浅野千鶴子
浅野 千鶴子 (淺野 千鶴子) | |
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生誕 | 1904年3月22日 |
出身地 | 日本 高知県 高知市 |
死没 |
1991年3月3日(86歳没) 日本 |
学歴 | 東京音楽学校 |
ジャンル | クラシック音楽 |
職業 |
声楽家(ソプラノ) 音楽教育者 |
浅野 千鶴子(あさの ちづこ、旧字体:淺野 千鶴子 [1]、1904年(明治37年)3月22日[2] - 1991年(平成3年)3月3日[2])は、日本の声楽家(ソプラノ[2])、音楽教育者。東京藝術大学名誉教授。民謡歌手で秋田県出身の浅野千鶴子は同姓同名の別人。
経歴
[編集]高知県高知市出身[2]。1927年(昭和2年)東京音楽学校研究科修了。永井郁子に師事し、マルガレーテ・ネトケ=レーヴェ、長坂好子の指導も受けた[3]。1920年代から文化学院の教壇に立つ[4]。1929年(昭和4年)4月 京城で「山田耕筰作品発表会」に出演(ピアノ:山田耕筰、ヴァイオリン:黒柳守綱、ソプラノ:浅野千鶴子)。1930年(昭和5年)東京でリサイタル・デビュー。1935年(昭和10年)東京音楽学校第75回定期演奏会(於:日比谷公会堂)でバッハ『聖母讃歌』ソリスト(指揮:クラウス・プリングスハイム、ソプラノ:浅野千鶴子、メゾソプラノ:田中伸枝、アルト:齋藤英子、テノール:木下保、バス:伊藤武雄)[5]。1936年(昭和11年)東京音楽学校第80回定期演奏会でラモー:カンタータ『オルフィス』ソロ(指揮:クラウス・プリングスハイム)。1937年(昭和12年)から1940年(昭和15年)イタリア留学[2]。演奏家として日本歌曲、フランス歌曲の普及につとめた。1942年(昭和17年)6月 日本青年館で浅野千鶴子独唱会[6]。1948年(昭和23年)札幌にてドビュッシー三十年記念「フランス歌曲独唱会」浅野千鶴子:ソプラノ・野辺地瓜丸:ピアノ。同年9月毎日ホールにおける中田喜直第一回作品発表会・ピアノリサイタルで『六つの子供の歌』を歌う。このとき浅野は44歳であるが、すでに東京音楽学校教授として「声楽界の大御所的な存在だった」という[7]。1952年(昭和27年)釧路公民館にて浅野千鶴子:ソプラノ・野辺地爪丸:ピアノ ジョイントコンサート[8]。
演奏活動と並行して、音楽教育者として後進の育成にも力を注ぎ、留学後に東京音楽学校講師、助教授を経て、1944年(昭和19年)教授。退職後に東京藝術大学名誉教授。1969年(昭和44年)から1973年(昭和48年)愛知県立芸術大学教授、1979年(昭和54年)からフェリス女学院短期大学音楽科声楽部門講師[9]。のち東京純心女子短期大学教授を務めた[2]。とりわけ伊藤京子の師であったことは特筆されるべきであろう。他にも門下生としては、常森寿子[8]、松島詩子[10]、安西愛子[11]、岩本直子[12]、中屋早紀子[13]、山田暢[14]、後藤基裕[15]、伊崎燁子[16]、木村賀洋子[17]、山本洋子[18]、竹村靖子[19]、市川倫子[20]、長谷川眞弓[21]、関定子[22]、北村さおり[23]などがいる。
1991年(平成3年)3月3日逝去。86歳没。
主な受賞歴
[編集]著書
[編集]楽譜
[編集]主なディスコグラフィー
[編集]- 二重唱:千草の花 永井郁子、浅野千鶴子、海老名道子[ピアノ] (ニッポノホン、商品番号:16295、1926-10)[1]
- 獨唱:かもめ 室生犀星[作詞]、弘田龍太郎[作曲]、淺野千鶴子、弘田龍太郎[指揮 ]、コロムビア管絃樂團 (コロムビア、商品番号:32012_2207174)[1]※1941年(昭和16年)4月新譜
- 独唱:皇后陛下御誕辰奉祝歌(二) 佐佐木信綱[作詞]、信時潔 [作曲]、浅野千鶴子 (コロムビア(戦前)、商品番号:33741、1941-06)[1]
- 交響詩:『大陸の黎明』第一楽章(その一) 北原白秋[作詞]、山田耕筰[作曲]、山田耕筰[指揮]、日本放送交響楽団 、浅野千鶴子[独唱]、木下保[独唱]、伊藤武雄[独唱] (コロムビア(戦前)、商品番号:S6011)[1]
- 交響詩:『大陸の黎明』第一楽章(その二) 北原白秋[作詞]、山田耕筰[作曲]、山田耕筰[指揮]、日本放送交響楽団、浅野千鶴子[独唱]、木下保[独唱]、伊藤武雄[独唱] (コロムビア(戦前)、商品番号:S6011)[1]
