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2020年6月15日 (月) 22:03時点における版
横浜博覧会 YOKOHAMA EXOTIC SHOWCASE '89 | |
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イベントの種類 | 地方博覧会 |
通称・略称 | YES'89、横浜博 |
開催時期 | 1989年(平成元年)3月25日〜10月1日 |
会場 |
みなとみらい21地区 (横浜市西区・中区) |
主催 | 財団法人横浜博覧会協会 |
後援 | 法務省、外務省、文部省、厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省、郵政省、労働省、建設省、自治省、総務庁、経済企画庁、科学技術庁、環境庁、国土庁 |
来場者数 | 1333万人7150人[1] |
最寄駅 | JR根岸線・東急東横線・横浜市営地下鉄桜木町駅 |
直通バス | 横浜駅西口〜ゴンドラゲート |
駐車場 | 有 |
横浜博覧会(よこはまはくらんかい、英称:YOKOHAMA EXOTIC SHOWCASE '89 = YES'89)は、1989年(平成元年)に神奈川県横浜市の横浜みなとみらい21地区で、横浜市制100周年、横浜港開港130周年を記念して開催された博覧会。1980年代後半(バブル景気期)の『地方博ブーム』における都市博の代表例。「横浜博」とも呼ばれる。
開催概要
- 開催期間 - 1989年(平成元年)3月25日〜10月1日(191日間)
- テーマ - 「宇宙と子供たち」(21世紀への展望)
- サブテーマ - 「新しいライフスタイル」「子供の世界」
- マスコット - ブルア(デザイン:手塚治虫)
- 会場 - みなとみらい21地区(横浜市西区・中区)
- 会場面積 - 69ヘクタール
- 動員数 - 1333万人7150人[1]
交通、会場内の乗り物
桜木町ゲート
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)根岸線・東京急行電鉄東横線・横浜市営地下鉄桜木町駅(東横線の駅は2004年廃止)から動く歩道で約3分。
- 1911年(明治44年)開通、1987年(昭和62年)3月廃線の貨物線 高島線を改修し、横浜博覧会協会が鉄道事業者として横浜臨港線を開業[注 1]。山下公園駅から桜木町ゲート近くの日本丸駅までレトロ調の気動車を運行していた(→「汽車道」・「山下臨港線プロムナード」も参照)[注 2]。なお、この気動車は閉会後に三陸鉄道に譲渡されて36-300形・400形気動車として使用された後、ミャンマー国鉄に売却された。また、山下公園駅・日本丸駅の駅舎は初代横浜駅駅舎(現 桜木町駅)をイメージしたデザインになっていた[2]。
高島町ゲート
海のゲート
- 横浜駅東口よりシーバスで約7分[2]。
- 山下公園東口よりシーバスで約10分[2]。
- 東京日の出桟橋・船橋市ららぽーと前桟橋より東京ブルーラインクルーズで約90分[2]。
- 大黒町駐車場より遊覧船「あかいくつ号」で約15分。
- ヘリコプター
ゴンドラゲート
- 横浜新都市ビル(横浜そごう)2階のペデストリアンデッキの「風の広場」からコスモワールド子供共和国の北側のゴンドラゲート[注 4]まで、ゴンドラリフトで運行。所要時間2分30秒、距離768m、方式 単線自動循環式普通索道、搬器40台、運行 横浜博スカイウェイ[注 5][2]。
- 横浜駅西口よりシャトルバスで約15分(首都高速神奈川2号三ツ沢線横浜駅西口出入口から、首都高速神奈川1号横羽線に仮設された緑町出入口[注 6]まで首都高速道路経由)。
- 大黒町駐車場よりシャトルバスで約20分。
会場内
- 当時、日本航空が主体となり開発していたHSST方式による「YES'89線」(横浜博線)が、磁気浮上式鉄道(リニアモーターカー)[注 7]として日本初の営業運転を行った(スポンサーは三越)[2]。営業キロ515m、速度43km/h(最高性能200km/h)、所要時間2分30秒、車体重量38t/2両(定員78人/両、最大127人/両)、利用者1,258,000人[注 8][2]。この技術は後年開業した愛知高速交通東部丘陵線(愛称:リニモ)に活かされた。
