「ねじれた家」の版間の差分
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2021年8月17日 (火) 22:40時点における版
『ねじれた家』(ねじれたいえ、原題:Crooked House)は、イギリスの女流作家アガサ・クリスティの推理小説。1949年に発表された。
原題 "Crooked House" は、作品中に引用されているマザー・グースの童謡 "There was a crooked man"(ねじれた男がおりました)の最終節の歌詞 "in a little crooked house" に由来する[注 1][注 2]。
本作は、『無実はさいなむ』とともにクリスティが自作の中でもっとも満足していると語った作品である[注 3]。
あらすじ
ねじれた家に住むアリスタイド・レオニデスが毒殺される。アリスタイドの孫娘ソフィア・レオニデスの恋人のチャールズ・ヘイワードは、ロンドン警視庁副総監である父や、タヴァナー主任警部、そしてソフィアとともに事件を捜査する。
しかしその最中、さらに第2の殺人が起こる。
登場人物
- チャールズ・ヘイワード
- 外交官。ソフィアの婚約者。本作の語り手。
- ソフィア・レオニデス
- チャールズの婚約者でフィリップの長女。
- アリスタイド・レオニデス
- ソフィアの祖父で、大金持ち。トルコ生まれのギリシャ人。24歳の時にロンドンに来て事業を興した。
- マーシア・レオニデス
- ソフィアの先妻。故人。
- ブレンダ・レオニデス
- アリスタイドの若い後妻。34歳。
- エディス・デ・ハヴィランド
- マーシアの姉、ソフィアの大おば。レオニデス家に住んでいる。
- ロジャー・レオニデス
- アリスタイドの長男。
- クレメンシイ・レオニデス
- ロジャーの妻。科学者。
- フィリップ・レオニデス
- アリスタイドの次男でソフィア、ユースティス、ジョセフィンの父親。
- マグダ・レオニデス
- フィリップの妻でソフィア、ユースティス、ジョセフィンの母親。舞台女優、旧姓は「ウェスト」。
- ユースティス・レオニデス
- フィリップの長男。16歳。軽症のポリオ後遺症を患っている。
- ジョセフィン・レオニデス
- フィリップの次女。12歳。
- ローレンス・ブラウン
- ユースティス、ジョセフィンの家庭教師。30歳前後。
- ジャネット・ロウ
- 使用人兼乳母。
- ゲイツキル
- 弁護士。
- アーサー・ヘイワード
- チャールズの父。ロンドン警視庁副総監。
- タヴァナー
- 主任警部。
映画化
アガサ・クリスティー ねじれた家 | |
---|---|
Crooked House | |
監督 | ジル・パケ=ブランネール |
脚本 |
ジュリアン・フェロウズ ティム・ローズ・プライス ジル・パケ=ブランネール |
原作 |
アガサ・クリスティ 『ねじれた家』 |
製作 |
ジェームズ・スプリング サリー・ウッド ジョー・エイブラムス |
製作総指揮 |
ポール・B・エンバーリー ティム・スミス ジェームズ・スウォーブリック ジョン・ストーリー スチュワート・ピーター アンダース・エアデン ジェイ・ファイアストーン フィル・ハント コンプトン・ロス サニー・ボラ アンドリュー・ボスウェル リサ・ウォロフスキー |
出演者 |
グレン・クローズ テレンス・スタンプ マックス・アイアンズ |
音楽 | ヒューゴ・デ・チェア |
撮影 | セバスティアン・ウィンテロ |
編集 | ピーター・クリステリス |
製作会社 | ブリリアント・フィルムズ |
配給 | |
公開 | |
上映時間 | 115分 |
製作国 |
イギリス アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $10,000,000[3] |
興行収入 |
$3,682,156[4] 7500万円[5] |
2017年に『アガサ・クリスティー ねじれた家』(原題:Crooked House)のタイトルで初映画化。英国では2017年12月17日にチャンネル5で放映された。
原作からの変更点
一部の登場人物の設定が原作から変更されている。チャールズは外交官を辞め、私立探偵となっており、ソフィアとも別れている。また、父アーサーは何らかの事件で殺害され、犯人は見つかっていない。レオニデス家では、ロジャーが次男、フィリップが長男になっている。
キャスト
※括弧内は日本語吹替[6]
- イーディス・デ・ハヴィランド: グレン・クローズ(唐沢潤)
- タヴァナー主任警部: テレンス・スタンプ(蓮岳大)
- チャールズ・ヘイワード: マックス・アイアンズ(村井雄治)
- ソフィア・レオニデス: ステファニー・マティーニ(生田ひかる)
- フィリップ・レオニデス: ジュリアン・サンズ(宮崎敦吉)
- ジョセフィーン・レオニデス: オナー・ニーフシー
- ロジャー・レオニデス: クリスチャン・マッケイ
- クレメンシー・レオニデス: アマンダ・アビントン
- マグダ・レオニデス: ジリアン・アンダーソン
- ブレンダ・レオニデス: クリスティーナ・ヘンドリックス(青山玲菜)
作品の評価
Rotten Tomatoesによれば、30件の評論のうち、57パーセントにあたる17件が高く評価しており、平均して10点満点中5.1点を得ている[7]。Metacriticによれば、8件の評論のうち、高評価は4件、賛否混在は2件、低評価は2件で、平均して100点満点中59点を得ている[8]。
脚注
注釈
- ^ "There was a crooked man" の "crooked man" には、直訳の「曲がった男」から「ひねくれおとこ」(谷川俊太郎)や「つむじまがり」(竹久夢二)など、様々な訳がある。
- ^ アーサー・コナン・ドイルの短編集『シャーロック・ホームズの回想』の中に「背中の曲がった男」(The Adventure of the Crooked Man) という作品がある。ただし、話の内容は童謡には関係がない。
- ^ 作者は「自作の探偵小説の中で、わたしがもっとも満足している二作は『ねじれた家』と『無実はさいなむ』である」と述べている[1]。
出典
- ^ 『アガサ・クリスティー自伝』 (ハヤカワ文庫)参照。
- ^ “A・クリスティが遺産をめぐる一族描いた「ねじれた家」 G・クローズ主演で初映画化”. 映画.com. (2019年1月30日) 2019年1月30日閲覧。
- ^ “Crooked House” (英語). Cinando. 19 October 2016閲覧。
- ^ “Crooked House” (英語). Box Office Mojo. 2020年4月19日閲覧。
- ^ 『キネマ旬報』2020年3月下旬特別号 59頁
- ^ “アガサ・クリスティー ねじれた家”. WOWOW. 2020年4月23日閲覧。
- ^ “Crooked House (2017)” (英語). Rotten Tomatoes. 2020年4月19日閲覧。
- ^ “Crooked House Reviews” (英語). Metacritic. 2020年4月19日閲覧。
外部リンク
- 映画
- ウィキメディア・コモンズには、Crooked House (2017 film)に関するカテゴリがあります。
- 映画「アガサ・クリスティー ねじれた家」公式サイト
- アガサ・クリスティー ねじれた家 - allcinema
- アガサ・クリスティー ねじれた家 - KINENOTE
- Crooked House - オールムービー
- Crooked House - IMDb