「謝肉祭」の版間の差分
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{{Otheruseslist|ヨーロッパ起源の祝祭|[[ロベルト・シューマン]]作曲のピアノ独奏曲集|謝肉祭 (シューマン)|[[アントニン・ドヴォルザーク]]作曲の序曲|自然と人生と愛|[[山口百恵]]のシングル曲|謝肉祭 (山口百恵の曲)}} |
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[[File:Carnival of Venice (Carnevale di Venezia) 2013 27.jpg|thumb|right|250px|[[ヴェネツィア・カーニバル]]で[[仮面舞踏会]]のマスクを着用した人々]] |
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[[File:Carnaval de Santa Cruz de Tenerife, assembling participants.jpg|thumbnail|250px|[[サンタ・クルス・デ・テネリフェのカーニバル]]]] |
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[[File:Carnival-Wolfach.jpg|right|thumb|250px|ドイツのヴォルファッハのカーニバルで、仮面をつけた人々]] |
[[File:Carnival-Wolfach.jpg|right|thumb|250px|ドイツのヴォルファッハのカーニバルで、仮面をつけた人々]] |
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'''謝肉祭'''(しゃにくさい)または'''カーニバル'''({{lang-en|carnival}})は、[[カトリック教会|カトリック]]国、すなわちカトリックを主たる宗教とする国で[[四旬節]]の直前の期間に行われる[[祭]]である。 |
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[[File:Reina carnaval.jpg|thumbnail|250px|[[サンタ・クルス・デ・テネリフェのカーニバル]]]] |
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'''謝肉祭'''(しゃにくさい、'''カーニバル''')は、もともと[[カトリック教会|カトリック]]など[[西方教会]]の文化圏で見られる通俗的な節期で、[[四旬節]]の前に行われる。[[仮装行列|仮装]]した[[パレード]]が行なわれたり、[[菓子]]を投げる[[行事]]などが行なわれてきたことから、現代では[[宗教]]的な背景のない単なる[[祝祭]]をも[[カーニバル]]と称することが少なくない。 |
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カトリックではかつて、四旬節の期間中は肉食を控えて良くない振る舞いも控える習慣・規則があったので、四旬節の直前に肉食を思い切り楽しみ羽目を外すようになったことが、この祭(お祭り騒ぎ、乱痴気騒ぎ)の直接の起源だと考えられている。ただしそれ以前の古い習慣も影響していると指摘する研究もある。 [[#語源と起源]] |
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== 名称と起源 == |
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謝肉祭は、各国で次のように呼ばれる。 |
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* [[英語]]ではカーニヴァル(Carnival) |
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* [[ドイツ語]]ではカーネヴァル(Karneval)、ファシング(Fasching)、ファストナハト(Fastnacht) |
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* [[オランダ語]]ではカーナヴァル(carnaval)、ヴァステンアーヴォンド(Vastenavond) |
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* [[スペイン語]]ではカルナバル(carnaval) |
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* [[イタリア語]]ではカルネヴァーレ([[:it:carnevale|carnevale]]) |
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* [[フランス語]]ではカルナヴァル(carnaval) |
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* [[ポルトガル語]]ではカルナヴァウ(carnaval) |
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* [[ハンガリー語]]ではファルシャング(farsang) |
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* [[ポーランド語]]ではカルナヴァウ(Karnawał) |
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* [[アイスランド語]]ではキョトクエズユハウティド(kjötkveðjuhátíð) |
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日本語でも「カーニバル」が使われることはあるが、多くは謝肉祭ではなく華やかなパレードの方のみを指して用いる。 |
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なお「カトリック国」というのは、その国の主要な宗教・教派がカトリックである国で、ヨーロッパではイタリア、スペイン、ポルトガル、フランス、かつてはドイツ(ドイツは現在はカトリックとプロテスタントがほぼ同率)、モナコ、サンマリノ、アンドラなどであり、南米ではブラジル、アルゼンチン、ペルー、パラグアイなどで、中米諸国も多くがカトリック国であり、これらの国の多くでカーニバルの習慣が根付いた。 |
