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「スバル・トレジア」の版間の差分

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{{Pathnav|トヨタ・ヴィッツ|トヨタ・ラクティス|frame=1}}
{{Pathnav|トヨタ・ヴィッツ|トヨタ・ラクティス|frame=1}}

'''トレジア'''(TREZIA)は、[[トヨタ自動車]]が製造し、富士重工業(現・[[SUBARU]]が販売していた[[コンパクトカー|コンパクト]][[トールワゴン]]。[[トヨタ]]2代目[[トヨタ・ラクティス|ラクティス]]の[[姉妹車]] ([[OEM]])<ref>[http://www.asahi.com/car/news/NGY201011220035.html トヨタ、新型「ラクティス」発売 高さは低く・幅は広く] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20101125150615/http://www.asahi.com/car/news/NGY201011220035.html |date=20101125日 }} - asahi.com 2010年11月22日</ref>であり、3代目[[トヨタ・ヴィッツ|ヴィッツ]]をベースとする。

{{Infobox_自動車のスペック表
{{Infobox_自動車のスペック表
| 車種= 普通自動車
| 車種= 普通自動車
| 車名= スバル・トレジア
| 車名= <!--未記入で記事名が入ります-->
| 車名補= NSP120X/NCP12#X/NLP121X型
| 車名補= NSP120X/NCP12#X/NLP121X型
| 1枚目画像の説明=後期型 フロント<br>1.3i シンプルスタイルパッケージ
| 1枚目画像の説明=後期型 フロント<br>1.3i シンプルスタイルパッケージ
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| 3枚目画像名=Subaru Trezia 1.3i Active – Heckansicht, 25. August 2011, Wuppertal.jpg
| 3枚目画像名=Subaru Trezia 1.3i Active – Heckansicht, 25. August 2011, Wuppertal.jpg
| 製造国= {{JPN}}([[岩手県]]→[[静岡県]])
| 製造国= {{JPN}}([[岩手県]]→[[静岡県]])
| 販売期間= [[2010年]][[11月]] - [[2016年]][[7月]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.carsensor.net/catalog/subaru/trezia/|title=トレジア(スバル)のカタログ|中古車なら【カーセンサーnet】|publisher=リクルート株式会社|date=2020-1-2|accessdate=2020-1-2}}</ref>
| 販売期間= [[2010年]]11月 - [[2016年]]6月
| 設計統括=
| 設計統括=
| デザイン=
| デザイン=
| 乗車定員= 5人
| 乗車定員= 5人
| ボディタイプ= 5ドア [[トールワゴン]]
| ボディタイプ= 5ドア [[トールワゴン]]
| エンジン= [[トヨタ・NRエンジン#1NR-FE|1NR-FE型]]:1,329[[立方センチメートル|cc]] [[直列4気筒]][[DOHC]]<br/>(日本向け初期型含む)<br />[[トヨタ・NRエンジン#1NR-FKE|1NR-FKE型]]:1,329cc 直列4気筒DOHC<br/>(日本向けのみ)<br/> [[トヨタ・1NZ-FE|1NZ-FE型]]:1,496cc 直列4気筒DOHC<br/>(日本向けのみ)<br/>[[トヨタ・NDエンジン|1ND-TV型]]:1,362cc 直列4気筒[[SOHC]] [[ディーゼルエンジン|ディーゼル]]<br/>(欧州向けのみ)
| エンジン= [[トヨタ・NRエンジン#1NR-FE|1NR-FE型]] 1,329 [[立方センチメートル|cc]] [[直列4気筒]][[DOHC]]<br/>(日本向け初期型含む)<br />[[トヨタ・NRエンジン#1NR-FKE|1NR-FKE型]] 1,329 cc 直列4気筒DOHC<br/>(日本向けのみ)<br/> [[トヨタ・1NZ-FE|1NZ-FE型]] 1,496 cc 直列4気筒DOHC<br/>(日本向けのみ)<br/>[[トヨタ・NDエンジン|1ND-TV型]] 1,362 cc 直列4気筒[[SOHC]] [[ディーゼルエンジン|ディーゼル]]<br/>(欧州向けのみ)
| モーター=
| モーター=
| 最高出力= 1NR-FE型:95[[馬力#仏馬力|PS]]<br />(欧州仕様は101PS)<br />1NR-FKE型:99PS<br/> 1NZ-FE型:109PS<br />(四輪駆動は103PS)<br/>1ND-TV型:90PS
| 最高出力= 1NR-FE型: 95 [[馬力#仏馬力|PS]]<br />(欧州仕様は101 PS)<br />1NR-FKE型: 99 PS<br/> 1NZ-FE型: 109 PS<br />(四輪駆動は103 PS)<br/>1ND-TV型: 90 PS
| 最大トルク=
| 最大トルク=
| トランスミッション= [[無段変速機|CVT]](日本向けのみ)<br/>6速[[マニュアルトランスミッション|MT]](欧州向けのみ)<br/>6速[[セミオートマチックトランスミッション|セミAT]](欧州向けのみ)
| トランスミッション= [[無段変速機|CVT]](日本向けのみ)<br/>6速[[マニュアルトランスミッション|MT]](欧州向けのみ)<br/>6速[[セミオートマチックトランスミッション|セミAT]](欧州向けのみ)
| 駆動方式= [[前輪駆動]]<br/> [[四輪駆動]](日本向けのみ)
| 駆動方式= [[前輪駆動]]<br/> [[四輪駆動]](日本向けのみ)
| 全長= 3,990 [[ミリメートル|mm]]
| サスペンション= 前:[[ストラット式サスペンション|ストラット式]]<br /> :[[トーションビーム式サスペンション|トーションビーム式]]<br/>(四輪駆動は[[ド・ディオンアクスル|ド・ディオン]]/トーションビーム式
| 全= 3,990[[ミリメートル|mm]]
| 全= 1,695 mm
| 全= 1,695mm
| 全= 1,585 mm
| ホイールベース= 2,550 mm
| 全高= 1,585mm
| 車両重量= 1,090 - 1,170 [[キログラム|kg]]
| ホイールベース= 2,550mm
| 車両重量= 1,090 - 1,170[[キログラム|kg]]
| 最大積載量=
| 最大積載量=
| 自由項目1(項目名)=[[姉妹車]]
| 自由項目1(項目名)=
| 自由項目1(内容)=[[トヨタ・ラクティス]]
| 自由項目1(内容)=
| 自由項目2(項目名)=製造事業者
| 自由項目2(項目名)=製造事業者
| 自由項目2(内容)=[[トヨタ自動車]]
| 自由項目2(内容)=[[トヨタ自動車]]
| 別名= [[トヨタ・ラクティス]](2代目)<br />欧州 : [[トヨタ・ヴァーソ-S]]
| 別名= <!--現地名、地域を記入-->
| 先代=[[スバル・ジャスティ|ジャスティ]](欧州向け4代目)<br />[[スバル・デックス|デックス]](日本)
| 先代=[[スバル・ジャスティ|ジャスティ]](欧州向け4代目)<br />[[スバル・デックス|デックス]](日本)
| 後継=[[スバル・ジャスティ|ジャスティ]](日本向け2代目)
| 後継=[[スバル・ジャスティ|ジャスティ]](日本向け2代目)
| プラットフォーム=[[トヨタ・Bプラットフォーム]]
| プラットフォーム=[[トヨタ・Bプラットフォーム]]
|サス=[[ストラット式サスペンション|ストラット式]]|サス=[[トーションビーム式サスペンション|トーションビーム式]](2WD)<br/>[[ド・ディオンアクスル|ド・ディオン]]/トーションビーム式(AWD)}}
}}
'''トレジア''' (''TREZIA'') は、[[トヨタ自動車]]が製造し、[[スバル]]ブランドを展開する[[富士重工業]]が販売していた[[コンパクトカー|コンパクト]][[トールワゴン]]。2代目[[トヨタ・ラクティス|ラクティス]]の[[姉妹車]] ([[OEM]])<ref>[http://www.asahi.com/car/news/NGY201011220035.html トヨタ、新型「ラクティス」発売 高さは低く・幅は広く]{{リンク切れ|date=20114月}} - asahi.com 2010年11月22日</ref>であり、3代目[[トヨタ・ヴィッツ|ヴィッツ]]をベースとする。


