深見泰三
ふかみ たいぞう 深見 泰三 | |
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本名 | 植岡 隆逸(うえおか たかいつ) |
生年月日 | 1901年1月22日 |
没年月日 | 不詳年 |
出生地 | 日本 宮崎県 |
職業 | 俳優 |
ジャンル | 新劇、劇映画(現代劇・時代劇、トーキー)、テレビドラマ |
活動期間 | 1926年 - 1967年 |
配偶者 | 植岡 泰江 |
主な作品 | |
『与太者サーカス』 『祇園の姉妹』 |
深見 泰三(ふかみ たいぞう、1901年1月22日 - 没年不詳)は、日本の俳優である[1][2][3]。本名は植岡 隆逸(うえおか たかいつ)[1][2]。
来歴・人物
[編集]1901年(明治34年)1月22日、宮崎県に生まれる[1][2]。実家は旅館業を経営していた。京都府立美術工芸学校(現在の京都市立銅駝美術工芸高等学校)中退[1][2]。
1926年(大正15年)5月、坪内士行(1887年 - 1986年)等の宝塚国民座の創立に参加し俳優となる[1][2]。1929年(昭和4年)、松竹大阪の専属俳優となり、同年8月には大阪浪花座で旗揚げした関西歌舞伎の阪東壽三郎(1986年 - 1954年)を中心とする第一劇場に参加した。同劇場には小堀誠、吉田豊作、進藤英太郎、八雲恵美子などがいた。1933年(昭和8年)に更生新声劇に加わる。
1936年(昭和11年)、深見は急遽、溝口健二監督映画『祇園の姉妹』への出演が決定する[1]。撮影前、カメラに慣れる為に石本統吉監督映画『与太者サーカス』で月田一郎と共演し、映画デビューを果たす[1][2]。そして、同年10月に公開された『祇園の姉妹』では山田五十鈴に扮する妹芸者に騙され、主家の金に手をつけてクビになる商人を演じた。これには同じ舞台で共演した進藤英太郎も出演している。その甲斐があって第一映画社解散後、深見は東宝の前身であるJ.O.スタヂオに入社[1][2]。1937年(昭和12年)、東宝に合併した後も専属俳優として数多くの作品に出演した[1][2]。
戦後も引き続き東宝で活躍していたが、1951年(昭和26年)、第一協団に加わり東京映画に移籍[1][2]。1955年(昭和30年)には日活と本数契約して多数の作品に出演する[1][2]。また、テレビドラマにも出演していたが、1967年(昭和42年)春、発話障害に近い難聴となり、芸能界を引退[1][2]。引退後は日本画に余生を傾けていた[1]。1979年(昭和54年)に発行された『日本映画俳優全集 男優篇』では、存命人物として東京都世田谷区成城の連絡先が示されている[1]が、以後の消息は明らかになっていない。没年不詳。
出演作品
[編集]映画
[編集]- 与太者サーカス(1936年、第一映画)
- 祇園の姉妹(1936年、第一映画) - 呉服屋の番頭木村保
- 花火の街(1937年、J.O.スタヂオ) - 刑事吉公
- 夜の鳩(1937年、J.O.スタヂオ) - 藤井
- 歌う弥次喜多 京大阪の巻(1937年、J.O.スタヂオ)
- 南国太平記(1937年、J.O.スタヂオ) - 碇山将曹
- 権三と助十(1937年、J.O.スタヂオ) - 大岡越前守
- 東海美女伝(1937年、J.O.スタヂオ) - 本多佐渡
- 血路(1937年、東宝映画) - 会津藩士阿部
- 伊太八縞(1938年、東宝映画) - 目明し駕辰
- 長曽禰虎徹(1938年、東宝映画) - 大名長門守
- 水戸黄門漫遊記 日本晴れの巻(1938年、東宝映画) - 佐々木助三郎
- 相馬の金さん(1938年、東宝映画) - 相馬のご隠居
- 月下の若武者(1938年、東宝映画) - 波田塵九郎
- むかしの歌(1939年、東宝映画) - 酒井
- 東京の女性(1939年、東宝映画) - セールスマン高山
- 沼津兵学校(1939年、東宝映画) - 富岡讓六
- 忠臣蔵 前後篇(1939年、東宝映画) - 阿部監後守
- 多甚古村(1940年、東宝映画) - 消防の鈴木さん
