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「シェールガス」の版間の差分

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{{For|[[オイルシェール]]を熱分解することで発生するガス|オイルシェールガス}}
[[ファイル:GasDepositDiagram.jpg|thumb|300px|right|シェールガスの賦存(黒色部分)。シェールガスを含む頁岩層(Gas-rich shale)に水平にパイプを入れ、高水圧で人工的に割れ目をつくり、ガスを採取する。]]
'''シェールガス'''は[[頁岩]](シェール)層から採取される[[天然ガス]]。

[[アメリカ合衆国]]では90年代から非在来型の天然ガス資源として重要視されるようになり、[[カナダ]]、[[ヨーロッパ]]、[[アジア]]、[[オーストラリア]]の潜在的シェールガス資源も注目されている。2020年までに[[北米]]の天然ガス生産量のおよそ半分はシェールガスになると予想する研究者もいる<ref>Shaun Polczer, [http://www.calgaryherald.com/business/Shale+expected+supply+half+North+America/1483245/story.html Shale expected to supply half of North America's gas], ''Calgary Herald'', 9 April 2009, accessed 27 August 2009.</ref>。
別の研究者は、シェールガス開発により世界のエネルギー供給量が大きく拡大すると予想している<ref>Clifford Krauss, [http://www.nytimes.com/2009/10/10/business/energy-environment/10gas.html?_r=1&partner=rss&emc=rss&src=ig "New way to tap gas may expand global supplies,"] ''New York Times'', 9 October 2009.</ref>。[[ライス大学]][[ジェイムズ・ベイカー3世公共政策研究所|ベーカー研究所]]の研究では、アメリカとカナダにおけるシェールガスの生産量の増加によって[[ロシア]]と[[ペルシャ湾]]岸諸国からヨーロッパ各国へのガス輸出価格が抑制されると結論付けた<ref>Rice University, News and Media Relations (8 May 2009): [http://www.media.rice.edu/media/NewsBot.asp?MODE=VIEW&ID=12557 ''US-Canadian shale could neutralize Russian energy threat to Europeans''], accessed 27 May 2009.</ref>。また、アメリカ合衆国[[バラク・オバマ|オバマ]]政権はシェールガス開発によって[[温室効果ガス]] 排出量を減らすことができるとの見解を示している<ref>White House, Office of the Press Secretary, [http://www.america.gov/st/texttrans-english/2009/November/20091117145333xjsnommis0.4233515.html&distid=ucs ''Statement on U.S.-China shale gas resource initiative], 17 November 2009.</ref>。

==特徴==
シェールガスを含む[[頁岩]]は硬く薄片状にはがれる性質をもち、粒子が細かく流体を通す隙間がほとんどないので、自然の状態では天然ガスの商用資源とはなりえない。シェールガスは、[[コールベッドメタン]](CBM)、タイトガスサンド、[[メタンハイドレート]]とともに非在来型の天然ガス資源のひとつである。 シェールガスの埋蔵エリアを資源プレイ<ref group="#">プレイ(Play)とは地質学的に共通性をもった探鉱対象のまとまりのこと。[[:en:Petroleum play]]参照。</ref>と呼ぶこともある<ref>Dan Jarvie, [http://energy.ihs.com/NR/rdonlyres/D341AE18-4532-4B6E-AAF8-842FDD71A138/0/f32sjarviefinalworldwideshaleresourceplays.pdf "Worldwide shale resource plays,"] PDF file, ''NAPE Forum'', 26 August 2008.</ref>。資源プレイでは、ガスが発見されなかった場合の地理学的なリスクは低いが、ガスが発見され商用に成功した場合の期待利益も同様に低い。

頁岩は浸透率が低いので、商用量のガスを生産するためには人工的にガス採取用のフラクチャー(割れ目)をつくる必要がある。過去、シェールガスは頁岩層に自然にできた割れ目から採取されていたが、2000年代に入ってから{{仮リンク|水圧破砕|en|hydraulic fracturing}}によって抗井に人工的に大きな割れ目をつくってガスを採取する技術が確立し、更に頁岩層に接している抗井の表面積を最大にするために{{仮リンク|水平抗井掘削技術|en|Horizontal drilling}}という技法で{{convert|10000|ft|m}}もの長さの横穴を掘ることが可能となった。これらの技術進歩の結果シェールガス生産量が飛躍的に増加しシェールガスブームと呼ばれるようになった。

商業的数量のガスをもつシェール層は通常有機物に富んでおり(0.5% から 25%)<ref>US Department of Energy, "Modern shale gas development in the United States," April 2009, p.17.</ref>、石油{{仮リンク|根源岩|en|source rock}}でもある。頁岩の割れ目から高い[[ガンマ線]]量が検出された場合、含まれる有機物の量が多いことが推定されるのでガス生産量が期待される。

