コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

泉大八

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
泉 大八
いずみ だいはち
誕生 百武 平八郎
(1928-08-25) 1928年8月25日(96歳)
日本の旗 日本 鹿児島県出水郡出水町
(現:出水市
職業 小説家
言語 日本語
最終学歴 旧制第七高等学校造士館 中退
活動期間 1959年 -
ジャンル プロレタリア文学
官能小説
代表作 『アクチュアルな女』(1961年
『欲望のラッシュ』(1967年
主な受賞歴 第44回(1960年下期)芥川賞
最終候補『ブレーメン分会』
デビュー作 『空想党員』(1959年)
配偶者 あり
テンプレートを表示

泉 大八(いずみ だいはち、1928年8月25日 - )は、日本の小説家。本名は百武 平八郎(ひゃくたけ へいはちろう)[1]

来歴

[編集]

鹿児島県[1]出水郡出水町(現在の出水市)出身。熊本の陸軍士官学校在学中に終戦を迎え、旧制第七高等学校造士館(現・鹿児島大学)に編入するも中退。上京後、電電公社に就職。1959年に『アカハタ』へ投稿した「空想党員」が入選しデビューする[1]

1960年に『新日本文学』7月号掲載の「ブレーメン分会」で芥川賞候補となる[1]

1962年2月、前年の日本共産党第8回大会にかんして、安部公房(「空想党員」が入賞したときの選者のひとり)らと共に日本共産党中央指導部を批判する文書を公表したことを理由に党を除名される。

1968年に電電公社を退社したことに前後し、官能小説へ転向[1]。この転向劇は坪内祐三の回顧によれば、講談社小説現代』の第2代編集長であった大村彦次郎が芥川賞受賞者の宇能鴻一郎に官能小説を書かせてヒットしたことを受けて、泉や川上宗薫らを次々と起用した流れだとされている[2]1970年代にはスポーツ新聞各紙の連載で主に「痴漢モノ」を執筆し、人気を集めた[3]

