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2021年10月7日 (木) 20:06時点における版
共に民主党 더불어민주당 | |
---|---|
英語の名称 | Democratic Party of Korea |
党代表 | 宋永吉 |
院内代表 | 尹昊重 |
圏域別最高委員 |
金栄珠 全海澈 崔仁昊 金椿鎮 沈基俊 |
部門別最高委員 |
宋鉉燮 梁香子 金炳官 |
創立 | 2014年3月26日 | (新政治民主連合として)
前身政党 |
民主党 新政治連合 新政治民主連合 |
本部所在地 | ソウル特別市永登浦区国会大路六十八ギル14 |
党員・党友数 |
4,065,408人[1] (2019年) |
政治的思想 |
リベラル[2][3] 社会自由主義[4] 進歩主義・革新[5][6] |
政治的立場 | 中道左派[7][8][9] |
公式カラー | 青色 |
国会 |
174 / 300 |
広域団体長 |
12 / 17 |
広域議会 |
653 / 824 |
基礎団体長 |
155 / 226 |
基礎議会 |
1,600 / 2,927 |
公式サイト | |
http://theminjoo.kr/ | |
大韓民国の政治 大韓民国の政党一覧 大韓民国の選挙 2014年7月30日まで党首は共同代表制を採用。国会の議席数は2018年6月14日時点、広域団体長・議会と基礎団体長・議会の議席数は2018年7月1日時点である。 |
トブロ民主党 | |
---|---|
トブロ民主党本部 | |
各種表記 | |
ハングル: | 더불어민주당 |
漢字: | 더불어民主黨 |
発音: | トブロミンジュダン |
日本語読み: | とぶろみんしゅとう |
英語表記: | Democratic Party of Korea |
共に民主党(ともにみんしゅとう、朝鮮語: 더불어민주당)は、韓国のリベラル政党である。2017年から大統領を務める文在寅(文在寅政権)を擁立する与党であり、国民の力と並ぶ二大政党のひとつである。
党名
現党名は2015年12月から使用されているもので、2014年3月の結成時点では新政治民主連合しんせいじみんしゅれんごう、朝鮮語: 새정치민주연합)を党名としていた。改称当初の略称はト民主(朝鮮語: 더민주)[注 1][10] であったが、2016年10月に院外政党の民主党[11] と統合した事に伴い民主党(민주당)も略称として用いることになった。また、英語名も当初は「The Minjoo Party of Korea」だったが後に「Democratic Party of Korea」へと改められた[12][13]。
概説
前身となる新政治民主連合は、韓国における権威主義政権時代の野党勢力の流れを汲む政党だった民主党と2012年大統領選挙序盤戦において旋風を巻き起こした安哲秀率いる新政治連合(結党準備委員会)が統合して2014年3月26日に結成された[14]。翌27日、民主党を吸収合党したことで、セヌリ党(現、自由韓国党)に次ぐ第2党となった[15]。シンボルカラーは海青色[16]。年代別支持は20代~40代など青壮年層で高く、地域別では旧、民主党を引き継ぐ形で南西部の湖南(全羅道)[17] を強固な支持基盤としていたが、現党名に変更した後の2016年総選挙では同党を離党した安哲秀が結成した国民の党に地盤を奪われる結果となった[18] が、翌2017年5月の大統領選挙では、全羅北道、全羅南道、光州広域市のいずれでも共に民主党の文在寅が国民の党の安哲秀に大差をつけて圧勝した。2018年6月の統一地方選挙でも圧勝し、完全に全羅道の地盤を回復。また2020年総選挙では全羅道の議席をほぼ独占した[19]。
新政治連合時代は創党発起人宣言文において「省察的進歩と合理的保守を合わせた正しい福祉国家を追求する」とした他、「民主的市場経済を志向」や「選別と普遍の戦略的組み合わせによるわが国の実情にあった福祉社会」を作ることを明らかにする一方で、「しっかりした安保政策に基づいて、非核化と平和体制を推進し、自由民主主義的な基本秩序に基づいた平和統一を準備する」ことを強調するなど、政治的立場は民主党時代よりも保守色が強まったとの指摘がされていた[20][21]。しかし共に民主党として戦った2016年総選挙の当選者に対して新聞社が行ったアンケートでは6割強が自身の政治的立場を中道進歩(中道革新)と回答し、3割近くは中道と回答するなど、相対的に中道進歩色が強くなっている[22]。
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沿革
統合新党結成まで
