エイジアンウインズ
エイジアンウインズ | |||||||||
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2008年5月18日 東京競馬場 | |||||||||
品種 | サラブレッド | ||||||||
性別 | 牝 | ||||||||
毛色 | 鹿毛 | ||||||||
生誕 | 2004年3月28日(20歳) | ||||||||
登録日 | 2006年10月26日 | ||||||||
抹消日 | 2009年6月12日[1] | ||||||||
父 | フジキセキ | ||||||||
母 | サクラサクII | ||||||||
母の父 | デインヒル | ||||||||
生国 | 日本(北海道千歳市) | ||||||||
生産者 | 社台ファーム | ||||||||
馬主 | 太田美實 | ||||||||
調教師 | 藤原英昭(栗東) | ||||||||
競走成績 | |||||||||
生涯成績 | 11戦6勝 | ||||||||
獲得賞金 | 2億1355万9000円 | ||||||||
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エイジアンウインズ (Asian Winds) とは、日本中央競馬会に登録されていた競走馬である。2008年のヴィクトリアマイル、阪神牝馬ステークスに優勝した。
経歴
2004年3月、北海道千歳市の社台ファームに生まれる。当歳時に日本競走馬協会主催のセレクトセールに上場され、馬主の太田美實から購買依頼を受けた調教師・藤原英昭に1800万円で落札された。後に藤原が「桜花賞を勝つために決めた」と語る好素質馬であったが、脚部には故障の不安があり、比較的安価の落札であった[2]。
競走年齢に達した2006年10月、栗東トレーニングセンターの藤原厩舎に入る。馬名「エイジアンウインズ」は、宝塚歌劇団員であった馬主の妻が、同劇団のレビュー『「ASIAN WINDS!」-アジアの風-』から命名した。
戦績
2006年12月、阪神開催でデビュー。しばらくは脚に負担の少ないダートコースの競走に使われ、翌年3月までに4戦2勝という成績で進んだ。4月にはクラシック初戦の桜花賞を控えたが、藤原は芝の競走を走らせるには時期尚早と判断。長期目標として翌年春のヴィクトリアマイルを据え、エイジアンウインズは放牧に出された。
秋に復帰。緒戦を9着とした後、続く条件戦で初めて芝コースを走り、2着。12月に3勝目を挙げた。再度の休養後、再始動2戦目の準オープン戦に勝利し、古馬オープンクラスに昇格。中2週で臨んだ阪神牝馬ステークスで重賞に初出走すると、1番人気のブルーメンブラット以下を退けて逃げ切り勝ちを収めた。
次走、かねて目標としたヴィクトリアマイルに出走。鞍上には本馬初騎乗となる藤田伸二を迎えた。当日は、前年の東京優駿(日本ダービー)優勝牝馬ウオッカに人気が集中し、本馬は5番人気の評価であった。しかし道中中団の位置から、直線半ばで馬群を割って抜け出し、ゴール前追い込んだウオッカ、ブルーメンブラットを振り切って優勝。管理調教師の藤原と共に、GI級(JpnI)競走初勝利を挙げた。馬主の太田にとっても、ウイニングチケット(1993年東京優駿)以来のGI級競走勝利となった。
次走にはアメリカのG2競走キャッシュコールマイル出走が予定されていたが、同じくアメリカ行きを予定していたトールポピーが遠征を中止したため、単独遠征はリスクが大きいとの判断から断念[3]、休養に入った。秋の目標はマイルチャンピオンシップとされたが出走を果たせず、休養は長期に及んだ。2009年はヴィクトリアマイルを目指して一旦は帰厩したが体勢が整わず、結局現役続行を断念して6月12日付けで登録を抹消、競走生活から退いた[4]。
現在は北海道新ひだか町の藤原牧場にて繁殖牝馬となっている[4]。
繁殖成績
馬名 | 誕生年 | 性 | 毛色 | 父 | 厩舎 | 馬主 | 戦績 | |
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初仔 | (エイジアンウインズの2011) | 2011年 | 牡 | 鹿毛 | コンデュイット | (不出走) | ||
