「パプリカ (アニメ映画)」の版間の差分
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| 上映時間 = 90分 |
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2021年8月18日 (水) 00:54時点における版
パプリカ | |
---|---|
監督 | 今敏 |
脚本 |
水上清資 今敏 |
原作 | 筒井康隆 |
出演者 |
林原めぐみ 江守徹 堀勝之祐 古谷徹 大塚明夫 山寺宏一 田中秀幸 こおろぎさとみ 阪口大助 岩田光央 愛河里花子 |
音楽 | 平沢進 |
主題歌 | 平沢進『白虎野の娘』 |
編集 |
瀬山武司 神宮司由美 |
制作会社 | マッドハウス |
配給 |
ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント ソニー・ピクチャーズ クラシックス |
公開 |
2006年9月2日(VIFF) 2006年11月25日 |
上映時間 | 90分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
製作費 | 3億円[1] |
『パプリカ』(PAPRIKA)は、2006年の日本のアニメーション映画。監督は今敏、原作は筒井康隆による同名の長編SF小説。企画から完成までの制作期間は2年半[1]。
第63回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門へ正式出品される。また、第19回東京国際映画祭のanimecs TIFF 2006のオープニング上映作品ともなっている。
世界最古の映画機関の一つである英国映画協会(BFI)が選択した、「1925年から2020年までの年代別傑作日本映画」にて選ばれた数少ないアニメ作品の中で、1988年度の『AKIRA』や2001年度の『千と千尋の神隠し』などと共に、2006年度の傑作日本映画として選ばれている[2]。
キャッチコピーは「私の夢が、犯されている―」「夢が犯されていく―」。
ストーリー
精神医療総合研究所で働く千葉敦子は、天才科学者である時田浩作が発明した夢を共有する装置・DCミニを使用し、別人格パプリカの姿で悪夢に悩まされている患者の治療を行う優秀なサイコセラピスト。ある日、DCミニが研究所から盗まれてしまい、装置を悪用して他人の夢に強制介入し、悪夢を見せて精神崩壊を起こさせる事件が発生してしまう。敦子達は犯人の正体と目的、そして終わり無き悪夢から抜け出す方法を探る。
作品
原作者の筒井自身が監督の今敏との対談で映画化をして欲しいと語ったものが実現した。
古谷徹が肥満体の時田役の声のイメージに悩んでいた際、スタッフに「アムロのままでいいですか?」と尋ねたところ、快く了承された。
作品中の映画館のシーンでは『パーフェクトブルー』『千年女優』『東京ゴッドファーザーズ』など歴代今敏監督作品の看板が居並ぶ先、作中にて上映中の「夢見る子供たち」をパプリカ(千葉)が粉川に勧め、入場切符を購入した場面でスタッフロールに切り替わる。
登場人物
- 千葉敦子(ちば あつこ) / パプリカ
- 声 - 林原めぐみ
- 本作の主人公で、研究所でも一目置かれているサイコセラピスト。DCミニを使用し別人格パプリカの姿で患者の夢に潜り込み、悪夢の原因を探るなどの治療を行っている。
- 常に冷静沈着で理知的なクールビューティーだが、彼女の別人格であるパプリカは天真爛漫で無邪気な少女のような姿をしている。
- DCミニが盗まれたと知ったときには時田の管理能力の低さに厳しい言葉を浴びせるが、彼の天才的な技術には絶大な信頼を寄せている。
- 装置の悪用による島の発狂現場に居合わせており、悪夢の中に潜って彼を現実世界へと引き戻した。その後も立て続けに起こる事件を食い止めるため犯人探しに奔走する。
- 島寅太郎(しま とらたろう)
- 声 - 堀勝之祐