==環境問題==
2010年、[[コーネル大学]]環境学教授Robert W. Howarthは、メタンの温室効果を考慮するとシェールガスの温室効果は[[石炭]]や[[燃料油]]よりもシェールガスの方が強いとの研究結果<ref>Robert W. Howarth, [[Cornell University]], [http://www.eeb.cornell.edu/howarth/GHG%20emissions%20from%20Marcellus%20Shale%20--%20with%20figure%20--%203.17.2010%20draft.doc.pdf "Preliminary Assessment of the Greenhouse Gas Emissions from Natural Gas Obtained by Hydraulic Fracturing"], 17 April, 2010.</ref>を報告した。[[メタン]]は天然ガスの約90%を構成し、[[二酸化炭素]]の21倍の地球温暖化係数をもつ強力な[[温室効果ガス]]である<ref name="Houghton">{{cite paper| first=John| last=Houghton| title=Global warming| publisher=Institute of Physics| date=4 May 2005| page=1362 |url=http://stacks.iop.org/RoPP/68/1343}}</ref>。

一方、天然ガスは化石燃料のなかで、同じ発熱量に対する二酸化炭素の排出量が少ない(石炭10:石油8:天然ガス6)<ref>{{Cite web|date=2010-05-20|url=http://oilgas-info.jogmec.go.jp/report_pdf.pl?pdf=201005_015a.pdf&id=3574|title=シェールガスのインパクト|format=pdf|publisher=JOGMEC|accessdate=2010-11-02}}</ref>。

水圧破砕には、一つの抗井に多量の水(3,000~10,000m{{sup|3}})が必要であり、水の確保が重要となる。また用いられる流体は水90.6%、砂(プロパント8.95%)、その他化学物質0.44%で構成されることから、流体による地表の水源や浅部の滞水層の汚染を防ぐため、抗排水処理が課題となる<ref>{{Cite web|date=2010-05-20|url=http://oilgas-info.jogmec.go.jp/report_pdf.pl?pdf=201005_015a.pdf&id=3574|title=シェールガスのインパクト|format=pdf|publisher=JOGMEC|accessdate=2010-11-02}}</ref>。実際にアメリカ東海岸の採掘現場付近の住宅では蛇口に火を近づけると炎がでる、色、臭いが異常などが確認されるようになり、地下水の汚染による人体・環境への影響が懸念されている。採掘会社はこれらの問題と採掘の関連を否定しているが、住民への金銭補償・水の供給を行っている<ref>[http://pid.nhk.or.jp/pid04/ProgramIntro/Show.do?pkey=001-20101220-11-25889] BS世界のドキュメンタリー「ガスランド ~アメリカ 水汚染の実態~」</ref>。

==経済性==
[[ファイル:Henry hub NG prices.svg|thumb|250px|right|2000年-2010年の天然ガス価格(Henry hub)の推移.]]
シェールガスはアメリカ東部のアパラチア盆地とイリノイ盆地で100年以上前から生産されていたが、採算のとれる抗井はわずかであった。

2000年前半になり天然ガス価格が上昇し、水圧破砕や水平抗井といった技術が確立したことでシェールガス生産はより高い収益をあげるようになった。シェールガス生産は、在来型天然ガス生産と比較してより費用のかかる技術を必要とするが、シェールガス田の低リスク性がコストを相殺し開発が拡大した。北アメリカはこうしたシェールガスの開発と生産において先駆者である。特に[[テキサス州]]{{仮リンク|バーネットシェール|en|Barnett Shale}}が経済的に成功したことは、アメリカとカナダにおけるシェールガスフィールドの探鉱に拍車をかけた。

==各国の動向==
===アメリカ===
{{Main|:en:Shale gas in the United States}}
アメリカでの最初の商用ガス井は、1821年[[ニューヨーク州]]フレドニアにあるデボニアン・フレドニア・シェール層から生産された。しかしながら、1859年の[[ドレーク油田]]開発の後、ガス貯留層から大量の従来型天然ガスが生産されるようになるとシェールガス生産は一旦影を潜めた。1996年、アメリカでのシェールガス生産は0.3[[TCF]](兆立方フィート)で、天然ガス生産量全体の1.6%であったが、2006年には生産量は3倍以上の年間1.1TCF、同5.9%を占めるまでに増加した。2005年、アメリカにおけるシェールガス井は14,990抗におよび<ref>Vello A. Kuuskraa, ''Reserves, production grew greatly during last decade'' Oil & Gas Journal, 3 Sept. 2007, p.35-39</ref>、うち4,185抗は2007年に生産を終えている<ref>Louise S. Durham, "Prices, technology make shales hot," ''AAPG Explorer'', July 2008, p.10.</ref>。2007年には、全米の石油ガス田のうちバーネット(Barnet)が2位、アントリム(Antrim)が13位の生産量であった<ref>[http://www.eia.doe.gov/pub/oil_gas/natural_gas/data_publications/crude_oil_natural_gas_reserves/current/pdf/appb.pdf#page=7 US Energy Information Administration, ''Top 100 oil and gas fields''], PDF file, retrieved 18 February 2009.</ref>。2010年6月[[マサチューセッツ工科大学]]の研究では、将来天然ガスはアメリカのエネルギー需要の40%(現在は20%)をまかなうようになると報告された。この理由のひとつとしてシェールガス豊富な供給量があげられている<ref>{{cite news| url=http://www.nytimes.com/2010/06/25/business/energy-environment/25natgas.html?src=busln | work=The New York Times | title=Study Predicts Natural Gas Use Will Double | first=Matthew L. | last=Wald | date=25 June 2010}}</ref>。

