コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

櫻木みわ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
桜木みわから転送)

櫻木 みわ(さくらき みわ、1978年 - )は、日本小説家福岡県生まれ[1]

経歴・人物

[編集]

小学校時代は筑豊地方で過ごし、中学校から福岡市の女子校に進んだ[2]早稲田大学在学中に水原紫苑短歌実作ゼミに参加したのを機に、早稲田大学短歌会京都大学短歌会に所属して短歌を学ぶ[3][4]。後に石川美南内山晶太らとともに短歌同人誌『pool』に参加した[4]

大学卒業後、タイ王国の現地出版社に勤務し、日本人向けフリーペーパー編集長を務める[5]。その後、東ティモールフランスインドネシアなどに滞在したのちに帰国[5]。フランス人と結婚して日本で暮らしたことがある[2]

2006年3月、「遊戯生活」が第5回女による女のためのR-18文学賞最終候補作となる。2016年、「ゲンロン 大森望 SF創作講座」(第1期)を受講。2017年3月、「わたしのクリスタル」が第1回ゲンロンSF新人賞最終候補作となる[6]。2018年12月、最終候補作を含んだSF講座提出作を改稿した作品集『うつくしい繭』で作家デビュー。

契約社員の女性が一人で出産しようとする小説『コークスが燃えている』(集英社、2022年6月)は、40歳の頃に妊娠して一人で産もうとして流産した経験が投影されていると『読売新聞』の取材に明かしている[2]

作品リスト

[編集]

単行本

[編集]
  • 『うつくしい繭』(講談社、2018年12月)
  • 『コークスが燃えている』(集英社、2022年6月)
  • 『カサンドラのティータイム』(朝日新聞出版、2022年11月)

アンソロジー収録作品

[編集]

雑誌掲載作品

[編集]
小説
  • 「米と苺」 - 『たべるのがおそい』Vol.7(書肆侃侃房、2019年4月)
  • 「しおかぜ」 - 『小説トリッパー』2020年夏季号(6月18日発行)(朝日新聞出版
  • 「湖底の炎」(李琴峰との共著) - 『S-Fマガジン』2021年2月号(2020年12月25日発売)(早川書房)
  • 「まぼろし北寄」 - 『小説推理』2021年2月号(2020年12月26日発行)(双葉社
  • 「あの日、二月の教室で」 - 『小説すばる』2021年3月号(集英社)
  • 「コークスが燃えている」 - 『すばる』2021年4月号(集英社)
  • 「セヴンデイズ」 - 『文芸ラジオ』7号(東北芸術工科大学芸術学部文芸学科、2021年6月1日発行)
  • 「コンシアージュ」 - 『小説推理』2021年9月号(双葉社)
  • 「ガールフレンド」 - 『小説推理』2021年11月号(双葉社)
  • 「カサンドラのティータイム」 - 『小説トリッパー』2022年夏季号(6月17日発行)(朝日新聞出版)
短歌詠
  • 「みずうみ、または私小説」(30首) - 『ねむらない樹 vol.9』(書肆侃侃房、2022年8月)
エッセイなど
  • 「本とねずみとコークスと」 - 『小説すばる』2018年12月号(集英社)
  • 「『うつくしい繭』あとがきのあとがき」 - 『メフィスト』2019年 VOL.1(講談社、2019年4月)
  • 「六月の金曜日」 - 『小説トリッパー』2019年秋季号(9月18日発行)(朝日新聞出版)
  • 「SFつながり(3)五反田の夜を遠くはなれて――ワールドコンダブリン報告」 - 『ゲンロンβ43』(株式会社ゲンロン、2019年11月)
    • 『ゲンロン 11.5』(株式会社ゲンロン、2020年10月)に再録された。
  • 「うちあけ話」 - 『文學界』2020年12月号(文藝春秋
  • 「読書日記」 - 『すばる』2021年7月号 - 9月号(集英社)
  • 「ハヤカワ文庫JA総解説 PART3(1001〜1500)」(共著者の一人として参加)[7] - 『S-Fマガジン』2021年12月号(2021年10月25日発売)(早川書房)
  • 「しおゆきこおり、いつかの国語」 - 『文學界』2024年12月号(文芸春秋)

脚注

[編集]
  1. ^ 『アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー』(ハヤカワ文庫JA、2019年6月)202頁
  2. ^ a b c 櫻木みわ「コークスが燃えている」契約社員でシングル アラフォー女性 多難な妊娠/自身の痛切な体験にじむ『読売新聞』夕刊2022年6月6日3面
  3. ^ 読書日和 櫻木みわ(作家) まっすぐに生きてゆく 永田和宏著 「歌に私は泣くだらう」”. 中部経済新聞 愛知・岐阜・三重・静岡の経済情報. 2020年8月28日閲覧。
  4. ^ a b poolメンバー紹介”. www.yaginoki.com. 2020年8月28日閲覧。
  5. ^ a b 『うつくしい繭』(講談社、2018年12月)著者情報
  6. ^ 『ゲンロン 6』(株式会社ゲンロン、2017年9月)249頁、297頁
  7. ^ 小川哲『ゲームの王国』上下(2019年)を担当。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]