- 千葉らが所属する研究所の所長ならびにDCミニの開発担当責任者を務める、明朗快活な初老男性。
- 物語序盤でDCミニの悪用による精神攻撃を受けたことで発狂し、研究所の窓から飛び降りて大怪我を負う。昏睡状態のまま悪夢に捕らわれてしまうが、千葉(パプリカ)の活躍により無事に現実世界へ戻ることができた。覚醒後は千葉らと協力し、事件の犯人を追う。
- 時田浩作(ときた こうさく)
- 声 - 古谷徹
- 千葉らと同じ研究所で働く研究員。DCミニの開発者であり天才科学者と称されているが非常に子供っぽい性格で、エレベーターから出るにも苦労するほどの肥満体型。
- DCミニを盗んだ氷室とは友人であったため、彼に対して疑問と怒りを覚えていた。同僚の千葉とは親しい仲で、気さくに「あっちゃん」と呼んでいる。
- 粉川利美(こながわ としみ)
- 声 - 大塚明夫
- 千葉(パプリカ)による治療を受けている刑事。悪夢に悩まされており、旧知の仲の島からDCミニによる治療を紹介された。
- 強面だが少し抜けている面もあり、コミカルで親しみやすい男性。研究所を訪れた際、初対面の千葉に見惚れ、同時にパプリカの正体が彼女であることを見抜いた。
- 乾精次郎(いぬい せいじろう)
- 声 - 江守徹
- 研究所の理事長を務める老人。下半身不随のため車椅子で移動している。DCミニをあまり快く思っておらず、危険性を重視し開発中止も検討している。
- 小山内守雄(おさない もりお)
- 声 - 山寺宏一
- 研究所の職員。千葉に好意を抱いているが相手にされておらず歯がゆい思いをしている。また、優秀な時田に対して嫉妬心を抱いているなど少し影のある青年。
- あいつ
- 声 - 田中秀幸
- 粉川の悪夢に登場する男性で、シルエットに覆われておりはっきりとした姿は見えない。終盤でようやく粉川は彼の正体に気づく。
- 日本人形
- 声 - こおろぎさとみ
- 劇中の悪夢に必ず登場する、おかっぱで赤い着物を着た無表情の日本人形。他人の顔に変化したり、巨大化することもある。
- 氷室啓(ひむろ けい)
- 声 - 阪口大助
- 時田と共にDCミニの開発に携わっていた研究員。時田の才能に嫉妬しDCミニを無断で持ち出すが、自身も悪夢に飲み込まれ昏睡状態となる。
- 津村保志
- 声 - 岩田光央
- 柿本信枝
- 声 - 愛河里花子
- レポーター
- 声 - 太田真一郎
- 奇術師
- 声 - ふくまつ進紗
- ウェイトレス
- 声 - 川瀬晶子
- アナウンス
- 声 - 泉久実子
- 研究員
- 声 - 勝杏里
- 所員
- 声 - 宮下栄治
- ピエロ
- 声 - 三戸耕三
- その他
- 玖珂
- 声 - 筒井康隆(特別出演)
- ネット上でのバー「RADIO CLUB」のバーテン。
- 陣内
- 声 - 今敏(特別出演)
- 「RADIO CLUB」のバーテン。
スタッフ
- 原作:筒井康隆
- 監督:今敏
- 企画:丸山正雄(マッドハウス)
- 脚本:水上清資、今敏
- キャラクターデザイン・作画監督:安藤雅司
- 作画監督補佐:井上俊之、井上鋭、三原三千夫
- 原図協力:末武康光
- 色彩設計:橋本賢 (DR TOKYO)
- 美術監督:池信孝
- 美術監督補佐:東地和生
- 撮影監督・CGディレクター:加藤道哉
- 編集:瀬山武司(瀬山編集室)、神宮司由美 (DR TOKYO)
- 演出助手:吉野智美
- タイトルデザイン:イナガキキヨシ
- 音楽:平沢進
- 音楽制作:ケイオスユニオン
- 音響監督:三間雅文(テクノサウンド)
- 音響効果:倉橋静男(サウンドボックス)
- 効果助手:米原想(サウンドボックス)
- 録音スタジオ:アオイスタジオ、トライスクルスタジオ
- 音響制作:テクノサウンド(中島朋子・丸浩育)
- 支援:文化庁
- 制作プロデューサー:豊田智紀
- 制作担当:橋本健太郎(マッドハウス)
- アニメーション制作:マッドハウス
- 配給・宣伝:ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
