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多種多様なカード表面のデザインが存在するため、発行当初からコレクターズアイテムとしてのポジションも確立した。テレホンカード全盛の頃は、[[日本電信電話公社|電電公社]]時代に発売されたり、使用済カードも含めて限定品など希少性のあるもの、人気[[タレント]]のテレホンカードなどは、50度数(使用済カードも含む)でも数十万円もの価格で取引された時期もある。テレホンカード毎の時価が記載されたコレクター向けの雑誌やカタログなども多数発行された。 |
多種多様なカード表面のデザインが存在するため、発行当初からコレクターズアイテムとしてのポジションも確立した。テレホンカード全盛の頃は、[[日本電信電話公社|電電公社]]時代に発売されたり、使用済カードも含めて限定品など希少性のあるもの、人気[[タレント]]のテレホンカードなどは、50度数(使用済カードも含む)でも数十万円もの価格で取引された時期もある。テレホンカード毎の時価が記載されたコレクター向けの雑誌やカタログなども多数発行された。 |
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また、コレクターの団体も各地に発足し、コレクター間の情報交換やテレホンカードの交換・授受の場としても利用された。[[東京都]]を拠点とする「テレカ収集協会」(会長:[[松田英孝]])は、それら団体の中では最大の規模<ref>[https://web.archive.org/web/20100429180311/http://www.teleca.co.jp/sub2.htm 「テレカ収集協会」 とは(テレカ収集協会)](2010年4月29日時点の[[インターネット |
また、コレクターの団体も各地に発足し、コレクター間の情報交換やテレホンカードの交換・授受の場としても利用された。[[東京都]]を拠点とする「テレカ収集協会」(会長:[[松田英孝]])は、それら団体の中では最大の規模<ref>[https://web.archive.org/web/20100429180311/http://www.teleca.co.jp/sub2.htm 「テレカ収集協会」 とは(テレカ収集協会)](2010年4月29日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>であり、毎月1回交換会を[[池袋]]で行っていた<ref>[https://web.archive.org/web/20090614223646/http://www.teleca.co.jp/kokankai.htm 交換会のお知らせ(テレカ収集協会)](2009年6月14日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>。 |
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上記の通り、公衆電話での利用機会が激減していることもあり、徐々にプリペイドカードとしてよりもコレクターズアイテムとしての比重が高くなっている。 |
上記の通り、公衆電話での利用機会が激減していることもあり、徐々にプリペイドカードとしてよりもコレクターズアイテムとしての比重が高くなっている。 |
2017年9月4日 (月) 14:51時点における版
テレホンカードとは、日本の公衆電話で使用できるプリペイドカードである。日本で発売・流通し利用ができるものはテレカと呼ばれることが多いが、これはNTTカードソリューションの登録商標である。本項では、特筆がない限り、日本電信電話公社および後継企業のNTT東日本・NTT西日本が発行するテレホンカードについて述べる。また、公衆電話も参照。
概説
日本では1982年(昭和57年)12月に、旧日本電信電話公社(電電公社)が発行・発売を開始した。テレホンカード対応の公衆電話は首都圏から設置が進められ、全国に普及した[1]。別冊宝島の記述によると、1982年のサブカル・流行の1つである[2]。
1972年(昭和47年)に、日本国内で百円硬貨の利用できる黄色の公衆電話機が設置され始めたが、百円硬貨が電話機の金庫に収納された場合、釣り銭の返却は行われない構造になっている[注釈 1]。当初は釣り銭式電話機の開発も検討されたが、製造・運用コストの増嵩が見込まれ、見送られた。そこで、釣り銭の現金払い出しに代わる手段として、磁気媒体を利用するカード式公衆電話が開発・製造された[1]。