== 概要 ==
== 概要 ==
富士重は[[2008年]]4月トヨタその傘下の[[ダイハツ工業]]との間における提携関係を締結<ref>[http://www.fhi.co.jp/news/08_04_06/08_04_10-1.html トヨタ・ダイハツ・富士重、開発・生産における新たな協力関係に合意] - 富士重工業ニュースリリース、2008年4月10</ref>。トレジアはそのアライアンスの成果であり、ダイハツが製造し同社が売している[[ダイハツ・クー|クー]]のOEM車種である[[スバル・デックス|デックス]]に続き、登録車のOEM第2弾として投入された。また、[[日本]]国内市場のみならず、[[ヨーロッパ|欧州]]市場にも[[スバル・ジャスティ|ジャスティ]](初代[[ダイハツ・ブーン|ブーン]]のOEM。同じく初代[[トヨタ・パッソ|パッソ]]の姉妹モデル)と入れ替わりに順次投入されている。なお、スバルの普通乗用車では唯一の5ナンバー登録車(小型普通自動車)であった。
[[2008年]]4月、富士重工業はトヨタ自動車、並びにその傘下の[[ダイハツ工業]]との間における提携関係を締結した<ref>{{Cite press release|和書|url=https://www.subaru.co.jp/news/archives/contents/pdf_44983.pdf|format=PDF|title=トヨタ・ダイハツ・富士重、開発・生産における新たな協力関係に合意|publisher=富士重工業| date=2008-04-10|accessdate=2022-11-11}}</ref>。トレジアはその提携の成果であり、ダイハツが製造し同社が売している[[ダイハツ・クー|クー]]のOEM車種である[[スバル・デックス|デックス]]に続き、[[日本のナンバープレート#自動車登録番号標|登録車]]のOEM第2弾として投入された。また、[[日本]]国内市場のみならず、[[ヨーロッパ|欧州]]市場にも[[スバル・ジャスティ|ジャスティ]](初代[[ダイハツ・ブーン|ブーン]]のOEM。同じく初代[[トヨタ・パッソ|パッソ]]の姉妹モデル)と入れ替わりに順次投入されている。なお、[[スバル・インプレッサ|インプレッサ]]が3ナンバーサイズに拡大したため、当時スバルの普通乗用車では唯一の5ナンバー登録車(小型普通自動車)であった。


これまでダイハツからOEMを受けてきた車種<ref>上記クーのほか、[[軽自動車]]の[[ダイハツ・アトレー|アトレーカスタム]](スバル名[[スバル・ディアスワゴン|ディアスワゴン]])、[[ダイハツ・タントエグゼ|タントエグゼ]](同[[スバル・ルクラ|ルクラ]])、[[ダイハツ・ムーヴ|ムーヴ]](同[[スバル・ステラ|ステラ]])、[[ダイハツ・ミラ|ミラ]]・[[ダイハツ・ミライース|イース]](同[[スバル・プレオ|プレオ]]・[[スバル・プレオプラス|プラス]])の供給を受けている。</ref>と異なり、開発段階からスバルの技術者を送り込み、商品化してきたため<ref>[http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20101129/1033765/ 富士重が新型コンパクトカー「スバル トレジア」発売、トヨタ・ラクティス兄弟車] - 日経トレンディネット2010年11月30日</ref>、デックス以上にスバル独自の路線が強調され、バンパーやグリルのみならず、ボンネット、フロントフェンダー、ヘッドライト、リヤガーニッシュ(鍍金仕上げ)、リヤコンビネーションレンズも専用品が与えられていた。生産はベースのラクティス同様、当初は[[関東自動車工業]]岩手工場が担当していたが、同工場で生産される[[トヨタ・アクア|アクア]]の増産に対応するため[[2012年]]5月より同社東富士工場(同年7月より[[トヨタ自動車東日本]]東富士工場に改称)に移管した。
これまでのトヨタOEMモデル{{efn|スバルは、前述のクーのほか、[[軽自動車]]の[[ダイハツ・アトレー|アトレーカスタム]](スバル名[[スバル・ディアスワゴン|ディアスワゴン]])、[[ダイハツ・タントエグゼ|タントエグゼ]](同[[スバル・ルクラ|ルクラ]])、[[ダイハツ・ムーヴ|ムーヴ]](同[[スバル・ステラ|ステラ]])、[[ダイハツ・ミラ|ミラ]]・[[ダイハツ・ミライース|イース]](同[[スバル・プレオ|プレオ]]・[[スバル・プレオプラス|プラス]])の供給を受けている。}}異なり、開発段階からスバルの技術者を送り込み、商品化したため<ref>[http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20101129/1033765/ 富士重が新型コンパクトカー「スバル トレジア」発売、トヨタ・ラクティス兄弟車] - 日経トレンディネット2010年11月30日</ref>、デックス以上にスバル独自の路線が強調され、フロント[[バンパー]][[フロントグリル]]のみならず、ボンネット、フロント[[フェンダー (自動車)|フェンダー]][[前照灯|ヘッドランプ]]、リヤガーニッシュ([[メッキ]]仕上げ)、[[尾灯|リヤコンビネーションランプ]]レンズも専用品となった。