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カーニバルの語源は、俗ラテン語carnem(肉を)levare(取り除く)に由来する。元々は四旬節が始まる灰の水曜日の前夜に開かれた、肉に別れを告げる宴のことを指した<ref>Manlio Cortelazzo e Paolo Zolli : "Dizionario etimologico della lingua italiana 1/A-C", Zanichelli, 1998, p.208</ref>。ドイツ語のファストナハトなどもここに由来し、「断食の前夜」の意で、四旬節の断食([[大斎_(カトリック教会)|大斎]])の前に行われる祭りであることを意味する<ref>Oswald A.Erich & Richard Beitl : "Woerterbuch der Deutschen Volkskunde" 43.Aufl. Stuttgart 1974. "Fasnacht"の記事、p.201</ref>。 |
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現在ではカトリック国でも四旬節の期間中に肉食を控えたり良くない振る舞いを控えることは行われなくなり、この祭の直接の動機は失われたが、 |
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別の説には、謝肉祭は古い[[ゲルマン人]]の春の到来を喜ぶ祭りに由来し、[[キリスト教]]の中に入って、一週間教会の内外で羽目を外した祝祭を繰り返し、その最後に自分たちの狼藉ぶりの責任を大きな藁人形に転嫁して、それを火あぶりにして祭りは閉幕するというのがその原初的なかたちであったという<ref>Wilhelm Kutter : "Schwaebisch alemannische Fasnacht" Salzburg 1976, p.8-19</ref>。カーニバルの語源は、この農耕祭で船を仮装した山車''carrus navalis''(車・船の意)を由来とする説もあるが、断食の前という意味の方が古いという研究者もいる。 |
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この時期に仮面をつけて[[仮装行列]]を行ったり[[菓子]]や[[花]]を投げるなどして羽目を外し大騒ぎを楽しむ習慣は祭として残っている。南米ブラジルではサンバのパレードを行い乱痴気騒ぎをする祭となった。現代ではそれにあやかってサンバのパレードを含む祭をカーニバルと呼ぶことがある。 |
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== 語源と起源 == |
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長さは地域により異なるが、多くは1週間である。最終日はほとんどの場合火曜日([[灰の水曜日]]の前日)であり、一部の地域では、この火曜日を[[マルディグラ]](肥沃な火曜日)、シュロブ・チューズデー(告悔火曜日)、[[パンケーキ・デイ]]などといい、[[パンケーキ]]を食べる習慣がある。これは、四旬節に入る前に卵を残さないために生じた習慣でもある。シュロブ・チューズデーの名は、かつて謝肉祭最終日すなわち灰の水曜日前日に、みなが告悔を行う習慣があったことに由来する。 |
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カーニバルの語源は、この祭の起源と関係がある。 |
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===語源と各国の名称=== |
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カーニバルは、[[俗ラテン語]]の carnem(肉を)levare(取り除く)という表現に由来し、それをひとつの単語にしたcarnelevariumも[[語源]]となっている。 |
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その結果、[[ローマ帝国]]の領域にあった各国では主にラテン語表現に沿って次のように呼ばれるようになった。 |
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現在はその起源である宗教的な姿を留めず単なる[[年中行事]]や[[観光]]行事になっている地域も多い。とくに、[[リオデジャネイロ]]のカーニバル([[リオのカーニバル]])における[[サンバ (ブラジル)|サンバ]]・パレードからの連想で、[[ロンドン]]の[[ノッティング・ヒル]]・カーニバルのように、四旬節とは全くことなる時期に開催される単なるサンバ・パレードをカーニバルと称することも少なくない。 |
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* [[イタリア語]]ではカルネヴァーレ ([[:it:carnevale|carnevale]]) |
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* [[スペイン語]]ではカルナバル (carnaval) |
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* [[ポルトガル語]]ではカルナヴァル (carnaval) |
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* [[フランス語]]ではカルナヴァル (carnaval) |
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上記の言語の影響を受け次の言語では次のように呼ばれる。 |
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== 謝肉祭に関する考察 == |
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* [[英語]]ではカーニヴァル (Carnival) |
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謝肉祭に関して、各界の研究者から以下の様な論が表されている。 |
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* [[オランダ語]]ではカーナヴァル (carnaval)、ヴァステンアーヴォンド (Vastenavond) |
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*[[ジェームズ・フレイザー]]は『[[金枝篇]]』の中で、[[懺悔の火曜日]]や[[灰の水曜日]]に謝肉祭[[人形]]が焚殺される理由について、古代[[イタリア]]で行われた樹木の[[精霊]]の受肉者である[[ネーミ]]の司祭殺害の儀式と同じく、春の始まりに謝肉祭の擬似人格である人形を殺し、復活・再生後の[[豊穣]]を約束してもらう儀礼的意味があると考えた<ref name="Kuroda">[[黒田悦子]]『スペインの民俗文化』<平凡社選書> 平凡社 1992年 第2刷、ISBN 4582841406 pp.203-204.</ref>。 |