2014年3月2日、金ハンギル(民主党代表)と安哲秀(新政治連合中央運営委員長)は共同で記者会見を行い、同月末までに両党が統合して新党を結成することを表明。統合宣言翌日、両党から同数の参加者で構成された「新党推進団」と「政策企画チーム」が発足、統合新党の結成に向けた両党間の協議が行われ、5日には金ハンギルと安哲秀を統合新党の共同代表とすること、両党から同数の役員で指導部を構成することで合意。新党の結成方法については、民主党が解党して統合新党へ合流する方式を希望する新政治連合側と党が存続した形での合流を希望する民主党との間で隔たりがあったが、最終的に新政治連合と民主党の一部政治家が共同発起人となって新党を結成した後で民主党が合流する方式を取ることで最終合意した。
新党の党名については、民主党と新政治連合の双方が公募を行い、民主党は「新政治民主連合」や「新政治民主党」を、新政治連合は「新政治国民連合」をそれぞれ提示。最終的に「新政治民主連合」(略称:新政治連合)で確定したが、党名に「民主」が含まれることに難色を示す新政治連合関係者に対し、民主党古参幹部が直接説得に乗り出すなど、紆余曲折もあった[23]。また政綱政策を作成する過程でも、新政治連合が「不要な理念論争を避けるため」として金大中・盧武鉉政権時代における南北首脳会談の成果である6・15南北共同宣言と10.4南北首脳宣言、韓国民主化運動の象徴である5.18光州民主化運動などの記述を削除すべきと主張したことに対し、民主党側が強く反発するなど、両者間の葛藤が生じた[24][25][26]。
3月16日に行われた統合新党創党発起人大会で、金ハンギルと安哲秀を創党準備委員会の共同委員長に選出[27]。18日の京畿道支部結成大会[28] を皮切りに、党結成に必要な支部作り[29] を進め、26日に結党大会を開催、金ハンギルと安哲秀を共同代表に選出した。
6・4地方選挙
統合新党結成における名分に「(6・4地方選挙の)基礎選挙における政党公認廃止」が挙げられていたが、統合新党の結成過程において、政党公認廃止に対する批判の声が民主党議員から相次いだ他、党の政策を決める新政治ビジョン委員会の関係者からも見直しを示唆する声が挙がった[30]。
こうした批判の声に対し、民主党関係者と安哲秀は基礎選挙政党公認廃止を維持する方針を重ねて示した。新政治民主連合の発足で共同代表となった安哲秀は30日、(大統領選挙時に基礎選挙政党公認廃止を約束した)朴槿恵との会談を要求したのに続き、翌31日、合同後初めて行われた議員総会でも盧武鉉元大統領の政治姿勢に言及して基礎選挙政党公認廃止への理解を求めると街頭署名活動を開始した[31]。しかし、公認候補を擁立しない場合、公認候補擁立に転じていたセヌリ党が圧倒的有利となる事態を憂慮した親盧派など旧主流派は無公認撤回を強く要求、朴槿恵の姿勢を変えることもできなかった。基礎選挙に対する党の方針を再決定するため、9日に基礎選挙での党公認候補擁立の是非を問う党員投票と世論調査を実施[32]。その結果、賛成意見が(党員投票と世論調査の合算で)53.44%となり、反対とした46.56%を上回る結果となり、基礎選挙無公認の当初方針を撤回して基礎選挙でも党公認候補を擁立することになった[33]。
広域団体長選挙ではソウル特別市など17箇所中9箇所で勝利し、公認をめぐる党内葛藤で落選の危機が指摘されていた光州においても公認候補が無所属候補を大差で下して当選した。しかし基礎団体長選挙では、226箇所中80箇所の勝利に留まり、117箇所で勝利したセヌリ党に敗北[34]。党の強固な地盤である全羅道では基礎団体長候補の公認をめぐる葛藤から無所属出馬が相次ぎ、北道14箇所中7箇所、南道でも22箇所中8箇所で無所属候補が当選し、金大中元大統領の政治的故郷である木浦市では初めて無所属に市長の座を明け渡す結果となった[35]。また広域比例代表でセヌリ党をリードできた地域は17箇所中5箇所(光州市、大田市、世宗市、全羅北道、全羅南道)のみで、朴元淳が圧勝したソウルでもセヌリ党と同率に留まり、総選挙や大統領選挙の勝敗を左右するとされる中原地域(江原道、忠清北道、忠清南道)では、セヌリ党に13.4~23.8%の差をつけられるなど、党に対する支持が充分には広がっていないことを示す結果となった[36]。
7・30再補選惨敗と党内対立
地方選挙直後の7月30日に15選挙区で行われた国会議員再補欠選挙では、戦略公認波動と光州市から立候補した候補者の夫の財産虚偽申告疑惑などで党に対する支持率が低下、選挙の要とされた首都圏において6選挙区中5選挙区でセヌリ党に敗北、党の強固な地盤とされた全羅南道では1988年総選挙以来、初めて保守系政党の候補に敗れるなど、15選挙区中4選挙区での勝利に留まり惨敗した[37]。翌31日、金ハンギルと安哲秀共同代表以下の党指導部全員が再補選敗北の責任を取って辞任を表明、朴映宣院内代表を代表職務代行とする非常対策委員会体制へと移行[38]。新指導部の選出については下半期の国会運営日程などを考慮し、2015年1月~3月頃に全党大会を開いて選出することを決定(8月1日)した[39]。8月4日に行われた議員総会で院内代表(代表職務代行も兼務)である朴映宣を非常対策委員長(党代表に該当)に選出[40]。翌5日に「国民共感革新委員会」(仮称)と命名した非常対策委員会を発足させ、再補選で惨敗した党の立て直しに取り組むことになった[41]。