カードなので小銭が不要であり、1度数(10円)単位で引き落とされるため無駄がなく、長時間通話時にも常に硬貨を投入し続ける必要がない。設置者側にとっても、金庫が硬貨で一杯になって機能が停止する事態を避けられる他、硬貨集金の巡回経費を節減できるメリットもあった。
しかし、1990年代半ばから携帯電話が普及したことで公衆電話の利用率が減少したため、テレホンカードの必要性も大きく変化した。また、現在ではNTTにとって、公衆電話事業は不採算事業となってしまっているため、公衆電話の設置箇所・設置台数は年々減少が続いており、小銭不要で電話がかけられるというテレホンカード本来の利便性も薄れつつある。2017年の時点では利用可能のテレホンカードはほぼ販売中止となっており、コレクターズアイテムとしての価値を持っている[1]。
「テレフォンカード」と誤記される事があるが、NTTは「テレホンカード」が正式な表記である。
テレホンカードの種類
磁気テレホンカード
一般的に、テレホンカードと言えばこの磁気テレホンカードを指す。後に登場したICテレホンカードと区別するため、NTTなどではこの呼称を使用している。
発売開始当初は、50度数・100度数・300度数・500度数の4種類が発売された。後に100度数以上のカードについてはプレミア(おまけ)が加えられ、販売価格は据え置きでそれぞれ105度数・320度数・540度数として売り出された。日本で最初に発行されたテレホンカードは、岡本太郎デザインによるものである。
また、発売開始当初は、カード購入時に公衆電話での使用方法を書いた「ご利用の手引き」「テレホンカードが利用できる公衆電話の設置場所の案内(例: 都内では江東区役所内など)」も渡された。現在は、ピンク電話を除くほとんどの公衆電話がテレホンカードを使用できるものになっており、中には硬貨が使用できないテレホンカード専用の公衆電話もある(画像参照。右上の硬貨投入口があるであろう部分に「テレホンカード専用」という表記がある)。
後述の偽造テレホンカード問題のため、現在は50度数と105度数の2種類のみが販売されている。また、106度数以上の残度数があるテレホンカードは、公衆電話では現在使用できなくなっている(ただし、320度数や540度数で発売されたテレホンカードでも、残り度数が105度数以下であれば使用可能である)。
なお、磁気異常などにより使用できなくなってしまったテレホンカードや前述の106度数の残額が残っているカードは、かつてはNTTの各営業所に持ち込むことで、使用できなくなったカードおよび手数料と引き換えに新しいカードと交換してもらうことができた。だが現在ではNTTが営業所窓口の多くを閉鎖してしまったため、NTT東西共に郵送での交換手続きとなっており、専用の電話番号で交換手続きを案内している[3][4]。
クレジット通話サービス
ICテレホンカード
1999年(平成11年)、日本で横行する『偽造テレホンカード対策』として、それまでの磁気式に加えてICカードを利用したICテレホンカードと、これに対応するICテレホンカード対応公衆電話機が登場した。30度数・50度数・105度数・210度数・320度数の5種類があった。うち、30度数と50度数は注文で製作するもののみで、一般に流通していたのは105度数と210度数であった。高額テレホンカードも210度数と320度数で復活した。
規格としてはISO 14443 Type Aを採用[5]しており、日本国内で広く普及したFeliCaとは異なる規格であった。
ICを使用しているため、「偽造はほぼ不可能」との触れ込みで、鳴り物入りのデビューであったが、以下に挙げるような難点があった。
- 登場時には、すでに日本の携帯電話・PHSが普及しつつあり、公衆電話の需要が縮小していた。
- 従来の磁気カードとの互換性がなく、専用のICテレカ対応公衆電話機でしか利用できない。また、ICテレカ対応電話機では、並行流通している従来の磁気カードは利用できない構造上の問題があった。
- 専用公衆電話の設置台数も従来型と比べ1割程度と伸び悩み、利用しづらかった。
- 新たにICテレカ使用可能な専用電話機の研究・開発費用と、従来の電話機交換もしくは新規設置費用などに比べて、需要や電話料金収入が予想を大きく下回る状態が各地で発生。
- 磁気カードと違い有効期限があるため、期限内に使い切る必要があった。
- ICテレカシステムならではの独自メリット(電話番号の記憶機能や105度数超の高額カードの復活など)などの周知・広報活動が十分されたとは言い難く、全国規模での知名度アップには自ずと限界を生じさせていた。
- 購入ルート・手段が十分に整備されず、磁気カードのものに及ばなかった。ICテレカ対応電話機横の自動販売機、あるいは電話機の近くにある駅売店などでしか購入できなかった。