- 交響詩:『大陸の黎明』第二楽章(その一) 北原白秋[作詞]、山田耕筰[作曲]、山田耕筰[指揮]、日本放送交響楽団、浅野千鶴子[独唱]、木下保[独唱]、伊藤武雄[独唱] (コロムビア(戦前)、商品番号:S6012)[1]
- 交響詩:『大陸の黎明』第二楽章(その二) 北原白秋[作詞]、山田耕筰[作曲]、山田耕筰[指揮]、日本放送交響楽団、浅野千鶴子[独唱]、木下保[独唱]、伊藤武雄[独唱] (コロムビア(戦前)、商品番号:S6012)[1]
- 交響詩:『大陸の黎明』第三楽章(その一) 北原白秋[作詞]、山田耕筰[作曲]、山田耕筰[指揮]、日本放送交響楽団、浅野千鶴子[独唱]、木下保[独唱]、伊藤武雄[独唱] (コロムビア(戦前)、商品番号:S6013)[1]
- 交響詩:『大陸の黎明』第三楽章(その二) 北原白秋[作詞]、山田耕筰[作曲]、山田耕筰[指揮]、日本放送交響楽団、浅野千鶴子[独唱]、木下保[独唱]、伊藤武雄[独唱] (コロムビア(戦前)、商品番号:S6013)[1]
- 交響詩:『大陸の黎明』第四楽章(その一) 北原白秋[作詞]、山田耕筰[作曲]、山田耕筰[指揮]、日本放送交響楽団、浅野千鶴子[独唱]、木下保[独唱]、伊藤武雄[独唱](コロムビア(戦前)、商品番号:S6014)[1]
- 交響詩:『大陸の黎明』第四楽章(その二) 北原白秋[作詞]、山田耕筰[作曲]、山田耕筰[指揮]、日本放送交響楽団、浅野千鶴子[独唱]、木下保[独唱]、伊藤武雄[独唱] (コロムビア(戦前)、商品番号:S6014)[1]
- 交響詩:『大陸の黎明』第五楽章(その一) 北原白秋[作詞]、山田耕筰[作曲]、山田耕筰[指揮]、日本放送交響楽団、浅野千鶴子[独唱]、木下保[独唱]、伊藤武雄[独唱] (コロムビア(戦前)、商品番号:S6015)[1]
- 交響詩:『大陸の黎明』第五楽章(その二) 北原白秋[作詞]、山田耕筰[作曲]、山田耕筰[指揮]、日本放送交響楽団、浅野千鶴子[独唱]、木下保[独唱]、伊藤武雄[独唱] (コロムビア(戦前)、商品番号:S6015)[1]
- 独唱:おもいで 藤浦洸[作詞]、越谷達之助 [作曲]、奥山貞吉[編曲]、浅野千鶴子 (コロムビア(戦前)、商品番号:100647、1943-02)[1]
- 独唱:口笛吹きぬ 石川啄木[作詞]、越谷達之助[作曲]、服部良一 [編曲]、浅野千鶴子 (コロムビア(戦前)、商品番号:100647、1943-02)[1]
- 愛国百人一首:わが脊子は 安倍女郎[作詞]、山田耕筰[作曲]、浅野千鶴子、東京音楽学校生徒[合唱] (コロムビア(戦前)、商品番号:100689、1943-04)[1]
- エクゾーデのメニユエツト・私は齒朶になりたい 淺野千鶴子[ソプラノ獨唱]、野邊地瓜丸[ピアノ] (Columbia、商品番号:B111)[1]
- 厭よ、森なんかにゆくのは・來れ、快よき春よ 淺野千鶴子[ソプラノ獨唱]、野邊地瓜丸[ピアノ] (Columbia、商品番号:B111)[1]
- いゝえ.私は信じません 淺野千鶴子[ソプラノ獨唱]、野邊地瓜丸[ピアノ] (Columbia、商品番号:B112)[1]
- ナネツト・何でも ものには 潮時がある 淺野千鶴子[ソプラノ獨唱]、野邊地瓜丸[ピアノ] (Columbia、商品番号:B112)[1]
- 山田耕筰名歌曲集 第二輯 獨唱 鐘が鳴ります 北原白秋 [作詞]、山田耕筰[作曲]、淺野千鶴子、野辺地勝久[ピアノ伴奏] (コロムビア、商品番号:B144_1211214)[1]
- 山田耕筰名歌曲集 第二輯 獨唱 野薔薇 三木露風 [作詞]、山田耕筰[作曲]、淺野千鶴子、野辺地勝久[ピアノ伴奏] (コロムビア、商品番号:B144_2211215)[1]
- ドビュッシー:忘れられた小歌(ヴェルレーヌ詩) 浅野千鶴子(ソプラノ) 野邊地瓜丸(ピアノ) 1950年録音 日本コロムビア B177/9[3]
- 信濃の國(上) 淺井冽[作詞]、北村季晴[作曲]、小山淸茂[編曲 ]、淺野千鶴子[ソプラノ]、鷲崎良三[テナー]、三枝喜美子[アルト]、尾籠晴夫[バス]、コロムビア合唱團 (コロムビア、商品番号:B313_1214144)[1]
- 信濃の國(下) 淺井冽[作詞]、北村季晴[作曲]、小山淸茂[編曲]、淺野千鶴子[ソプラノ]、鷲崎良三[テナー]、三枝喜美子[アルト]、尾籠晴夫[バス]、コロムビア合唱團 (コロムビア、商品番号:B313_2214145)[1]
- 伊太利歌曲選 獨唱 やさしい若者よ G.B.ペルゴレージ[作曲 ]、浅野千鶴子[独唱]、伊達純[ピアノ] (コロムビア、商品番号:B422_2213140)[1]