- 横浜SK[注 9]により、会場内交通機関「SK(動くベンチ)」が、ドックヤードガーデン付近から横浜みなとみらいホール付近まで運行されていた。距離651m、速度15km/h、所要時間3分、車種SK100、重量1.05t(定員5人)、台数25台、利用者1,391,000人[2]。
- いすゞ自動車により、サークルバス「ジャンボクルーザー」(4台、定員40人、距離 1周1.5km)や「双方向バス」(1台、定員29人、距離400m)が運行され、電動三輪車「カプセルカー」(定員1人、距離180m)の貸出が行われた。
-
横浜博覧会で営業運転を行ったHSST
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ジャンボクルーザー
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双方向バス
駐車場
- パークアンドライド方式が採用され、大黒町駐車場(3300台)、新本牧駐車場(2700台)、新横浜駐車場(1500台)の3ヶ所に駐車場が設けられた。なお横浜駅周辺の交通渋滞が懸念されたため、広告やテレビCMなどでは「マイカーで会場へは入れません」と告知され、公共交通機関の利用が勧められていた。
主なパビリオン
- YES'89宇宙館 (横浜博覧会協会)
- 宇宙飛行士訓練体験、羽仁進監督が宇宙開発の歩みを描いた映像作品「はやく!地球の子どもたち」、宇宙開発の技術や宇宙の科学を学べる展示コーナー。展示物の一部は、閉幕後に横浜こども科学館に移されている。
- IBM人間館 (日本アイ・ビー・エム)
- 双方向劇場「THINKシアター」。
- コカコーラいん石館 (富士コカ・コーラボトリング)
- メキシコで発見された、重量約15tの隕石「チュパデロス」を展示。
- 横浜館 (横浜市)
- 横浜の過去・現在・未来を描いた映像「ワンダーシップ号の冒険」、横浜市街の模型展示「ヨコハマ・ガリバーランド」[3]。閉幕後もしばらく残されていたが、1999年(平成11年)に閉館し[3]、跡地はパシフィコ横浜の展示ホールとなっている。
- かながわプラザ (神奈川県内31自治体)
- 県内の自治体がそれぞれのブースを出典。
- 海のパビリオン (運輸省関東運輸局・第二港湾建設局・第三管区海上保安本部)
- 六角形の洋上プロムナードで、帆船や海洋機器の展示、イルカショーなどが行われた。
- 建設パビリオンTANO-CITY (建設省関東地方建設局他)
- インフラストラクチャーをテーマにした立体アニメーション「風の演出」。
- NEC C&Cパビリオン (日本電気)
- 宇宙旅行シミュレーションシアター「スペーストライアル2009」。
- MMCコーヒー「地球体験館」 (三本コーヒー)
- 熱帯雨林や南極、砂漠などの疑似体験ができた。パビリオンの展示施設については閉幕後に北海道穂別町(現:むかわ町)が譲り受け、1991年(平成3年)に「むかわ町穂別地球体験館」として2018年まで営業された。
- 三和みどり館「夢座」 (三和みどり会)
- 主人公である妖精アリス・アンに導かれ、宇宙帆船アルゴス号で“みどりの星”を探すスペースファンタジー映像。
- JT館「スーパーマジックビジョン」 (日本たばこ産業)
- 少年とロボットの不思議な冒険物語、ミュージカル「虹の国の少年」。
- 日立グループ館 (日立グループ)
- →「日立グループ館#1989年の横浜博覧会」を参照。
- 松下館 (松下グループ)
- 映像と生の舞台を組み合わせたショー「光と闇の伝説」。
- ミート・ミート館 (神奈川県食肉事業協同組合連合会)
- 舞台の登場人物と映像を組み合わせた立体パフォーマンス「マジカルサーカス」。
- 横浜そごう館「クピドンの冒険」 (横浜そごう)
- ライブミュージカル「クピドン・時の冒険旅行」。
- 横浜髙島屋館「不思議ドーム」 (横浜髙島屋)
- 宇宙貨物船「ノストラダムス号」での宇宙体験の旅を描いた立体映像。
イベント放送局 イエス・エフエム