===カナダ===
{{Main|:en:Shale gas in Canada}}
近年のシェールガス発見は[[カナダ]]の天然ガス埋蔵資源量見込みを急激に増大させた<ref>Carrie Tait, [http://www.montrealgazette.com/business/money/Natural+total+balloons/3018772/story.html "Canada's natural gas resource jumps dramatically in estimates"], ''Montreal Gazette'', 13 May 2010.</ref>。
カナダには多くのシェールガス資源があり、[[ブリティッシュコロンビア]]、[[アルバータ]]、[[サスカチュワン]]、[[オンタリオ]]、[[ケベック]]、[[ノバスコシア]]の各州で探査や開発が行われている<ref>Kevin Heffernen, [http://www.necanews.org/dev/documents/080924heffernan_kevin_1.pdf ''Shale gas in North America, emerging shale opportunities''], PDF file, retrieved 15 April 2009.</ref>。

===オーストラリア===
[[アデレード]]の石油ガス会社{{仮リンク|ビーチ・エナジー|en|Beach Energy}}は[[南オーストラリア州]]{{仮リンク|クーパー盆地|en|Cooper Basin}}でのシェールガス掘削計画を発表した。<ref>Cameron England, [http://www.news.com.au/adelaidenow/story/0,22606,26363176-5016955,00.html "Beach Petroleum eyes shale gas project"], ''Adelaide Now'', 16 November 2009.</ref>

===中国===
{{Main|:en:Shale gas in China}}
中国政府は、300億立方メートル(2008年の天然ガス国内消費量の約半分)のガスをシェールから生産するという目標を国内企業に課した<ref name="TheEconomist8673_6769">{{Cite journal|title=An unconventional glut|journal=The Economist|volume=394|issue=8673|pages=67–69|publisher=The Economist Newspaper Limited|date=13–19 March 2010|url=http://www.economist.com}}</ref>。ガスを含むとされる頁岩の層は、手つかずのまま中国全土に広く散らばって分布している<ref>Zinchuan Zhang, [http://www.cprm.gov.br/33IGC/1343402.html "Unconventional gas systems in China,"] 33rd International Geological Congress, Oslo, 6–14 August 2008.</ref>。2009年11月、アメリカ合衆国[[バラク・オバマ]]大統領は、米国のシェールガス開発技術を中国に供与し、中国でのシェールガス開発への米国からの投資を促進させることに同意した<ref>White House Blog, [http://www.whitehouse.gov/blog/2009/11/17/us-and-china-towards-a-clean-energy-economy ''The US and China: towards a clean energy economy''], 17 November 2009.</ref>。

中国は2010年8月に国立シェールガス研究センターを立ち上げた。既存の報告によると、中国内にはおよそ30兆立方メートルのシェールガス資源が眠っているということである<ref>Reuters, [http://malaysia.news.yahoo.com/rtrs/20100823/tbs-china-gas-unconventional-21231dd.html ''China launches national shale gas research centre''], 23 August 2010.</ref>。

===インド===
[[インド]]では[[リライアンス・インダストリーズ]]、[[リライアンス・ADA・グループ#グループ企業|リアイアンス・ナチュラル・リソーシズ]]、[[Genpact]]などがシェールガス探査に関心を示している。
リライアンス・インダストリーズは、米国東部MarcellusシェールガスプレイにAtlas Energyがもつ権益のシェア40%を確保するために17億米ドル支払ったとされている<ref>Louise S. Durham, "Marcellus poised for even more attention," ''AAPG Explorer'', July 2010, p.24.</ref>。

