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椿範立

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
椿 範立(範 立)
生誕 中華人民共和国の旗 中華人民共和国湖南省
研究機関 富山大学
出身校 中国科学技術大学
東京大学
主な業績 石油代替エネルギーに着目した触媒プロセスの開発
航空機ジェット燃料を直接合成できるオンデマンド触媒の開発等
主な受賞歴 日中科学技術交流協会賞
日本工業新聞社
石油学会野口記念奨励賞
日本エネルギー学会進歩賞・学会賞
日本学術振興会賞
触媒学会学会賞
プロジェクト:人物伝
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椿 範立(範 立)(つばき のりたつ、中国語: 椿范立、ファン・リ[1][2])は、工学者富山大学学術研究部工学系教授。日本学術会議連携会員[3][4]日本学術振興会第148委員会委員[1]日本工学アカデミー正会員。

人物・経歴

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1965年中華人民共和国湖南省生まれ。1987年中国科学技術大学理学部卒業後、1991年に来日し、1992年東京大学大学院工学系研究科修士課程を経て、1995年博士(工学)を取得[5]

東京大学の博士課程を卒業後、中国への帰国を考えるも、研究を続ける意欲があり、また妻が日本人であったため日本に残ることを決意する[5]。同年4月に同大学助手、1998年講師、1999年助教授に最短で昇進する。その後、2001年4月に富山大学工学部教授に35歳の若さで就任し、来日後わずか10年ほどで教授となる[5]。現在は富山大学学術研究部工学系教授を務める[6]

2007年、「石油代替エネルギーに着目した触媒プロセスの開発」により日本学術振興会賞を受賞[1][2]ネイチャー米国化学会誌アンゲヴァンテ・ケミーなど国際的に有名な学術雑誌に500を超える論文を発表し、エネルギー分野において世界的に注目されている。また9冊の本を執筆し、50を超える特許を獲得している[7]

2016年には、Elsevier社のデータベースに基づいた上海交通大学の世界一流大学研究センターの集計による「被引用数の多い論文著者ランキング2016」(エネルギー科学・工学部門)に選出された[8][9]

略歴

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主な業績

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  • 石油代替エネルギーに着目した触媒プロセスの開発(2003年)[1][2]
  • コバルトの使用量を大幅に削減できるカプセル型FT合成触媒の開発(2018年)[10]
  • 航空機ジェット燃料を直接合成できるオンデマンド触媒の開発(2018年)[11][12]
  • 「自己触媒機能付き金属触媒反応器」の作製(2020年)[13]

主な外部役職

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主な受賞

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主な取得特許

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  • 合成ガスから軽質炭化水素を製造する触媒、その触媒の製造方法、及び合成ガスから軽質炭化水素を製造する方法(特願2014-047828)
  • メタノールの製造方法(特願2010-261731、特願2011-087563)
  • メタノール合成用触媒の製造方法及びメタノールの製造方法(特願2008-063056、特願2009-259232)
  • 液体炭化水素の製造方法(特願2010-051485)
  • エタノール合成方法及び装置(特願2007-081397)
  • 含酸素化合物の製造方法(特願2009-059360)

著書(分担執筆を含む)

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  • “Design and Engineering of Gas-Liquid-Solid Three-Phase Slurry Reactor and Bubble Column Reactor”in “Chemical Engineering Encyclopedia”7th edition(丸善出版、2011年)
  • “Chemistry of Fischer-Tropsch Synthesis”, in "New Development of Biomass Refinery Catalytic Technology"(シーエムシー出版、2011年)
  • “Preparation of Capsule Catalyst and Cu/ZnO Catalyst”in “Handbook of Catalyst Preparation”(エヌ・ティー・エス、2011年)
  • “Catalytic Chemistry of Reduction Reactions”in “Catalysis Chemistry”(丸善出版、2011年)
  • “Biomass to Hydrocarbons”, in “Biomass Handbook”, 2nd edition(オーム社、2010年)
  • New Bimodal Catalysts for Fischer-Tropsch Synthesis book chapter in "Advanced Technology of Methane Chemical Conversion" (シーエムシー出版、2008年)

脚注

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  1. ^ a b c d 第3回(平成18年度)日本学術振興会賞受賞者一覧”. 日本学術振興会. 2020年11月6日閲覧。
  2. ^ a b c 椿範立(範立)”. 第3回(平成18年度)日本学術振興会賞. 2020年11月6日閲覧。
  3. ^ 連携会員一覧|日本学術会議”. www.scj.go.jp. 2020年11月6日閲覧。
  4. ^ “[https://www.scj.go.jp/ja/scj/member/pdf/25renkei_meibo.pdf 第 2 5 期 日本学術会議連携会員名簿 (全体版) 令和2年10月1日 現在]”. 日本学術会議. 2020年11月6日閲覧。
  5. ^ a b c 活跃在日本的中国人―富山大学教授 椿范立 - 客观日本”. www.keguanjp.com. 2020年11月6日閲覧。
  6. ^ 椿 範立 Tsubaki Noritatsu”. KAKEN. 2020年11月6日閲覧。
  7. ^ 日本富山大学椿范立教授学术报告及师生座谈会”. 材料科学与工程学院. 2020年11月6日閲覧。
  8. ^ Elsevier社のデータベースに基づいた、上海交通大学の世界一流大学研究センター の集計による「被引用数の多い論文著者ランキング2016」(エネルギー科学・工 学部門)において、環境応用化学科 椿 範立教授が選出されました - ニュース|富山大学 工学部”. enghp.eng.u-toyama.ac.jp. 2020年11月6日閲覧。
  9. ^ The Most Cited Researchers: Developed for ShanghaiRanking's Global Ranking of Academic Subjects 2016 by Elsevier”. www.shanghairanking.com. 2020年11月6日閲覧。
  10. ^ “[https://www.jst.go.jp/pr/announce/20180814/index.html 従来の定説を覆す新規なFT合成触媒 ~コバルト含有量の大幅削減に成功~]”. 富山大学 科学技術振興機構(JST). 2020年11月6日閲覧。
  11. ^ 航空機ジェット燃料を直接合成 富山大学開発の新たな「オンデマンド触媒」”. 大学ジャーナルオンライン (2018年10月13日). 2020年11月10日閲覧。
  12. ^ “[https://www.jst.go.jp/pr/announce/20180918/index.html 航空機ジェット燃料を直接合成できるオンデマンド触媒の開発 ~「ゲームチェンジングテクノロジー」による低炭素社会の実現~]”. 富山大学 科学技術振興機構(JST). 2020年11月6日閲覧。
  13. ^ “[https://www.jst.go.jp/pr/announce/20200814/index.html 世界初、自己触媒機能付き金属触媒反応器を3Dプリント技術で作製 ~高温・高圧反応可能、プラントを劇的に小型化~]”. 富山大学 科学技術振興機構(JST). 2020年11月6日閲覧。
  14. ^ 2020年7月 日本航空株式会社 感謝状(賞状)”. 椿研究室. 2020年11月10日閲覧。

外部リンク

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