本店 三重県 ×
柳屋奉善 三重県   × ×
御菓子司 彩雲堂 島根県
出典 [5] [14] [15] [1] [16] [17] [4] [12] [18] [19] [13] [20]
過去の参加メンバー

脚注

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  1. ^ a b c 本和菓衆×『和菓子のアン』 期間限定コラボショップ!”. オールアバウトグルメ. 株式会社オールアバウト (2016年3月28日). 2020年1月20日閲覧。
  2. ^ a b c 田中屋せんべい総本家6代目・田中裕介 (2018年10月26日). “<和菓子の話 記録と記憶に残る本和菓衆>”. note. 2020年1月20日閲覧。
  3. ^ 伝統×革新 本和菓衆”. 銀座三越. 2020年1月20日閲覧。
  4. ^ a b c d e f 和菓子のいま、最前線を走る老舗若旦那たち10人の競演イベント「本和菓衆 2019」が銀座三越で開催”. PR TIMES. 株式会社 PR TIMES (2019年11月5日). 2020年1月20日閲覧。
  5. ^ a b c d 田中屋せんべい総本家6代目・田中裕介 (2018年10月25日). “<和菓子の話 半人前の会>”. note. 2020年1月20日閲覧。
  6. ^ 三越340周年 今だけ限定グルメが勢ぞろいの「大創業祭」”. 東京バーゲンマニア. 株式会社ジェイ・キャスト (2013年10月22日). 2020年1月20日閲覧。
  7. ^ “三越340年で「大創業祭」 老舗の味、日本橋で競演”. 日本経済新聞. (2013年10月23日). https://www.nikkei.com/article/DGXNZO61529980T21C13A0L71000/ 2020年1月20日閲覧。 
  8. ^ 【伝統×トレンド】目上の方にも喜ばれるプチフォーマルな老舗和菓子”. マガジンサミット. 株式会社富士山マガジンサービス (2016年4月24日). 2020年1月20日閲覧。
  9. ^ 話題沸騰!岐阜大垣「みずのいろ」「ASATSUYU」の予約方法”. LINEトラベルjp. 株式会社ベンチャーリパブリック. 2020年1月20日閲覧。
  10. ^ a b 人気小説『和菓子のアン』の世界が日本橋三越本店に期間限定で登場!”. CREA. 株式会社文藝春秋 (2016年4月3日). 2020年1月20日閲覧。
  11. ^ 佐藤屋8代目・佐藤慎太郎 (2016年10月10日). “デパ地下に「みつ屋」が登場!『和菓子のアン』×『本和菓衆』コラボ第二弾のご案内です。”. 八代のひとりごと. 2020年1月20日閲覧。
  12. ^ a b 三越伊勢丹 (2020年11月4日). “「本和菓衆×和菓子のアン」2020年の新作!”. 2020年10月22日閲覧。
  13. ^ a b FOODIE (2023年11月3日). “3年ぶり!「本和菓衆」×『和菓子のアン』コラボの新作和菓子が銀座三越に集結します”. 2023年11月24日閲覧。
  14. ^ 佐藤屋8代目・佐藤慎太郎 (2014年11月9日). “【本和菓衆】老舗の跡取りが作る、ちょっと新しい和菓子の形を。”. 八代のひとりごと. 2020年1月20日閲覧。
  15. ^ 髙島屋和菓子バイヤー・畑主税 (2015年10月22日). “本和菓衆 今年はイートインに展示なども増えて、さらにボリュームアップした楽しい和菓子の時間!”. 和菓子魂!. 2020年1月20日閲覧。
  16. ^ 伝統×革新 本和菓衆”. 銀座三越. 2020年1月20日閲覧。
  17. ^ 【GINZAステージ】本和菓衆~冬を告げる和菓子たち~”. 銀座三越. 2020年1月20日閲覧。
  18. ^ 今年もやります!年に一度のお楽しみ。老舗の若旦那たちが作る和菓子の饗宴!「本和菓衆2021」が期間限定で銀座三越に集結。”. PRTIMES (2021年10月26日). 2022年6月30日閲覧。
  19. ^ 本和菓衆「第10回 本和菓衆」 - Facebook
  20. ^ 食料品イベントスケジュール銀座三越”. 銀座三越. 2024年11月9日閲覧。

外部リンク

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