しかし、非常対策委員会発足直後における党の支持率は21%と安哲秀との統合以前の民主党の水準にまで低下、伝統的な支持基盤であるはずの湖南でも30%台に留まるなど党への強い失望感を反映する結果となった[42]。また非常対策委員長となった朴映宣に対し、セウォル号特別法制定をめぐる与党、セヌリ党との交渉過程で遺族や党の意思が充分に反映されなかったこと、後任の非常対策委員長に2012年大統領選挙で朴槿恵大統領の選挙対策委員を務めた大学教授を起用する意向を示したことに党内の一部からは強い反発と委員長辞任を求める声が挙がった。これに反発した朴映宣が委員長辞任と離党を示唆する事態になった[43] が、重鎮議員などの要求を受け入れる形で離党の意向については撤回し、委員長職は辞任する意向を示した[44]。離党問題で深刻な内紛状態に陥った新政治連合は9月18日、後任の非常対策委員長に民主統合党の非常対策委員長も務めた経験があり、派閥色が薄く「管理型リーダー」との評価が強い文喜相を選出[45]。同月21日には、文在寅(親盧派)や丁世均および朴智元(旧民主、湖南系)など党内主要派閥の領袖を含めた6名による非常対策委員会を構成、翌22日に正式発足した。
文在寅指導部、4・29再補選全敗と党内対立
2015年2月8日、第1次全国代議員大会が行われ、2012年大統領選挙時における最大野党である民主統合党の候補で盧武鉉元大統領の側近であった文在寅が、朴智元と李仁栄を抑えて新代表に選出。併せて5人の最高委員も選出された[46]。
新指導部発足直後の4月に4選挙区(3選挙区は統合進歩党解散に因る補欠選挙、残る1選挙区はセヌリ党議員の当選無効に因る再選挙)で投票が行われた国会議員再補選では、朴槿恵大統領側近の裏金疑惑が浮上したにも関わらず、伝統的に野党の地盤とされてきたソウル市冠岳区(乙)をセヌリ党が27年ぶりに奪った他、党の強固な地盤とされてきた光州市(西区乙)では離党して無所属で立候補した千正培(盧武鉉政権時代に法務部長官を務めた)が当選するなど、4選挙区すべてで敗北する厳しい結果となった[47]。代表の文在寅は「皆が最善を尽くしたが、私どもが不足であった。 特に私が不足した」と再補選における全敗について謝罪したうえで「今回の選挙は私たちの足りなさに対する叱責にすぎず、朴槿恵政府とセヌリ党に免罪符を与えたわけではない」との立場を示した[48]。
しかし選挙後の5月4日に行われた最高会議の場では、非主流派(非盧派)に属する最高委員から「選挙結果についてどう責任をとるのか、国民の前で明確な立場を示すべき」「退かないなら、少なくとも覇権政治清算の約束など具体的対策をすべき」と文代表に対する批判が噴出した[49]。これに対し、主流派(親盧派)の最高委員が「辞職せずに、辞職するよう脅しをかけたことが大問題だ」と批判、非主流派最高委員の側は自らの辞職と党指導部の総辞職を主張して最高会議の場から退場する事態となり、深刻な内紛状態に陥った[50]。支持率も22%で結党以来、最低を記録することになる。
「共に民主党」への党名改称と朴政権弾劾
補選での全敗後、党内では親盧派と非盧派の対立が激化。9月初めには文在寅代表が自身の再信任を党員投票で問う意向を表明したが、党内の反発が強く同月21日に撤回に追い込まれ、直後の22日には党の重鎮議員である朴柱宣国会議員が離党を表明した[51]。また前共同代表で非主流派に位置する安哲秀は、文代表の辞任と党大会での新代表選出を求めたが、拒否されたことを受けて12月13日に離党を表明[52] するなど、党分裂に向けた動きが加速化した。こうした最中の12月28日、新政治民主連合は党名を「共に民主党」へ改称することを決定[53]。文在寅代表は翌2016年1月13日に党代表を辞任した[54]。
2016年4月の総選挙では首都圏で圧勝し、セヌリ党を僅差で抑えて第一党に浮上したが、強固な地盤であった全羅道では安哲秀が結成した国民の党に圧勝を許した他、比例得票数では第3党に留まった[55][56]。選挙後の8月27日に行なわれた全党大会で親文派が支援する秋美愛が代表に選出された。なお保守系の地盤である大邱、慶尚北道出身の議員が同党(前身政党も含めて)の代表になるのは初めての事である[57]。
崔順実ゲート事件をきっかけに党への支持率は上昇し、2017年3月の世論調査で政党支持率は46%を記録、過去最高の支持率を更新した[58]。
2017年大統領選挙での勝利、文在寅大統領誕生