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* [[ポーランド語]]ではカルナヴァウ (Karnawał) |
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*[[エドマンド・リーチ]]は[[エミール・デュルケーム]]の『聖俗論』を下敷きに、都市部の謝肉祭における仮面舞踏会のような乱痴気騒ぎは、正常な社会生活に対する社会的[[役割]]を転倒させた[[パフォーマンス]]であるとし、俗から聖への移行を象徴的に表現したものと考えた<ref name="Kuroda"/>。 |
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* [[ドイツ語]]ではカーネヴァル (Karneval)、ファシング (Fasching)、ファストナハト (Fastnacht) |
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*[[ヴィクター・ターナー]]はリーチの論を承け、謝肉祭を「地位転倒の儀礼」と呼んだ。謝肉祭は集団や社会が自らを見つめなおす時であり、社会全体で反省する作用を持っていたが、その効力は[[資本主義]]の発達とともに薄れていったと説いた<ref name="Kuroda"/>。 |
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その他の国では、系統の違う表現が使われ、次のように呼ばれる |
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* [[ハンガリー語]]ではファルシャング (farsang) |
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* [[アイスランド語]]ではキョトクエズユハウティド (kjötkveðjuhátíð) |
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* [[スロベニア語]]ではプスト(pust) |
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=== 起源 === |
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元々は四旬節が始まる「[[灰の水曜日]]」の前夜に開かれた、[[食肉|肉]]に別れを告げる[[宴会|宴]]のことを指した<ref>Manlio Cortelazzo e Paolo Zolli : "Dizionario etimologico della lingua italiana 1/A-C", Zanichelli, 1998, p.208</ref>。 |
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[[ドイツ語]]の「ファストナハト」などもここに由来し、「[[断食]]の前夜」の意で、四旬節の断食([[大斎 (カトリック教会)|大斎]])の前に行われる祭りであることを意味する<ref>Oswald A.Erich & Richard Beitl : "Woerterbuch der Deutschen Volkskunde" 43.Aufl. Stuttgart 1974. "Fasnacht"の記事、p.201</ref>。 |
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ただし、謝肉祭は古い[[ゲルマン人]]の[[春]]の到来を喜ぶ祭りに由来するという説もある。七日の間、教会の内外で羽目を外した騒ぎを繰り返し、最後に自分たちの狼藉ぶりの責任を転嫁した大きな[[藁人形]]を[[火刑|火あぶり]]にする、というのがその原初的なかたちであったという<ref>Wilhelm Kutter : "Schwaebisch alemannische Fasnacht" Salzburg 1976, p.8-19</ref>。 |
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カーニバルの語源は、この農耕祭で[[船]]を仮装した[[山車]] ''carrus navalis''(車・船の意)を由来とする説もあるが、断食の前という意味の方が古いという研究者もいる。 |
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== 期間 == |
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期間は地域により異なるが、多くは1週間である。 |
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最終日はほとんどの場合火曜日([[灰の水曜日]]の前日)であり、一部の地域では、この火曜日を[[マルディグラ]](肥沃な火曜日)、シュロブ・チューズデー(告解火曜日)、[[パンケーキ・デイ]]などといい、[[ホットケーキ|パンケーキ]]を食べる習慣がある。これは、四旬節に入る前に卵を使い切るために生じた[[習慣]]でもある。 |
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シュロブ・チューズデーの名は、かつて謝肉祭最終日、すなわち灰の水曜日前日に、皆が[[告解]]を行う習慣があったことに由来する。 |
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== 歴史 == |
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イタリア、[[ヴェネツィア]]のカーニバルは[[1094年]]より行われている。 |
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==現在== |
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カトリック国でも四旬節に肉食や良くない行いを控えるという規則・習慣は無くなったが、お祭り騒ぎは[[年中行事]]として残った。 |
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また近年、カーニバルの仮装や乱痴気騒ぎは他国からの観光客まで引き寄せる力があるので、[[観光]]資源として活用している地域も多い。 |
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[[ブラジル]]のカーニバル時期に行われる[[サンバ (ブラジル)|サンバ]]・パレードにあやかって、[[ロンドン]]の[[ノッティング・ヒル]]・カーニバルや、[[東京]]の[[浅草サンバカーニバル]]のように、サンバ・パレードを含むお祭ならば、たとえ四旬節前とは全く異なる時期に開催されていようが、カーニバルと称するようになった。 |
