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板垣峠

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
板垣峠
所在地 福井県越前市、同今立郡池田町
座標
板垣峠の位置(日本内)
板垣峠
北緯35度52分59.1秒 東経136度18分25秒 / 北緯35.883083度 東経136.30694度 / 35.883083; 136.30694座標: 北緯35度52分59.1秒 東経136度18分25秒 / 北緯35.883083度 東経136.30694度 / 35.883083; 136.30694
標高 420 m
山系 越前中央山脈(越前中央山地)[注釈 1]
通過路 国道417号
プロジェクト 地形
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板垣峠(いたがきとうげ)は、福井県越前市と同県今立郡池田町を隔てるである。

概要

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国道417号が通る板垣トンネルの標高は349mとされているが[注釈 2]、『コンサイス日本山名辞典』では板垣峠の標高を420mとしている[2][3]。また、1909年(明治42年)に福井県が出版した『若越小誌』では461mとしている[4]。なお、越前市が発足する前に存在した今立郡岡本村の『岡本村史』、岡本村を編入した今立町の『今立町誌』では板垣峠は520mの地点(鞍部)を通過するとしている[5][6]

『岡本村史』によると、「村の東端には地図にみえる五八三米の山麓を北に、ついで五八〇米・五五二米と三個の山麓が南北に並立していて(中略)、武生盆地から月尾谷を通って、足羽川渓谷地方、即ち池田村方面に向う道路の板垣峠は、この最南の山頂を南に下った鞍部、五二〇米の地点を通過している。」と記す[7][注釈 3]。『今立町誌』では「粟田部と池田郷を結ぶ板垣峠は南坂下から登った五二〇メートルの鞍部を通っている。」と記す[8]

板垣峠に至る道路を「板垣坂」と呼ぶが[9]、板垣峠自体を「板垣坂」とも称した[10][11]

元々は武生町から今立郡北日野村、粟田部村、岡本村、上池田村稲荷谷口、大野郡下味見村横越、足羽郡上宇坂村蔵作を経て下宇坂村小和清水で美濃街道へ至る「池田道」が通っており[12]、岡本村(現・越前町東部)と上池田村(現・池田町西部)の間の峠として板垣峠(板垣坂)が存在した。当時の池田道(板垣坂)は、月尾谷と北隣の水間谷を隔てる分水嶺である「月尾山肢」の中腹に沿った後、太田山(大谷山)の東側の緩傾斜地を通り、板垣峠へ至るルートを採っており[13][14]1897年(明治30年)、池田道の改修で板垣坂を切り下げて車道とした[15]

1936年昭和11年)、大谷山の西の鞍部に鳥越隧道(延長122.5m、幅員3.7m、限界高3.0m)が[16]、板垣峠の直下に板垣隧道(延長345.0m、幅員3.9m、限界高3.5m)が[17]それぞれ整備されると、鞍谷を経由する現在のルートが主流となり、板垣坂は廃れていった[18]

1960年(昭和35年)に一般県道今立本巣北方線に指定され、1976年(昭和51年)に主要地方道29号鯖江美山線へ昇格、1981年(昭和56年)に一般国道417号に指定されている。

現在の板垣トンネルは1936年(昭和11年)に板垣隧道として開通し、52年後の1988年(昭和63年)に拡張された。

道路状況

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峠付近は片側1車線の確保された国道らしい道路である。トンネルには歩道は整備されていないが、車両同士が離合するには十分な道幅が確保されている。越前市と池田町を結ぶ3路線の中で唯一の国道であり、他の路線以上に交通の往来の激しい峠である。峠付近には越前市側にさらに鳥越トンネルが貫いており、付近のの険しさを物語っている。

本峠と鳥越トンネルをバイパスする板垣坂バイパスが2024年11月24日に開通した[19]

隣接する峠

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脚注

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注釈

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  1. ^ 「越前中央山脈」は越前市の表記による[1]
  2. ^ 最新の地理院地図のDEM10Bでは347m。
  3. ^ 「五八三米の山麓」は最新の地理院地図では標高581mの無名の山を差す。「五八〇米」の山麓は通称「八ツ杉山」と呼ばれる山で、西麓に「八ツ杉千年の森公園」が存在する。

出典

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  1. ^ 位置・面積、地形、気候”. 越前市 (2023年12月6日). 2024年11月1日閲覧。
  2. ^ 徳久球雄、三省堂編修所 編『コンサイス日本山名辞典』三省堂、1978年7月15日、42頁。doi:10.11501/12191707 
  3. ^ 徳久球雄、三省堂編修所 編『コンサイス日本山名辞典』(修訂版)三省堂、1979年3月20日、42頁。doi:10.11501/12197233 
  4. ^ 『若越小誌』、17頁
  5. ^ 『岡本村史』本篇、4頁
  6. ^ 『今立町誌』第一巻 本編、1063頁
  7. ^ 『岡本村史』本篇、4頁。
  8. ^ 『今立町誌』第一巻 本編、1063頁。
  9. ^ 『岡本村史』本篇、5頁「岡本村全図」。
  10. ^ 井上翼章 編輯、日置謙 校訂『越前国名蹟考』 巻之四、福井 二書房出版、1902年9月17日、446,464頁。doi:10.11501/764505 
  11. ^ 福井県立図書館、福井県郷土誌懇談会 共編『越前国名蹟考』福井県郷土誌懇談会〈福井県郷土叢書第五集〉、1958年3月31日、349,363頁。doi:10.11501/3018669 
  12. ^ 「縣費ニ係ル土木費支出規則(明治28年8月福井県令第40号)」『福井県会議事提要』下巻、福井県、1897年11月19日、5頁、doi:10.11501/789994 
  13. ^ 『岡本村史』本篇、4-5頁。
  14. ^ 『今立町誌』第一巻 本編、937頁 図2-40「明治42年(2万分の1)測図」、938頁 図2-41「明治42年 5万分の1」。
  15. ^ 『若越小誌』、450頁
  16. ^ 『日本全国隧道リスト』、344頁
  17. ^ 『トンネル通覧』日本道路公団技術部技術課〈トンネル技術資料 001〉、1964年12月12日、182,185頁。doi:10.11501/1697967 
  18. ^ 『今立町誌』第一巻 本編、930頁。
  19. ^ 国道417号「板垣坂バイパス」の開通について』(PDF)(プレスリリース)福井県土木部道路建設課、2024年11月5日https://9a35b2b1.viewer.kintoneapp.com/public/file/inline/6e133df0cc08a00aef428e6666f487d089e042a376168a0bb18ee201250b5952/20241104232012A6D1367CC2AE49F39DBF99920B527A971072024年11月24日閲覧 

参考文献

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関連項目

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