憲法裁判所が朴槿恵大統領を罷免した事に伴い大統領選挙は5月9日に繰り上げ実施される事になった。民主党の予備選には5年前の2倍近くとなる有権者が選挙人として登録、前代表の文在寅の他、忠清南道知事の安熙正、城南市長の李在明など4人が立候補した[59][60]。各種世論調査の候補支持率でトップを維持していた文在寅は3月27日に行われた全羅道地域の投票で一位となったのを皮切りに[61]、忠清道(3月29日)と慶尚道(3月31日)の予備選でも一位を維持し続け[62][63]、4月3日の首都圏、江原道、済州道の予備選で1位となって累積得票で57%を獲得して党の正式な大統領候補となった[64]。
5月9日、開票の結果、文在寅の圧勝が伝えられ、20時に発表された地元の地上波3局(KBS、SBS、MBC)共同の出口調査では、文が4割余りのポイントを獲得し2位以下を大きくリードする情勢が伝えられる[65]。文は同日深夜に勝利宣言を行った[66]。一方の洪準杓(自由韓国党)、安哲秀(国民の党)の両候補はそれぞれ敗戦を認める声明を発表[67]。これにより、共に民主党が政権与党となることが確定。盧武鉉元大統領(当時、新千年民主党)以来、約9年ぶりの政権交代が実現した。
投開票日の翌日である5月10日に文、新大統領は、国会内で就任式を行い、第19代大統領としての任期を開始した[68][69]。
大統領選以降の2018年4月においても、依然として50%前後の政党支持率を維持している。
2018年統一地方選挙での圧勝
文在寅大統領と党の高い支持率を背景に、2018年6月13日に行われた統一地方選挙で、全国17か所の広域自治体の首長(広域団体長)選挙のうち14か所で勝利するなどして圧勝した[70]。仁川市長選、京畿道知事選で自由韓国党所属の現職を大差で破るなど、首都圏、全羅道、忠清道、江原道の広域団体長選で全勝したのみならず、1990年の三党合同による民主自由党の結成以降、民主自由党とその後継政党である歴代の保守政党(民主自由党→新韓国党→ハンナラ党→セヌリ党→自由韓国党)の強固な地盤で、1995年の地方自治制度導入以降、一度も民主党系政党の公認候補が勝利したことがなかった慶尚道地域でも、釜山市長選、蔚山市長選、慶尚南道知事選[71] で自由韓国党候補を大差で破って圧勝した。釜山市と蔚山市では現職を破り、自由韓国党代表の洪準杓が2017年4月まで知事を務めていた慶尚南道でも元職を破った。
また、同日に投票が行われた国会議員補欠選挙でも、12選挙区のうち候補者を擁立した11選挙区で全勝した[72]。
2018年8月25日、党代表選挙で李海瓚が宋永吉、金振杓らを破って代表に就任[73][74]。
選挙法改革と「共に市民党」
予てから文在寅政権と共に民主党は、民主化の進展を目指すにあたって公職選挙法の改革を検察制度改革と並ぶ「ファスト・トラック」(優先審査法案)に位置付けており[75]、対する右派の自由韓国党は革新勢力による「左派独裁の陰謀」として反対姿勢を取っていた[76]。共に民主党は当時の国会で少数与党だったことから正義党、民主平和党、正しい未来党の3党からも支持を取り付けて可決を目指し[75][77]、一方の自由韓国党は国会議事堂を一部占拠して抵抗した[78]。だが、「民主主義の擁護」を主張しながら直接行動に訴える手法への支持は広がらなかった[79]。その後、検察改革を主導する曹国び法務部長官を巡って政争(曺国事態)が起きると、自由韓国党は再び選挙法改革についても反対運動を活発化させ、採決を阻止する為に右派団体と国会議事堂前を占拠するなどの行動を行った[80]。だが、2019年12月27日に公選法改正案が賛成多数で可決され、新制度は第21代総選挙から導入される見込みとなった[81]。
選挙法改正によって、比例代表には「準連動型比例代表制」と称される新制度が導入された。新制度では、比例代表47議席のうち30議席が「連動型比例代表制」(連動率50%)によって配分され、残る17議席が従来通り政党得票率のみに基づいて配分される(詳細)。議席配分の計算式上、「準連動型比例代表制」の導入は少数政党に有利と見方が多く[81]、多党制による議会政治が定着すると期待された[82]。だが一方で、主要政党が衛星政党を用意する事で小政党の議席を影響下に置き、結果的に大政党中心の議会になるとの懸念も法改正の時点で持たれていた[83]。
新制度に対する懸念は、公選法改正案に反対していた自由韓国党が比例選挙に向けて「比例自由韓国党」を分党する構想を発表して現実化した[84]。2020年2月5日、「比例自由韓国党」は党名を「未来韓国党」に改めた上で分党され[85]、自由韓国党が幾つかの小政党と合流して「未来統合党」を結党すると未来統合党の衛星政党となった。左派・革新系の政治団体やメディアからは形振り構わない右派政党への批判が行われ、共に民主党は泥仕合に応じない事が期待されていた。しかし共に民主党内でも政治的理想より現実的な選挙に対する懸念が徐々に広がり、比例代表に特化した政党の樹立が模索された[86][87][88]。一時は分党ではなく民生党や緑色党など小政党との連立も模索されたが[89]、3月17日に 文在寅大統領を支持するプラットフォーム政党「市民のために」を母体に協力政党の設立を開始した[90]。