2番仔 | エイジアンドリーム | 2012年 | 牝 | 鹿毛 | キングカメハメハ | 栗東・藤原英昭 | 太田珠々子 | 1戦0勝(死亡) |
3番仔 | マッジョテンペスタ | 2013年 | 牡 | 鹿毛 | ワークフォース | 栗東・藤原英昭 →金沢・金田一昌 |
17戦2勝 (うち地方12戦2勝) (引退) | |
4番仔 | スマイルアゲイン | 2014年 | 牡 | 鹿毛 | エンパイアメーカー | 栗東・藤原英昭 →名古屋・竹之下昭憲 |
2戦0勝 (うち地方1戦0勝) (引退→乗馬) | |
5番仔 | メジェールスー | 2015年 | 牝 | 鹿毛 | ロードカナロア | 28戦4勝(繁殖) | ||
6番仔 | (エイジアンウインズの2016) | 2016年 | 牡 | 鹿毛 | ケープブランコ | (不出走) | ||
7番仔 | ワールドウインズ | 2017年 | 騸 | 鹿毛 | ルーラーシップ | 栗東・武幸四郎 | 川勝裕之 | 23戦4勝(現役) |
8番仔 | マイトレジャー | 2018年 | 牝 | 鹿毛 | マクフィ | 太田珠々子 | 1戦0勝(引退) | |
9番仔 | ウイングスオブラヴ | 2019年 | 騸 | 鹿毛 | ルーラーシップ | 5戦1勝(現役) | ||
(流産) | 2020年 | ダンスディレクター | ||||||
10番仔 | (エイジアンウインズの2021) | 2021年 | 牡 | 鹿毛 | ダンスディレクター | デビュー前 | ||
11番仔 | (エイジアンウインズの2022) | 2022年 | 牡 | 鹿毛 | ルーラーシップ | デビュー前 |
- 2022年9月14日現在
競走成績
年月日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | 騎手 | 斤量 | 距離(馬場) | タイム (上り3F) |
タイム 差 |
勝ち馬/(2着馬) | |||
2006 | 12. | 3 | 阪神 | 2歳新馬 | 12 | 5 | 5 | 1.8 | (1人) | 3着 | 福永祐一 | 54 | ダ1400m(良) | 1:26.7(38.2) | 0.6 | シャドウストライプ | |
12. | 24 | 阪神 | 2歳未勝利 | 15 | 8 | 14 | 1.4 | (1人) | 1着 | C.ルメール | 54 | ダ1400m(良) | 1:26.8(38.2) | -0.8 | (ヤマニンプロローグ) | ||
2007 | 1. | 21 | 京都 | 若菜賞 | 500万下 | 13 | 1 | 1 | 2.5 | (1人) | 3着 | C.ルメール | 54 | ダ1400m(良) | 1:25.7(38.5) | 0.3 | アマノチェリーラン |
3. | 17 | 阪神 | 3歳500万下 | 12 | 7 | 9 | 1.5 | (1人) | 1着 | 岩田康誠 | 54 | ダ1200m(良) | 1:13.4(38.5) | -0.2 | (トーワスキャット) | ||
10. | 27 | 京都 | 3歳1000万下 | 16 | 7 | 13 | 6.5 | (3人) | 9着 | 福永祐一 | 53 | ダ1400m(稍) | 1:25.7(39.0) | 1.0 | ハナイチリン | ||
11. | 18 | 京都 | 宝ケ池特別 | 1000万下 | 17 | 3 | 5 | 14.4 | (6人) | 2着 | C.ルメール | 54 | 芝1200m(良) | 1:21.6(34.1) | 0.1 | シャイナムスメ | |
12. | 1 | 中京 | 鳥羽特別 | 1000万下 | 18 | 3 | 6 | 2.8 | (1人) | 1着 | M.デムーロ | 54 | 芝1200m(良) | 1:07.8(33.6) | -0.3 | (スプリングタピアン) | |
2008 | 3. | 1 | 中山 | 韓国馬事会杯 | 1600万下 | 16 | 3 | 6 | 2.6 | (1人) | 2着 | 横山典弘 | 55 | 芝1200m(良) | 1:08.8(35.2) | 0.5 | ウエスタンビーナス |
