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アクシズへ逃亡した旧ジオン公国の技術者たちは、[[地球連邦軍]]の開発した[[ハイザック]]や[[アナハイム・エレクトロニクス]]の開発した[[マラサイ]]をザクIIの正当な後継機とは認めず、最新の技術を導入して本機を完成させた<ref name="144_011" />。ザク本来のコンセプトを極限まで追求した結果<ref name="nt100_7-45">『ニュータイプ100%コレクション7 機動戦士ガンダムΖΖ』角川書店、1987年10月、45頁。</ref>、汎用性とトータルバランスに優れた機体となっている<ref name="144_011" /><ref name="mediazz2-89" />。作戦に応じてバックパックや腰部アーマーなどを換装可能で<ref name="mse-74">『機動戦士ガンダム MS大全集』バンダイ、1988年2月、74頁。</ref>、標準の大気圏内外両用のほか宇宙用の高機動型なども試作されている<ref name="144_011" />。また、[[ベースジャバー#ベースジャバー (大気圏内用)|ベースジャバー]]との連携強化のため、頭部には複数のアンテナが装備されている<ref name="hguc_011" />。
アクシズへ逃亡した旧ジオン公国の技術者たちは、[[地球連邦軍]]の開発した[[ハイザック]]や[[アナハイム・エレクトロニクス]]の開発した[[マラサイ]]をザクIIの正当な後継機とは認めず、最新の技術を導入して本機を完成させた<ref name="144_011" />。ザク本来のコンセプトを極限まで追求した結果<ref name="nt100_7-45">『ニュータイプ100%コレクション7 機動戦士ガンダムΖΖ』角川書店、1987年10月、45頁。</ref>、汎用性とトータルバランスに優れた機体となっている<ref name="144_011" /><ref name="mediazz2-89" />。作戦に応じてバックパックや腰部アーマーなどを換装可能で<ref name="mse-74">『機動戦士ガンダム MS大全集』バンダイ、1988年2月、74頁。</ref>、標準の大気圏内外両用のほか宇宙用の高機動型なども試作されている<ref name="144_011" />。また、[[ベースジャバー#ベースジャバー (大気圏内用)|ベースジャバー]]との連携強化のため、頭部には複数のアンテナが装備されている<ref name="hguc_011" />。


試作機は[[ドーベン・ウルフ]]と同時期に完成するが<ref name="mse-74" />、戦況から[[ニュータイプ]]用の機体が求められ<ref name="missionzz-36">『モデルグラフィックス別冊 GUNDAM WARS II MISSION ΖΖ』大日本絵画、1987年2月、36頁。</ref>、火力と推力も劣ることから量産化はドーベン・ウルフに譲られた<ref name="mse-74" /><ref name="missionzz-36" />ものの、先行試作機が6機ロールアウトしている<ref name="mg8703" />。塗装は濃淡グレーを基調とするが、これは[[一年戦争]]時のエース・パイロットのパーソナル・カラーをもとにしているとする説もある<ref name="hguc_011" />。
試作機は[[ドーベン・ウルフ]]と同時期に完成するが<ref name="mse-74" />、戦況から[[ニュータイプ]]用の機体が求められ<ref name="missionzz-36">『モデルグラフィックス別冊 GUNDAM WARS II MISSION ΖΖ』大日本絵画、1987年2月、36頁。</ref>、火力と推力も劣ることから量産化はドーベン・ウルフに譲られた<ref name="mse-74" /><ref name="missionzz-36" />ものの、先行試作機が6機ロールアウトしている<ref name="mg8703" />。塗装は濃淡グレーを基調とするが、これは[[一年戦争]]時のエース・パイロットのパーソナル・カラーをもとにしているとする説もある<ref name="hguc_011" />。
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: ワンメイクの改良機として開発された機体で、[[モビルスーツバリエーションの登場人物#シン・マツナガ|シン・マツナガ]]の専用機としてかつてと同様の白のカラーリングがされている(型式番号:'''AMX-011R-1A''')。[[電撃ホビーマガジン]] 2000年8月号にも模型作例として登場している。
: ワンメイクの改良機として開発された機体で、[[モビルスーツバリエーションの登場人物#シン・マツナガ|シン・マツナガ]]の専用機としてかつてと同様の白のカラーリングがされている(型式番号:'''AMX-011R-1A''')。[[電撃ホビーマガジン]] 2000年8月号にも模型作例として登場している。
; マラサイII
; マラサイII
: [[アナハイム・エレクトロニクス]]が開発した[[マラサイ]]のポテンシャルをザクIIIに移植した機体(形式番号:'''AMX-108''')。外観や塗装はマラサイに近いが、バックパックは未使用設定の中距離航行用を装備。バックパック中央のバインダーとプロペラントタンクは[[AMBAC]]作動肢としても使用可能で、高い運動性を示す。
: [[アナハイム・エレクトロニクス]]が開発した[[マラサイ]]のポテンシャルをザクIIIに移植した機体(形式番号:'''AMX-108''')。外観や塗装はマラサイに近いが、バックパックは未使用設定の中距離航行用を装備。バックパック中央のバインダーとプロペラントタンクは[[AMBAC]]作動肢としても使用可能で、高い運動性を示す。