- 化粧雪(1940年、東宝映画) - 丸竹の番頭
- エノケンのワンワン大将(1940年、東宝映画) - 大阪の人
- 女の街(1940年、東宝映画) - 小泉
- 電撃息子(1940年、東宝映画) - 三太夫
- 二人の世界(1940年、東宝映画) - 関根経理課長
- 燃ゆる大空(1940年、東宝映画) - 教官
- 旅役者(1940年、東宝映画) - 北進館主人
- 熱砂の誓ひ(1940年、東宝映画) - 建設総署技正
- 秀子の応援団長(1940年、南旺映画)
- 長谷川・ロッパの 家光と彦左(1941年、東宝映画) - 土井大炊頭利勝
- 白鷺(1941年、東宝映画) - 画家
- 指導物語(1941年、東宝映画) - 太った機関士
- 八十八年目の太陽(1941年、東宝映画) - 庶務課長
- 川中島合戦(1941年、東宝映画) - 物見の兵 今里五郎
- 男の花道(1941年、東宝映画) - 天庵
- 若い先生(1942年、東宝映画) - 校医
- 梅里先生行状記 龍神剣(1942年、東宝映画) - 剣持与平
- 水滸伝(1942年、東宝映画) - 焦挺
- 母の地図(1942年、東宝映画) - 村長
- 母は死なず(1942年、東宝映画) - ヒカリ液本舗主人
- ハワイ・マレー沖海戦(1942年、東宝映画) - 杉本整備長[4]
- 三十三間堂通し矢物語(1945年、東宝) - 辻講釈師
- 檜舞台(1946年、東宝)
- 民衆の敵(1946年、東宝) - 秘書中田
- 麗人(1946年、東宝) - 津山
- 人生とんぼ返り(1946年、東宝) - カフェーの客
- 或る夜の殿様(1946年、東宝) - 藤島組当主
- わが青春に悔なし(1946年、東宝) - 文部大臣
- 銀嶺の果て(1947年、東宝) - 署長
- 続青い山脈(1949年、東宝) - 柳屋の主人
- 斬られの仙太(1949年、東宝) - 吉村軍之進
- 暁の脱走(1950年、新東宝) - 立花
- 暴力の街(1950年) - 細島
- 殺人者の顔(1950年、森田プロ) - 野崎
- 傷だらけの男(1950年、東日興業)
- 軍艦すでに煙なし(1950年、新映画社) - オヤジ
- 黄金バット 摩天楼の怪人(1950年、新映画社) - 牧輝行
- 武蔵野夫人(1951年、東宝) - 貝塚
- ホープさん サラリーマン虎の巻(1951年、東宝) - 総務部長
- 唐手三四郎(1951年、児井プロ) - 匹田
- 酔いどれ歌手(1952年、東映) - 留造
- 人生劇場 第一部(1952年、東映) - 龍
- 生きる(1952年、東宝) - 野球場の男
- 魚河岸の石松シリーズ(東映)
- 魚河岸の石松(1953年) - 花長
- 続魚河岸の石松(1953年) - 瀬川良作
- 続々魚河岸の石松(1953年) - 瀬川
- 石松と女石松(1955年) - 瀬川
- 多羅尾伴内シリーズ(東映)
- 曲馬団の魔王(1954年) - 村井隆吉
- 復讐の七仮面(1955年) - 町村敬吉
- 狙われた裸像(1954年、新東京プロ)
- どぶ(1954年、近代映画協会) - 三井
- 太陽のない街(1954年、新星映画)
- 泥だらけの青春(1954年、日活) - 劇場主
- 次郎長遊侠伝 秋葉の火祭り(1955年、日活) - 元三
- 地獄の用心棒(1955年、日活) - 警察署長
- 怪奇黒猫組(永和プロ) - 黒猫九郎兵衛
- 第一部 雲霧仙人の巻(1955年)
- 第二部 白光飛剣の巻(1955年)
- 第三部 黒猫変化の巻(1955年)
- 渡り鳥いつ帰る(1955年、東京映画) - 組合長
- 少年死刑囚(1955年、日活) - 教育課長
- 天下の若君漫遊記 前後篇(1955年、富士映画) - 杉山内膳
- 志津野一平シリーズ(日活)
- 志津野一平 愛欲と銃弾(1955年) - 浜崎警部
- 志津野一平 浴槽の死美人(1956年) - 清水剛三
- 志津野一平 謎の金塊(1956年) - 浅野辰司
- 続警察日記(1955年、日記) - 柿崎次席
- 逢いたかったぜ(1955年、日活) - 坂田