生産はベースのラクティス同様、当初は[[関東自動車工業]]岩手工場が担当していたが、同工場で生産される[[トヨタ・アクア|アクア]]の増産に対応するため、[[2012年]]5月より同社東富士工場(同年7月より[[トヨタ自動車東日本]]東富士工場に改称)に移管した。
== グレード・装備 ==
グレードは「i(ラクティスの「X」に相当)」、「i-L(「G」に相当)」、「i-S(「i-L」の足回りに「i TYPE EURO」の内外装を組み合わせたトレジア独自のグレード)」、「i TYPE EURO<ref>「TYPE EURO」は富士重工業の登録商標である([[商標登録]]番号/'''第4382833号''')。</ref>(「S」に相当、1.5[[リットル|L]]・[[二輪駆動|2WD]]車のみ)」の4グレードで構成され、ラクティスの「L'épice(レピス)」と「X Vパッケージ」(前期型、ラクティスにおいてもマイナーチェンジにより廃止)、「G"PRIME STYLE"」(後期型)に相当するグレードは設定されなかった。また、ラクティスで「1.5G」の2WD車にのみメーカーオプションとなっている[[サンルーフ|パノラマルーフ]]は、トレジアにおいてはパノラマルーフを標準装備した「1.5i-L Panorama」という独立グレード設定されていた。「i TYPE EURO」と「1.5i-L Panorama」以外のグレードにおいては1.3L・2WD、1.5L・2WD、1.5L・[[四輪駆動|AWD]]<ref>スバルでは四輪駆動AWDと呼称している。</ref>を用意。


=== メカニズム ===
装備面でも若干の違いがあり、ラクティスでは設定のないテレスコピックステアリング(「i」を除く全車。後期型ラクティスでは「X」を除く全車に装備)<ref>ただし、ラクティスの欧州仕様であるヴァーソSには装備される。</ref>、「1.5S」にしか設定されていない[[パドルシフト]](「i」を除く1.5L車全車)、1.5Lの[[前輪駆動|FF]]車のみに設定される[[クルーズコントロール]](「i」を除く1.5L車全車)、「G」以上のグレードにメーカーオプションとなる[[ディスチャージヘッドランプ]](「i-S」、「i TYPE EURO」のみ)が標準装備されていた。逆にラクティスに設定のあるオーディオのステアリングスイッチやナビレディパッケージについては設定がなかった(全車オーディオレスが標準となっていた)。また、ボディカラーにおいてもラクティスより2色少ない設定となっていた(ダークブラウンマイカメタリック及びスーパーホワイトIIの設定がなかった。なお、スーパーホワイトIIについてはラクティスの車いす仕様車のみの設定)
ラクティス同様、エンジンは1.3 L([[トヨタ・NRエンジン|1NR-FE]]、日本仕様の後期では1NR-FKE)と日本仕様にのみ1.5 L([[トヨタ・1NZ-FE|1NZ-FE]]、欧州仕様にのみ1.4 Lターボディーゼル[[トヨタ・NDエンジン|1ND-TV]]を用意し、トランスミッションは日本仕様では[[無段変速機|ベルト式CVT]]、欧州仕様では6速[[マニュアルトランスミッション|MT]]、1.4 Lターボディーゼル車のみオプションで6速[[セミオートマチックトランスミッション|セミAT]]組み合わされる。駆動方式は2WD([[前輪駆動]])AWD([[四輪駆動]]。1.5 Lのみ)を用意。また、ホイールが5穴([[ナット座ピッチ直径|PCD]]は100.0{{nbsp}}[[ミリメートル|mm]])、フロントワイパーが払拭性を考慮して1本となる点も同じである。ただし、後期型のFFモデル全車で[[アイドリグストップ]]が標準装備となる点がラクティスと異なる。


== 年表 ==
=== グレード・装備 ===
発売当初、グレードは「i(ラクティスの廉価グレード「X」に相当)」、「i-L(ラクティスの通常グレード「G」に相当)」、「i TYPE EURO<ref>「TYPE EURO」は富士重工業の登録商標である([[商標登録]]番号/'''第4382833号''')。</ref>(ラクティスのスポーツタイプグレード「S」に相当)、「i-S(「i-L」の足回りに「i TYPE EURO」の内外装を組み合わせたトレジア独自のグレード)」、1.5[[リットル|L]]・[[二輪駆動|2WD]]車のみ)」の4で構成され、ラクティスの「L'épice(レピス)」と「X Vパッケージ」(前期型、ラクティスにおいてもマイナーチェンジにより廃止)、「G"PRIME STYLE"」(後期型)に相当するグレードは設定されなかった。また、ラクティスで「1.5G」の2WD車にのみメーカーオプションとなっている[[サンルーフ|パノラマルーフ]]は、トレジアにおいてはパノラマルーフを標準装備した「1.5i-L Panorama」という独立グレードとして設定された。「i TYPE EURO」と「1.5i-L Panorama」以外のグレードは1.3L・2WD、1.5L・2WD、1.5L・[[四輪駆動|AWD]]{{efn|スバルでは四輪駆動AWDと呼称している。}}を用意。
*[[2010年]][[11月29日]] - 日本仕様を発表<ref name="FHI">[http://www.fhi.co.jp/news/10_10_12/10_11_29.html 新型コンパクトカー スバル トレジアを発売] - 富士重工業ニュースリリース、20101129</ref>。