- 磁気カードと違いおおよその使用可能額(残高額)は手元ですぐ分からないため、利用者に数少ないICテレカ対応電話機を探して確認するといった手間をかけさせていた。
- カードそのものの耐久性が低く、表層が剝がれ落ちて集積回路部分が破損しやすかった。
これらが仇となり、結果的には大きく普及しなかった。ICテレカの販売も縮小され、30度数・50度数・210度数・320度数については先に販売を終了し、105度数のみに限られた。結局、ICカード公衆電話サービスは2006年(平成18年)3月末をもって終了し[6]、対応機は撤去され(同型の硬貨併用や硬貨専用タイプも撤去)、その後は磁気カードか従来からの硬貨使用のみとなった。
2002年(平成14年)に開催されたFIFA WORLD CUP KOREA JAPANでは、記念ICテレカが販売された。
30度数・50度数・105度数・210度数には電話番号を1つだけ記憶できるダイヤルメモ機能が、320度数には電話番号を10件登録できる電話帳機能があるが、ダイヤルメモと電話帳の両機能に互換性はない。
有効期限が切れても5年以内のICテレカについては、残度数等価分の磁気テレカと交換する措置が採られていた。手数料が必要となるが残度数が少なかった場合はキャンセルも可能だった。
交換申し込みは、ICテレカ有効期限が2011年(平成23年)9月30日のものが、2016年(平成28年)9月30日をもって交換期限が満了したため、テレカ交換事務は全て終了した。
偽造テレホンカード問題
磁気テレホンカードが広く流通するようになるにつれ、使用済カードに新たに磁気情報を加えて、再び使用可能とした、いわゆる「偽造テレホンカード」(または「変造テレホンカード」「偽テレ」とも)も広く流通するようになり、社会問題に発展した。同様の事態はオレンジカードやハイウェイカードでも起きていた。
一部のカード式公衆電話では、国際電話ができるようになり、磁気テレホンカードの需要の高まりから、主に外国人により売られていた偽造テレホンカードが大量に出回った。
当初のカード式公衆電話機には、現在のような106度数以上のカードを拒否するような偽造対策は一切なく、「永久使用テレカ」なるものも生まれていた[1]。また、偽造テレホンカードを用いて国際電話を掛けたり、ダイヤルQ2につないで、NTTから情報料を詐取するといった不正行為が増加したため、NTT側も偽造テレホンカード対策に乗り出した。
この結果、320度数・540度数のテレホンカードが1991年(平成3年)12月28日に使用廃止された[1]。翌1992年(平成4年)からはテレホンカードで国際電話がかけられる公衆電話は激減した。公衆電話機自体も、カードリーダーライターの交換や改造が施され、106度数以上のカードは受け付けなくなったほか、偽造カードチェックも厳しくなった。NTTでは、傷があるテレホンカードは(正規カードでも)使用できないことがある旨、告知している。なお、使用不能となった105度数を越えるカードは、テレホンカード交換センターで残度数分のカード(105度数カードと端数分カード)に交換できる。カードチェックが厳正化されたカード処理機構を搭載する公衆電話では、テレホンカードによる国際電話の取り扱いが再開されている。
1990年代中盤はポケットベルの需要が爆発的に伸びた時期でもあり、学生層を中心に偽造テレホンカードが頻繁に使用される事が問題となった。
当時は、この行為を直接取り締まる法律がなく、警察は偽造カードの不正使用者については『変造有価証券行使罪』を適用して、摘発に当たった。ただ、当時のこの法律では「使用した時点で触法行為」で、現行犯逮捕での身柄拘束しかできない反面、偽造テレホンカードを所持しているだけでは、例え職務質問で発見できても、逮捕摘発ができないといった弊害も生まれていた。現在は、2001年(平成13年)の刑法改正によって、テレホンカード等のプリペイドカードは、刑法163条の2の支払用カードに当たることになり、人の財産上の事務処理を誤らせる目的で電磁的記録を不正に作れば、支払用カード電磁的記録に関する罪(支払用カード電磁的記録不正作出罪)が適用されることとなっている。
テレホンカードの券種
磁気テレホンカード
- 販売中
- 50度数 : 500円
- 105度数 : 1,000円
- 販売終了
- 100度数 : 1,000円
- 300度数 : 3,000円
- 320度数 : 3,000円
- 500度数 : 5,000円
- 540度数 : 5,000円
ICテレホンカード
- いずれも販売終了
