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「筋萎縮性側索硬化症」の版間の差分

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初めて報告されたのは1869年 Charcotら によって<ref name=naika.91.2349>萬年徹、[https://doi.org/10.2169/naika.91.2349 主要疾患の歴史 4.筋萎縮性側索硬化症] 日本内科学会雑誌 91 巻 (2002) 8 号 p. 2349-2353, {{doi|10.2169/naika.91.2349}}</ref>日本では1891年の中村<ref>中村桃二郎.筋萎縮性側索硬変ノ実験.東京医事新誌 1891;693号:1049-1053.(未完)、中村桃二郎.筋萎縮性側索硬変ノ実験(承前).東京医事新誌 1891;694号:1813-1818.(完)</ref><ref name=ABE>阿部康二、[https://doi.org/10.5692/clinicalneurol.cn-001000 日本におけるamyotrophic lateral sclerosis(ALS)の初期論文とその今日的考察] 臨床神経学 57巻 (2017) 4号 p.153-162, {{doi|10.5692/clinicalneurol.cn-001000}}</ref>による<ref>平井政道:筋萎縮性側索硬変の実験.東京医学会雑誌 4: 259-299, 1890. の論文は未完論文との指摘が研究者(阿部康二ほか)からある</ref>。
初めて報告されたのは1869年 Charcotら によって<ref name=naika.91.2349>萬年徹、[https://doi.org/10.2169/naika.91.2349 主要疾患の歴史 4.筋萎縮性側索硬化症] 日本内科学会雑誌 91 巻 (2002) 8 号 p. 2349-2353, {{doi|10.2169/naika.91.2349}}</ref>日本では1891年の中村<ref>中村桃二郎.筋萎縮性側索硬変ノ実験.東京医事新誌 1891;693号:1049-1053.(未完)、中村桃二郎.筋萎縮性側索硬変ノ実験(承前).東京医事新誌 1891;694号:1813-1818.(完)</ref><ref name=ABE>阿部康二、[https://doi.org/10.5692/clinicalneurol.cn-001000 日本におけるamyotrophic lateral sclerosis(ALS)の初期論文とその今日的考察] 臨床神経学 57巻 (2017) 4号 p.153-162, {{doi|10.5692/clinicalneurol.cn-001000}}</ref>による<ref>平井政道:筋萎縮性側索硬変の実験.東京医学会雑誌 4: 259-299, 1890. の論文は未完論文との指摘が研究者(阿部康二ほか)からある</ref>。


Charcot JMとJoffroy A(仏国)がALSを明確に記載した1869(明治2)年から23年後の1892(明治25)年に[[第三高等中学校]]医科(今日の[[岡山大学]]医学部)を卒業したばかりの新人[[医局員]]である渡邊榮吉は、「筋萎縮性側索硬変症ノ実験」として本邦での完結されたALS論文として第3報目を報告しているが、翌1893(明治26)年に本邦におけるALS+認知症合併の[[嚆矢]]論文とされる「[[皮質運動性失語症]]ト[[延髄球麻痺]]及進行性筋萎縮ヲ合併セル一患者ニ就テ」を発表した。この論文中では、[[岡山県]][[中庄村 (岡山県)|中庄村]]の男性が1年の経過で進行性に言語不明、右手で箸を取れず、嚥下困難となり41歳で受診した。患者は常に笑い表情を呈し、口笛は吹けず、指で鼻腔を閉鎖して灯火を吹き消し、舌は動きが悪く[[萎縮]]が認められた。固体よりも液体での[[嚥下障害]]が強いが、舌のfasciculationの記載はない。両上肢共に[[拇指球]]と[[小指球]]、[[骨格筋|骨間筋]]の甚だしい萎縮が見られ、次いで[[上腕]]、[[前腕]]、および[[肩甲骨|肩甲筋]]萎縮が認められた。[[上肢]]の[[腱反射]]についての記載はない。一方、[[下肢]]については異常なく、腱反射も亢進していなかったとしている。また自発言語が不能で、書字障害が特徴的であり、漢字より仮名の障害を強く認めるが、読字や言語理解そのものは異常なかったとしている。記載はないが、復唱は著明な[[球麻痺]]のため不可能であったろう。書字と書き取りにおいてはパラグラフィーとしている<ref name=":0">{{Cite journal|author=阿部康二|year=2018|title=日本における amyotrophic lateral sclerosis ( ALS )関連疾患の 初期論文とその今日的展開|url=https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/058030141.pdf|journal=臨床神経学|volume=58|page=141-165|https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/058030141.pdf=}}</ref>。
Charcot JMとJoffroy A(仏国)がALSを明確に記載した1869(明治2)年から23年後の1892(明治25)年に[[第三高等中学校]]医科(今日の[[岡山大学]]医学部)を卒業したばかりの新人[[医局員]]である渡邊榮吉は、「筋萎縮性側索硬変症ノ実験」として本邦での完結されたALS論文として第3報目を報告しているが、翌1893(明治26)年に本邦におけるALS+認知症合併の[[嚆矢]]論文とされる「[[皮質運動性失語症]]ト[[延髄球麻痺]]及進行性筋萎縮ヲ合併セル一患者ニ就テ」を発表した。この論文中では、[[岡山県]][[中庄村 (岡山県)|中庄村]]の男性が1年の経過で進行性に言語不明、右手で箸を取れず、嚥下困難となり41歳で受診した。患者は常に笑い表情を呈し、口笛は吹けず、指で鼻腔を閉鎖して灯火を吹き消し、舌は動きが悪く[[萎縮]]が認められた。固体よりも液体での[[嚥下障害]]が強いが、舌のfasciculationの記載はない。両上肢共に[[拇指球]]と[[小指球]]、[[骨格筋|骨間筋]]の甚だしい萎縮が見られ、次いで[[上腕]]、[[前腕]]、および[[肩甲骨|肩甲筋]]萎縮が認められた。[[上肢]]の[[腱反射]]についての記載はない。一方、[[下肢]]については異常なく、腱反射も亢進していなかったとしている。また自発言語が不能で、書字障害が特徴的であり、漢字より仮名の障害を強く認めるが、読字や言語理解そのものは異常なかったとしている。記載はないが、復唱は著明な[[球麻痺]]のため不可能であったろう。書字と書き取りにおいてはパラグラフィーとしている<ref name=":0">{{Cite journal|author=阿部康二|year=2018|title=日本における amyotrophic lateral sclerosis ( ALS )関連疾患の 初期論文とその今日的展開|url=https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/058030141.pdf|journal=臨床神経学|volume=58|page=141-165|https://www.neurology-jp.org/journal/public_pdf/058030141.pdf=}}</ref>。