装備面でも若干の違いがあり、ラクティスでは設定のないテレスコピックステアリング(「i」を除く全車。後期型ラクティスでは「X」を除く全車に装備){{efn|ただし、ラクティスの欧州仕様であるヴァーソSには装備される。}}、「1.5S」にしか設定されていない[[パドルシフト]](「i」を除く1.5L車全車)、1.5Lの[[前輪駆動|FF]]車のみに設定される[[クルーズコントロール]](「i」を除く1.5L車全車)、「G」以上のグレードにメーカーオプションとなる[[ディスチャージヘッドランプ]](「i-S」、「i TYPE EURO」のみ)が標準装備されていた。

逆にラクティスに設定のあるオーディオのステアリングスイッチやナビレディパッケージについては設定がなかった(全車オーディオレスが標準)。また、ボディカラーにおいてもラクティスより2色少ない設定となっていた{{Efn|ダークブラウンマイカメタリック、およびスーパーホワイトIIの設定がなかった。なお、スーパーホワイトIIについてはラクティスの車いす仕様車のみの設定。}}。

*[[2010年]]11月29日 - 日本仕様を発表<ref name="FHI">{{Cite press release|和書|url=https://www.subaru.co.jp/news/archives/10_10_12/10_11_29.html|title=新型コンパクトカー スバル トレジアを発売|publisher=富士重工業|date=2010-11-29|accessdate=2022-11-11}}</ref>。CMには俳優の[[玉山鉄二]]が起用された{{efn|玉山はのちに[[ダイハツ・ウェイク]]のCMに出演している。}}
*[[2011年]]
*[[2011年]]
**[[1月]] - [[東京オートサロン]]において、[[スバルテクニカインターナショナル|STI]]がチューンを手がけた「トレジアSTI」が参考出品された。
**1月 - [[東京オートサロン]]において、[[スバルテクニカインターナショナル|STI]]がチューンを手がけた「トレジアSTI」が参考出品された。
**[[3月]] - [[ジュネーブショー]]にて欧州仕様が発表された。
**3月 - [[ジュネーブショー]]にて欧州仕様が発表された。
**:1.3Lは日本仕様と同じだが、1.5Lは設定されず、代わりに1.4Lの[[トヨタ・NDエンジン|1ND-TV]]型[[直列4気筒]][[SOHC]]8バルブ[[ターボチャージャー|ターボ]][[ディーゼルエンジン]]が用意され、ともに6速[[マニュアルトランスミッション|MT]]を搭載。[[無段変速機|CVT]]は用意されない。1.4Lターボディーゼルはオプションで「M-MT」(マルチモード・マニュアル・トランスミッション)と呼ばれるパドルシフト付き6速[[セミオートマチックトランスミッション|2ペダルMT]]も選べた<ref>[http://response.jp/article/2011/03/07/152820.html 【ジュネーブモーターショー11】スバル トレジア、欧州デビュー…ディーゼル&6速MTも ] - カービュー 2011年3月7日</ref>。これに伴い、パーキングブレーキも足踏み式からサイドレバー式に変更された。
*:1.3Lは日本仕様と同じだが、1.5Lは設定されず、代わりに1.4Lの[[トヨタ・NDエンジン|1ND-TV]]型[[直列4気筒]][[SOHC]]8バルブ[[ターボチャージャー|ターボ]][[ディーゼルエンジン]]が用意され、ともに6速[[マニュアルトランスミッション|MT]]を搭載。[[無段変速機|CVT]]は用意されない。1.4Lターボディーゼルはオプションで「M-MT」(マルチモード・マニュアル・トランスミッション)と呼ばれるパドルシフト付き6速[[セミオートマチックトランスミッション|2ペダルMT]]も選べた<ref>[http://response.jp/article/2011/03/07/152820.html 【ジュネーブモーターショー11】スバル トレジア、欧州デビュー…ディーゼル&6速MTも ] - カービュー 2011年3月7日</ref>。これに伴い、パーキングブレーキも足踏み式からサイドレバー式に変更された。
**[[11月7日]] - 日本仕様を一部改良(11月21日販売開始)。
**[[11月7日]] - 日本仕様を一部改良(11月21日販売開始)。
**:「1.3/1.5i-S」と「1.5i TYPE EURO」はインパネとフロントドアアッパートリムに[[ソフトパッド]]を、フロントドアガラスにスーパーUVカットガラスをそれぞれ装備(スーパーUVカットガラスは「1.3/1.5i-L」にも装備)するとともに、ボディカラーに「グレー・メタリック」を追加。さらに、オプションパッケージとして、「1.3i-L」、「1.3i-S」に「[[アイドリングストップ]]パッケージ」をラクティスでおける該当グレードで設定される、[[ミスタードーナツ|特別色ストロベリーメタリックオパール]]は用意されなかった、「1.3i」・「1.5i」に通常よりも6万円割安にした「シンプルスタイルパッケージ」をそれぞれ追加し、バリエーションを広げた。併せて「1.3i」「1.5i」をベースに、16[[インチ]][[アルミホイール]]、サイドシルスポイラー、本革巻ステアリングホイール、本革インパネシフトセレクトレバー、フロントシートアームレスト、ハイグレードファブリックシートを装備し、上級グレードの質感とスポーティイメージをみながらもベースグレードから+11万円に抑えて購入しやすくし[[特別仕様車]]「Sport Limited」も発表された(一部改良と同時に販売開始)
*:「1.3/1.5i-S」と「1.5i TYPE EURO」はインパネとフロントドアアッパートリムに[[ソフトパッド]]を、フロントドアガラスにスーパーUVカットガラスをそれぞれ装備(スーパーUVカットガラスは「1.3/1.5i-L」にも装備)するとともに、ボディカラーに「グレー・メタリック」を追加。
*:さらに、オプションパッケージとして、「1.3i-L」、「1.3i-S」に「[[アイドリングストップ]]パッケージ」を{{Efn|ラクティスでおける該当グレードで設定される特別色ストロベリーメタリックオパールは用意されなかった。}}、「1.3i」・「1.5i」に通常よりも6万円割安にした「シンプルスタイルパッケージ」をそれぞれ追加し、バリエーションを広げた。
*:併せて[[特別仕様車]]「Sport Limited」も発表された。「1.3i」「1.5i」をベースに、16[[インチ]][[アルミホイール]]、サイドシルスポイラー、本革巻ステアリングホイール、本革インパネシフトセレクトレバー、フロントシートアームレスト、ハイグレードファブリックシートを装備し、上級グレードの質感とスポーティイメージを付与つつ、ベースグレードから+11万円に抑えた。
*[[2012年]]
*[[2012年]]