イベント放送局として「イエス・エフエム」(愛称 Herb Radio)が開設された。コールサインJOFZ-FM、周波数76.3MHz、出力10W。免許人は横浜博博覧会協会、運営はぱどが行い、会場内のベイエリアスタジオから放送。番組制作は、イベント制作も行う地元のアマチュアグループに委託。アナウンサー・DJは、地域情報誌「ぱど」で横浜市民から公募した。会期中の1989年3月25日から10月1日まで191日間、9:00~21:30[注 10]に放送。受信範囲を、会場内とその周辺に設定していたため、15分ごとに混雑状況・催事・迷子・交通情報・天気予報などの会場内情報を伝える番組を編成。また選曲も、会場のデザインコンセプトの一つであるサウンドスケープに準じ、耳障りに感じず聞き流せることを主眼に置いて行った[5]。
終了後
- 博覧会の際に設置された大観覧車「コスモクロック21」(当時の世界最大)は、周辺にて高層ビル(クイーンズスクエア横浜)の開発が決まったため、1997年(平成9年)に一度営業を終了して解体、1999年(平成11年)には現在の場所に移築して再稼動している。
- 貨物線は博覧会の閉幕とともに廃線となったが、後に遊歩道の「汽車道」「山下臨港線プロムナード」として整備された。なお、閉幕後もしばらくの間は線路の軌道跡が桜木町駅付近から赤レンガ倉庫まで残っていたが、新港地区(ワールドポーターズから赤レンガ倉庫付近を含む一帯)の再開発時に、現在の汽車道と赤レンガ倉庫付近を除いて撤去されている。
- 横浜そごうからゴンドラゲートまでを結んでいたゴンドラリフトは、博覧会閉幕とともに廃止・撤去となった。なお撤去されたゴンドラのキャビンは記念として、希望者に抽選で贈られている(運搬費は当選者負担)[6]。その後、2017年(平成29年)12月には横浜駅東口からみなとみらい21地区などを経由し、山下埠頭までロープウェイなどの索道で結ぶ空中交通構想が浮上[7]、さらに2018年(平成30年)5月にはよこはまコスモワールドを運営する泉陽興業により、桜木町駅周辺から新港地区まで汽車道沿い約600メートルにロープウェイ(索道)を整備する別の空中交通構想も浮上している[8][9]。なお、後者については2019年2月にロープウェイ「YOKOHAMA AIR CABIN(仮称)」として横浜市により詳細が発表され、計画が具体化している[10][11](2020年度末開業予定)。
- 桜木町ゲートのあった場所には横浜ランドマークタワーが建てられた。桜木町駅とゲートを結んでいた動く歩道は、ランドマークタワーへの通路として現存している。
- 博覧会開幕に合わせて開館した横浜美術館と横浜マリタイムミュージアム(現・横浜みなと博物館)は、恒久施設として閉幕後も展示が行われている。なお、博覧会期間中の両館への入場には、博覧会入場料の他に別途整理料が必要であった。
記念切手
横浜博覧会開催を記念した切手が開幕前日の1989年(平成元年)3月24日に発行された。切手図案には横浜美術館と、歌川芳虎による浮世絵「少女」が描かれている。
額面は当時の定型郵便基本料金料金である60円だったが、直後の4月1日に消費税が導入され郵便料金が62円になったため、同一の意匠で額面を62円に変更したものが同年4月18日に発行されている。発行枚数であるが、前者は2500万枚と当時の記念切手の発行枚数とほぼ同じであったが、後者は500万枚であり、発行枚数が5分の1であった。
宝くじ
会期の全期間中、横浜市を発売主体として、スクラッチ形式のイベントくじである「横浜博覧会記念ラッキー3」宝くじが会場内で販売された。くじの表面には、博覧会のマスコット(ブルアちゃん)が描かれている。
その他
8月の台風による客足伸び悩みもあり、会期末の9月に入ってから動員目標の1250万人に届かせるため、無料招待券配布などによる所謂“数合わせ”をしたことで知られる。「パビリオン感謝デー」として無料招待券の大量配布(約15万枚)を行った[注 11]他、65歳以上の無料招待期間を設けるなどし、さらに前述の8月の客足伸び悩みの反動も加わり、9月の1ヶ月間だけで総入場数(動員数)の三分の一が集中することとなった[1]。なお、最終的な動員数は1333万7150人と発表されている[1]。