3月18日、「市民のために」が新たに党名を「共に市民党」に変更、比例候補に擁立された34名中20名が「共に民主党」から参加した[91]。「共に市民党」の結党によって正義党や緑色党といった左派・革新系の小政党は存在感を失い、支持率が急落した[92]。これまで検察改革や選挙法改革を支持してきた左派系メディアからは改革を自ら無力化したと批判の声が起きた[93]。しかし国民の間では依然として文政権と共に民主党が高支持率を維持し、対抗戦術を取った事で選挙戦を有利に進めることができた。
第21代総選挙における圧勝、総議席五分の三掌握
2020年4月16日、2019新型コロナウイルスに対する厳重な管理体制が敷かれる中で第21代総選挙が実施され[94]、共に民主党が単独過半数となる300議席中163議席を獲得、地滑り的な圧勝となった[95]。本選挙の結果、共に民主党は大統領選挙、国政選挙、地方選挙の全てにおいて勝利を収め、文在寅政権も与党が単独過半数を得た事で憲法改正を除く議案で強行採決が可能となり、任期後半の権力基盤を確たるものとした。また協力政党の「共に市民党」も17名が当選した事から、与党勢力が議会の5分の3を占めることとなった[95]。本会議への法案上程に在籍議員の五分の三以上の賛成を義務付ける国会先進化法の壁を突破したことで、これまで滞ってきた法案審議がスムーズ化する見通しが報じられている[96]。
選挙後の分析では、文政権や与党がコロナウィルスの国内流行問題で初動の躓きから防疫体制を立て直した事が好意的に評価され[97][98][99][100]、安定した支持率の維持に成功したと見られた。また、与党が大勝した要因として、反動に傾く野党第一党の未来統合党が中道右派や無党派の支持を失った事も挙げられた[98]。右派系の朝鮮日報は選挙結果について「文在寅政権もよくやったとは言えないが、未来統合党はダメだ」との声があったとし[98]、中央日報も未来統合党について「党名は変えても心がけと行動は一つも変わっていなかった」と批判的に評価した[99]。一方、左派系のハンギョレは社説で共に民主党に対し、「国民の支持に慢心せず、少数与党として改革が十分に進まなかった事への『厳しい叱咤』として受け止めるべき」とくぎを刺した[100]。こうした批判から李海瓚代表は「国民が与えた議席にはそれだけの責任が伴う。この事実を決して忘れず、常に謙虚な姿勢で国民の意見に耳を傾け、所期の成果を収めなければならない」、「開かれたウリ党の過ちを深く反省しなければならない[注 2]」と述べた[101]。
同年5月13日、共に民主党指導部は共に市民党と合同受任機関担当会議を開催し、共に民主党が共に市民党を吸収合併する形での合同手続きを完了した。これにより、基本所得党と時代転換に復党した2人と不動産登記疑惑で除名された1人を除く共に市民党の国会議員14名が合流し、共に民主党は国会で177議席を有する政党となった[102][103]。
総選挙後の同年8月29日、党代表選が行われ、元国務総理で次期大統領選挙の有力候補の1人である李洛淵が得票率66・77%の圧倒的な支持を得て代表に就任した[104]。李洛淵は2021年3月9日に記者会見し、2022年3月9日投開票予定の次期大統領選をにらみ、出馬への準備を本格化させるため、党代表の辞任を発表した。[105]。
4・7再補大敗と2022年大統領選挙の候補者選出
第21代総選挙からおよそ1年後の2021年4月7日、欠員となった地方自治体の首長または地方議会の議員を選出する補欠選挙(4・7再補欠選挙[106][107])が実施された。今回の選挙では21の首長または地方議員が選出されたが、共に民主党は全羅道で4つの地方議席を得るに留まり、ソウル市長補選・釜山市長補選で敗北する惨敗を喫した [108]。総選挙の圧勝から1年もたたずに惨敗した結果について、左派系のハンギョレは「文在寅政権による不動産政策の失敗と混乱[注 3]で不満が累積した上、公職者の不適切な行動[注 4]が重なり、与党に背を向けた民意が最後まで回復されなかった」と分析した[109]。また、中央日報は敗因について、政策運営において「傲慢であり、局面を誤認し、我を張った」活動があった上、選挙活動でネガティブ・キャンペーンに没頭したことで有権者から反発を受けた為と分析した [106]。選挙の大敗を受け、共に民主党は党執行部が4月8日に総退陣し[110]、5月1日に党代表として宋永吉を選出した[111]。また、4・7再補欠選挙は「来年の大統領選の前哨戦[110]」と目されていた為、選挙直後は党内非主流派の李在明に有利な状況になると予想された[112][113]。