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== 世界各地のカーニバル == |
== 世界各地のカーニバル == |
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[[File:Venezia flickr08.jpg|thumb|right|250px|[[仮面舞踏会]]のマスク姿のヴェネツィアのカーニバル]] |
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[[ファイル:Caribbean pink dancer.jpg|thumb|right|250px|[[サンフランシスコ]]のカーニバルでのカリビアンスタイルのダンサー。]] |
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[[リオデジャネイロ]]を始め、世界各地に以下の通りカーニバルで有名な町が存在する。 |
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=== 代表的なカーニバル === |
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* [[バンシュ]] ([[ベルギー]]、ユネスコの世界遺産に登録されたカーニバル) |
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次のカーニバルが有名である。大陸別に挙げる。 |
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* [[マーストリヒト]] ([[オランダ]]) |
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* [[デン・ボス]] ([[オランダ]]、オランダで最古) |
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* [[サンタ・クルス・デ・テネリフェ]] ([[スペイン]]) |
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* ランツ ([[スペイン]]) - '''[[ミエル・オチン]]'''を参照 |
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* [[ケルン]] ([[ドイツ]]) |
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* [[ヴェネツィア]] ([[イタリア]]) - '''[[ヴェネツィア・カーニバル]]'''を参照 |
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* [[ニース]] ([[フランス]]) |
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* [[バーゼル]] ([[スイス]]) |
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* [[ノッティング・ヒル]] ([[イギリス]]) |
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* [[リオデジャネイロ]] ([[ブラジル]]) - '''[[リオのカーニバル]]'''を参照 |
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* [[サルバドール]] ([[ブラジル]]) |
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* [[オルロ]] ([[ボリビア]]) |
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* [[ウマウアカ]] ([[アルゼンチン]]、[[ウマウアケーニョ]]で有名) |
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* [[モンテビデオ]] ([[ウルグアイ]]、南米で一番期間が長い) - '''{{仮リンク|ウルグアイ・カーニバル|es|Carnaval en Uruguay|pt|Carnaval do Uruguai|en|Uruguayan Carnival}}'''を参照 |
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* [[ポートオブスペイン]]([[トリニダード・トバゴ]])- '''[[トリニダード・カーニバル]]'''を参照 |
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* [[ニューオーリンズ]] ([[アメリカ合衆国]]) - '''[[ニューオーリンズ・マルディグラ]]'''を参照 |
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* [[ケベック]] ([[カナダ]]) |
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==== 欧州 ==== |
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== ドイツのカーニバル == |
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[[File:Venezia flickr08.jpg|thumb|right|250px|ヴェネツィアのカーニバル]] |
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[[ドイツ]]では、主に[[ラインラント]]から[[バイエルン州|バイエルン]]、アウガウなどカトリックの多い地域で行われ、「アラーフ!」(ケルン)、「ヘラウ!」(デュッセルドルフ)等独特の[[挨拶]]を交わし、仮装して祝う。地方により、謝肉祭は、ファシング、ファスナハトなど呼び方が異なる。薔薇の月曜日(Rosenmontag)には、[[ケルン]]・[[デュッセルドルフ]]・[[マインツ]]・[[アーヘン]]・[[ボン]]で薔薇の月曜日の行列(Rosenmontagsumzug)が繰り出し、「カメレ」という叫び声をあげる人々に向けて菓子を投げる。 |
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[[File:Nice Parade.jpg|thumb|250px|ニースのカーニバル]] |
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* [[ヴェネツィア]]([[イタリア]]){{main|ヴェネツィア・カーニバル}} |