===欧州===
欧州でのシェールガス生産はまだ始まっていないが、北米でのシェールガス開発が成功したことから、欧州各国の地質学者は自国内の頁岩層がシェールガス生産可能か調査し始めている。<ref>GFZ, [http://www.gfz-potsdam.de/portal/-;jsessionid=4B81DC14AAF153DBA8F4D62302AF26AB?$part=binary-content&id=2022464&status=300&language=en ''Gas shales in Europe''].</ref><ref>David Jolly, [http://www.iht.com/articles/2008/08/22/business/eurogas.php "Europe starting search for shale gas,"] ''International Herald Tribune'', 22 August 2008, accessed 18 March 2009.</ref><ref>Peggy Williams, [http://www.epmag.com/WebOnly2009/item45693.php "Europe needs home-grown gas,"], ''E&P'', 25 September 2009, accessed 25 October 2009.</ref><ref>Danny Fortson, [http://business.timesonline.co.uk/tol/business/industry_sectors/natural_resources/article6898015.ece "Shale gas blasts open world energy market"], ''The Sunday Times'', 1 November 2010.</ref> ノルウェーの企業[[スタトイル]]社は、米国のシェールガス開発のノウハウを取得することを見込んで、米国東部の{{仮リンク|マルセラス層|en|Marcellus Formation}}のシェールガス開発に関し米{{仮リンク|チェサピーク・エナジー|en|Chesapeake Energy}}社とジョイントベンチャーを組んだ。
2009年10月、ロシアの巨大エネルギー企業[[ガスプロム]]は、ロシアのシェールガス資源開発に利用可能な専門技術取得のため米国のシェールガス生産会社を買収する可能性があることを発表した。<ref>Bloomberg, [http://www.themoscowtimes.com/business/article/gazprom-takes-a-look-at-u.s.-shale-gas-producer/387930.html "Gazprom takes a look at U.S. shale-gas producer,"] ''Moscow Times'', 22 October 2009.</ref>米[[テキサス州]]の{{仮リンク|バーネット・シェール|en|Barnett Shale}}では、フランスの石油メジャー[[トタル]]がチェサピーク・エナジーとジョイントベンチャーを設立、またイタリアの[[Eni]]は[[:en:Quicksilver Resources|Quicksilver Resources]]社の株を購入した。
欧州におけるシェールガス層は、主にフランスの北西部<ref>Doris Leblond, PennEnergy (29 May 2009): [http://www.pennenergy.com/index/articles/display/363655/s-articles/s-oil-gas-journal/s-exploration-development/s-european-shale-gas-prospects-heat-up.html ''European shale gas prospects heat up''], accessed 10 June 2009.</ref>、欧州北部のアルム・シェール(Alum Shale)及びドイツとオランダにまたがる[[石炭紀]]の地層などに分布する<ref>AAPG Annual Convention (8 June 2009): [http://aapg09.mapyourshow.com/2_1/sessions/session.cfm?ScheduledSessionID=1468 ''Shale gas in Europe - overview, potential and research'' (abs.)], accessed 26 March 2009.</ref>。

====オーストリア====
オーストリアの[[OMV]]社が、[[ウィーン]]近郊の堆積盆地での探査を行っている<ref name="TheEconomist8673_6769"/>。

====ドイツ====
米[[エクソンモービル]]社はドイツ北西部[[ニーダーザクセン州]]の堆積盆地に{{convert|750000|acre|km2}}のライセンスをもち、同所では2009年にシェールガス抗井10本の掘削が計画されている<ref>Russell Gold, [http://online.wsj.com/article/SB124716768350519225.html "Exxon shale-gas find looks big,"] ''Wall Street Journal'', 13 July 2009, accessed 25 October 2009.</ref>。

====ハンガリー====
2009年、エクソンモービル社はハンガリーの[[:en:Makó|Makó]]地溝にて第一シェールガス井の掘削を行った<ref>Jack Z. Smith, [http://www.star-telegram.com/business/story/1645247.html# "Barnett Shale seen as model for drillers worldwide,"] ''Fort Worth Star-Telegram'', 29 September 2009, accessed 25 October 2009.</ref>。

====ポーランド====
2010年現在、ポーランドは天然ガス消費量の3分の2をロシアから輸入している。米[[コノコフィリップス]]社はポーランドLane Energy社と共同で<ref>David Jolly, [http://www.nytimes.com/2008/08/22/business/worldbusiness/22iht-eurogas.4.15555534.html "Europe starting search for shale gas,"] ''New York Times'', 22 August 2008.</ref> ポーランドでのシェールガス探査計画について発表した<ref>Reuters, [http://uk.reuters.com/article/idUKN0935751320090909 ''Conoco sees promise in Polish shale gas-exec''], 9 September 2009.</ref>。

米{{仮リンク|マラソン・オイル|en|Marathon Oil}}社は、[[シルル紀]]の地層を調査する目的でポーランド国内でのライセンスを取得した。<ref>Louise S. Durham, "Poland Silurian shale ready for action," ''AAPG Explorer'', February 2010, p.14-18.</ref>