渡邊論文の2年後の1895(明治28)年に、川原汎は「筋萎縮性側索硬結患者ノ供覧」のタイトルで39歳男性患者を報告している。[[尾張国]][[東春日井郡]]在住で、父親が2~3年前より老人性震顫あり。37歳時より鼻声で発症し、次第に[[言語障害]]、感情易変を来して来院した。診察上は、愁哀と驚愕を合併した顔貌、舌は皺襞多く[[繊維性攣縮]]あり、液体[[嚥下]]に障害あり、両上肢萎縮あり、下肢は[[深部腱反射|膝蓋腱反射]]が非常に亢進していた以外は特変ない。項末で「唯言語ノ末梢的運動部麻痺ノ為メニ障害アルノミナラス、言談ヲ為スニ非常ニ労スル、発汗淋漓タリ」であるが、筆談は外来流暢であろうが震顫のため平安ならずと記載している。本論文当時とて[[痴呆症]]や[[失語症]]などといった明確な記載はないが、前述の渡邊論文に続いて本邦第2番目にALS+[[高次機能障害]]の存在を示唆した意義がある<ref name=":0" />。
渡邊論文の2年後の1895(明治28)年に、川原汎は「筋萎縮性側索硬結患者ノ供覧」のタイトルで39歳男性患者を報告している。[[尾張国]][[東春日井郡]]在住で、父親が2~3年前より老人性震顫あり。37歳時より鼻声で発症し、次第に[[言語障害]]、感情易変を来して来院した。診察上は、愁哀と驚愕を合併した顔貌、舌は皺襞多く[[繊維性攣縮]]あり、液体[[嚥下]]に障害あり、両上肢萎縮あり、下肢は[[深部腱反射|膝蓋腱反射]]が非常に亢進していた以外は特変ない。項末で「唯言語ノ末梢的運動部麻痺ノ為メニ障害アルノミナラス、言談ヲ為スニ非常ニ労スル、発汗淋漓タリ」であるが、筆談は外来流暢であろうが震顫のため平安ならずと記載している。本論文当時とて[[痴呆症]]や[[失語症]]などといった明確な記載はないが、前述の渡邊論文に続いて本邦第2番目にALS+[[高次機能障害]]の存在を示唆した意義がある<ref name=":0" />。

2020年1月25日 (土) 02:38時点における版

筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう、英語: Amyotrophic lateral sclerosis、略称: ALS)は、重篤な筋肉萎縮筋力低下をきたす神経変性疾患で、運動ニューロン病の一種。治癒のための有効な治療法は現在確立されていない。ICD-10ではG12.21。日本国内では1974年に特定疾患に認定された指定難病である。

治療薬としては1999年から「リルゾール」がALS治療薬として日本では保険収載されている[1][2]。2015年6月、急性脳梗塞などの治療薬として使われてきたエダラボン(商品名:ラジカット)が「筋萎縮性側索硬化症における機能障害の進行抑制」として効能・効果の承認をうけた[3]

解説

上位運動ニューロンと下位運動ニューロンの変性による運動障害の症候群で、意識障害は生じない。類似症状を呈する原発性側索硬化症(primary lateral sclerosis; PLS)は当該疾患の亜型とされている[4]