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* [[イヴレア]](イタリア): {{仮リンク|オレンジ合戦|it|battaglia delle arance|en|Battle of the Oranges}}で有名 |
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* [[サンタ・クルス・デ・テネリフェ]]([[スペイン]]) |
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* ランツ([[スペイン]]){{main|ミエル・オチン}} |
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* [[ニース]]([[フランス]]) - [[:fr:Carnaval de Nice]] |
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* [[バンシュ]]([[ベルギー]]、ユネスコの世界遺産に登録されたカーニバル) |
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* [[マーストリヒト]]([[オランダ]]) |
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* [[スヘルトーヘンボス|デン・ボス]](オランダ、オランダで最古) |
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* [[バーゼル]]([[スイス]]) |
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* [[ケルン]]([[ドイツ]]) - ドイツのカーニバルについては下節で説明。 |
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* [[ノッティング・ヒル]]([[イギリス]]) |
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==== 南米 ==== |
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== 謝肉祭が題名及び歌詞にある楽曲 == |
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[[File:Desfile do Salgueiro no Carnaval de 2023, Rio de Janeiro, Brasil 37.jpg|thumb|250px|[[リオのカーニバル|リオデジャネイロのカーニバル]]]] |
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* [[動物の謝肉祭]] - [[カミーユ・サン=サーンス]]の組曲。 |
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* [[リオデジャネイロ]]([[ブラジル]]){{main|リオのカーニバル}} |
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* [[謝肉祭 (シューマン)|謝肉祭]] 、[[ウィーンの謝肉祭の道化]] - [[ロベルト・シューマン]]のピアノ曲集。 |
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* [[サルバドール]](ブラジル) |
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* 序曲『謝肉祭』 - [[アントニン・ドヴォルザーク]]の[[演奏会用序曲]]。三部作『[[自然と人生と愛]]』の第2曲。 |
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* [[ポートオブスペイン]]([[トリニダード・トバゴ]]){{main|トリニダード・カーニバル}} |
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* 序曲『[[ローマの謝肉祭序曲|ローマの謝肉祭]]』 - [[エクトル・ベルリオーズ]]の演奏会用序曲。 |
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* [[ウマウアカ]]([[アルゼンチン]]、[[花祭り (フォルクローレ)|ウマウアケーニョ]]で有名) |
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* 『子供の謝肉祭』 - [[:en:Jean_Louis_Gobbaerts|ジャン・ルイ・ゴバールツ]](1835-1886)の曲。 |
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* [[オルロ]]([[ボリビア]]){{main|[[オルロ#オルロのカーニバル|オルロのカーニバル]]}} |
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* [[Life Is A Carnival]] - [[ザ・バンド]]の1971年のアルバム「カフーツ」収録曲 |
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* [[モンテビデオ]]([[ウルグアイ]]、南米で一番期間が長い){{main|{{仮リンク|ウルグアイ・カーニバル|es|Carnaval en Uruguay|pt|Carnaval do Uruguai|en|Uruguayan Carnival}}}} |
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* [[Take Me To The Mardi Gras]] - [[ポール・サイモン]]の1973年のシングル曲 |
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* [[謝肉祭 (山口百恵の曲)|謝肉祭]] - [[山口百恵]]のシングル曲。 |
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==== 中米、カリブ海 ==== |
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* めざめのカーニバル - [[榊原郁恵]]のシングル曲 |
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* [[カリブ海]]諸国 {{main|ジュヴェ}} |
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* CARNAVAL - [[大貫妙子]]のシングル曲 |