近年の報告では、ポーランド国内に大規模なシェールガス層があることが示唆されている。近年の調査によって最低でも3兆立方メートルの資源が存在すると推定されているが、仮にこれが確かな数字であるとすると、ポーランドには200年分以上のガス資源が埋蔵されていることになる<ref>thenews.pl, [http://thenews.pl/business/artykul133285_will-polish-shale-gas-revolutionize-the-global-market-.html ''Will Polish shale gas revolutionize the global market?''], 10 June 2010.</ref>。こうしたシェールガス資源はEUの確定埋蔵量を大幅に押し上げ、ロシアからのガス輸入の重要性を下げるものである<ref>[http://business.timesonline.co.uk/tol/business/industry_sectors/natural_resources/article7087585.ece ''Dash for Poland’s gas could end Russian stranglehold''], The Times, 5 April 2010.</ref><ref>[http://news.bbc.co.uk/1/hi/8609131.stm ''Should Gazprom fear shale gas revolution?''], BBC News, 8 April 2010.</ref>。

====スウェーデン====
[[ロイヤル・ダッチ・シェル]]は[[スウェーデン]]南部のアルム・シェール(Alum Shale)のシェールガス資源としての可能性を調査している。<ref>Royal Dutch Shell, [http://www.annualreportandform20f.shell.com/2008/servicepages/downloads/files/entire_shell_20f_08.pdf ''Annual Report and Form 20-F for the year ending December 31, 2008''], p.25, PDF file, retrieved 16 April 2009.</ref><ref>Svenska Shell [http://www.shell.com/home/content/se-sv/shell_for_businesses/exploration_production/naturgas/en/welcome_skane_naturgas_en.html Skane natural gas website], accessed 27 May 2009.</ref>

====英国====
英国Eurenergy Resource社は、英国南部の[[:en:Weald|Weald]]堆積盆地でのシェールガス掘削予定であると発表した<ref>Reuters (18 Mar. 2009) [http://www.reuters.com/article/pressRelease/idUS158863+18-Mar-2009+BW20090318 ''Eurenergy Resources Corporation awarded oil & gas concessions in Europe's East Paris Basin and Weald Basin''], accessed 15 April 2009.</ref>。

===日本===
日本は地質年代が新しく、シェールガスの商業生産は期待できない<ref>{{Cite web|date=2010-05-20|url=http://oilgas-info.jogmec.go.jp/report_pdf.pl?pdf=201005_015a.pdf&id=3574|title=シェールガスのインパクト|format=pdf|publisher=JOGMEC|accessdate=2010-11-02}}</ref>。
{{節stub}}

==脚注==
{{脚注ヘルプ}}

===註釈===
{{reflist|group=#}}

===参照===
{{reflist|2}}

===参考文献===
*{{Cite web|author=伊原 賢|date=2010-05-20|url=http://oilgas-info.jogmec.go.jp/report_pdf.pl?pdf=201005_015a.pdf&id=3574|title=シェールガスのインパクト|format=PDF|publisher=JOGMEC|accessdate=2010-11-02}}

==外部リンク==
* [http://fletcher.tufts.edu/news/2010/04/features/fine.shtml The Impact of Shale Gas Technology on Geopolitics Dr. Daniel Fine of M.I.T. explains]
* [http://naturalgasforeurope.com/category/shale-gas-in-europe Natural Gas for Europe] - ヨーロッパのシェールガス開発についてのウェブサイト.

[[Category:天然ガス|しええるかす]]

[[ar:غاز حجر الأردواز]]
[[de:Schiefergas]]
[[fr:Gaz de schiste]]
[[en:Shale gas]]
[[et:Kildagaas]]
[[nl: Schaliegas]]
[[pl:Gaz z łupków]]
[[ru:Сланцевый газ]]
[[uk:Сланцевий газ]]

2011年2月14日 (月) 00:11時点における版

シェールガスの賦存(黒色部分)。シェールガスを含む頁岩層(Gas-rich shale)に水平にパイプを入れ、高水圧で人工的に割れ目をつくり、ガスを採取する。

シェールガス頁岩(シェール)層から採取される天然ガス

アメリカ合衆国では90年代から非在来型の天然ガス資源として重要視されるようになり、カナダヨーロッパアジアオーストラリアの潜在的シェールガス資源も注目されている。2020年までに北米の天然ガス生産量のおよそ半分はシェールガスになると予想する研究者もいる[1]。 別の研究者は、シェールガス開発により世界のエネルギー供給量が大きく拡大すると予想している[2]ライス大学ベーカー研究所の研究では、アメリカとカナダにおけるシェールガスの生産量の増加によってロシアペルシャ湾岸諸国からヨーロッパ各国へのガス輸出価格が抑制されると結論付けた[3]。また、アメリカ合衆国オバマ政権はシェールガス開発によって温室効果ガス 排出量を減らすことができるとの見解を示している[4]