同年6月30日、共に民主党は2022年大韓民国大統領選挙の公認候補を決める予備選の候補登録を締め切り、国務総理経験者の李洛淵と丁世均、李在明ら3名の現職道知事、現職国会議員3名、党代表経験者の秋美愛が名乗りを挙げた[114]。予備選候補者は党員と一般国民に対する世論調査で7月11日までに9人から6人へと絞り込まれたが[115]、新型コロナウイルスの感染拡大を理由として予備選の実施日が同年9月5日から10月10日へと延期された[116]。また、この月に李在明や李洛淵を始めとする各候補はネガティブ・キャンペーンを展開し、複数の韓国マスコミから苦言を呈される状態となった [117][118]。
政策
新政治民主連合結党大会前日の3月25日に公表された政綱、政策では「政治」「経済」「福祉」「雇用・労働」「男女平等」「社会的弱者・少数者」「外交・安保」「統一」「分権と均衡発展」など13分野にわたって党のビジョンを提示。前文では「正義」、「統合」、「繁栄」、「平和」を「新政治の時代的価値」として宣言。韓国における歴史的アイデンティティーに関連した部分では、上海臨時政府の法統、4月革命、釜馬民主抗争、光州民主化運動、6月民主抗争など民主化運動の価値を継承することも盛り込まれた。政綱における最重要箇所である統一政策に関連しては、民主党時代の綱領に盛り込まれていた6・15南北共同宣言と10.4南北首脳宣言に加え、7・4南北共同声明、南北基本合意書も新たに盛り込み、朴正煕元大統領から盧武鉉前大統領に至る南北間の基本合意書を継承することを明らかにした[119]。
共に民主党に党名改称した後の2016年8月12日、経済民主化や国家安保を前面に押し出した新たな綱領が採択[120] されたが、綱領前文から「労働者」の文言が外された事に反発する声が挙がり[121][122]、最終的に「労働者」の文言が復活するなど、紆余曲折もあった[123][124]。
2016年、中央日報が国会議員に行ったTHAADの配備に関するアンケートでは、党所属議員は導入に否定的であった[125]
2017年の文在寅の大統領就任以降、「20年政権構想」を推進する立場から続々と法案が国会に上程されており、国内保守派がそれらによって牽制され、当面保守系政党が政権復帰するのは困難ではないかという指摘もある[126]。
政綱前文
- 正義
- 集中された政治・経済権力の分散
- 各部分の権力談合構造の解消
- 社会的差別と不平等解消
- 資本と労働が共存する人間中心の経済
- 国家の民主的調整を通じての正義に沿った社会の建設
- 統合
- 共に生きる国民生活を保障
- 正義の福祉国家の実現を通じた社会統合の基盤作り
- 繁栄
- 革新経済で韓国経済の競争力を強化
- ネットワーク経済と社会的経済に対する積極的な支援
- 平和
個別政策
- 1.経済
-
- 公正な市場経済
- 革新的成長経済
- 共にする経済
- 農水産業の成長基盤造成と農漁村発展
- 経済の安定的運営及び危機管理
- 2.外交・安保
-
- 国民の安全を責任を負う堅固な安保
- 軍の士気高揚や報勲強化
- 国際社会に貢献する協力外交・公共外交
- 米韓同盟の発展と周辺国との協力を深化させる均衡外交
- 均衡のとれた通商政策
- 在外同胞の権益伸長と支援拡大
- 4.福祉
-
- 均等な機会と尊厳ある老後保障
- 社会安全網構築
- 国民健康の国家責任強化
- 社会的基本権としての住居権の保護
- 6.政治
-
- 権力の分散と相互牽制
- 権力機構の改革と国民信頼の回復
- 公職人事の公正性と透明性保障
- 不正腐敗剔抉と清廉社会具現
- 政治体制改革
- 代議民主主義と直接民主主義の結合
- 7.分権と均衡発展
-
- 相生・協力の分権政治の実現
- 地域経済活性化と地方財政
- 地域住民のための教育・文化の質を高める
- 8.教育
-
- 公正かつ均等な教育機会の保障
- 疎外階層のための教育支援拡大
- 機会均等選抜制と学歴社会の撤廃
- 公教育革新し、創意と希望の教育実現
- 大学教育の内実化と均衡的育成
- 質の高い学びの機会を提供する生涯学習社会実現
- 10.文化・芸術・体育
-
- 表現の自由と普遍的アプローチが保障される文化・芸術・体育
- 自律的な文化・芸術と文化産業育成
- 11.科学技術
-
- 科学技術者の自尊心鼓舞と研究環境の改善
- 効果的な研究開発支援体系の構築
- 科学技術政策の担当省庁設立
- 革新経済の構築と未来社会対備
- 12.環境・エネルギー
-
- 持続可能なエネルギー体制と資源革新型経済構造
- 事前予防原則に符合する環境政策
- 気候変化に対する能動的対応で未来安全確保