== 脚注 ==
== 脚注 ==

2020年11月7日 (土) 11:34時点における版

ザクIII (ザク・スリー、ZAKU III) は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器で、有人操縦式の人型ロボット兵器モビルスーツ (MS)」のひとつ。初出は、1986年に放送されたテレビアニメ機動戦士ガンダムΖΖ』。

作中の敵側勢力であるネオ・ジオン軍の機体で、『機動戦士ガンダム』に登場するジオン公国軍の主力機「ザクII」の発展型。作中ではネオ・ジオン将校のラカン・ダカランが搭乗し、主人公ジュドー・アーシタが搭乗する「ΖΖガンダム」と交戦する。終盤では、強化人間化したマシュマー・セロの搭乗機「ザクIII改」が登場し、グレミー・トト派のネオ・ジオン反乱軍を圧倒する活躍を見せる。

本記事では、各派生機についても記述する。

デザイン

デザインは小田雅弘[1]。モデラーの視点から、『機動戦士ガンダムΖΖ』テコ入れのため、既存の金型を流用して安価に商品化できる機体群[2]ザク・マリナーアイザックドワッジなど)と同時期にデザインされた。オプション装備が数多くデザインされたが未使用に終わり、それらのアイデアは凝縮した形でザクIII改に流用されている[1]

手と前腕の接続部が斜めになっているのは、プラモデルでバズーカを腋に挟んで構えた際に砲身が外を向くのを、腕部を180度回転させることで本体の同一線上を向かせるためであったが、当時に発売された1/144キットでは腕部の回転ができなかった[3]

なお、一年戦争末期にジオニック社で社内研究用に残され、ゲルググ開発用のトライアルとして使用されていた高機動型ザクIIにもザクIIIの通称がつけられているが、本機とは別の機体である。

設定解説

諸元
ザクIII
ZAKU III
型式番号 AMX-011
全高 23.9m[4]
頭頂高 21m[4]
本体重量 44.2t[4]
全備重量 68.3t[4]
装甲材質 ガンダリウム・コンポジット[4]
出力 2,150kW[4]
推力 28,400kg×2[4](スカート後部両側[5]
19,300kg×6[4](腰部前後[5]
総推力:172,600kg[6]
センサー
有効半径
9,700m[4]
武装 頭部ビーム・キャノン
腰部ビーム・キャノン(ビーム・サーベル)×2
ビーム・ライフル
搭乗者 ラカン・ダカラン
その他 姿勢制御用バーニア×12[4]

アクシズがザク系の最終型として開発した機体[7]

アクシズへ逃亡した旧ジオン公国の技術者たちは、地球連邦軍の開発したハイザックアナハイム・エレクトロニクスの開発したマラサイをザクIIの正当な後継機とは認めず、最新の技術を導入して本機を完成させた[4]。ザク本来のコンセプトを極限まで追求した結果[8]、汎用性とトータルバランスに優れた機体となっている[4][5]。作戦に応じてバックパックや腰部アーマーなどを換装可能で[9]、標準の大気圏内外両用のほか宇宙用の高機動型なども試作されている[4]。また、ベースジャバーとの連携強化のため、頭部には複数のアンテナが装備されている[7]

試作機はドーベン・ウルフと同時期に完成するが[9]、戦況からニュータイプ用の機体が求められ[10]、火力と推力も劣ることから量産化はドーベン・ウルフに譲られた[9][10]ものの、先行試作機が6機ロールアウトしている[3]。塗装は濃淡グレーを基調とするが、これは一年戦争時のエース・パイロットのパーソナル・カラーをもとにしているとする説もある[7]