- 山田耕筰の遺産(5)歌曲編V オムニバス CD 1996年4月20日 日本コロムビア[24]
- 日本SP名盤復刻選集III オムニバス CD7枚組 ロームミュージックファンデーション
- SP音源復刻盤 信時潔作品集成(2008年度(平成20年度)文化庁芸術祭大賞受賞)オムニバス 2008年11月19日 日本伝統文化振興財団[25]
- [SP音源による]コロムビア・ヴィンテージ・コレクション Vol.1 日本人アーティスト編 オムニバス 2009年9月18日 日本コロムビア[26]
- SP音源による『伝説の名演奏家たち』-日本人アーティスト編 2010年1月19日 コロムビア COCQ-84696-7
脚注・出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z “浅野千鶴子”. 国立国会図書館デジタルコレクション. 2020年3月15日閲覧。
- ^ a b c d e f g “浅野 千鶴子”. コトバンク 20世紀日本人名事典. 2020年3月14日閲覧。
- ^ a b “ダイレクト・トランスファー CD-Rその3”. グッディーズ. 2020年3月14日閲覧。
- ^ “沿革”. 文化学院. 2020年3月14日閲覧。
- ^ “東京藝術大学音楽学部 紀要 第34集 抜刷 平成21年3月 乘杉嘉壽校長時代の東京音楽学校 昭和3年~20年 橋本久美子”. 東京藝術大学図書館. 2020年3月15日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “『音楽之友』記事に関するノート 第2巻第7号(1942.07)”. 小関康幸. 2020年3月15日閲覧。
- ^ “中田喜直”. History of music クラシック音楽家の年譜 ~岩田 幸雄 編~. 2020年3月15日閲覧。
- ^ a b “釧路における音楽鑑賞活動の中で(その2) 徳田 廣”. 『河太郎』7号. 2020年3月15日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “Fグループ会報第八号”. フェリス女学院短期大学音楽科同窓会. 2020年3月15日閲覧。
- ^ “松島詩子記念館”. 柳井市. 2020年3月14日閲覧。
- ^ “安西愛子 現在は死去していた(画像付き)!安西愛子参議院の経歴公開!”. カレーなる一族. 2020年3月15日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “浅野千鶴子先生の言葉(メモ)”. ソプラノ歌手岩本直子. 2020年3月14日閲覧。
- ^ “水谷達夫名誉教授 生誕100年記念演奏会”. 学校法人東京聖徳学園. 2020年3月14日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “会員情報”. フランス歌曲研究会. 2020年3月14日閲覧。
- ^ “歌とピアノのトークコンサート”. ピティナ・コンサート情報. 2020年3月14日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “プロフィール”. 伊崎燁子声楽教室. 2020年3月14日閲覧。
- ^ “KAYOKO KIMURA SOPRANO RECITAL”. 2020年3月14日閲覧。
- ^ “2017年第8回アフタヌーンコンサート ソプラノ山本洋子”. 小金井宮地楽器ホール. 2020年3月15日閲覧。
- ^ “竹村靖子”. 歌工房. 2020年3月15日閲覧。
- ^ “Vocalist”. ピアニスト斎藤雅広オフィシャルウェブサイト. 2020年3月15日閲覧。
- ^ “バックナンバー 2006年度出演者プロフィール”. 音楽の祭日. 2020年3月15日閲覧。
- ^ “12月の例会のお知らせ”. 歌曲アンサンブル研究会. 2020年3月15日閲覧。
- ^ “小さき花の詩”. 北村さおり. 2020年3月15日閲覧。
- ^ “山田耕筰の遺産(5)歌曲編V”. Amazon. 2020年3月15日閲覧。
- ^ “SP音源復刻盤 信時潔作品集成”. Amazon. 2020年3月15日閲覧。
- ^ “[SP音源によるコロムビア・ヴィンテージ・コレクション Vol.1 日本人アーティスト編]”. Amazon. 2020年3月15日閲覧。