**[[5月25日]] - STIより、事実上「トレジアSTI」のパーツ単品販売となる、「フロントアンダースポイラー」「リヤアンダースポイラー」「16インチアルミホイール」「シフトノブ」のスポーツパーツが発売された。
**5月25日 - STIより、事実上「トレジアSTI」のパーツ単品販売となる、「フロントアンダースポイラー」「リヤアンダースポイラー」「16インチアルミホイール」「シフトノブ」のスポーツパーツが発売された。
**[[8月1日]] - 日本仕様を一部改良。
**8月1日 - 日本仕様を一部改良。
**:1.5L車はエンジンの燃費改善やフリクション低減などの改良を行い、燃費性能を向上したことで「平成27年度燃費基準」を達成。併せて、「1.3i-S」・「1.3i-L」に設定されている「アイドリングストップパッケージ」を「1.5i」を除く2WD車にも拡大適用され、本パッケージを装着した場合は「平成27年度燃費基準+10%」を達成した。特別仕様車「Sport Limited」はベース車に準じた改良を受けるとともに、1.5L車にパドルシフトを追加装備した。
*:1.5L車はエンジンの燃費改善やフリクション低減などの改良を行い、燃費性能を向上したことで「平成27年度燃費基準」を達成。併せて、「1.3i-S」・「1.3i-L」に設定されている「アイドリングストップパッケージ」を「1.5i」を除く2WD車にも拡大適用され、本パッケージを装着した場合は「平成27年度燃費基準+10%」を達成した。
*:特別仕様車「Sport Limited」はベース車に準じた改良を受けるとともに、1.5L車にパドルシフトを追加装備した。
*[[2013年]][[10月1日]] - 日本仕様を一部改良(仕様変更扱い)。全車に[[横滑り防止装置|S-VSC]]&[[トラクションコントロール|TRC]]を標準装備した。
*[[2013年]]10月1日 - 日本仕様を一部改良(仕様変更扱い)。全車に[[横滑り防止装置|S-VSC]]&[[トラクションコントロール|TRC]]を標準装備した。
*[[2014年]][[5月12日]] - 日本仕様をマイナーチェンジ(5月30日販売開始)<ref>[http://www.fhi.co.jp/news/14_04_06/14_05_12_98706.html スバル トレジアを改良] - 富士重工業株式会社 ニュースリリース 2014年5月12</ref>。
*[[2014年]]5月12日 - 日本仕様をマイナーチェンジ(5月30日販売開始)<ref>{{Cite press release|和書|url=https://www.subaru.co.jp/news/archives/contents/pdf_98706.pdf|format=PDF|title=スバル トレジアを改良| publisher= 富士重工業|date=2014-05-12|accessdate=2022-11-11}}</ref>。
*:1.3L車は1NR-FE型が[[アトキンソンサイクル]]方式になった<ref>ラクティスでの1NR-FKE型に相当</ref>ことで燃焼効率を高めるとともに、バルブタイミングの最適化とエキゾーストマニホールドの採用で出力も向上。また、1.3L車と1.5L・2WD車はこれまで「アイドリングストップパッケージ」としてオプション設定されていたアイドリングストップを標準装備化<ref>ラクティスは従来通りメーカーオプション設定</ref>したことで燃費を向上し、既にオプション設定に適応していた1.5L・2WD車に加え、1.3L車も「平成27年度燃費基準+10%」を達成。内装ではフロントドアガラスがスーパーUVカット+IRカット機能付ガラスとなったことで室内空間の快適性が向上するとともに、センターパネルはピアノブラック調に変更。メーターフードからダッシュボード周りを統一感があるデザインに変更した。外観はスバル車の統一モチーフであるヘキサゴングリルとハニカムメッシュデザインのフロントグリルを採用。ボディカラーは「i-L」において入れ替えを行い、「グレー・メタリック」を廃止する替わりに「ブロンズマイカ・メタリック」を追加した。安全面では緊急ブレーキシグナルを全車に標準装備し、[[発光ダイオード|LED]]リヤコンビネーションレンズはデザインはそのままに、1.3L車にも拡大採用した。グレード体系を整理し、「1.3i-S」・「1.5i-L Panorama」(これに伴い、パノラマルーフの設定は無くなった<ref>ラクティスのパノラマルーフはメーカーオプションだった事もあり引き続き設定されていた。</ref>)・「1.5i TYPE EURO」(これに伴い、4輪ディスクブレーキ装着グレードは無くなった<ref>ラクティスの1.5Sには引き続き装着されていた。</ref>)を廃止、「シンプルスタイルパッケージ」は「1.3i」のみの設定となった。
:1.3L車は1NR-FE型が[[アトキンソンサイクル]]方式になった{{efn|ラクティスでの1NR-FKE型に相当。}}ことで燃焼効率を高めるとともに、バルブタイミングの最適化とエキゾーストマニホールドの採用で出力も向上。また、1.3L車と1.5L・2WD車はこれまで「アイドリングストップパッケージ」としてオプション設定されていたアイドリングストップを標準装備化{{efn|ラクティスは従来通りメーカーオプション設定。}}したことで燃費を向上し、既にオプション設定に適応していた1.5L・2WD車に加え、1.3L車も「平成27年度燃費基準+10%」を達成。内装ではフロントドアガラスがスーパーUVカット+IRカット機能付ガラスとなったことで室内空間の快適性が向上するとともに、センターパネルはピアノブラック調に変更。メーターフードからダッシュボード周りを統一感があるデザインに変更した。外観はスバル車の統一モチーフであるヘキサゴングリルとハニカムメッシュデザインのフロントグリルを採用。ここで一気にスバルの仲間入り。ボディカラーは「i-L」において入れ替えを行い、「グレー・メタリック」を廃止する替わりに「ブロンズマイカ・メタリック」を追加した。安全面では緊急ブレーキシグナルを全車に標準装備し、[[発光ダイオード|LED]]リヤコンビネーションレンズはデザインはそのままに、1.3L車にも拡大採用した。グレード体系を整理し、「1.3i-S」・「1.5i-L Panorama」(これに伴い、パノラマルーフの設定は無くなった{{efn|ラクティスのパノラマルーフはメーカーオプションだった事もあり引き続き設定されていた。}})・「1.5i TYPE EURO」(これに伴い、4輪ディスクブレーキ装着グレードは無くなった{{efn|ラクティスの1.5Sには引き続き装着されていた。}})を廃止、「シンプルスタイルパッケージ」は「1.3i」のみの設定となった。同年末までの新車登録台数の累計は1万6130台<ref>デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第91号20ページより。</ref>
*[[2016年]]
*[[2016年]]
**[[3]] - OEM元の2代目ラクティスに先行する形で生産終了。それ以後は在庫のみの対応となる。
**6<ref>{{Cite web|和書|url=https://gazoo.com/catalog/maker/SUBARU/TREZIA/|title=トレジア|トヨタ自動車のクルマ情報サイト|publisher=トヨタ自動車株式会社|date=2020-1-2|accessdate=2020-1-2}}</ref> - OEM元の2代目ラクティスに先行する形で生産終了。それ以後は在庫のみの対応となる。
**[[630日]] - 販売終了。これによってスバルのラインナップから[[小型自動車|小型(5ナンバー)登録車]]が後継車種である5代目(日本に於いては2代目)[[スバル・ジャスティ|ジャスティ]]が発売開始となる[[11月21日]]までの間、4ヶ月強の空白期間が存在することとなった。
**7月 - 販売終了。これによってスバルのラインナップから[[小型自動車|小型(5ナンバー)登録車]]が後継車種である5代目(日本に於いては2代目)[[スバル・ジャスティ|ジャスティ]]が発売開始となる[[11月21日]]までの間、4ヶ月強の空白期間が存在することとなった。OEM元のラクティスも翌月を持って生産終了、在庫販売体制に入った。
**9月30日(補足) - OEM元のラクティスも販売終了。