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* [[ミ・アモーレ]] - [[中森明菜]]のシングル曲。 |
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==== 北米 ==== |
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* 氷の謝肉祭 - [[水越恵子]]のシングル曲。 |
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[[File:New Orleans Mardi Gras Parade, 2017 - ABBA Float on Canal Street.jpg|thumb|250px|[[ニューオーリンズ・マルディグラ]]]] |
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* 夜桜謝肉祭 - [[音楽ゲーム]]『[[太鼓の達人]]』に収録されている曲。 |
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<!--[[ファイル:Caribbean pink dancer.jpg|thumb|right|180px|[[サンフランシスコ]]のカーニバルでのカリビアンスタイルのダンサー。]]--> |
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* [[哀愁のカルナバル]] - [[河合その子]]のシングル曲。 |
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* [[ニューオーリンズ]]([[アメリカ合衆国]]){{main|ニューオーリンズ・マルディグラ}} |
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* [[謝肉祭-カーニバル-]] - [[BUCK-TICK]] - [[極東 I LOVE YOU]]アルバムの第4曲。 |
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* [[ケベック・シティー]]([[カナダ]]){{main|ケベック・ウィンター・カーニバル}} |
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* 想い出のカルナバル - [[石原裕次郎]]の楽曲。 |
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*[[バラの謝肉祭]]-[[ジョセフ・オリヴァドーティ]]の[[吹奏楽]]の古典的名曲。 |
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=== ドイツのカーニバル === |
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* スペースカーニバル - [[コナミ]]の音楽ゲーム『[[jubeat]]』に収録されているshooting star名義のアーティストたち([[泉陸奥彦]]ほか)による楽曲。 |
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[[ドイツ]]では、主に[[ラインラント]]から[[バイエルン州|バイエルン]]、アウガウなど[[カトリック]]の多い地域で行われ、「アラーフ!」(ケルン)、「ヘラウ!」(デュッセルドルフ)等独特の[[挨拶]]を交わし、仮装して祝う。地方により、謝肉祭は、ファシング、ファスナハトなど呼び方が異なる。薔薇の月曜日(Rosenmontag)には、[[ケルン]]・[[デュッセルドルフ]]・[[マインツ]]・[[アーヘン]]・[[ボン]]で薔薇の月曜日の行列(Rosenmontagsumzug)が繰り出し、「カメレ」という叫び声をあげる人々に向けて菓子を投げる。 |
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== 謝肉祭に関する考察 == |
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謝肉祭に関して、各界の研究者から以下の様な論が表された。 |
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* [[ジェームズ・フレイザー]]は『[[金枝篇]]』の中で、[[懺悔の火曜日]]や[[灰の水曜日]]に謝肉祭[[人形]]が焚殺される理由について、古代[[イタリア]]で行われた樹木の[[精霊]]の受肉者である[[ネーミ]]の司祭殺害の儀式と同じく、春の始まりに謝肉祭の擬似人格である人形を殺し、復活・再生後の[[豊穣]]を約束してもらう儀礼的意味があると考えた<ref name="Kuroda">{{Cite book |和書 |author=黒田悦子 |author-link=黒田悦子 |title=スペインの民俗文化 |publisher=平凡社 |series=平凡社選書 |year=1992 |edition=第2刷 |ISBN=4582841406 |pages=203-204}}</ref>。 |
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* [[エドマンド・リーチ]]は[[エミール・デュルケーム]]の『聖俗論』を下敷きに、都市部の謝肉祭における仮面舞踏会のような乱痴気騒ぎは、正常な社会生活に対する社会的[[役割]]を転倒させた[[wikt:パフォーマンス|パフォーマンス]]であるとし、俗から聖への移行を象徴的に表現したものと考えた<ref name="Kuroda" />。 |
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* [[ヴィクター・ターナー]]はリーチの論を承け、謝肉祭を「地位転倒の儀礼」と呼んだ。謝肉祭は集団や社会が自らを見つめなおす時であり、社会全体で反省する作用を持っていたが、その効力は[[資本主義]]の発達とともに薄れていったと説いた<ref name="Kuroda" />。 |
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
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{{Reflist|2}} |
{{Reflist|2}} |
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== 参考文献 == |
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{{参照方法|date=2024年8月|section=1}} |