孤発性ALSと家族性ALSに大別されるが、孤発性ALSと家族性ALSのそれぞれと単一遺伝子異変に関連性はない。この関係を表にすると、

発性ALSおよび家族性ALSと単一遺伝子変異との関係[4]
孤発性 (90-95%) 家族性 (5-10%)
非遺伝性 古典型 ALS (Charcot 病) グアム ALS
遺伝性 SOD1 , TARDBP(TDP43) , C9ort72 など ALS 1-18 , C9orf72

※ 2013年版ガイドラインから引用し改変

発見者名にちなみシャルコー病(Charcot病)[5]MLBの国民的人気選手であったルー・ゲーリッグ(1941年に死亡)がこの病気に罹患したことから別名「ルー・ゲーリッグ病Lou Gehrig's disease)」とも呼ばれ[6]、彼の死後に公開された映画『打撃王』(原題: The Pride of the Yankees)などによって、主にアメリカ合衆国で一気に知られるようになった[7]。ゲーリッグの死は「Chronic traumatic encephalomyopathy」(CTEM)という頭部外傷による別の疾患であったとの説も唱えられている[8][9]。(この可能性を指摘する研究者もCTEMは特殊な状態の組み合わせでしか発症しない極めて稀な病気であるためにその可能性は依然低いままだとはのべているが。[10])。この病気は2014年のアイス・バケツ・チャレンジの広まりによって再注目されることになった。

発症様式

以下の3型に分けられることがある[11]

  1. 普通型- 上肢の筋萎縮と筋力低下が主体で、下肢は痙縮を示す上肢型
  2. 進行性球麻痺 - 構音障害、嚥下障害といった球症状が主体となる球型
  3. 偽多発神経炎型 - 下肢から発症し、下肢の腱反射低下・消失が早期からみられ、二次運動ニューロンの障害が前面に出る下肢型

但し、初期から呼吸筋麻痺となる例や体幹筋障害、痴呆症状を伴うなど多様[11]

疫学

日本では1年間に人口10万人当たり1.1-2.5人程度が発症し、全国での患者数は平成25年度で約9,200人。好発年齢は60-70歳代で、男性が女性の1.2-1.3倍ほどを占める[12][4]三重県和歌山県の南部(紀南地方)に多く発症する事が報告されており[13]、近代以前は風土病として恐れられていた。一時は生活習慣の改善などで減少が期待された事もあったが、1997年の調査では依然として多発地域とされている[14]。海外ではグアムチャモロ人)が多発地域であるが、三重県や和歌山県の場合と異なり徐々に減少傾向にある[15]

90%程度が遺伝性を認められない孤発性(孤発型)である。残り10%程度の遺伝性ALSでは、一部の症例に原因遺伝子が同定されている[11][16]。遺伝性ALSの20%程度を占めるとされる、常染色体優性遺伝のALS1は21番染色体上のSOD1スーパーオキシドディスムターゼ1遺伝子)に突然変異がある。

孤発性の確実な発症リスクとして年令、性別がある[4]。喫煙歴、頭部外傷による発症リスクは、報告によりさまざまで更なる検証が必要とされている[4]。例えば、サッカー選手は罹患率が極めて高いとの報告がある[17]が、関連性を否定する報告もある[18]

歴史

初めて報告されたのは1869年 Charcotら によって[19]日本では1891年の中村[20][21]による[22]

Charcot JMとJoffroy A(仏国)がALSを明確に記載した1869(明治2)年から23年後の1892(明治25)年に第三高等中学校医科(今日の岡山大学医学部)を卒業したばかりの新人医局員である渡邊榮吉は、「筋萎縮性側索硬変症ノ実験」として本邦での完結されたALS論文として第3報目を報告しているが、翌1893(明治26)年に本邦におけるALS+認知症合併の嚆矢論文とされる「皮質運動性失語症延髄球麻痺及進行性筋萎縮ヲ合併セル一患者ニ就テ」を発表した。この論文中では、岡山県中庄村の男性が1年の経過で進行性に言語不明、右手で箸を取れず、嚥下困難となり41歳で受診した。患者は常に笑い表情を呈し、口笛は吹けず、指で鼻腔を閉鎖して灯火を吹き消し、舌は動きが悪く萎縮が認められた。固体よりも液体での嚥下障害が強いが、舌のfasciculationの記載はない。両上肢共に拇指球小指球骨間筋の甚だしい萎縮が見られ、次いで上腕前腕、および肩甲筋萎縮が認められた。上肢腱反射についての記載はない。一方、下肢については異常なく、腱反射も亢進していなかったとしている。また自発言語が不能で、書字障害が特徴的であり、漢字より仮名の障害を強く認めるが、読字や言語理解そのものは異常なかったとしている。記載はないが、復唱は著明な球麻痺のため不可能であったろう。書字と書き取りにおいてはパラグラフィーとしている[23]