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File:スバル・トレジア日本仕様室内.JPG|室内(前期型)
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== メカニズム ==
ラクティス同様、エンジンは1.3L ([[トヨタ・NRエンジン|1NR-FE]]、日本仕様の後期では1NR-FKE) と日本仕様にのみ1.5L ([[トヨタ・1NZ-FE|1NZ-FE]])、欧州仕様にのみ1.4Lディーゼルダーボ ([[トヨタ・NDエンジン|1ND-TV]]) を用意し、トランスミッションは日本仕様では[[無段変速機|CVT]]、欧州仕様では6速[[マニュアルトランスミッション|MT]]、1.4Lディーゼルターボ車のみオプションで6速[[セミオートマチックトランスミッション|セミAT]]組み合わる。駆動方式は2WD (FF) AWD(1.5Lのみ)を用意。また、ホイールが5穴([[ナット座ピッチ直径|PCD]]は100.0[[ミリメートル|mm]])、フロントワイパーが払拭性を考慮して1本となる点も同じである。し、後期型のFFモデル全車で停車時エジン停止が標準装備となる点がラクティスと異なる。


== 車名の由来 ==
== 車名の由来 ==
* 英語で「[[宝]]」の意味を持つ「'''Treasure'''」を語源にした造語<ref name="FHI" />。
英語で「[[宝]]」の意味を持つ「'''Treasure'''」を語源にした造語<ref name="FHI" />。


== 脚注 ==
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=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
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* [[スバル・デックス]] - 本車発売前に販売されていたトールワゴン。[[トヨタ・bB]]、[[ダイハツ・クー]]との姉妹車(ダイハツ製)。
* [[スバル・デックス]] - 本車発売前に販売されていたトールワゴン。[[トヨタ・bB]]、[[ダイハツ・クー]]との姉妹車(ダイハツ製)。
* [[スバル・ジャスティ]] - 4代目の先代車(欧州に於いて)及び5代目の実質的な後継車(日本仕様としては2代目)。4代目は[[ダイハツ・ブーン]]/[[トヨタ・パッソ]]との姉妹車。5代目は[[トヨタ・タンク]]/[[トヨタ・ルーミー]]/[[ダイハツ・トール]]との姉妹車。(いずれもダイハツ製)
* [[スバル・ジャスティ]] - 4代目の先代車(欧州に於いて)及び5代目の実質的な後継車(日本仕様としては2代目)。4代目は[[ダイハツ・ブーン]]/[[トヨタ・パッソ]]との姉妹車。5代目は[[トヨタ・タンク]]/[[トヨタ・ルーミー]]/[[ダイハツ・トール]]との姉妹車。(いずれもダイハツ製)
* [[バッジエンジニアリング]]


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==

2024年8月24日 (土) 20:02時点における最新版

トレジア(TREZIA)は、トヨタ自動車が製造し、富士重工業(現・SUBARU)が販売していたコンパクトトールワゴントヨタ2代目ラクティス姉妹車 (OEM)[1]であり、3代目ヴィッツをベースとする。

スバル・トレジア
NSP120X/NCP12#X/NLP121X型
後期型 フロント
1.3i シンプルスタイルパッケージ
海外仕様 フロント
海外仕様 リア
概要
別名 トヨタ・ラクティス(2代目)
欧州 : トヨタ・ヴァーソ-S
製造国 日本の旗 日本岩手県静岡県
販売期間 2010年11月 - 2016年7月[2]
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドア トールワゴン
駆動方式 前輪駆動
四輪駆動(日本向けのみ)
プラットフォーム トヨタ・Bプラットフォーム
パワートレイン
エンジン 1NR-FE型 1,329 cc 直列4気筒DOHC
(日本向け初期型含む)
1NR-FKE型 1,329 cc 直列4気筒DOHC
(日本向けのみ)
1NZ-FE型 1,496 cc 直列4気筒DOHC
(日本向けのみ)
1ND-TV型 1,362 cc 直列4気筒SOHC ディーゼル
(欧州向けのみ)
最高出力 1NR-FE型: 95 PS
(欧州仕様は101 PS)
1NR-FKE型: 99 PS
1NZ-FE型: 109 PS
(四輪駆動は103 PS)
1ND-TV型: 90 PS
変速機 CVT(日本向けのみ)
6速MT(欧州向けのみ)
6速セミAT(欧州向けのみ)
サスペンション
ストラット式
トーションビーム式(2WD)
ド・ディオン/トーションビーム式(AWD)
車両寸法
ホイールベース 2,550 mm
全長 3,990 mm
全幅 1,695 mm
全高 1,585 mm
車両重量 1,090 - 1,170 kg
その他
製造事業者 トヨタ自動車
系譜
先代 ジャスティ(欧州向け4代目)
デックス(日本)
後継 ジャスティ(日本向け2代目)
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概要