特徴

シェールガスを含む頁岩は硬く薄片状にはがれる性質をもち、粒子が細かく流体を通す隙間がほとんどないので、自然の状態では天然ガスの商用資源とはなりえない。シェールガスは、コールベッドメタン(CBM)、タイトガスサンド、メタンハイドレートとともに非在来型の天然ガス資源のひとつである。 シェールガスの埋蔵エリアを資源プレイ[# 1]と呼ぶこともある[5]。資源プレイでは、ガスが発見されなかった場合の地理学的なリスクは低いが、ガスが発見され商用に成功した場合の期待利益も同様に低い。

頁岩は浸透率が低いので、商用量のガスを生産するためには人工的にガス採取用のフラクチャー(割れ目)をつくる必要がある。過去、シェールガスは頁岩層に自然にできた割れ目から採取されていたが、2000年代に入ってから水圧破砕によって抗井に人工的に大きな割れ目をつくってガスを採取する技術が確立し、更に頁岩層に接している抗井の表面積を最大にするために水平抗井掘削技術英語版という技法で10,000フィート (3,000 m)もの長さの横穴を掘ることが可能となった。これらの技術進歩の結果シェールガス生産量が飛躍的に増加しシェールガスブームと呼ばれるようになった。

商業的数量のガスをもつシェール層は通常有機物に富んでおり(0.5% から 25%)[6]、石油根源岩でもある。頁岩の割れ目から高いガンマ線量が検出された場合、含まれる有機物の量が多いことが推定されるのでガス生産量が期待される。

環境問題

2010年、コーネル大学環境学教授Robert W. Howarthは、メタンの温室効果を考慮するとシェールガスの温室効果は石炭燃料油よりもシェールガスの方が強いとの研究結果[7]を報告した。メタンは天然ガスの約90%を構成し、二酸化炭素の21倍の地球温暖化係数をもつ強力な温室効果ガスである[8]

一方、天然ガスは化石燃料のなかで、同じ発熱量に対する二酸化炭素の排出量が少ない(石炭10:石油8:天然ガス6)[9]

水圧破砕には、一つの抗井に多量の水(3,000~10,000m3)が必要であり、水の確保が重要となる。また用いられる流体は水90.6%、砂(プロパント8.95%)、その他化学物質0.44%で構成されることから、流体による地表の水源や浅部の滞水層の汚染を防ぐため、抗排水処理が課題となる[10]。実際にアメリカ東海岸の採掘現場付近の住宅では蛇口に火を近づけると炎がでる、色、臭いが異常などが確認されるようになり、地下水の汚染による人体・環境への影響が懸念されている。採掘会社はこれらの問題と採掘の関連を否定しているが、住民への金銭補償・水の供給を行っている[11]

経済性

2000年-2010年の天然ガス価格(Henry hub)の推移.

シェールガスはアメリカ東部のアパラチア盆地とイリノイ盆地で100年以上前から生産されていたが、採算のとれる抗井はわずかであった。

2000年前半になり天然ガス価格が上昇し、水圧破砕や水平抗井といった技術が確立したことでシェールガス生産はより高い収益をあげるようになった。シェールガス生産は、在来型天然ガス生産と比較してより費用のかかる技術を必要とするが、シェールガス田の低リスク性がコストを相殺し開発が拡大した。北アメリカはこうしたシェールガスの開発と生産において先駆者である。特にテキサス州バーネットシェール英語版が経済的に成功したことは、アメリカとカナダにおけるシェールガスフィールドの探鉱に拍車をかけた。

各国の動向

アメリカ

アメリカでの最初の商用ガス井は、1821年ニューヨーク州フレドニアにあるデボニアン・フレドニア・シェール層から生産された。しかしながら、1859年のドレーク油田開発の後、ガス貯留層から大量の従来型天然ガスが生産されるようになるとシェールガス生産は一旦影を潜めた。1996年、アメリカでのシェールガス生産は0.3TCF(兆立方フィート)で、天然ガス生産量全体の1.6%であったが、2006年には生産量は3倍以上の年間1.1TCF、同5.9%を占めるまでに増加した。2005年、アメリカにおけるシェールガス井は14,990抗におよび[12]、うち4,185抗は2007年に生産を終えている[13]。2007年には、全米の石油ガス田のうちバーネット(Barnet)が2位、アントリム(Antrim)が13位の生産量であった[14]。2010年6月マサチューセッツ工科大学の研究では、将来天然ガスはアメリカのエネルギー需要の40%(現在は20%)をまかなうようになると報告された。この理由のひとつとしてシェールガス豊富な供給量があげられている[15]

カナダ

近年のシェールガス発見はカナダの天然ガス埋蔵資源量見込みを急激に増大させた[16]。 カナダには多くのシェールガス資源があり、ブリティッシュコロンビアアルバータサスカチュワンオンタリオケベックノバスコシアの各州で探査や開発が行われている[17]

