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海原地震

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

海原地震
地震の震央の位置を示した地図
本震
発生日 1920年12月16日
震央 中国 寧夏回族自治区海原県 [1]
座標 北緯36度42分 東経104度54分 / 北緯36.7度 東経104.9度 / 36.7; 104.9座標: 北緯36度42分 東経104度54分 / 北緯36.7度 東経104.9度 / 36.7; 104.9[2]
規模    M8.5〜8.6
津波 なし
地すべり あり
被害
死傷者数 死者 235,502人 [3][4]
負傷者 36,323人[5]
プロジェクト:地球科学
プロジェクト:災害
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海原地震(かいげんじしん)は[6]1920年12月16日中国寧夏回族自治区海原県で発生した巨大地震である。海原大地震もしくは1920年甘粛地震とも呼ばれる[7]。地震の規模(マグニチュード)はM8.5(Ms8.6)[2]

概要

1920年12月16日、中華民国甘粛省海原県)で内陸型の大地震が発生した。中国大陸のほぼ全域で揺れが観測され、震源近傍では激震となったほか、震源から離れた北京上海広州香港等でも有感となった[8]。地震の規模はM8.5(Ms8.6)で、内陸直下型地震としては世界最大級の規模である。地震波形は世界の96地点で記録された[9]余震本震発生からおよそ3年間も続いたという[7]

海原地震により、200km以上にわたって左ずれの地表地震断層(西北西-東南東)が出現した[10](237kmの地表地震断層帯が現れた[11])。さらにこの地震断層の西方延長上において、7年後にMs7.9の地震が発生した(7年後の地震による地震断層は60km)[10]

被害

地震の発生地点である寧夏回族自治区には活断層が南北に走っており、激震で大規模な地すべり斜面崩壊が多発、甚大な被害が発生した[12]。地震による死者数は20万〜24万人程度に達し[7]、合計死傷者数は50万人以上となった。

死者・行方不明者が多い地震(世界)
順位 震央 発生日(UTC 死者・行方不明者数(人) 規模(M)
1 中国・華県 1556年1月23日 約830,000 8.0
2 ハイチ・ポルトープランス 2010年1月12日 約320,000 7.0
3 アンティオキア 115年12月13日 約≧260,000 7.5
4 アンティオキア 526年5月29日 約≧250,000 7.0
5 中国・唐山 1976年7月28日 約≧240,000 7.8
6 中国・海原 1920年12月16日 約200,000 - 240,000 8.6
7 インドネシア・アチェ州沖 2004年12月26日 約230,000 9.1
アゼルバイジャン・ギャンジャ 1139年9月30日 約230,000 -
9 中国・洪洞 1303年9月25日 約≧200,000 7.6
10 イラン・ダームガーン 856年12月22日 約200,000 7.9
11 イラン・アルダビール 893年3月23日 約150,000 -
12 シリア・アレッポ英語版 533年11月29日 約130,000 -
シリア・アレッポ 1138年10月11日 約130,000 7.1
14 イタリア・メッシーナ 1908年12月28日 82,000 - 120,000 7.1
15 トルクメニスタン・アシガバード 1948年10月6日 約110,000 7.3
16 日本・関東 1923年9月1日 105,385 7.9
17 中国・直隷 1290年9月27日 約100,000 6.8

脚注

  1. ^ 甘粛地震』 - コトバンク
  2. ^ a b 理科年表 2021, p. 地219(819).
  3. ^ 大木・纐纈 (2009), p. 56.
  4. ^ 岡田 (2009), p. 263.
  5. ^ 宇津検索
  6. ^ 海原地震』 - コトバンク
  7. ^ a b c 甚大なる被害をもたらした世界25の地震 (2015年5月6日)”. エキサイトニュース. 2020年4月3日閲覧。
  8. ^ 中華民国期の海原大地震 (1920年) にみる共助的な被災後対応 (PDF)
  9. ^ 1920年海原地震について - J-GLOBAL
  10. ^ a b 宇津 2001, p. 185.
  11. ^ 中国大陸における主な活構造帯の定量的研究、及び強震予知についての検討”. spc.jst.go.jp. 2022年4月30日閲覧。
  12. ^ 得燈, 張; 篤雄, 竹内; 恭二, 佐々 (1995). “1920年海原地震の際に発生したレス地すべりの運動特性”. 地すべり 32 (1): 12–17_1. doi:10.3313/jls1964.32.1_12. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jls1964/32/1/32_1_12/_article/-char/ja. 

参考文献

  • 宇津徳治『地震学 第3版』共立出版、2001年。ISBN 978-4-320-04637-5 
  • 大木聖子纐纈一起『地震の大研究』PHP研究所、2009年。ISBN 978-4-569-68953-1 
  • 岡田義光『日本の地震地図 決定新版』東京書籍、2019年。ISBN 978-4-487-81228-8 
  • 国立天文台理科年表 2021年』丸善ISBN 978-4-621-30560-7