渡邊論文の2年後の1895(明治28)年に、川原汎は「筋萎縮性側索硬結患者ノ供覧」のタイトルで39歳男性患者を報告している。尾張国東春日井郡在住で、父親が2~3年前より老人性震顫あり。37歳時より鼻声で発症し、次第に言語障害、感情易変を来して来院した。診察上は、愁哀と驚愕を合併した顔貌、舌は皺襞多く繊維性攣縮あり、液体嚥下に障害あり、両上肢萎縮あり、下肢は膝蓋腱反射が非常に亢進していた以外は特変ない。項末で「唯言語ノ末梢的運動部麻痺ノ為メニ障害アルノミナラス、言談ヲ為スニ非常ニ労スル、発汗淋漓タリ」であるが、筆談は外来流暢であろうが震顫のため平安ならずと記載している。本論文当時とて痴呆症失語症などといった明確な記載はないが、前述の渡邊論文に続いて本邦第2番目にALS+高次機能障害の存在を示唆した意義がある[23]

ALSはmotor system内のclinical variationは有るものの、臨床的にはほぼmotor neuron selectiveな変性疾患であるといって良い。しかし病理学的にあるいは人工呼吸器による長期生存例ではmotor system以外に病変の拡がりを見出すことが出来るので、本質的にはmotor neuron predominantな多系統障害性疾患であるというべきである。実際例えば中脳黒質はALS患者でも遺伝子導入ALSモデルマウスでもしばしば病理学的には障害されるが、ALS患者が臨床的にパーキンソン症状を来すことは上述のALS/PDCを除いて一般的ではない。また多系統萎縮症(multisystematrophy; MSA)は小脳症状とパーキンソン症状、自律神経症状の3要素が異なる割合で混在しつつ進行して行くが、motorsystemが腱反射亢進以外で4番目の主要臨床要素となることも通常ない。これらALSにおけるmotor system以外の多系統障害性については既にALS-Plus syndromeなどとして多数報告されており、認知症合併についても示唆した通りである。しかしながらALSあるいはMNDにおける小脳障害性末梢知覚神経障害性については、これまで十分検討されて来たとはいえない。このうちALS剖検例において、日本で初めて小脳系の異常に着目したのは1902(明治35)年の三浦謹之助論文「筋萎縮性側索硬化症ニ就テ」である。ALSと小脳性運動失調の臨床的合併については、1940(昭和15)年に東インド会社管轄で蘭国植民地だったジャワ島からVerhaart WJCによる報告が嚆矢とされている。下肢脱力で発症し後に小脳性運動失調を呈して10年の経過で45歳で死亡した原住民男性患者の剖検所見は、ALS病理に加えて淡蒼球視床下核黒質系と小脳歯状核の障害を認めた。それに続いて日本から1956(昭和31)年に東大の中村・黒岩らはOPCA(olivoponto cerebellar atrophy、今日でいうMSA-C)症例の2剖検でmotor systemの障害を確認した。次いで1958(昭和33)年に東北大学精神科の萱場・前田が球麻痺で発症し経過14ヶ月で死亡したALS+小脳性運動失調患者の剖検でALS病理に加えてOPCAの定型的病理所見を合併した1例を報告した。1986(昭和61)年には東大のHayashi Y・Iwata Mらは、52歳時に小脳性運動失調で発症しALS症状を続発して58歳で死亡した男性剖検例を報告し、典型的なALS病理に加えてspino-ponto-cerebellar systemの障害を指摘した。その後も日本からは、名古屋から村上・吉田・橋詰・高橋らが、福岡から堀内・古谷・小林・楠らが、また岡山からManabe Y・Abe Kらが同様の報告を重ねて来た。しかしこれらはいずれも孤発例であり、遺伝性の症例ではない[23]

病理

長らく原因不明とされてきた。グルタミン酸が興奮性の神経伝達物質として働き、運動ニューロンを過剰刺激して細胞死を起こすという説(グルタミン酸仮説)があり、現在認可されている治療薬リルゾールはこの仮説に基づいて開発された。ヒト変異SOD1を発現するマウス(変異SOD1マウス[24])は筋力低下と筋萎縮を示して死亡することから、ALSのモデル動物として研究されている。現在までに次のような病態が明らかにされた。

  1. タンパク質の異常凝集
  2. 異常タンパク質の分解系の異常
  3. ミトコンドリアの異常
  4. かつて血管拡張因子と考えられていたタンパクの機能異常
  5. スーパーオキサイドの過剰産生による(周辺細胞を含む)細胞死

変異SOD1マウスで延命効果があった多くの研究成果が臨床治験に至っている。2012年時点で、約20種類の病因遺伝子が判明している[4]

また、近年TDP-43というタンパク質の異常蓄積によるものという説が提唱されている[25]。SOD1遺伝子変異のない家系の中に、TDP-43遺伝子変異のある患者が見られた[26]。また、非遺伝性のほとんどのALSの患者にTDP-43が神経細胞の細胞質内に異常に凝集し蓄積していることも発見されている[27]