武装

頭部ビーム・キャノン
口吻部に装備。小型ビーム砲とも呼ばれ、出力は1.6メガワット[4]。基部は上下に可動する[3]
腰部ビーム・キャノン / ビーム・サーベル
腰部前面に2門装備されており、発射時は上方に起こしてグリップを展開する。中型ビーム砲とも呼ばれ、出力は2.8メガワット[4]。バレルは取り外して出力0.85メガワットのビーム・サーベルになる[5]。大型化も検討されるが、バレルがむき出しになるという欠点がある[4]
ビーム・ライフル
機体よりも完成が遅れていた専用ライフルに代わり[4]R・ジャジャ用の銃剣(ヒート・サーベル)付きライフルを流用している。
シールド
ザクII同様、右肩に装備。裏側に予備のビーム・サーベルやクラッカーを収納する[4]。左肩にはスパイクアーマーが装備されているが、横に伸びている部分は上方に跳ね上げると裏側のマウント・ラッチが露出し、ハンマ・ハンマのシールドなどを装備可能[3]

劇中での活躍

第27話で初登場。ダカールの迎賓館の門前に、2機が門番のように立っている。第35話ではラカン・ダカランが搭乗し、ドライセン部隊を率いてスペース・コロニーが落着するダブリンからの市民の脱出を妨害するコロニー落着直後にΖΖガンダムと交戦し、両脚を破壊されて撤退する。

第44話では、サイド3コロニー「コア3」に1機が配備されているのが確認できる。第45話ではグレミー・トトの反乱軍所属の2機が確認できるが、もともと機体色がグレーであるため、統一カラーに再塗装されていない。第46話では、1機がゲーマルクのビーム・サーベルを運んでいる。

ザクIII改

諸元
ザクIII改
ZAKU III CUSTOM
型式番号 AMX-011S
全高 25.3m[5]
頭頂高 21m[5]
本体重量 44.3t[5]
全備重量 71.4t[5]
装甲材質 ガンダリウム・コンポジット[5]
出力 2,860kW[5]
推力 34,200kg×2(バックパック)[5]
28,400kg×3(スカート後部両側中央)[5]
19,300kg×3(腰部前)[5]
総推力:211,500kg[6]
センサー
有効半径
9,700m[5]
武装 ビーム・サーベル兼用ビーム・キャノン×2
30mmバルカン砲×2
ハイド・ボンブ投下機(レイヤー)
ビーム・ライフル
ビーム・マシンガン(『Twilight AXIS』版)
搭乗者 マシュマー・セロ
ダントン・ハイレッグ(『Twilight AXIS』版)
その他 姿勢制御用バーニア×19[5]

『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場。「AMX-011MC ザクIII(マシュマー・カスタム)」とも呼ばれる[11]

ザクIIIの改造機であるが、それぞれのユニットはザクIIIのオプション兵装である[12]。頭部はよりザク系に近い形状となっている。バックパックのプロペラント容量は原型機の8倍にもおよび[13]、稼働時間の延長とともに数倍の加速性能を発揮する[13]。リア・スカートは伸長され、高性能のバーニア・スタビライザーとして機能する[13]。これらにより機動性は向上しているが、操縦性に難のある機体となっており[5]、それをカバーするパイロットの技量が必要とされる[8]。ほかに左肩アーマー、膝部および細部が原型機と異なる。塗装は濃淡グリーンを基調とする。

これらの変更はパイロットとなるマシュマー・セロの指示によるものともいわれるが[14]、同様の仕様の機体はほかにも確認されている。なお、マシュマー機には彼専用のバイオセンサーが搭載されている[15]

武装(改)

腰部ビーム・キャノン(本機では「ビーム・サーベル兼用ビーム・キャノン」と表記)およびシールドは原型機と同じ。

頭部バルカン砲
頭部ビーム・キャノンに代わり、頭頂部側面に装備、口径は30ミリ。なお、頭部は同時期に別デザインも検討されている[4]
ビーム・ライフル
原型機用に開発されていた大出力・長射程タイプの完成版[13]
ハイド・ポンプ投下器(レイヤー)
左肩アーマーに装備された宇宙機雷の投下装置。

劇中での活躍(改)