オーストラリア

アデレードの石油ガス会社ビーチ・エナジー英語版南オーストラリア州クーパー盆地英語版でのシェールガス掘削計画を発表した。[18]

中国

中国政府は、300億立方メートル(2008年の天然ガス国内消費量の約半分)のガスをシェールから生産するという目標を国内企業に課した[19]。ガスを含むとされる頁岩の層は、手つかずのまま中国全土に広く散らばって分布している[20]。2009年11月、アメリカ合衆国バラク・オバマ大統領は、米国のシェールガス開発技術を中国に供与し、中国でのシェールガス開発への米国からの投資を促進させることに同意した[21]

中国は2010年8月に国立シェールガス研究センターを立ち上げた。既存の報告によると、中国内にはおよそ30兆立方メートルのシェールガス資源が眠っているということである[22]

インド

インドではリライアンス・インダストリーズリアイアンス・ナチュラル・リソーシズGenpactなどがシェールガス探査に関心を示している。 リライアンス・インダストリーズは、米国東部MarcellusシェールガスプレイにAtlas Energyがもつ権益のシェア40%を確保するために17億米ドル支払ったとされている[23]

欧州

欧州でのシェールガス生産はまだ始まっていないが、北米でのシェールガス開発が成功したことから、欧州各国の地質学者は自国内の頁岩層がシェールガス生産可能か調査し始めている。[24][25][26][27] ノルウェーの企業スタトイル社は、米国のシェールガス開発のノウハウを取得することを見込んで、米国東部のマルセラス層英語版のシェールガス開発に関し米チェサピーク・エナジー英語版社とジョイントベンチャーを組んだ。 2009年10月、ロシアの巨大エネルギー企業ガスプロムは、ロシアのシェールガス資源開発に利用可能な専門技術取得のため米国のシェールガス生産会社を買収する可能性があることを発表した。[28]テキサス州バーネット・シェール英語版では、フランスの石油メジャートタルがチェサピーク・エナジーとジョイントベンチャーを設立、またイタリアのEniQuicksilver Resources社の株を購入した。 欧州におけるシェールガス層は、主にフランスの北西部[29]、欧州北部のアルム・シェール(Alum Shale)及びドイツとオランダにまたがる石炭紀の地層などに分布する[30]

オーストリア

オーストリアのOMV社が、ウィーン近郊の堆積盆地での探査を行っている[19]

ドイツ

エクソンモービル社はドイツ北西部ニーダーザクセン州の堆積盆地に750,000エーカー (3,000 km2)のライセンスをもち、同所では2009年にシェールガス抗井10本の掘削が計画されている[31]

ハンガリー

2009年、エクソンモービル社はハンガリーのMakó地溝にて第一シェールガス井の掘削を行った[32]

ポーランド

2010年現在、ポーランドは天然ガス消費量の3分の2をロシアから輸入している。米コノコフィリップス社はポーランドLane Energy社と共同で[33] ポーランドでのシェールガス探査計画について発表した[34]

マラソン・オイル英語版社は、シルル紀の地層を調査する目的でポーランド国内でのライセンスを取得した。[35]

近年の報告では、ポーランド国内に大規模なシェールガス層があることが示唆されている。近年の調査によって最低でも3兆立方メートルの資源が存在すると推定されているが、仮にこれが確かな数字であるとすると、ポーランドには200年分以上のガス資源が埋蔵されていることになる[36]。こうしたシェールガス資源はEUの確定埋蔵量を大幅に押し上げ、ロシアからのガス輸入の重要性を下げるものである[37][38]

スウェーデン

ロイヤル・ダッチ・シェルスウェーデン南部のアルム・シェール(Alum Shale)のシェールガス資源としての可能性を調査している。[39][40]

英国

英国Eurenergy Resource社は、英国南部のWeald堆積盆地でのシェールガス掘削予定であると発表した[41]

日本

日本は地質年代が新しく、シェールガスの商業生産は期待できない[42]