- 南北及び国際環境協力強化
- 13.言論・メディア
-
- 言論の自由とメディアの公共性保障
- 利用者の権益増進及び福祉を実現
- 公正と相生のメディア生態系構築
- 出典:“강령/정강 정책(綱領/政綱政策)”. 共に民主党 (2016年8月). 2017年5月20日閲覧。
党指導部
歴代代表
- 共同代表(2014年3月26日~7月31日)
- 国民革新共感委員長(2014年8月4日~9月17日)
- 非常対策委員長(2014年9月18日~2015年2月8日)
- 代表(2015年2月9日~2016年1月27日)
- 非常対策委員長(2016年1月27日~8月27日)
- 代表(2016年8月27日~2018年8月25日)
- 代表(2018年8月25日~2020年8月29日)
- 代表(2020年8月29日~2021年3月9日)
- 代表権限代行(2021年3月9日~2021年4月8日)
- 非常対策委員長
- 都鍾煥(2021年4月8日~2021年4月16日)
- 非常対策委員長
- 尹昊重(2021年4月16日~2021年5月2日)
- 代表
- 宋永吉(2021年5月2日~)
歴代院内代表
- 田炳憲(2014年3月26日~8月3日)
- 朴映宣(2014年8月4日~10月2日)
- 禹潤根(2014年10月4日~2015年5月6日)
- 李鐘杰(2015年5月7日~2016年5月3日)
- 禹相虎(2016年5月4日~2017年5月16日)
- 禹元植(2017年5月16日~2018年5月11日)
- 洪永杓(2018年5月11日~2019年5月8日)
- 李仁栄(2019年5月8日~2019年5月7日)
- 金太年(2020年5月7日~2021年4月8日)
- 尹昊重(2021年4月16日~2021年5月2日)
最高委員会
役職名 | 氏名 | 備考 | |
---|---|---|---|
漢字名 | ハングル | ||
代表 | 文在寅 | 문재인 | 当該記事を参照 |
院内代表 | 李鐘杰 | 이종걸 | |
選出職 最高委員 |
朱昇鎔 | 주승용 | |
田炳憲 | 전병헌 | ||
呉泳食 | 오영식 |
| |
兪承希 | 유승희 | ||
指名職 最高委員 |
秋美愛 | 추미애 | 当該記事を参照 |
李龍得 | 이용득 |
- 出典:“黨心에선 朴에 뒤진 文… “룰 전쟁 수혜자” 갈등 불씨로(党心では朴に立ち後れた文 … “ルール戦争受恵者” 葛藤火種に)”. 東亜日報(本国版). (2015年2月9日) 2015年2月21日閲覧。“새정치聯 또 탕평인사… 최고위원에 추미애-이용득(新政治連 また蕩平人事・・・最高委員に秋美愛-李龍得)”. 東亜日報. (2015年2月14日) 2015年2月21日閲覧。“새정치연합 새 원내대표에 비노·수도권 4선 이종걸(新政治連合の新代表に非盧・首都圏4選の李鍾杰)”. 聯合ニュース. (2015年5月7日) 2015年5月9日閲覧。2015年5月、鄭清来(정청래)は党職資格停止1年の懲戒処分を受けたことを理由に最高委員を辞職。
役職名 | 氏名 | 備考 | |
---|---|---|---|
漢字名 | ハングル | ||
代表 | 秋美愛 | 추미애 | 当該記事を参照 |
院内代表 | 禹元植 | 우원식 |
|
圏域別 最高委員 |
金栄珠 | 김영주 |
|
全海澈 | 전해철 |
| |
崔仁昊 | 최인호 |
| |
沈基俊 | 심기준 |
| |
金椿鎭 | 김춘진 |
| |
部門別 最高委員 |
梁香子 | 양향자 |
|
宋鉉燮 | 송현섭 |
| |
金炳官 | 김병관 |
|
- 出典:“중앙당 국민들을 위해 발로 뛰는 더불어민주당의 일꾼들입니다(中央党 国民のために足で走る共に民主党の働き手たちです)”. 共に民主党ホームページ. 2017年5月20日閲覧。
党内派閥
統合前における民主党では、親盧派(親盧武鉉)と孫鶴圭系、丁世均系、金槿泰元常任顧問に近い民平連グループ、共同代表である金ハンギルを中心とした新主流派が「共存」する構図であった[127]。新政治民主連合の結成により安哲秀グループが合流したことで、当初、党内には8つの派閥が存在していた[128]。結党当初の各派閥の領袖のうち、金ハンギル、安哲秀、孫鶴圭、鄭東泳はその後離党し、国民の党に入党。
- 親盧武鉉系
- 親金ハンギル系
- 親安哲秀系
- 486世代・民平連(金槿泰)系
- 親孫鶴圭系
- 親丁世均系
- 親鄭東泳系