マスコットの「ブルアちゃん」のキャラクター商品の売上は20億円以上に達した[12]。
脚注
注釈
- ^ 営業キロ2,076 m。乗客数1,476,000人。1987年12月、第一種鉄道事業免許取得。1988年11月完成。閉会後には廃止された。
- ^ 当初は日本の鉄道発祥の地をアピールするため、品川駅から日本丸駅まで蒸気機関車を運行させる計画があり、JR東日本もそこで走らせることを前提に静態保存されていた国鉄D51形蒸気機関車498号機を復元した。しかし、運行ルートが都市部であることから安全確保のために沿線の各所に警備員を置かねばならず、それにより横浜博覧会協会が負担する費用が膨大になることがわかったため、運行計画は取りやめられた。その代替としてレトロ調の気動車2編成4両が新造され、横浜臨港線内を運行することになった。
- ^ 藤木企業・朝日航洋の共同出資で設立。
- ^ 現在の39街区 M.M.TOWERSと、40街区 M.M. TOWERS FORESISのある場所。
- ^ そごう・東京索道・帝国社の共同出資で設立。1988年8月、第一種鉄道事業免許取得。
- ^ 現在のみなとみらい出入口の南側に設置。さくら通りに接続していた。
- ^ 常電導吸引式磁気浮上リニアモーターカー。
- ^ 1988年4月、第一種鉄道事業免許取得。
- ^ 東京急行電鉄・京浜急行電鉄・相模鉄道・日揮の共同出資で設立。1988年2月、第一種鉄道事業免許取得。
- ^ 3月25~4月27日は18:30まで、10月1日は18:00まで。
- ^ 特に崎陽軒のシウマイ弁当を購入すると、無料招待券が1枚もらえたことは有名。
出典
- ^ a b c d 横浜博覧会は今の横浜にどんな影響を残してる?(はまれぽ.com 2012年11月3日)
- ^ a b c d e f g h i j 『横浜博覧会・会場計画と建設の記録』 横浜博覧会協会、1990年3月、276-280ページ (横浜市立中央図書館所蔵)
- ^ a b 横浜博覧会にあった横浜市の巨大ジオラマの行方は?(はまれぽ.com 2016年7月24日)
- ^ 大黒線バイパス入口にあるカモメの建造物の正体は?(はまれぽ.com 2013年1月14日)
- ^ 『横浜博覧会・会場計画と建設の記録』 横浜博覧会協会、1990年3月、177-179ページ (横浜市立中央図書館所蔵)
- ^ 横浜博覧会で「そごう」の2階から出ていたゴンドラが道路脇に放置されているってホント?(はまれぽ.com 2013年10月16日)
- ^ 横浜→山下ふ頭に空中交通!? ロープウエー構想浮上(神奈川新聞〈カナロコ〉2017年12月30日)
- ^ 神奈川新聞〈カナロコ〉:桜木町にロープウエー構想 新港地区アクセス向上へ(2018年5月24日付)/ロープウエーや水上交通 横浜観光アクセス向上へ新提案(同月25日付)
- ^ 「まちを楽しむ多彩な交通」 ~提案内容をまとめたリーフレットを作成しました~(横浜市都市整備局 平成30年(2018年)5月24日)
- ^ 東京五輪前に開業へ 新港地区-桜木町ロープウエー計画(神奈川新聞〈カナロコ〉2019年2月14日)
- ^ 桜木町のロープウェイ計画が明らかに! 第二のコスモクロックになるか?(はまれぽ.com 2019年2月15日)
- ^ 『AERA』1989年11月14日号。
関連項目
- 神戸ポートアイランド博覧会
- こうふ博'89 - 同年に山梨県甲府市で開催された地方博。
- 夢空間'89 - 博覧会会場近くの桜木町駅で展示されていた鉄道車両。食堂車は博覧会期間中も営業していた。
- クイーン・エリザベス2号 - 開催期間中ホテルシップとして使用。
- 東京急行電鉄 - 開催に合わせて夏のスタンプラリーの題材に博覧会を取り上げた。
- 京浜急行電鉄 - 開催に合わせて横浜博覧会特別塗装仕様の2000形車両(2041編成)を運行した。
- 開国博Y150 - 横浜開港150周年記念イベントとして2009年に開催。
- 鈴木嘉和 - いわゆる「風船おじさん」。会場内に飲食店を出店していたが、博覧会マスコットの着ぐるみを着用して会場アーケードの支柱に登り、立てこもり事件を起こした。