- 神阪四郎の犯罪(1956年、日活) - 裁判長
- 地獄の波止場(1956年、日活) - 常さん
- 雑居家族(1956年、日活) - 花屋
- 流離の岸(1956年、日活) - 鹿島弁護士
- 狂った果実(1956年、日活) - 父親
- 地獄の札束(1956年、日活) - 石川捜査課長
- 地底の歌(1956年、日活) - 吉田大龍
- 川上哲治物語 背番号16(1957年、日活) - 安西医師
- 8時間の恐怖(1957年、日活) - 中山泰造社長
- 池田大助捕物帖 血染の白矢(1957年、日活) - 神変斉天雷
- 誘惑(1957年、日活) - 本山支店長
- 九人の死刑囚(1957年、日活) - 所長
- 十代の罠(1957年、日活) - 校長
- 永遠に答えず 完結篇(1957年、日活) - 太田工場長
- お月さん今晩わ(1958年、日活) - その養父岩見
- 赤い波止場(1958年、日活) - とっつぁん
- 完全な遊戯(1958年、日活)
- 事件記者シリーズ(日活)
- 事件記者(1959年) - 船木十太郎
- 事件記者 時限爆弾(1960年) - 小川
- 男が命を賭ける時(1959年、日活) - 常磐
- 俺は欺されない(1960年) - 予算委員会議員
- 流れ者シリーズ(日活)
- 海から来た流れ者(1960年) - 藤田徳太郎
- 海を渡る波止場の風(1960年) - 丸山松三
- 続々べらんめえ芸者(1960年、東映) - 商事会社社長
- 喧嘩太郎(1960年、日活) - 松井貿易大臣
- 波の塔(1960年、松竹) - 土井俊介
- もず(1961年、にんじんくらぶ) - 一福の主人
- 早射ち野郎(1961年、日活) - 役員津田
- 喜劇 駅前団地(1961年、東京映画) - 大内教授
- 殺陣師段平(1962年、大映) - 医者
- 女系家族(1963年、大映) - 矢島嘉蔵
- 伊豆の踊子(1963年、日活) - 鶴の屋
- 駿河遊侠伝 破れ鉄火(1964年、大映) - 鯉市
- 男の紋章 花と長脇差(1964年、日活) - 徳田野
- 波影(1965年、東京映画) - かつらぎ楼の主人
- 若親分喧嘩状(1966年、大映) - 朝日造船社長
テレビドラマ
[編集]- 事件記者(NHK)
- 第20・21話「凶弾」(1958年) - 船木
- 第55・56話「汚名」(1959年) - 吉川
- スリラー劇場・夜のプリズム 第2回「市長死す」(1959年、NTV)
- 東芝日曜劇場(KR→TBS)
- 第118回「都会の山彦」(1959年)
- 第208回「江戸の絵姿」(1960年)
- 第241回「夏の影」(1961年)
- 第252回「女房というもの」(1961年)
- 第270回「冬の日」(1962年)
- 第292回「媒酌人」(1962年)
- シャープクライマックス 人生はドラマだ 第12回「浪花千栄子」(1959年、NTV)
- 橋幸夫ショー「若いやつ」(1962年、TBS)
- シャープ火曜劇場 第29回「偽れる盛装」(1962年、CX)
- 赤穂浪士(1964年、NHK) - 笹屋清右衛門
- 廃虚の唇(1964年、NET) - 犬塚雷太郎
- 風雪 / 最後の将軍(1964年、NHK) - 八木秀俊
- 青年同心隊 第5話「サノ金、がんばる」(1964年、TBS)- 検校城元
- 判決 第127回「老いた愛」(1965年、NET) - 赤松
- 剣 第8回「夕映え侍」(1967年、NTV) - 秋坂平八郎
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 『東宝特撮映画全史』監修 田中友幸、東宝出版事業室、1983年12月10日。ISBN 4-924609-00-5。
外部リンク
[編集]- 深見泰三 - 日本映画データベース
- 深見泰三 - allcinema
- 深見泰三 - KINENOTE
- 深見泰三 東宝資料室 - ウェイバックマシン(2016年3月4日アーカイブ分)
- 深見泰三 テレビドラマデータベース