- 30度数 : 1,000円(注文で製作するもののみ)
- 50度数 : 2,000円(注文で製作するもののみ)
- 105度数 : 1,000円
- 210度数 : 2,000円
- 320度数 : 3,000円
コレクターズアイテムとして
多種多様なカード表面のデザインが存在するため、発行当初からコレクターズアイテムとしてのポジションも確立した。テレホンカード全盛の頃は、電電公社時代に発売されたり、使用済カードも含めて限定品など希少性のあるもの、人気タレントのテレホンカードなどは、50度数(使用済カードも含む)でも数十万円もの価格で取引された時期もある。テレホンカード毎の時価が記載されたコレクター向けの雑誌やカタログなども多数発行された。
また、コレクターの団体も各地に発足し、コレクター間の情報交換やテレホンカードの交換・授受の場としても利用された。東京都を拠点とする「テレカ収集協会」(会長:松田英孝)は、それら団体の中では最大の規模[7]であり、毎月1回交換会を池袋で行っていた[8]。
上記の通り、公衆電話での利用機会が激減していることもあり、徐々にプリペイドカードとしてよりもコレクターズアイテムとしての比重が高くなっている。
宣伝媒体として
オリジナルの絵柄をプリントしたフリーデザインのテレホンカードを作成することが可能であるため、一時期は記念品や商品の特典(ノベルティ)や、新規オープンの店舗が名刺代わりに配布するなど贈答用としても有効活用された。
特殊なテレホンカード
カードを挿入すると、自動的に指定番号にダイヤルするオートダイヤルカードがある。バリエーションとしては以下のものがある。
- カードに度数を持ち、カードを差し込むと登録された番号に発信するカード
- カードに度数を持たないが、カードを差し込むと指定されたフリーダイヤルに発信するカード(事例として、日本自動車連盟に20年以上継続している会員向けに、挿入方向の違いで2箇所に自動ダイヤルするカードが配布されていたり、タクシー会社が病院内の公衆電話に自社タクシー呼び出し用として備え付けているケースが見られる)
- カードに度数を持たず、指定の特番に発信するカード。これを応用したものが、NTTカードCなどである。
その他
公衆電話での利用以外に、以下のような使い方がある。
電話料金への充当
1989年(平成元年)10月より、未使用であればNTT東日本・NTT西日本の固定電話の通話料の支払いに充当できる(その他の基本料などへの充当は不可。さらに手数料として1枚あたり税込みで磁気テレカ/54円・ICカード/108円が別途かかる※プレミア分は除外)。請求された通話料分以上を支払った場合は、余った分は繰り越して翌月以降の支払いに充当される。
NTTではすでに営業所窓口による料金支払い業務を全て終了しており、充当処理を直接受け付ける窓口はなくなっている。そのため、現在テレホンカードを固定電話の通話料の支払いに充当したい場合は、東日本地域は116番、西日本地域は各県を担当する料金センタへ「未使用カードを固定電話通話料へ充当したい」旨を申し伝えた上で、後に郵送される充当申込書と充当するカードを同封の封書で返送すれば、手続きが完了次第、通話料に充当されることになっている。なお、郵送料金についてはかつては申込者による自己負担であったが、現在では同封の封書が料金受取人払い扱いとなっており、NTTが負担している。
なお、金券ショップでテレホンカードを安く仕入れ、支払いに充当するといった節約術も存在する。
宿泊料金への充当
福山ニューキャッスルホテルでは、未使用テレホンカードの額面80%を宿泊料金の支払いに充当可能である。
かつてはビジネスホテルチェーンの東横インでも使用できたが、2010年(平成22年)7月31日をもって取扱いを終了した [9]。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e 『昭和55年 写真生活』(2017年、ダイアプレス)p76
- ^ 別冊宝島2611『80年代アイドルcollection』p.93.
- ^ NTT東日本-磁気テレホンカードが使えなくなった
- ^ NTT西日本-テレホンカードが使えなくなった。
- ^ ITmediaモバイル:ISO 14443【あいえすおー・いちよんよんよんさん】 ITmedia 2004年6月8日
- ^ NTT西日本 ICテレホンカードの交換終了について
- ^ 「テレカ収集協会」 とは(テレカ収集協会)(2010年4月29日時点のアーカイブ)
- ^ 交換会のお知らせ(テレカ収集協会)(2009年6月14日時点のアーカイブ)
- ^ 東横イン テレフォンカード取り扱い中止のお知らせ