臨床像

運動系が広範に障害され、特に錐体路について上位運動ニューロンと下位運動ニューロンの両方による徴候を呈する[4]感覚系自律神経系の障害は通常認めない(陰性徴候)。きわめて速く進行し、症例の半数ほどが発症後5年以内に呼吸筋麻痺を起こし、自力で呼吸ができなくなって死亡する。発症から死亡または人工呼吸器装着までの期間の中央値は個人差があり幅広く20-48か月で、性別による有意差は無い[4]。しかし、10%程度の患者が発症から1年以内に死亡するが、10年以上の生存も5-10%ある、更に治療技術の進歩により生存期間は長くなっている[4]

下位ニューロンの障害による徴候
頭頸部(脳神経による)・四肢(脊髄神経による)の筋萎縮・筋力低下・筋繊維束性攣縮が目立つ。四肢筋萎縮は上肢遠位筋に顕著である。脳神経の障害で構音障害嚥下障害・舌萎縮(球麻痺)が現れる。腱反射は低下する。典型例では下位ニューロンの障害が上位ニューロンの障害よりも先に、しかも強く現れる。
上位ニューロンの障害による徴候
四肢の筋萎縮(上肢よりも下肢に顕著)、球麻痺、強制号泣・強制失笑、腱反射・下顎反射亢進などである。上位ニューロンの障害が強い症例では、反射が亢進することも、下位ニューロンの障害によって消失していることもある。
古典的ALSの臨床像
典型的な場合は一側上肢遠位部の手内筋の筋力低下からはじまり、筋力低下や筋萎縮はやがて多肢におよび、近位筋や舌にも広がって最終的には四肢麻痺の状態にひろがる。上位ニューロン障害と下位ニューロン障害が解剖学的に独立に進行するため、運動症状の経過は多様性に富む。下位ニューロン障害はまずは一側の局所的部位から反対側へ、続いて同側の上下方向に進行する場合が多い。上位ニューロン障害はまずは同側の上下に進行し、続いて反対側へ広がることが多いとされている。

陰性徴候として、感覚障害、眼球運動障害膀胱直腸障害、褥瘡がある。すなわちALSでは通常これらの徴候が現れない。ただし少数の症例で感覚障害や錐体外路徴候のほか20%程度で認知症を呈する事がある[4]

診断

2013年版ガイドライン[4]によれば、

  1. 上位運動ニューロン徴候(腱反射亢進,痙縮,病的反射)と下位運動ニューロン徴候(筋萎縮、筋線維束性攣縮)が多髄節にわたって認められること
  2. 症状が進行性であり、かつ初発部位から他部位への進展がみられること
  3. 類似の症状を示す疾患との鑑別

とされているが、下位運動ニューロン徴候のみを呈し上位運動ニューロン徴候の無い症例もあり総合的な判断が必要である[4]

運動ニューロン障害の徴候[4]
脳幹 頸髄 胸髄 腰仙髄
下位運動ニューロン徴候
筋力低下
筋萎縮
筋繊維束性攣縮
下顎、顔面、口蓋

喉頭
頸部
上腕、前腕

横隔膜
背筋
腹筋
背筋
腹筋
下肢
上位運動ニューロン徴候
反射の病的拡大
クロ-ヌス
下顎反射亢進
口尖らし反射
偽性球麻痺
強制泣き・笑い
病的腱反射亢進
腱反射亢進
Hoffmann反射
痙縮
萎縮筋腱反射保持
腹皮反射消失
腹筋反射消失
痙縮
腱反射亢進
Babinski徴候
痙縮
萎縮筋腱反射保持

鑑別診断

2013年版ガイドラインによる主な鑑別疾患[4]

運動ニューロン障害
  • 脊髄進行性筋萎縮症(進行性筋萎縮症)、伴性球脊髄性筋萎縮症、ポリオ後症候群、ヘキソサミターゼA欠乏
末梢神経障害
神経筋接合部疾患
  • 筋無力症、Lambert-Eaton 筋無力症候群
脳脊髄疾患
筋疾患
内分泌疾患・栄養障害

身体所見

  • 筋繊維束性攣縮がある。特に上腕と前胸部の筋肉に認めることが多い。
ただし、筋繊維束性攣縮が単独の症状として現れることはなく、必ず他の所見を伴う。神経学的及び電気生理学的にその他の異常所見を認めない場合、良性筋繊維束性攣縮症(Benign fasciculation syndrome)の可能性がある。
  • 反射の現れかたによって上位ニューロンの障害か下位ニューロンの障害かを見分けられる。初期は反射が亢進し、筋萎縮が進むと低下するという例が多い。特にバビンスキー反射の出現は上位ニューロンの障害を強く示唆する。
  • 徒手筋力検査で筋力の低下を見る。筋萎縮がみられない、もしくは廃用性萎縮がある場合は上位ニューロンの障害が示唆される。早くから高度な筋萎縮がある場合は下位ニューロンの障害が示唆される。
  • 陰性徴候がない。感覚障害・眼球運動障害・膀胱直腸障害・褥瘡の4つはALSの4大陰性徴候と呼ばれ、病初期の診断基準として重要である。ただし、人工呼吸器による延命でさらに病態が進むと、眼球運動障害などが現れることもある。

