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梶山雄一

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
梶山 雄一
人物情報
生誕 (1925-01-02) 1925年1月2日
日本の旗 日本静岡県静岡市
死没 2004年3月29日(2004-03-29)(79歳没)
日本の旗 日本
出身校 京都帝国大学
学問
研究分野 仏教学
研究機関 京都大学佛教大学、創価大学国際仏教学高等研究所
学位 文学博士
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梶山 雄一(かじやま ゆういち、1925年1月2日 - 2004年3月29日)は、日本の仏教学者京都大学名誉教授

経歴

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出生から修学期

1925年、静岡県静岡市で生まれた。静岡県立静岡中学校を経て、1942年に旧制静岡高校に入学。戦時の措置により高校課程は2年半に短縮され、1944年5月以降は勤労動員された。この頃、浄土真宗の篤信者の強い感化を受けて、親鸞に傾倒。1944年9月に静岡高校を卒業。

1944年10月、京都大学文学部哲学科に入学。しかしながら、戦局の悪化に伴い、1945年1月より終戦時まで学業を中断して兵役につき、陸軍特別幹部候補生として習志野で訓練を受けた。終戦後復学し、宗教学第三講座で仏教学を専攻し、久松真一長尾雅人の指導を受けた。1948年、親鸞の思想に関する卒業論文「報身の哲学」を提出して同大学を卒業した。

1948年から京都大学大学院特別研究生。サンスクリットチベット語を学習し、大乗仏教の原典研究に従事。中観派空の思想、特に陳那の論理学を採り入れて「空」を論理的に解明した清弁の思想についての研究を進めた。

仏教学者として

京都大学人文科学研究所嘱託に採用され、塚本善隆を主班とする初期中国仏教研究会のメムバーとして慧遠僧肇らの著作に関する研究に従事した。1953年4月から3年間、インドビハール州ナーランダ・パーリ研究所に研修員兼講師として派遣され、研究留学。派遣の経緯は、ナーランダ・パーリ研究所英語版の所長・カシャプ師より塚本善隆のもとへ大乗仏教研究者推薦依頼があり、長尾雅人と相談の上で決定されたものであった。1955年3月、それまでカルカッタ大学教授であったサトカーリ・ムケルジー教授(Mookerjee Satkari)が第2代所長としてナーランダ・パーリ研究所に赴任。同教授の指導の下で研究することによって、ダルマキールティ及び彼以後の認識論論理学を中心とする大乗仏教哲学を研究してゆく上での素地が作られた[1]

帰国後、京都大学文学部助教授に就任。後に教授昇格。同僚には大地原豊服部正明柳田聖山らがいた。1971年、学位論文『ナーガールジュナの哲学』を京都大学に提出して文学博士号を取得[2]。京都大学を退職後は佛教大学教授をつとめ、同大学に総合研究所を設立し所長となった。1997年からは創価大学国際仏教学高等研究所教授。この他にも、ヴィスコンシン大学[3]ハーヴァード大学神学部など海外の諸大学で客員教授を務めた。

学界では、日本印度学仏教学会常任理事を務めた。2004年3月29日に死去[4]

受賞・栄典

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研究内容・業績

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専門は仏教学大乗仏典における「」思想研究の第一人者で、ダルマキールティを中心とした仏教論理学中観研究、浄土思想研究にも多大な功績がある[5]。その思索は、没後『梶山雄一著作集』(春秋社、全8巻)としてまとめられた。

指導学生

主な門下生には、下記がいる。

著作

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著書

著作集

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  • 『梶山雄一仏教哲学論集』臨川書店、1989年[8]
    • 普及版 2005年
  • 『梶山雄一著作集』(全8巻) 春秋社、2011-2013年
  1. 『仏教思想史論』吹田隆道編、2013年
  2. 般若の思想』御牧克己編、2012年
  3. 『神変と仏陀観・宇宙論』吹田隆道編、2012年
  4. 中観と空I』御牧克己編、2008年
  5. 『中観と空II』御牧克己編、2010年
  6. 『浄土の思想』吹田隆道編、2013年
  7. 『認識論と論理学』吹田隆道編、2013年
  8. 報と輪廻・仏教と現代との接点』御牧克己編、2011年

編訳著

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桂紹隆・丹治昭義・田村智淳・津田真一共訳

共編著

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  • 『空の論理 中観 仏教の思想 3』上山春平共著[15]角川書店 1969
  • 『仏教の思想 その原形をさぐる』上山春平共編、中公新書 1974
  • 「講座・大乗仏教」(全10巻) 、編集委員、春秋社 1982-85
    • 新装版 1995-96年
    第2巻『般若思想』
    第7巻『中観思想』
    第9巻『認識論と論理学』
  • 「岩波講座 東洋思想」(全16巻) 、岩波書店 1988-90
    • 復刊 1998-99年
    第8巻『インド仏教I』
    第10巻『インド仏教III』

論文

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脚注

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  1. ^ [梶山1988「海外の三人の師」『以文』31.]
  2. ^ CiNii(学位論文)
  3. ^ 「浄土について」山口益
  4. ^ [「梶山雄一氏の死去を悼む」常盤 義伸(梶山雄一氏略歴巻末)]
  5. ^ 梶山雄一氏の死去を悼む・業績
  6. ^ 文庫化にあたり今枝由郎が解説を付している。
  7. ^ 文庫化にあたり桂紹隆が解説を付している。
  8. ^ 欧文21篇の論文集。
  9. ^ 『唯識二十論』(改訳され『世親論集』)『論理のことば』ほか 現代語訳を収録。
  10. ^ 下記担当巻以外は、長尾雅人、荒牧典俊訳。
  11. ^ 鳩摩羅什漢訳を現代語訳したもの。
  12. ^ サンスクリット文原典)より現代語訳したもの。
  13. ^ チベット訳・漢訳に補足を交えた原典完訳。
  14. ^ 他は「観無量寿経末木文美士
  15. ^ 論考「瞑想と哲学」の他に、対談での構成。