第44話で初登場。強化人間となったマシュマーが搭乗し、イリア・パゾムリゲルグとともにサイド3コロニー「コア3」内の警護に当たる。第45話ではプルツーの駆るクィン・マンサと交戦し、一時撤退に追い込む強さを見せる。その直後、ラカン・ダカラン率いるスペース・ウルフ隊の奇襲に遭い、有線アームで四肢を拘束されたところを高圧電流とビームで攻撃される。マシュマーの精神力によって[16]ビームをはね返すが、本機はその力を抑えきれないかのように[16]ドーベン・ウルフ1機を道連れに爆散する。

ザクIII改(『Twilight AXIS』版)

宇宙世紀0096年を舞台とするウェブ小説および配信アニメ『機動戦士ガンダム Twilight AXIS』に登場。

シャア・アズナブルの搭乗を前提に調整された機体で、第二次ネオ・ジオン抗争後は廃墟となったアクシズ内に放置されていた。シャアのパーソナルカラーである赤系統に塗装され、バックパックと膝アーマーは一般機のものを装着している。一般機と同じ頸部メガ粒子砲をもち、携行武装はギラ・ドーガ用のビーム・マシンガンに変更されている。

ラプラス紛争後、地球連邦軍特殊部隊「マスティマ」とともにアクシズの調査に赴いた元ネオ・ジオンのテストパイロット「ダントン・ハイレッグ」が搭乗し、同じくアクシズに潜入した傭兵部隊「バーナム」のガンダムAN-01“トリスタン”を迎撃する。

ザクIII(「袖付き」仕様)

諸元
ザクIII
ZAKU III
型式番号 AMX-011
全高 21.0m[17]
頭頂高 23.1m[18]
本体重量 46.8t[17]
全備重量 70.9t[18]
装甲材質 ガンダリウム合金[18]
出力 2,150kW[18]
推力 172,600kg[18]
武装 ビーム・サーベル
ビーム・マシンガン
頭部ビーム・キャノン
サブ・マニピュレーター
ハイド・ボンブ・レイヤー

OVA版『機動戦士ガンダムUC』ep7に登場。 ネオ・ジオン残党軍「袖付き」の所属機であり、ギラ・ドーガ用のビーム・マシンガンを携行し、一段濃いグレーの塗装に「袖」の装飾が付けられている。また、腰部ビーム・キャノンがビームサーベルを装備したサブ・マニピュレーター(隠し腕)に、左肩アーマーがザクIII改と同じハイド・ボンブ投下機を内蔵したものに換装されている[19]

ネェル・アーガマとの最終決戦で左腕を切断されながらもジェガンD型1機を撃破し、ユニコーンガンダムとの交戦で右腕も破壊される。最後は味方であるローゼン・ズールの攻撃に巻き込まれ、撃破される。

ザクIII(『ラスト・サン』版)

漫画『機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン』に登場。

頭部はザクIII改と同型で、パックパックとリア・スカートは宇宙用の高機動試作型、腰部ビーム・キャノンは大型のものにそれぞれ換装され、試作型のビーム・ライフルを携行する(いずれもプラモデル『1/144 ザクIII』説明書に掲載されているものと同型)。モノクロでしか確認できないため、機体色は不明。

サイド1コロニー「シャングリラ」のジャンク屋に放置されていたところをガンズ・ランが発見し、ジャンク屋の店主に見込まれて貸与され、非合法のMS対戦競技「バトレイヴ」に参加する。バトレイヴではガンダムGファーストDXと互角に渡り合うが、「袖付き」のブランダムール隊や連邦軍の新生フレスベルク隊らの戦闘に巻き込まれる。最後はザナドゥとの交戦でコロニーの外壁に叩きつけられ、行動不能となる。

ザクIII後期型

諸元
ザクIII後期型
ZAKU III Late Type
型式番号 AMX-011C
頭頂高 21.0m
本体重量 42.5t
全備重量 69.2t
装甲材質 ガンダリウム合金
出力 2,950kw
推力 212,800kg
センサー
有効半径
9,850m
武装 ビーム・サーベル兼用ビーム・キャノン×2
メガ・マシンガンSPS
ザクIIIバズーカ
搭乗者 エルデスコ・バイエ

