「終戦日記」の版間の差分
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*『[[海野十三]]敗戦日記』 橋本哲男編、中公文庫 - 初版は講談社、1971年 |
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2020年6月17日 (水) 02:24時点における版
終戦日記(しゅうせんにっき、又は敗戦日記 はいせんにっき)は、1945年(昭和20年)8月15日のポツダム宣言受諾による終戦決定を境に、いかに社会情勢・人心・風俗が変転を余儀なくされていったかを、日記体で記す生の記録(ドキュメント)である。
文学者では荷風『断腸亭日乗』が著名である。生前に刊行された作者の代表作でもあり、たびたび版元を変えて今日まで重版されているが、読者を意識した記述が多いことは、複数の論者に指摘されている。政治家など(特に『木戸幸一日記』)は、「昭和史」の記述で引用参照が多くなされている。なお回想録は「大戦を題材とした作品一覧」を参照。
主な刊行一覧
- 著者五十音順 - 複数の場合、新版刊行のみ記載。なお※は、生前刊行、生前から知られていた日記。
- 『芦田均日記』 岩波書店(全7巻)、なお戦前の部は柏書房(全5巻)で刊行。
- 『石橋湛山日記 昭和20年~31年』(2巻組)、みすず書房 - 伊藤隆ほか編
- 伊藤整 『太平洋戦争日記』 新潮社(全3巻) - 没後刊
- 『入江相政日記』 朝日新聞社(全6巻)、朝日文庫(全12巻)- 没時まで書き続けた。
- 内田百閒 『東京焼尽』※ 中公文庫(改版2004年)
- 『百鬼園戦後日記』 小澤書店(上下) / 中公文庫(新版 全3巻)
- 『海野十三敗戦日記』 橋本哲男編、中公文庫 - 初版は講談社、1971年
- 大佛次郎 『終戦日記』 草思社 / 文春文庫(改訂版)。執筆当時の書簡・エッセイを増補
- 『河井弥八日記 戦後篇1 昭和二十年~昭和二十二年』 信山社出版(全5巻)、2015年。尚友倶楽部ほか編
- 木下道雄 『側近日誌』 文藝春秋 / 中公文庫(改訂版)。高橋紘編
- 『木下杢太郎日記 第5巻 昭和16年~昭和20年』 岩波書店(全5巻)、1979~80年
- 『木戸幸一日記』※ 東京大学出版会(全2巻) - 続編『木戸幸一日記 「東京裁判期」』
- 清沢洌 『暗黒日記』 評論社(新版刊) / ちくま学芸文庫(改訂版 全3巻)。橋川文三編・解説
- 楠山正雄 『楠山正雄の戦中・戦後日記』 冨山房(全2冊)。楠山三香男編
- 『最後の貴族院書記官長 小林次郎日記』尚友倶楽部史料調査室・今津敏晃編、芙蓉書房出版。昭和20年分のみ収録
- 澁澤秀雄『側面史百年』(時事通信社、1967年)※。1942年1月1日〜1945年8月16日の戦中日記も収録
- 『重光葵手記』(正・続)、中央公論社(日記ではなく、終戦前後の覚書)。伊藤隆ほか編
- 『島尾敏雄日記』 新潮社、2010年 - 「加計呂麻島敗戦日記」、「終戦後日記」
- 『芹沢光治良 戦中戦後日記』 勉誠出版、2015年
- 『高見順日記』、「全日記」は没後に勁草書房(全17巻)
- 高見順 『敗戦日記』※ 文春文庫 / 中公文庫(新版)、2005年
- 高見順 『終戦日記』※ 文春文庫。続編
- 高松宮宣仁親王 『高松宮日記』(全8巻)、中央公論社 - 大正10年から昭和22年まで記述。
- 『徳川義寛終戦日記』 朝日新聞社。御厨貴・岩井克己監修
- 徳川夢声 『夢声戦争日記 昭和16-20年』※ 中央公論社(全5巻)、中公文庫(全7巻)
- 『夢声戦争日記 抄 敗戦の記』 中公文庫、新版2001年
- 『夢声戦中日記』 中公文庫、新版2015年 - 各・新編抜粋版
- 徳富蘇峰 『終戦後日記 頑蘇夢物語』 講談社(全4巻) - 近年発見された。のち講談社学術文庫(第1巻のみ新版)
- 永井荷風 『断腸亭日乗』※ 岩波書店。「全集」全6巻・単行版で再刊
- 『摘録 断腸亭日乗』 岩波文庫(上下)- 磯田光一編、多くの解説本が公刊
- 中野重治 『敗戦前日記』 中央公論社 - 松下裕編・解説
- 野口富士男 『海軍日記 最下級兵の記録』※ 文藝春秋(新版)
- 穂積重遠 『終戦戦後日記 1945~50年』 有斐閣 - 大村敦志校訂
- 『福永武彦戦後日記』 新潮社 - 池澤夏樹解説
- 藤田信勝 『敗戦以後』※ リーダーズノート新書(新版)、2011年
- 『古川ロッパ 昭和日記』(全4巻)、晶文社 - 大著、滝大作監修
- 細川護貞 『細川日記』※ 中央公論社/中公文庫(改版・上下)
- 宮武外骨 『外骨戦中日記』 河出書房新社、2016年。吉野孝雄編・解説
- 武藤章 『比島から巣鴨へ』 中公文庫 - 巣鴨日記も含む
- 森正蔵 『あるジャーナリストの敗戦日記 1945〜1946』(有山輝雄編)ゆまに書房、2005年
- 『矢部貞治日記』(全4巻)、同刊行会編(読売新聞社、1974-75年)- 没時まで書き続けた。
- 山田風太郎 『戦中派不戦日記』※ 講談社文庫、改版2002年 / 角川文庫、2010年
- 『山本周五郎戦中日記』 角川春樹事務所、2011年、のちハルキ文庫
- 『渡辺一夫敗戦日記』 博文館新社 - 二宮敬編・解説、前半部は『著作集(14)』(筑摩書房)
関連文献
- 山田風太郎 『同日同刻 太平洋戦争開戦の一日と終戦の十五日』 立風書房、1979年 / 文春文庫、1986年 / ちくま文庫、2006年
- 紀田順一郎 『日記の虚実』 新潮選書、1988年 / ちくま文庫、1995年 / 「著作集 第7巻」三一書房、1998年。永井荷風・伊藤整・古川ロッパら9名の日記を考察。
- 野坂昭如 『「終戦日記」を読む』 朝日文庫、2010年 / 新編・中公文庫、2020年7月。元版は〈NHK人間講座〉テキスト、2002年、日本放送協会出版、2005年
- 山田風太郎、高見順、大佛次郎、永井荷風、渡辺一夫、徳川夢声、中野重治、海野十三、伊藤整らの日記を読み講ずる。