神経伝導検査

伝導速度活動電位を調べる。運動線維のみで活動電位が低下し、伝導速度は運動線維・感覚線維ともに正常である。ただし頚椎症を合併して非典型的所見を示すことも多い。

筋電図検査

神経の障害が疑わしい部位で、電位振幅が大きくなり、多相性電位が現れる。

血液検査

HAMなら抗HTLV-I抗体が出る。

画像診断

脊髄MRIによって脊髄の疾患を除外する。

治療

根治を期待できる治療法は現在ない。グルタミン酸放出抑制剤のリルゾール(商品名リルテック)は進行を遅らせることが確かめられており、1999年より健康保険の適用になっている[1][2]。2015年6月、急性脳梗塞などの治療薬として使われてきたエダラボン(商品名:ラジカット)が「筋萎縮性側索硬化症における機能障害の進行抑制」として効能・効果の承認をうけた[3]。他に、メチルコバラミンビタミンB12誘導体)超大量療法も試みられることがある。対症療法として、呼吸筋麻痺が起こると人工呼吸器を装着する。嚥下障害があると、栄養管理のため胃瘻中心静脈栄養を使う。その他、QOL向上をはかって、流涎や強制失笑に対する薬物療法を行うこともある。

抗AMPA型グルタミン酸受容体非競合型拮抗薬

2016年6月、東京大学のグループがAMPA型グルタミン酸受容体の拮抗薬であり、日本で既に抗てんかん薬として認可されている「ペランパネル」がALSの治療薬としても発症原因に根ざし、高い治療効果があると発表し、2016年6月28日付けの英国科学誌「Scientific Reports」に掲載された[28]。2017年4月からに日本国内で治験が開始された[29][30]

パワードスーツによるリハビリ

2016年1月28日中央社会保険医療協議会で、パワードスーツであるHALの保険収載が決定し、2016年4月保険収載された[31]。生体電位信号に基づき下肢の動きを助けつつ歩行運動を繰り返すことで、歩行機能を改善する効果が見込める[31]

iPS細胞の援用による治療の可能性

京都大学iPS細胞研究所の井上治久教授らはALS患者から採取した皮膚細胞から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作り運動神経の細胞に変化させたところ変性TARDBP-43が蓄積し神経突起の成長を抑制していることを突き止めた。これに対しアナカルジン酸英語版を投与すると変性TARDBP-43が減少し、突起の成長が促されることを確認した。これは将来的なALS治療の可能性を示唆するものである[32]

  • ボスチニブ

2017年5月25日の報道において、iPS細胞を使い白血病の治療薬「ボスチニブ」に進行を抑制する効果があることを井上らが突き止め、マウスによる実験で有効性も確かめられた[33][34]。SOD1遺伝子の変異のある家族性ALSにも孤発性ALSどちらにも効果を認めた[35]。同研究は米医学誌「Science Translational Medicine」掲載された[33][36]

2019年3月26日、京都大学iPS研究所のチームが「ボスチニブ」を使った安全性を評価する医師主導の臨床試験(治験)を始めたと発表した[37][38][39]

  • ロピニロール

2018年平成30年)12月から慶応義塾大学の岡野栄之教授らの研究チームは、筋萎縮性側索硬化症の治療につながる候補薬として、患者のiPS細胞から神経細胞をつくり病気を再現しパーキンソン病の薬であるロピニロール塩酸塩(商品名:レキップ錠)に効果を発見し、患者に投与する臨床試験治験)を始めた[40]。今後、少なくとも6カ月間投与して安全性などを確かめる[41]

予後

呼吸筋麻痺を起こすと、延命治療として気管切開による人工呼吸器の選択が検討される。人工呼吸器装着後も麻痺は進行し、末期には眼球運動も麻痺し、本人意思の確認は極めて困難になる。なお、身体障害者手帳の等級変更に注意を払う必要がある。身障手帳は診断時障害のみが反映されるため、進行性疾患では必要な給付がすぐに受けられない場合がある。

意思の疎通

人工呼吸器装着に伴い、会話ができなくなると、眼球運動を介助者が読み取り、文字盤を利用するなどしてコミュニケーションを行う。また、本人の意思による筋の収縮、あるいは脳波などが検知できる場合は、重度障害者用意思伝達装置の使用が検討される。導入効果は早期であるほど高い。

発話障害が進行する前に声を録り貯めておき、のちのちの音声コミュニケーションで生かす取り組みがある。

脳震盪とALS

頭部への衝撃によってALSと臨床的に区別できない類似の病態がもたらされるとの説が近年唱えられている[8][9]