漫画ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム』に登場。

カラードが保有するザクIIIベースの汎用攻撃型重MS。オプション換装可能な機体特性はそのままに、さらに汎用性を高めるべく新たな試みがなされている。作戦に応じてバックパックを丸ごと換装可能なほか、頭部や腕部を新タイプのものに更新。そのほか、マシンガンや実体弾バズーカなどの実弾系武装が採用されている。

本機は新生ネオ・ジオンにて開発され、協力関係であった過激派組織NSPに分類される組織「カラード」に供与された。後にネオ・ジオンによって運用されるドーガ系列機の技術的な礎となった機体である[20]

劇中での活躍
劇中では過激派組織カラードのリーダーでありパイロット、エルデスコ・バイエの乗機としてサイド6における連邦軍襲撃作戦に参加し、連邦軍アラハス所属のDガンダムと渡り合った。また、バイエがカラード過激派と袂を分かったのちにパイロット共々アラハスのチームに合流し、ネオ・ジオンの地球寒冷化作戦を止めるべく共闘する。

ザクIII後期型陸戦仕様

『ENTERTAINMENT BIBLE 機動戦士ガンダム MS大図鑑 PART.3 アクシズ戦争編』などに掲載された。ザクIII後期型の陸戦仕様機で、スモークディスチャージャーや砂中用スコープなどが追加されている[20]

ザクIII-R型

漫画『A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-』の巻末設定集などで文字設定のみ登場[21]。型式番号は明示されていない。

ネオ・ジオンと同盟関係にある[22]ジオンマーズ(火星独立ジオン軍)では、ドーベン・ウルフではなく「ジオンの伝統」を重視してザクIIIを制式採用しており、独自に改良が進められたのが本機である[23]。火星の環境に合わせて各部の改修がおこなわれ[22]、火星プラントで生産され[24]配備が進められる[22]。また本機の特徴として[22]、実戦未経験の新兵へのジオン意識の植え付けや士気高揚のために、かつてのザクIIにより近づけた外観となっている点が挙げられる[24]

ジオンマーズがアクシズのために開発した、ドーベン・ウルフの発展量産型であるリーベン・ヴォルフと外装の一部や内蔵部品など、数割のパーツを共有化している[23]

ザクIII R-G型

『A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-』に登場(型式番号:AMX-011RG[22] / AMX-011G[24])。当初はザクIIIの直系の陸戦型とされたが、のちにR型のバリエーションとされた。

ザクIII-R型の陸戦仕様で[22]、火星重力下では不要な空間用装備が取り外されているほか、バックパック両側面にドムIIIと共通のホバー推進ユニットを装備する[24]。武装はのちのヤクト・ドーガのメガ・ガトリングガンと同型のものを携行する。標準塗装はザクIIを踏襲した濃淡グリーンを基調とするが、チェスター艦隊所属機は砂漠戦用として茶色系となっている。

ザクIII強行偵察型

雑誌・ウェブ企画『A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-』に登場する偵察用MS(型式番号:AMX-011EW)。

アクシズとジオンマーズが共同開発したザクIIIの偵察仕様機で、頭部・両肩・股間のカメラと携行型のガンカメラというザクII強行偵察型に準じた装備を有するほか、ルッグンのものと同規格の2基1組の大型レドームアンテナとパネル状ブレードアンテナ2基を1つのバックパックにまとめて装着している。このバックパックは切り離すことも可能。

また、PCゲーム『機動戦士ガンダム リターン・オブ・ジオン』にも、ザクIIIをネオ・ジオン地上部隊が早期警戒用に独自改造した、同名の偵察用MS(型式番号:AMX-110E)が登場している。こちらは、アイザックと同様に頭部と一体化したパッシブ・レーダー・システム内蔵のロト・ドームを搭載し、両腕を外して高機動デバイスを組み込むことで、アイザックに比べて2倍の行動索敵範囲を有するに至っている。