著書

[編集]
  • 『アクチュアルな女』三一書房 1961
  • 『お早よう日本海』河出書房新社 1965
  • 『欲望のラッシュ』講談社 1967
  • 『ラブの戦場』講談社 1968
  • 『瘋癲通勤日記』講談社 1968
  • 『前夜の怪談』講談社 1968
  • 『陽気な痴女たち』講談社 1969
  • 『優雅な痴人たち』講談社 1969
  • 『ブルーの大統領』毎日新聞社 1969
  • 『夫婦百景』講談社 1969
  • 『狩猟の歌がきこえる』講談社 1970
  • 『愛の黙劇』講談社 1970
  • 『少女熱愛』講談社 1970
  • 『舌には舌を』講談社 1970
  • 『浮気見学』講談社 1970
  • 『こんな性の話もある』KKベストセラーズ 1970
  • 『五日妻』青樹社 1971
  • 『ヘンな体験』ベストセラー・ノベルス 1972
  • 『愛好航路』青樹社 1972
  • 『かけもち妻』青樹社 1972
  • 『少女の薄化粧』青樹社 1973
  • 『虚婚旅行』青樹社 1973
  • 『性教育ママ』正続 青樹社, 1974
  • 『うわき妻』青樹社 1974
  • 『ビバ女子大生』番町書房 1974
  • 『OLちゃん』青樹社 1974
  • 『団地妻』青樹社 1974
  • 『ヤングレディの体験旅行』青樹社 1975
  • 『ふたり妻』青樹社 1975
  • 『体験ざかり』サンケイノベルス 1975
  • 『マルチ妻』青樹社 1975
  • 『変身妻』青樹社 1975
  • 『熱いのが好き 独身男性のおんな研究』桃園書房 1976
  • 『犯しっこ』青樹社(Big books)1976
  • 『いつもほんわか』実業之日本社 1976年
  • 『あたっく魔くん』双葉新書 1976
  • 『ジュンちゃん』双葉新書 1976
  • 『感じちゃう』青樹社(Big books)1976
  • 『フレッシュ体験』実業之日本社(Joy novels)1976
  • 『疎外パパ』青樹社(Big books)1977
  • 『露出かくし 青樹社(Big books)1977
  • 『ミセスの欲望』講談社(ロマン・ブックス)1978
  • 『ヤングミセスの冒険』桃園書房 1978.7
  • 『セクシーって好き!』青樹社(Big books)1978
  • 『薄化粧』ロングセラーズ 1978.12 (ムックの本)1978
  • 『女子大生の金曜日』廣済堂出版(Kosaido blue books)1978
  • 『いま、いい? 大人の童話集』青樹社 1979
  • 『スリル好き!』桃園書房 1979.5
  • 『愛しっこ』青樹社(Big books)1979
  • 『夜々のOL』実業之日本社(Joy novels)1979
  • 『ラブ・ファミリー』講談社(ロマン・ブックス)1979
  • 『せっくす個人教授』(廣済堂出版・1980年)
  • 『モテる条件』青樹社(Big books)1980
  • 『スキン・ラブ』桃園書房 1980.9
  • 『媚女づくり 官能カウンセラー小説』実業之日本社(Joy novels)1981
  • 『奥さまどうぞ 大人の童話集』青樹社(Big books)1981
  • 『好き好き』広済堂出版(Kosaido blue books)1982
  • 『浮気妻団地』大陸書房(快感ポルノシリーズ)1982
  • 『さそわないで 大人の童話集』青樹社(Big books)1982
  • 『濡れてパープル 12星座の女ラブロマン』実業之日本社(Joy novels)1983
  • 『食べたくなっちゃう』サンケイ出版 1983.11
  • 『浮気見学』青樹社(Big books)1983
  • 『土曜日の誘惑 大人の童話集』青樹社(Big books)1983
  • 『いま、いい? 大人の童話集』青樹社 (Big books) 1984.6
  • セクシートラベル桃園文庫 1986
  • 『のぞかせ上手』桃園文庫 1986.9
  • 『OLヨウ子のアバンチュール』グリーンアロ-出版社 1988

映画化作品

[編集]
  • 『凄い奴ら』東宝 1971
  • 『性教育ママ』にっかつ 1973
  • 『感じるんです』にっかつ 1976
  • 『泉大八の犯しっこ』にっかつ 1978
  • 『泉大八の女子大生の金曜日』にっかつ 1979

漫画原作

[編集]
  • 『青春海流』(青池保子・画)講談社『週刊少女フレンド』連載 - 原作は「お早よう日本海」[4]
  • 『セクシー社外授業』(三上タロー・画)双葉社
  • 『らぶトレーニング』(三上タロー・画)双葉社
  • 『女子大生の金曜日』(三上タロー・画)双葉社
  • 『浮気ぴんぴん』(横山まさみち・画)双葉社
  • 『悩殺あそび』(横山まさみち・画)双葉社

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e 2019-07-11」『デジタル版 日本人名大辞典+Plus』https://kotobank.jp/word/2019-07-11コトバンクより2020年7月10日閲覧 
  2. ^ 坪内祐三、福田和也『羊頭狗肉 のんだくれ時評65選』Vol.62「皆お世話になったポルノ小説の宇能鴻一郎が純文学で“復活”」(扶桑社SPA! BOOKS、2014年
  3. ^ 田中大介 (2024年6月17日). “「痴漢」は「男性の娯楽」…かつて「日本の雑誌」で語られていた「衝撃的すぎる内容」”. マネー現代 (講談社). https://gendai.media/articles/-/131259?page=1&imp=0 2024年6月26日閲覧。 
  4. ^ 70年代作品リスト”. 青池保子 公式サイト. 2019年7月11日閲覧。

関連項目

[編集]