アイス・バケツ・チャレンジ

2014年にアメリカ合衆国で始まったALS支援運動。バケツに入った氷水を頭からかけている様子を撮影し、それをFacebookなどの交流サイトで公開する、あるいは100ドルをALS支援団体に寄付する、あるいはその両方を行うかを選択する。そして次にやってもらいたい人物を3人指名し、指名された人物は24時間以内にいずれかの方法を選択するというもの[42]

ALSに罹患した著名人

生年順に記載。太字は存命人物

出典

脚注

  1. ^ a b “エビデンスに基づく筋萎縮性側索硬化症(ALS)のケア”. 日経メディカル. http://medical.nikkeibp.co.jp/all/special/sa/als_rilutek1/ 2015年9月16日閲覧。 
  2. ^ a b サノフィ - 治療情報 - ALSの治療薬「リルゾール」について
  3. ^ a b 田辺三菱製薬 - プレスリリース - 筋萎縮性側索硬化症(ALS)に関する一部変更承認取得「ラジカット®注30mg」「ラジカット®点滴静注バッグ30mg」 (PDF)
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n 筋萎縮性側索硬化症診療ガイドライン2013 日本神経学会
  5. ^ 宮嶋裕明. “ALSという病気の概略”. 日本ALS協会. 2018年3月10日閲覧。
  6. ^ a b c 「アメリカ野球雑学概論」『週刊ベースボール』2009年4月20日号、ベースボール・マガジン社、2009年、雑誌20445-4/20、68頁。
  7. ^ The Golden West Chapter to Honor Gary Cooper for “Pride of the Yankees”and for Raising International Awareness About ALS/Lou Gehrig’s Disease” (英語). ALSA.org. 2014年10月13日閲覧。
  8. ^ a b 脳震盪とALS 日経サイエンス 2012年5月号
  9. ^ a b アメリカ医療の光と影 第267回 米スポーツ界を震撼させる変性脳疾患(7) 李 啓充
  10. ^ Namesake Disease May Not Have Killed Lou Gehrig” (英語). TIME. 2014年10月13日閲覧。
  11. ^ a b c 難病情報センター
  12. ^ 筋萎縮性側索硬化症(ALS)(指定難病2)”. 難病情報センター. 2018年1月14日閲覧。
  13. ^ 紀伊半島のALS 三重大学医学部神経学科[リンク切れ]
  14. ^ 同上[リンク切れ]
  15. ^ 紀伊半島のALSとPDCの原因 三重大学医学部神経学科[リンク切れ]
  16. ^ 毎日新聞2016年4月3日2016年4月10日閲覧
  17. ^ イタリアのフットボール選手の間では筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症する危険性がきわめて高い
  18. ^ Armon C. Sports and trauma in amyotrophic lateral sclerosis revisited. J Neurol Sci. 2007;262: 45–53, doi:10.1016/j.jns.2007.06.021
  19. ^ 萬年徹、主要疾患の歴史 4.筋萎縮性側索硬化症 日本内科学会雑誌 91 巻 (2002) 8 号 p. 2349-2353, doi:10.2169/naika.91.2349
  20. ^ 中村桃二郎.筋萎縮性側索硬変ノ実験.東京医事新誌 1891;693号:1049-1053.(未完)、中村桃二郎.筋萎縮性側索硬変ノ実験(承前).東京医事新誌 1891;694号:1813-1818.(完)
  21. ^ 阿部康二、日本におけるamyotrophic lateral sclerosis(ALS)の初期論文とその今日的考察 臨床神経学 57巻 (2017) 4号 p.153-162, doi:10.5692/clinicalneurol.cn-001000
  22. ^ 平井政道:筋萎縮性側索硬変の実験.東京医学会雑誌 4: 259-299, 1890. の論文は未完論文との指摘が研究者(阿部康二ほか)からある
  23. ^ a b c 阿部康二 (2018). “日本における amyotrophic lateral sclerosis ( ALS )関連疾患の 初期論文とその今日的展開”. 臨床神経学 58: 141-165. https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/058030141.pdf. 
  24. ^ 遠藤史人、山中宏二、筋萎縮性側索硬化症における神経炎症 臨床神経学 54巻 (2014) 12号 p.1128-1131, doi:10.5692/clinicalneurol.54.1128
  25. ^ 岡本幸市、5) TDP-43 日本内科学会雑誌 100巻 (2011) 9号 p.2489-2494, doi:10.2169/naika.100.2489
  26. ^ 家族性筋萎縮性側索硬化症におけるTDP-43遺伝子変異 『ALS/LIVE FOR TODAY TOMORROW』 ALS疾患啓発委員会
  27. ^ 神経難病ALSとSMAに共通した病態メカニズムを発見-DNAから成熟RNAを合成するスプライシング反応の破たんが細胞死を誘因- 独立行政法人理化学研究所
  28. ^ “東大、既存の抗てんかん薬を用いたALSの新規治療法 - マウスで有効性確認”. マイナビニュース. (2016年6月28日). http://news.mynavi.jp/news/2016/06/29/414/ 2016年12月18日閲覧。 
  29. ^ 東京医科大学神経内科「孤発性筋萎縮性側索硬化症に対するペランパネルの第Ⅱ相臨床試験」
  30. ^ 一般社団法人日本ALS協会公式サイト>IBCグラント研究奨励/郭伸先生との懇談のご報告
  31. ^ a b “ロボットスーツHAL、いよいよ保険が適用”. 日経デジタルヘルス. (2016年1月28日). http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/012800339/?ST=health 2016年12月21日閲覧。 
  32. ^ Drug Screening for ALS Using Patient-Specific Induced Pluripotent Stem Cells in Science Translational Medicine
  33. ^ a b “難病ALSに治療薬候補 iPS細胞使い発見”. ジェイ・キャスト. (2017年5月25日). https://www.j-cast.com/healthcare/2017/05/25298919.html?p=all 2017年10月23日閲覧。 
  34. ^ “筋肉の難病ALSに白血病薬が有効 京大、iPS活用”. 日本経済新聞. (2017年5月25日). https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG24H8W_U7A520C1CR8000/ 2017年10月23日閲覧。 
  35. ^ CiRA公式サイト>2017年>患者さん由来iPS細胞を用いた化合物スクリーニングにより、 筋萎縮性側索硬化症の治療標的分子経
  36. ^ 白血病治療薬 ALS進行抑制 京大研、患者iPSで実証” (2017年5月25日). 2017年5月25日閲覧。
  37. ^ ALS 白血病薬で治験…京大チーム iPS使い効果確認 : テクノロジー”. 読売新聞オンライン. 読売新聞社 (2019年3月27日). 2019年3月31日閲覧。
  38. ^ 京大もALS患者の治験=iPSで発見の白血病薬”. 時事ドットコム. 時事通信社 (2019年3月26日). 2019年3月31日閲覧。
  39. ^ 難病ALS、白血病薬で治験へ 京大”. 日本経済新聞 電子版. 日本経済新聞社 (2019年3月26日). 2019年3月31日閲覧。
  40. ^ ALS、別の疾患薬で治験…iPS使い効果確認”. YOMIURI ONLINE(読売新聞) (2018年12月3日). 2018年12月5日閲覧。
  41. ^ “ALSにパーキンソン薬 慶大、iPS細胞で効果発見” (日本語). 日本経済新聞 電子版. https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3844685002122018CR8000/ 2018年12月3日閲覧。 
  42. ^ “氷水かぶり Coolに難病支援/セレブ続々動画投稿 寄付7億円超”. SankeiBiz. (2014年8月18日). http://www.sankeibiz.jp/express/news/140818/exd1408180000001-n1.htm 2014年8月20日閲覧。 
  43. ^ 前述の通り、別の病気であったという説も提出されている。
  44. ^ “TOTOのマイク・ポーカロ、死去”. BARKS音楽ニュース (BARKS). (2015年3月16日). http://www.barks.jp/news/?id=1000113670 2015年3月19日閲覧。 
  45. ^ "大平まゆみさん、ALSの可能性公表 バイオリニスト". アサヒ・コム. 朝日新聞社. 20 November 2019. 2019年11月20日閲覧
  46. ^ 「ニャンちゅう」声優・津久井教生、難病ALSを公表「今のところ『声』だけは無事」声優仲間エール スポニチ 2019年10月2日
  47. ^ “FC岐阜社長、難病ALS公表J1昇格目指し続投”. 中日新聞 (中日新聞社). (2015年1月30日). http://www.chunichi.co.jp/s/article/2015013090175046.html 2015年1月31日閲覧。 