[編集]

2008年4月、富士重工業はトヨタ自動車、並びにその傘下のダイハツ工業との間における提携関係を締結した[3]。トレジアはその提携の成果であり、ダイハツが製造し同社が販売しているクーのOEM車種であるデックスに続き、登録車のOEM第2弾として投入された。また、日本国内市場のみならず、欧州市場にもジャスティ(初代ブーンのOEM。同じく初代パッソの姉妹モデル)と入れ替わりに順次投入されている。なお、インプレッサが3ナンバーサイズに拡大したため、当時スバルの普通乗用車では唯一の5ナンバー登録車(小型普通自動車)であった。

これまでのトヨタOEMモデル[注釈 1]とは異なり、開発段階からスバルの技術者を送り込み、商品化したため[4]、デックス以上にスバル独自の路線が強調され、フロントバンパーフロントグリルのみならず、ボンネット、フロントフェンダーヘッドランプ、リヤガーニッシュ(メッキ仕上げ)、リヤコンビネーションランプレンズも専用品となった。

生産はベースのラクティス同様、当初は関東自動車工業岩手工場が担当していたが、同工場で生産されるアクアの増産に対応するため、2012年5月より同社東富士工場(同年7月よりトヨタ自動車東日本東富士工場に改称)に移管した。

メカニズム

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ラクティス同様、エンジンは1.3 L(1NR-FE、日本仕様の後期では1NR-FKE)と日本仕様にのみ1.5 L(1NZ-FE)、欧州仕様にのみ1.4 Lターボディーゼル(1ND-TV)を用意し、トランスミッションは日本仕様ではベルト式CVT、欧州仕様では6速MT、1.4 Lターボディーゼル車のみオプションで6速セミATが組み合わされる。駆動方式は2WD(前輪駆動)とAWD(四輪駆動。1.5 Lのみ)を用意。また、ホイールが5穴(PCDは100.0 mm)、フロントワイパーが払拭性を考慮して1本となる点も同じである。ただし、後期型のFFモデル全車でアイドリングストップが標準装備となる点がラクティスと異なる。

グレード・装備

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発売当初、グレードは「i(ラクティスの廉価グレード「X」に相当)」、「i-L(ラクティスの通常グレード「G」に相当)」、「i TYPE EURO[5](ラクティスのスポーツタイプグレード「S」に相当)、「i-S(「i-L」の足回りに「i TYPE EURO」の内外装を組み合わせたトレジア独自のグレード)」、1.5L2WD車のみ)」の4つで構成され、ラクティスの「L'épice(レピス)」と「X Vパッケージ」(前期型、ラクティスにおいてもマイナーチェンジにより廃止)、「G"PRIME STYLE"」(後期型)に相当するグレードは設定されなかった。また、ラクティスで「1.5G」の2WD車にのみメーカーオプションとなっているパノラマルーフは、トレジアにおいてはパノラマルーフを標準装備した「1.5i-L Panorama」という独立グレードとして設定された。「i TYPE EURO」と「1.5i-L Panorama」以外のグレードは1.3L・2WD、1.5L・2WD、1.5L・AWD[注釈 2]を用意。

装備面でも若干の違いがあり、ラクティスでは設定のないテレスコピックステアリング(「i」を除く全車。後期型ラクティスでは「X」を除く全車に装備)[注釈 3]、「1.5S」にしか設定されていないパドルシフト(「i」を除く1.5L車全車)、1.5LのFF車のみに設定されるクルーズコントロール(「i」を除く1.5L車全車)、「G」以上のグレードにメーカーオプションとなるディスチャージヘッドランプ(「i-S」、「i TYPE EURO」のみ)が標準装備されていた。

逆にラクティスに設定のあるオーディオのステアリングスイッチやナビレディパッケージについては設定がなかった(全車オーディオレスが標準)。また、ボディカラーにおいてもラクティスより2色少ない設定となっていた[注釈 4]