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* {{Cite book |和書 |author=植田重雄 |title=ヨーロッパ歳時記 |publisher=岩波書店 |series=岩波新書 |year=1983 |id={{JP番号|84012491}} |pages=89-98 |ref={{SfnRef|植田|1983}}}} |
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* {{Cite book |和書 |author=ヘディ・レーマン |title=ドイツの民俗 |others=川端豊彦 訳 |edition=3 |publisher=岩崎美術社 |series=民俗民芸双書 52 |year=1974 |id={{NDLSearch|R100000001-I34211100185867}} |pages=234-242 |ref={{SfnRef|レーマン|1974}}}} |
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== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
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{{Commonscat|Carnivals|カーニバル}} |
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* [[オルロ#オルロのカーニバル (Carnaval de Oruro)|オルロのカーニバル]] |
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* [[ディアブラーダ]] |
* [[ディアブラーダ]] |
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* [[マルディグラ]] |
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* [[リオのカーニバル]] |
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* [[トリニダード・カーニバル]] |
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* [[スティールパン]] |
* [[スティールパン]] |
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* [[ジェームズ・アンソール]] - 謝肉祭の仮面をモチーフとして描いた画家 |
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* [[マースレニツァ]] |
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* {{ill2|オランダでの謝肉祭期間中の居住地名|nl|Lijst van alternatieve Nederlandse plaatsnamen tijdens carnaval}} ‐ 謝肉祭の期間中、町村名が別の名前に変更される。 |
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== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
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{{Commonscat|Carnivals|カーニバル}} |
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* [http://www.carnavalvillarrobledo.com/ Carnival in Villarrobledo, Spain] |
* [http://www.carnavalvillarrobledo.com/ Carnival in Villarrobledo, Spain] |
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{{Normdaten}} |
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{{DEFAULTSORT:しやにくさい}} |
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[[Category:ヨーロッパの年中行事]] |
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[[Category:ドイツの祭]] |
[[Category:ドイツの祭]] |
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[[Category:フランスの祭]] |
[[Category:フランスの祭]] |
2024年8月3日 (土) 13:21時点における最新版
謝肉祭(しゃにくさい)またはカーニバル(英語: carnival)は、カトリック国、すなわちカトリックを主たる宗教とする国で四旬節の直前の期間に行われる祭である。
カトリックではかつて、四旬節の期間中は肉食を控えて良くない振る舞いも控える習慣・規則があったので、四旬節の直前に肉食を思い切り楽しみ羽目を外すようになったことが、この祭(お祭り騒ぎ、乱痴気騒ぎ)の直接の起源だと考えられている。ただしそれ以前の古い習慣も影響していると指摘する研究もある。 #語源と起源
なお「カトリック国」というのは、その国の主要な宗教・教派がカトリックである国で、ヨーロッパではイタリア、スペイン、ポルトガル、フランス、かつてはドイツ(ドイツは現在はカトリックとプロテスタントがほぼ同率)、モナコ、サンマリノ、アンドラなどであり、南米ではブラジル、アルゼンチン、ペルー、パラグアイなどで、中米諸国も多くがカトリック国であり、これらの国の多くでカーニバルの習慣が根付いた。
現在ではカトリック国でも四旬節の期間中に肉食を控えたり良くない振る舞いを控えることは行われなくなり、この祭の直接の動機は失われたが、 この時期に仮面をつけて仮装行列を行ったり菓子や花を投げるなどして羽目を外し大騒ぎを楽しむ習慣は祭として残っている。南米ブラジルではサンバのパレードを行い乱痴気騒ぎをする祭となった。現代ではそれにあやかってサンバのパレードを含む祭をカーニバルと呼ぶことがある。
語源と起源
[編集]カーニバルの語源は、この祭の起源と関係がある。
語源と各国の名称
[編集]カーニバルは、俗ラテン語の carnem(肉を)levare(取り除く)という表現に由来し、それをひとつの単語にしたcarnelevariumも語源となっている。
その結果、ローマ帝国の領域にあった各国では主にラテン語表現に沿って次のように呼ばれるようになった。
- イタリア語ではカルネヴァーレ (carnevale)
- スペイン語ではカルナバル (carnaval)
- ポルトガル語ではカルナヴァル (carnaval)