脚注

註釈

  1. ^ プレイ(Play)とは地質学的に共通性をもった探鉱対象のまとまりのこと。en:Petroleum play参照。

参照

  1. ^ Shaun Polczer, Shale expected to supply half of North America's gas, Calgary Herald, 9 April 2009, accessed 27 August 2009.
  2. ^ Clifford Krauss, "New way to tap gas may expand global supplies," New York Times, 9 October 2009.
  3. ^ Rice University, News and Media Relations (8 May 2009): US-Canadian shale could neutralize Russian energy threat to Europeans, accessed 27 May 2009.
  4. ^ White House, Office of the Press Secretary, Statement on U.S.-China shale gas resource initiative, 17 November 2009.
  5. ^ Dan Jarvie, "Worldwide shale resource plays," PDF file, NAPE Forum, 26 August 2008.
  6. ^ US Department of Energy, "Modern shale gas development in the United States," April 2009, p.17.
  7. ^ Robert W. Howarth, Cornell University, "Preliminary Assessment of the Greenhouse Gas Emissions from Natural Gas Obtained by Hydraulic Fracturing", 17 April, 2010.
  8. ^ Houghton, John (4 May 2005). Global warming. Institute of Physics. p. 1362. http://stacks.iop.org/RoPP/68/1343. 
  9. ^ シェールガスのインパクト” (pdf). JOGMEC (2010年5月20日). 2010年11月2日閲覧。
  10. ^ シェールガスのインパクト” (pdf). JOGMEC (2010年5月20日). 2010年11月2日閲覧。
  11. ^ [1] BS世界のドキュメンタリー「ガスランド ~アメリカ 水汚染の実態~」
  12. ^ Vello A. Kuuskraa, Reserves, production grew greatly during last decade Oil & Gas Journal, 3 Sept. 2007, p.35-39
  13. ^ Louise S. Durham, "Prices, technology make shales hot," AAPG Explorer, July 2008, p.10.
  14. ^ US Energy Information Administration, Top 100 oil and gas fields, PDF file, retrieved 18 February 2009.
  15. ^ Wald, Matthew L. (25 June 2010). “Study Predicts Natural Gas Use Will Double”. The New York Times. http://www.nytimes.com/2010/06/25/business/energy-environment/25natgas.html?src=busln 
  16. ^ Carrie Tait, "Canada's natural gas resource jumps dramatically in estimates", Montreal Gazette, 13 May 2010.
  17. ^ Kevin Heffernen, Shale gas in North America, emerging shale opportunities, PDF file, retrieved 15 April 2009.
  18. ^ Cameron England, "Beach Petroleum eyes shale gas project", Adelaide Now, 16 November 2009.
  19. ^ a b “An unconventional glut”. The Economist (The Economist Newspaper Limited) 394 (8673): 67–69. (13–19 March 2010). http://www.economist.com. 
  20. ^ Zinchuan Zhang, "Unconventional gas systems in China," 33rd International Geological Congress, Oslo, 6–14 August 2008.
  21. ^ White House Blog, The US and China: towards a clean energy economy, 17 November 2009.
  22. ^ Reuters, China launches national shale gas research centre, 23 August 2010.
  23. ^ Louise S. Durham, "Marcellus poised for even more attention," AAPG Explorer, July 2010, p.24.
  24. ^ GFZ, Gas shales in Europe.
  25. ^ David Jolly, "Europe starting search for shale gas," International Herald Tribune, 22 August 2008, accessed 18 March 2009.
  26. ^ Peggy Williams, "Europe needs home-grown gas,", E&P, 25 September 2009, accessed 25 October 2009.
  27. ^ Danny Fortson, "Shale gas blasts open world energy market", The Sunday Times, 1 November 2010.
  28. ^ Bloomberg, "Gazprom takes a look at U.S. shale-gas producer," Moscow Times, 22 October 2009.
  29. ^ Doris Leblond, PennEnergy (29 May 2009): European shale gas prospects heat up, accessed 10 June 2009.
  30. ^ AAPG Annual Convention (8 June 2009): Shale gas in Europe - overview, potential and research (abs.), accessed 26 March 2009.
  31. ^ Russell Gold, "Exxon shale-gas find looks big," Wall Street Journal, 13 July 2009, accessed 25 October 2009.
  32. ^ Jack Z. Smith, "Barnett Shale seen as model for drillers worldwide," Fort Worth Star-Telegram, 29 September 2009, accessed 25 October 2009.
  33. ^ David Jolly, "Europe starting search for shale gas," New York Times, 22 August 2008.
  34. ^ Reuters, Conoco sees promise in Polish shale gas-exec, 9 September 2009.
  35. ^ Louise S. Durham, "Poland Silurian shale ready for action," AAPG Explorer, February 2010, p.14-18.
  36. ^ thenews.pl, Will Polish shale gas revolutionize the global market?, 10 June 2010.
  37. ^ Dash for Poland’s gas could end Russian stranglehold, The Times, 5 April 2010.
  38. ^ Should Gazprom fear shale gas revolution?, BBC News, 8 April 2010.
  39. ^ Royal Dutch Shell, Annual Report and Form 20-F for the year ending December 31, 2008, p.25, PDF file, retrieved 16 April 2009.
  40. ^ Svenska Shell Skane natural gas website, accessed 27 May 2009.
  41. ^ Reuters (18 Mar. 2009) Eurenergy Resources Corporation awarded oil & gas concessions in Europe's East Paris Basin and Weald Basin, accessed 15 April 2009.
  42. ^ シェールガスのインパクト” (pdf). JOGMEC (2010年5月20日). 2010年11月2日閲覧。

参考文献

外部リンク