3. | 30 | 阪神 | 心斎橋S | 1600万下 | 18 | 4 | 7 | 3.2 | (1人) | 1着 | 鮫島良太 | 54 | 芝1400m(良) | 1:21.5(35.1) | -0.1 | (マイネルポライト) | |
4. | 12 | 阪神 | 阪神牝馬S | GII | 15 | 2 | 3 | 8.8 | (5人) | 1着 | 鮫島良太 | 55 | 芝1400m(良) | 1:21.4(34.2) | 0.0 | (ブルーメンブラット) | |
5. | 18 | 東京 | ヴィクトリアマイル | JpnI | 18 | 3 | 6 | 13.4 | (5人) | 1着 | 藤田伸二 | 55 | 芝1600m(良) | 1:33.7(33.4) | -0.1 | (ウオッカ) |
血統表
エイジアンウインズの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | サンデーサイレンス系 |
[§ 2] | ||
父 フジキセキ 1992 青鹿毛 |
父の父 *サンデーサイレンスSunday Silence 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason | |
Cosmah | ||||
Wishing Well | Understanding | |||
Mountain Flower | ||||
父の母 *ミルレーサーMillracer 1983 鹿毛 |
Le Fabuleux | Wild Risk | ||
Anguar | ||||
Marston's Mill | In Reality | |||
Millicent | ||||
母 サクラサクII 1997 鹿毛 |
*デインヒル Danehill 1986 鹿毛 |
Danzig | Northern Dancer | |
Pas de Nom | ||||
Razyana | His Majesty | |||
Spring Adieu | ||||
母の母 *サクラフブキSakura Fubuki 1990 鹿毛 |
*フォーティナイナー | Mr. Prospector | ||
File | ||||
Bound | Nijinsky II | |||
Special | ||||
母系(F-No.) | Rough Shod系(FN:5-h) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Northern Dancer 4・5(母内)、Natalma 5・5(母内) | [§ 4] | ||
出典 |
4代母のSpecialを始祖とする牝系からはNureyev、Sadler's Wells、Fairy King、ジェイドロバリーなど活躍馬多数。その他の近親にはエルコンドルパサーがいる(3代母LisadellがSpecialの全妹にあたる)。
脚注
- ^ “エイジアンウインズ引退、繁殖入り”. ラジオNIKKEI. 2022年5月14日閲覧。
- ^ 当年のセレクトセール平均落札額は3447万円。(“セレクトセールについて”. 馬市ドットコム. 2009年6月13日閲覧。)
- ^ “トール、エイジアン米遠征取り止め”. 競馬道online. 2009年6月13日閲覧。
- ^ a b “エイジアンウインズ号が競走馬登録抹消”. JRA. 2009年6月12日閲覧。
- ^ a b c “血統情報:5代血統表|エイジアンウインズ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2017年7月11日閲覧。
- ^ “エイジアンウインズの繁殖牝馬情報”. 競馬ラボ. 2020年6月27日閲覧。
- ^ 平出貴昭 (2014年9月17日). “『覚えておきたい日本の牝系100』収録の全牝系一覧”. 競馬“血統”人生/平出貴昭. 2017年7月11日閲覧。
参考文献
- 『優駿』2008年7月号(日本中央競馬会、2008年)
- 『優駿』2008年8月号(日本中央競馬会、2008年)
外部リンク
- 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、JBISサーチ、Racing Post
- エイジアンウインズ - 競走馬のふるさと案内所