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'''淡墨桜'''(うすずみざくら)とは、[[岐阜県]][[本巣市]]の[[根尾谷・淡墨公園]]にある[[一本桜]]。樹齢1500年以上の[[エドヒガン]]の古木である。[[日本五大桜]]または[[日本三大一覧#植物|三大巨桜]]のひとつ。国の[[天然記念物]]である。 |
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2021年5月13日 (木) 21:11時点における版
淡墨桜 | |
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淡墨公園の淡墨桜 | |
所在地 |
岐阜県本巣市根尾板所字上段995 根尾谷・淡墨公園内 |
樹種 | エドヒガン (C.spachiana) |
管理者 | 国の天然記念物 |
ウェブサイト | 根尾谷淡墨ザクラ |
淡墨桜(うすずみざくら)とは、岐阜県本巣市の根尾谷・淡墨公園にある一本桜。樹齢1500年以上のエドヒガンの古木である。日本五大桜または三大巨桜のひとつ。国の天然記念物である。
特徴
淡墨桜は蕾のときは薄いピンク、満開に至っては白色、散りぎわには特異の淡い墨色になり、淡墨桜の名はこの散りぎわの花びらの色にちなむ。樹高16.3m、幹囲目通り9.91m、枝張りは東西26.90m、南北20.20m。樹齢は1500余年と推定され、継体天皇お手植えという伝承がある。
近年では幹の老化が著しく、幹内部にできた空洞も広がりつつあるが、樹木医や地元の人々の手厚い看護によって守られている。昭和中期には、作家の宇野千代がその保護を訴えて、活動したこともよく知られる[1]。苗木を分けて、岐阜県や愛知県内あちこちに子孫が植えられている。
日本五大桜または三大巨桜の1つであり、1922年(大正11年)10月12日には国の天然記念物に指定された。毎年の開花の季節には多くの観光客が訪れる。淡墨公園内には淡墨桜の資料を展示するさくら資料館がある。近くに財団法人NEO桜交流ランドが管理運営のうすずみ温泉と宿泊施設四季彩館がある。
沿革
伝承によると、467年(雄略天皇11年)頃に男大迹王(後の継体天皇)がこの地を去る時、檜隈高田皇子(宣化天皇)の産殿を焼き払い、その跡に1本の桜の苗木を植えたという[2]
1913年(大正2年)には大雪のために幹の一部に亀裂が発生し、樹勢が衰えだした。1922年(大正11年)10月12日には国の天然記念物に指定された。
1948年(昭和23年)には文部省により調査が行なわれ、3年以内に枯死と判断された。1949年(昭和24年)3月10日から4月5日には、岐阜市の歯科医師・前田利行が山桜の根を接木した。前田は人間を診る歯科医師であるが、梅など古木の再生でも評判であった。1950年(昭和25年)には再生して開花した。
1959年(昭和34年)9月26日の伊勢湾台風により被害を受け、1967年(昭和42年)4月11日には宇野千代が訪れて惨状を憂いた[1]。1968年(昭和43年)には雑誌『太陽』4月号に宇野による寄稿文「淡墨桜」が掲載され[1]、岐阜県知事の平野三郎が県文化財審議会に保護再生を諮った。その後生物学者の堀武義(岐阜大学)により診断が行われ、再生策がまとめられた。
2003年(平成15年)には飛騨・美濃さくら三十三選に選定された。2008年(平成20年)には本桜を含む14種の花の種を国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」に8カ月半滞在させた後に地球へ戻し、無重力状態が発育に与える影響などを調べるという実験が行なわれた。
所在地
花見客の便宜を図るために、樽見鉄道は4月1日から15日頃に特別ダイヤ(桜ダイヤ)で運行している。本巣地域では淡墨桜に向かう国道157号が「淡墨街道」と呼ばれる。
関連する作品
文学
- 『真清探當證』(古書)『真清探當證 復刻版』2015年有限会社人の森
- 『生きて行く私』 - 宇野千代著。
- 『薄墨の桜』 - 宇野千代著。
- 『淡墨桜』 - 宇野仟江子著。
- 『桜守』 - 水上勉著。
- 『生きよ淡墨桜―前田利行の反骨の生涯』 - 桑原恭子著。
音楽
- 『樹魂の歌』 - 藤掛廣幸作曲。『淡墨の桜と大陶壁』に向けた作品。
- 『淡墨桜』 - 石原詢子の曲。岐阜県出身の石原は飛騨・美濃観光大使を務めており、自治体主催の式典においても同曲を歌唱することがある。
- 『淡墨桜』 - 夏木綾子の曲。
- 『淡墨ザクラ』 - MEGAHORN&アリタックの曲。
映画
- 『薄墨の桜』- 羽田澄子監督作品。
絵画
- 日本画『淡墨桜』 - 中島千波作。
- 切手『淡墨桜』 - 伊藤嘉晃作。80円切手。
- 美濃焼『淡墨の桜と大陶壁』(岐阜メモリアルセンター)
脚注
関連項目
外部リンク
座標: 北緯35度37分56.0秒 東経136度36分31.6秒 / 北緯35.632222度 東経136.608778度