そのほかのバリエーション

以下の機体は『モデルグラフィックス』1987年3月号に掲載された模型作例のオリジナル機である。ただし、一部アニメで未使用に終わった設定を流用している。

ザクIII F型
初期案にあった、リゲルグと同型のランドセルを装備したタイプ(型式番号:AMX-011F)。また、胸部下面にあるのがバズーカ用マウント・ラッチであるという設定を活かしているが、バズーカの形状は設定画と異なる。
ザクIII G型
未使用設定のスカート・エキステンションブースターを装備したタイプ(型式番号:AMX-011G)。接近戦時にはブースターを排除して戦闘に入る。ブースターはコストが高いため、回収して再利用される。作例でのバックパックは宇宙用のものをベースに、プロペラントタンク4基、テール・スタビレーター2基が追加されている。
ザクIII改 シン・マツナガ機
ワンメイクの改良機として開発された機体で、シン・マツナガの専用機としてかつてと同様の白のカラーリングがされている(型式番号:AMX-011R-1A)。電撃ホビーマガジン 2000年8月号にも模型作例として登場している。
マラサイII
アナハイム・エレクトロニクスが開発したマラサイのポテンシャルをザクIIIに移植した機体(形式番号:AMX-108)。外観や塗装はマラサイに近いが、バックパックは未使用設定の中距離航行用を装備。バックパック中央のバインダーとプロペラントタンクはAMBAC作動肢としても使用可能で、高い運動性を示す。

脚注

注釈

出典

  1. ^ a b 『GUNDAM WARS II MISSION ΖΖ』大日本絵画、1987年2月、1991年7月(新装版)、84頁。(ISBN 978-4499205269)
  2. ^ 『GREAT MECHANICS 6』双葉社、2002年9月、40頁。(ISBN 978-4575464092)
  3. ^ a b c d モデルグラフィックス』1987年3月号、大日本絵画、4-22頁。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s プラモデル『1/144 AMX-011 ザクIII』説明書、バンダイ、1986年11月。
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 『別冊アニメディア 機動戦士ガンダムΖΖ PART.2』学習研究社、1987年3月、89頁。
  6. ^ a b 『ENTERTAINMENT BIBLE .2 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.2 グリプス戦争編】』バンダイ、1989年3月、52-53頁。
  7. ^ a b c プラモデル『HGUC AMX-011 ザクIII』説明書、バンダイ、2000年9月。
  8. ^ a b 『ニュータイプ100%コレクション7 機動戦士ガンダムΖΖ』角川書店、1987年10月、45頁。
  9. ^ a b c 『機動戦士ガンダム MS大全集』バンダイ、1988年2月、74頁。
  10. ^ a b 『モデルグラフィックス別冊 GUNDAM WARS II MISSION ΖΖ』大日本絵画、1987年2月、36頁。
  11. ^ 『モデルグラフィックス別冊 GUNDAM WARS II MISSION ΖΖ』大日本絵画、1987年2月、56頁。
  12. ^ 『機動戦士ガンダム MS大全集』バンダイ、1988年2月、75頁。
  13. ^ a b c d プラモデル『HGUC AMX-011S ザクIII改』説明書、バンダイ、1999年8月。
  14. ^ 『モデルグラフィックス別冊 GUNDAM WARS II MISSION ΖΖ』大日本絵画、1987年2月、38頁。
  15. ^ 「新装開店第1回 ガンダムΖΖ読本-これは買いだ!」『ジ・アニメ』1986年11月号、近代映画社。
  16. ^ a b 『旭屋出版アニメ・フィルムブック3 機動戦士ガンダムΖΖ』2000年7月、141頁。
  17. ^ a b 「MS/MECHANIC」『機動戦士ガンダムUC』公式WEBサイト、創通・サンライズ。
  18. ^ a b c d e 関西リョウジ『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルズ part2』KADOKAWA、2016年7月、123頁。
  19. ^ 『Febri Vol.23』一迅社、2014年6月、29頁。
  20. ^ a b 『ENTERTAINMENT BIBLE 機動戦士ガンダム MS大図鑑 PART.3 アクシズ戦争編』バンダイ、1989年6月20日初版発行、121頁。(ISBN 978-4891890193)
  21. ^ くろうさぎのみた夢1 2018, p. 154.
  22. ^ a b c d e f くろうさぎのみた夢1 2018, p. 156.
  23. ^ a b AOZ ReBoot58 2018.
  24. ^ a b c d AOZ ReBoot21A 2015.

参考文献

  • 漫画
    • 藤岡建機A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-』 第1巻、KADOKAWA、2018年12月27日。ISBN 978-4-04-912225-1 
  • ウェブサイト
    • A.O.Z Re-Boot Vol.21-A”. 電撃ホビーウェブ. KADOKAWA (2015年11月18日). 2020年5月15日閲覧。
    • A.O.Z Re-Boot Vol.58”. 電撃ホビーウェブ. KADOKAWA (2018年12月19日). 2020年5月15日閲覧。

関連項目