- 宣伝プロデューサー:後藤優
- アソシエイトプロデューサー:二方由紀子(マッドハウス)、森島太朗
- アシスタントプロデューサー:原史倫(マッドハウス)、小川淳
- プロデューサー:丸田順悟(マッドハウス)、滝山雅夫(ソニー・ピクチャーズ)
- 製作:パプリカ製作委員会(マッドハウス、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント)
- エンディングテーマ:「白虎野」[注 1](作詞・作曲・編曲:平沢進)
公開・反響
- 本作はアメリカでも公開されており、公開19週目には興収が87万ドル(当時の円換算(115.5円)で1億円)を突破した。当時のアメリカでは、日本の劇場アニメが興収1億円を突破したのは2005年の『ハウルの動く城』以来2年ぶり(通算12作目)であり、なおかつ成人向けを示すR指定の劇場アニメが興収で1億円を超えたのは2003年に公開された『カウボーイビバップ 天国の扉』及び本作の2作品だけである[3]。
- 映画批評サイトRotten Tomatoesでは批評家から84%、観客から87%の肯定的評価を得ている[4]。
- 2010年に逝去した今敏の一周忌にあたる2011年8月25日、ドリパスによる追悼企画として『パプリカ』および『東京ゴッドファーザーズ』の連続上映するレイトショーが新宿バルト9にて開催された[5]。また、作品の上映間にはドリパス設立者の五十嵐壮太郎をホストとして、『パプリカ』で主役を担当した声優の林原めぐみが登壇してトークショーが行われた。
- ハリウッド・リポーター選出の大人向けアニメ映画のベスト10において8位にランクインした[6]。
- クリストファー・ノーラン監督・脚本・製作による2010年のアメリカ映画『インセプション』には本作の影響が色濃く見て取れ、本作は他人と夢を共有できる装置の発明をめぐり、悪夢を見させる夢のテロリストと夢探偵パプリカの戦いを描くが、『インセプション』も他人の夢に侵入して潜在意識の中からアイデアや情報を抜き出す産業スパイが登場し、ホテルの部屋から飛び出した男が廊下を進むうちに通路がねじれてゆくシーンや、空間の一部がガラスのように崩れ落ちるシーンなど本作のビジュアルにインスピレーションを受けているのは確かである[2][7]。
受賞
- 第12回アニメーション神戸 作品賞・劇場部門
- 第14回Chlotrudis Awardsベストデザイン賞
- 第25回ポルト国際映画祭Critics' Award受賞
- 第35回モントリオール・ニューシネマフェスティバルPublic's Choice Award受賞
- 第8回ニューポート・ビーチ・フィルム・フェスティバルFeature Film Award受賞
- 東京アニメアワード2007 優秀作品賞劇場映画部門、個人部門音楽賞(平沢進)
脚注
注釈
出典
- ^ a b “Interview 17-2007年4月アメリカから『パプリカ』に関して”. KON'S TONE. 2019年4月5日閲覧。
- ^ a b “The best Japanese film of every year – from 1925 to now” (英語). 英国映画協会. (2020年5月14日). オリジナルの2020年12月1日時点におけるアーカイブ。
- ^ 「パプリカ」 ロングラン公開5ヶ月目 米国興収1億円突破
- ^ https://www.rottentomatoes.com/m/paprika/
- ^ 新宿経済新聞 2011年08月5日
- ^ “米誌選出「大人向けアニメ映画ベスト10」 日本映画最上位は「AKIRA」の4位”. 映画.com. (2016年8月17日). オリジナルの2016年8月17日時点におけるアーカイブ。
- ^ のざわよしのり (2020年10月4日). “没後10年、世界中のクリエイターに影響を与えた今敏監督の功績 未発表作はどう決着する?”. リアルサウンド. オリジナルの2021年2月7日時点におけるアーカイブ。