参考文献

  • Kihira T, Yoshida S, Hironishi M, Miwa H, Okamato K, Kondo T. Changes in the incidence of amyotrophic lateral sclerosis in Wakayama, Japan. Amyotroph Lateral Scler Other Motor Neuron Disord. 2005 Sep;6(3):155-63.
  • 小長谷正明ヒトラーの震え 毛沢東の摺り足―神経内科からみた20世紀』中公新書、1999年
  • 田崎義昭・斎藤佳雄、坂井文彦改訂『ベッドサイドの神経の診かた』第16版、南山堂、2004年、ISBN 4-525-24716-9
  • 日本ALS協会・編『新ALSケアブック―筋萎縮性側索硬化症療養の手引き』川島書店、2005年、ISBN 4761008288
  • 「生きる力」編集委員会・編『生きる力 ― 神経難病ALS患者たちからのメッセージ』岩波ブックレット、2006年、ISBN 4000093894
  • 立岩真也『ALS 不動の身体と息する機械』医学書院、2004年、ISBN 4260333771
  • 川口有美子『シリーズケアをひらく 逝かない身体 ― ALS的日常を生きる』医学書院、2009年、ISBN 4260010034
  • 植竹日奈他『「人工呼吸器をつけますか?」――ALS・告知・選択』メディカ出版、2004年

外部リンク