  • 2010年11月29日 - 日本仕様を発表[6]。CMには俳優の玉山鉄二が起用された[注釈 5]
  • 2011年
    1.3Lは日本仕様と同じだが、1.5Lは設定されず、代わりに1.4Lの1ND-TV直列4気筒SOHC8バルブターボディーゼルエンジンが用意され、ともに6速MTを搭載。CVTは用意されない。1.4Lターボディーゼルはオプションで「M-MT」(マルチモード・マニュアル・トランスミッション)と呼ばれるパドルシフト付き6速2ペダルMTも選べた[7]。これに伴い、パーキングブレーキも足踏み式からサイドレバー式に変更された。
    • 11月7日 - 日本仕様を一部改良(11月21日販売開始)。
    「1.3/1.5i-S」と「1.5i TYPE EURO」はインパネとフロントドアアッパートリムにソフトパッドを、フロントドアガラスにスーパーUVカットガラスをそれぞれ装備(スーパーUVカットガラスは「1.3/1.5i-L」にも装備)するとともに、ボディカラーに「グレー・メタリック」を追加。
    さらに、オプションパッケージとして、「1.3i-L」、「1.3i-S」に「アイドリングストップパッケージ」を[注釈 6]、「1.3i」・「1.5i」に通常よりも6万円割安にした「シンプルスタイルパッケージ」をそれぞれ追加し、バリエーションを広げた。
    併せて特別仕様車「Sport Limited」も発表された。「1.3i」「1.5i」をベースに、16インチアルミホイール、サイドシルスポイラー、本革巻ステアリングホイール、本革インパネシフトセレクトレバー、フロントシートアームレスト、ハイグレードファブリックシートを装備し、上級グレードの質感とスポーティイメージを付与しつつ、ベースグレードから+11万円に抑えた。
  • 2012年
    • 5月25日 - STIより、事実上「トレジアSTI」のパーツ単品販売となる、「フロントアンダースポイラー」「リヤアンダースポイラー」「16インチアルミホイール」「シフトノブ」のスポーツパーツが発売された。
    • 8月1日 - 日本仕様を一部改良。
    1.5L車はエンジンの燃費改善やフリクション低減などの改良を行い、燃費性能を向上したことで「平成27年度燃費基準」を達成。併せて、「1.3i-S」・「1.3i-L」に設定されている「アイドリングストップパッケージ」を「1.5i」を除く2WD車にも拡大適用され、本パッケージを装着した場合は「平成27年度燃費基準+10%」を達成した。
    特別仕様車「Sport Limited」はベース車に準じた改良を受けるとともに、1.5L車にパドルシフトを追加装備した。
  • 2013年10月1日 - 日本仕様を一部改良(仕様変更扱い)。全車にS-VSC&TRCを標準装備した。
  • 2014年5月12日 - 日本仕様をマイナーチェンジ(5月30日販売開始)[8]
1.3L車は1NR-FE型がアトキンソンサイクル方式になった[注釈 7]ことで燃焼効率を高めるとともに、バルブタイミングの最適化とエキゾーストマニホールドの採用で出力も向上。また、1.3L車と1.5L・2WD車はこれまで「アイドリングストップパッケージ」としてオプション設定されていたアイドリングストップを標準装備化[注釈 8]したことで燃費を向上し、既にオプション設定に適応していた1.5L・2WD車に加え、1.3L車も「平成27年度燃費基準+10%」を達成。内装ではフロントドアガラスがスーパーUVカット+IRカット機能付ガラスとなったことで室内空間の快適性が向上するとともに、センターパネルはピアノブラック調に変更。メーターフードからダッシュボード周りを統一感があるデザインに変更した。外観はスバル車の統一モチーフであるヘキサゴングリルとハニカムメッシュデザインのフロントグリルを採用。ここで一気にスバルの仲間入り。ボディカラーは「i-L」において入れ替えを行い、「グレー・メタリック」を廃止する替わりに「ブロンズマイカ・メタリック」を追加した。安全面では緊急ブレーキシグナルを全車に標準装備し、LEDリヤコンビネーションレンズはデザインはそのままに、1.3L車にも拡大採用した。グレード体系を整理し、「1.3i-S」・「1.5i-L Panorama」(これに伴い、パノラマルーフの設定は無くなった[注釈 9])・「1.5i TYPE EURO」(これに伴い、4輪ディスクブレーキ装着グレードは無くなった[注釈 10])を廃止、「シンプルスタイルパッケージ」は「1.3i」のみの設定となった。同年末までの新車登録台数の累計は1万6130台[9]
  • 2016年
    • 6月[10] - OEM元の2代目ラクティスに先行する形で生産終了。それ以後は在庫のみの対応となる。
    • 7月 - 販売終了。これによってスバルのラインナップから小型(5ナンバー)登録車が後継車種である5代目(日本に於いては2代目)ジャスティが発売開始となる11月21日までの間、4ヶ月強の空白期間が存在することとなった。OEM元のラクティスも翌月を持って生産終了、在庫販売体制に入った。
    • 9月30日(補足) - OEM元のラクティスも販売終了。

車名の由来

[編集]

英語で「」の意味を持つ「Treasure」を語源にした造語[6]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ スバルは、前述のクーのほか、軽自動車アトレーカスタム(スバル名ディアスワゴン)、タントエグゼ(同ルクラ)、ムーヴ(同ステラ)、ミライース(同プレオプラス)の供給を受けている。
  2. ^ スバルでは四輪駆動をAWDと呼称している。
  3. ^ ただし、ラクティスの欧州仕様であるヴァーソSには装備される。
  4. ^ ダークブラウンマイカメタリック、およびスーパーホワイトIIの設定がなかった。なお、スーパーホワイトIIについてはラクティスの車いす仕様車のみの設定。
  5. ^ 玉山はのちにダイハツ・ウェイクのCMに出演している。
  6. ^ ラクティスでおける該当グレードで設定される特別色、ストロベリーメタリックオパールは用意されなかった。
  7. ^ ラクティスでの1NR-FKE型に相当。
  8. ^ ラクティスは従来通りメーカーオプション設定。
  9. ^ ラクティスのパノラマルーフはメーカーオプションだった事もあり引き続き設定されていた。
  10. ^ ラクティスの1.5Sには引き続き装着されていた。

出典

[編集]
  1. ^ トヨタ、新型「ラクティス」発売 高さは低く・幅は広く Archived 2010年11月25日, at the Wayback Machine. - asahi.com 2010年11月22日
  2. ^ トレジア(スバル)のカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月2日). 2020年1月2日閲覧。
  3. ^ トヨタ・ダイハツ・富士重、開発・生産における新たな協力関係に合意』(PDF)(プレスリリース)富士重工業、2008年4月10日https://www.subaru.co.jp/news/archives/contents/pdf_44983.pdf2022年11月11日閲覧 
  4. ^ 富士重が新型コンパクトカー「スバル トレジア」発売、トヨタ・ラクティス兄弟車 - 日経トレンディネット2010年11月30日
  5. ^ 「TYPE EURO」は富士重工業の登録商標である(商標登録番号/第4382833号)。
  6. ^ a b 新型コンパクトカー スバル トレジアを発売』(プレスリリース)富士重工業、2010年11月29日https://www.subaru.co.jp/news/archives/10_10_12/10_11_29.html2022年11月11日閲覧 
  7. ^ 【ジュネーブモーターショー11】スバル トレジア、欧州デビュー…ディーゼル&6速MTも - カービュー 2011年3月7日
  8. ^ スバル トレジアを改良』(PDF)(プレスリリース)富士重工業、2014年5月12日https://www.subaru.co.jp/news/archives/contents/pdf_98706.pdf2022年11月11日閲覧 
  9. ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第91号20ページより。
  10. ^ トレジア”. トヨタ自動車株式会社 (2020年1月2日). 2020年1月2日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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