- フランス語ではカルナヴァル (carnaval)
上記の言語の影響を受け次の言語では次のように呼ばれる。
- 英語ではカーニヴァル (Carnival)
- オランダ語ではカーナヴァル (carnaval)、ヴァステンアーヴォンド (Vastenavond)
- ポーランド語ではカルナヴァウ (Karnawał)
- ドイツ語ではカーネヴァル (Karneval)、ファシング (Fasching)、ファストナハト (Fastnacht)
その他の国では、系統の違う表現が使われ、次のように呼ばれる
起源
[編集]元々は四旬節が始まる「灰の水曜日」の前夜に開かれた、肉に別れを告げる宴のことを指した[1]。
ドイツ語の「ファストナハト」などもここに由来し、「断食の前夜」の意で、四旬節の断食(大斎)の前に行われる祭りであることを意味する[2]。
ただし、謝肉祭は古いゲルマン人の春の到来を喜ぶ祭りに由来するという説もある。七日の間、教会の内外で羽目を外した騒ぎを繰り返し、最後に自分たちの狼藉ぶりの責任を転嫁した大きな藁人形を火あぶりにする、というのがその原初的なかたちであったという[3]。
カーニバルの語源は、この農耕祭で船を仮装した山車 carrus navalis(車・船の意)を由来とする説もあるが、断食の前という意味の方が古いという研究者もいる。
期間
[編集]期間は地域により異なるが、多くは1週間である。
最終日はほとんどの場合火曜日(灰の水曜日の前日)であり、一部の地域では、この火曜日をマルディグラ(肥沃な火曜日)、シュロブ・チューズデー(告解火曜日)、パンケーキ・デイなどといい、パンケーキを食べる習慣がある。これは、四旬節に入る前に卵を使い切るために生じた習慣でもある。
シュロブ・チューズデーの名は、かつて謝肉祭最終日、すなわち灰の水曜日前日に、皆が告解を行う習慣があったことに由来する。
歴史
[編集]イタリア、ヴェネツィアのカーニバルは1094年より行われている。
現在
[編集]カトリック国でも四旬節に肉食や良くない行いを控えるという規則・習慣は無くなったが、お祭り騒ぎは年中行事として残った。 また近年、カーニバルの仮装や乱痴気騒ぎは他国からの観光客まで引き寄せる力があるので、観光資源として活用している地域も多い。
ブラジルのカーニバル時期に行われるサンバ・パレードにあやかって、ロンドンのノッティング・ヒル・カーニバルや、東京の浅草サンバカーニバルのように、サンバ・パレードを含むお祭ならば、たとえ四旬節前とは全く異なる時期に開催されていようが、カーニバルと称するようになった。
世界各地のカーニバル
[編集]代表的なカーニバル
[編集]次のカーニバルが有名である。大陸別に挙げる。
欧州
[編集]- ヴェネツィア(イタリア)→詳細は「ヴェネツィア・カーニバル」を参照
- イヴレア(イタリア): オレンジ合戦で有名
- サンタ・クルス・デ・テネリフェ(スペイン)
- ランツ(スペイン)→詳細は「ミエル・オチン」を参照
- ニース(フランス) - fr:Carnaval de Nice
- バンシュ(ベルギー、ユネスコの世界遺産に登録されたカーニバル)
- マーストリヒト(オランダ)
- デン・ボス(オランダ、オランダで最古)
- バーゼル(スイス)
- ケルン(ドイツ) - ドイツのカーニバルについては下節で説明。
- ノッティング・ヒル(イギリス)
南米
[編集]- リオデジャネイロ(ブラジル)→詳細は「リオのカーニバル」を参照
- サルバドール(ブラジル)
- ポートオブスペイン(トリニダード・トバゴ)→詳細は「トリニダード・カーニバル」を参照
- ウマウアカ(アルゼンチン、ウマウアケーニョで有名)
- オルロ(ボリビア)→詳細は「オルロのカーニバル」を参照
- モンテビデオ(ウルグアイ、南米で一番期間が長い)→詳細は「ウルグアイ・カーニバル」を参照
中米、カリブ海
[編集]北米
[編集]- ニューオーリンズ(アメリカ合衆国)→詳細は「ニューオーリンズ・マルディグラ」を参照
- ケベック・シティー(カナダ)→詳細は「ケベック・ウィンター・カーニバル」を参照
ドイツのカーニバル
[編集]ドイツでは、主にラインラントからバイエルン、アウガウなどカトリックの多い地域で行われ、「アラーフ!」(ケルン)、「ヘラウ!」(デュッセルドルフ)等独特の挨拶を交わし、仮装して祝う。地方により、謝肉祭は、ファシング、ファスナハトなど呼び方が異なる。薔薇の月曜日(Rosenmontag)には、ケルン・デュッセルドルフ・マインツ・アーヘン・ボンで薔薇の月曜日の行列(Rosenmontagsumzug)が繰り出し、「カメレ」という叫び声をあげる人々に向けて菓子を投げる。
謝肉祭に関する考察
[編集]謝肉祭に関して、各界の研究者から以下の様な論が表された。
- ジェームズ・フレイザーは『金枝篇』の中で、懺悔の火曜日や灰の水曜日に謝肉祭人形が焚殺される理由について、古代イタリアで行われた樹木の精霊の受肉者であるネーミの司祭殺害の儀式と同じく、春の始まりに謝肉祭の擬似人格である人形を殺し、復活・再生後の豊穣を約束してもらう儀礼的意味があると考えた[4]。
- エドマンド・リーチはエミール・デュルケームの『聖俗論』を下敷きに、都市部の謝肉祭における仮面舞踏会のような乱痴気騒ぎは、正常な社会生活に対する社会的役割を転倒させたパフォーマンスであるとし、俗から聖への移行を象徴的に表現したものと考えた[4]。
- ヴィクター・ターナーはリーチの論を承け、謝肉祭を「地位転倒の儀礼」と呼んだ。謝肉祭は集団や社会が自らを見つめなおす時であり、社会全体で反省する作用を持っていたが、その効力は資本主義の発達とともに薄れていったと説いた[4]。
脚注
[編集]- ^ Manlio Cortelazzo e Paolo Zolli : "Dizionario etimologico della lingua italiana 1/A-C", Zanichelli, 1998, p.208
- ^ Oswald A.Erich & Richard Beitl : "Woerterbuch der Deutschen Volkskunde" 43.Aufl. Stuttgart 1974. "Fasnacht"の記事、p.201
- ^ Wilhelm Kutter : "Schwaebisch alemannische Fasnacht" Salzburg 1976, p.8-19
- ^ a b c 黒田悦子『スペインの民俗文化』(第2刷)平凡社〈平凡社選書〉、1992年、203-204頁。ISBN 4582841406。
参考文献
[編集]- 植田重雄『ヨーロッパ歳時記』岩波書店〈岩波新書〉、1983年、89-98頁。全国書誌番号:84012491。
- ヘディ・レーマン『ドイツの民俗』川端豊彦 訳(3版)、岩崎美術社〈民俗民芸双書 52〉、1974年、234-242頁。国立国会図書館サーチ:R100000001-I34211100185867。
関連項目
[編集]- ディアブラーダ
- スティールパン
- ジェームズ・アンソール - 謝肉祭の仮面をモチーフとして描いた画家
- マースレニツァ
- オランダでの謝肉祭期間中の居住地名 ‐ 謝肉祭の期間中、町村名が別の名前に変更される。