共に民主党に党名変更された後、2016年4月の総選挙で当選した123名のうち、親文系(親文在寅系)を中心とした汎親盧系(親文系・民平連と86グループ・丁世均系・朴元淳市長と安熙正知事に近いグループ)の当選者は70名以上に達した[129]。また8月に行われた党大会では親文派からの全面支援を受けた秋美愛が5割以上の得票で代表に選出。同時に選出された最高委員(地域別最高委員5名+女性+青年+高齢者)も殆どは親文勢力に位置づけられている[130]。秋代表は「私が党の代表として存在する限り、どんな派閥も存在できない」と発言している[131]。その一方で2016年総選挙で非常対策委員会委員長を務めた保守系の重鎮政治家である金鍾仁が文在寅との不仲を理由に離党、側近議員も同調して離党するなどの動きもあった[132][133]。
年表
- 2014年
- 3月2日:民主党代表の金ハンギルと新政治連合中央運営委員長である安哲秀が6月に予定されている第6回全国同時地方選挙を前にした統合新党結成で合意[134]
- 3月5日:新党では金ハンギルと安哲秀が共同代表を務めること、執行部は両党から同数の役員で構成することで合意[135]。
- 3月7日:民主党と新政治連合、新党の結成方式で最終合意。新政治連合と民主党の一部が共同発起人となって新党を結成した後に民主党が合流する形式を採る[136]。
- 3月16日:結党発起人大会。金ハンギルと安哲秀を新党結成準備委員長に選出、党名を「新政治民主連合」(略称:新政治連合)とすることで確定[137]。
- 3月26日:結党大会。金ハンギルと安哲秀を共同代表に選出。
- 3月27日:民主党を吸収合党
- 4月10日:6・4地方選挙における基礎選挙無公認方針を撤回。
- 5月8日:新院内代表に3選議員である朴映宣を選出[138]。
- 6月4日:第6回全国同時地方選挙。広域団体長では9名当選、基礎団体長は80名が当選。
- 7月30日:国会議員再補欠選挙。選挙が行われた15選挙区中4選挙区の勝利に留まる[139]。
- 7月31日:党共同代表である金ハンギルと安哲秀以下、党指導部全員が再補選敗北の責任を取って辞任[140]。
- 8月4日:議員総会で朴映宣院内代表を非常対策委員長に選出。
- 8月5日:「国民共感革新委員会」(非常対策委員会)発足
- 9月11日:朴映宣院内代表、非常対策委員長にセヌリ党の非常対策委員を務めたイ・サンドン中央大学教授を内定。党内からは強い反発と批判が噴出[141]。
- 9月17日:離党の可能性について言及していた朴映宣院内代表、離党意思を撤回、委員長については辞任する意向を表明[44]。
- 9月18日:非常対策委員長に国会議員の文喜相(ムン・ヒサン)を選出[45]。
- 9月21日:文喜相非常対策委員長ほか、文在寅など党内主要派閥の領袖で構成される非常対策委員会が構成(22日正式発足)[142][143]。
- 10月2日:朴映宣院内代表が辞任(後任の院内代表が決まるまでは金瑛録<キム・ヨンロク>院内主席副代表が職務を代行)[144][145]。
- 10月9日:新たな院内代表に親盧派と旧主流派が推した禹潤根を選出(任期は朴映宣前院内代表の残余任期となる2015年5月初めまで)[146]。
- 2015年
- 1月11日:鄭東泳常任顧問(2007年大統領選挙における大統合民主新党の大統領候補)が離党[147]
- 2月8日:全国代議員大会にて文在寅(2012年大統領選挙における民主統合党の大統領候補)を新代表に選出。同時に最高委員5名も選出。
- 3月8日:千正培元法務部長官が離党[148]
- 4月29日:国会議員再補選。再補選が行われた4選挙区全てで全敗。
- 5月7日:院内代表選(国会議員による投票)で、非主流派の李鐘杰(イ・ジョンゴル)を選出[149]。
- 5月13日:文在寅代表、「暴言」波紋を招いた鄭清来最高委員の最高委員会への出席停止方針を表明(事実上の職務停止措置)[150]。
- 5月26日:倫理審判委員会、「暴言」波紋を招いた鄭清来最高委員に対し「党職資格停止1年」の処分を決定。これを受け、最高委員と地域委員長を辞任[151]。
- 6月23日:文在寅代表、新たな事務総長に汎主流派のチェ・ジェソンを任命[152]。
- 12月14日:安哲秀元共同代表が離党[153]。
- 12月28日:党名を「共に民主党」に変更[154]。
- 2016年
- 1月3日:金ハンギル前共同代表が離党[155]
- 1月20日:文在寅代表が辞意表明[156]。
- 1月27日:金鍾仁(選挙対策委員長)を非常対策委員長とした臨時指導部が発足[157]。
- 4月13日:第20代総選挙。首都圏で圧勝、123議席(比例13議席)を獲得してセヌリ党を1上回って第一党に浮上。しかし地盤としてきた全羅道では国民の党に惨敗、政党投票では国民の党を下回る第三位に留まる[158][159][160]。
- 8月27日:全党大会で親文派の支援を受けた秋美愛を代表に選出。
- 10月19日:院外政党の民主党と統合。
- 10月20日:孫鶴圭常任顧問が離党[161]。
- 10月21日:孫鶴圭系の議員1名が離党[162]。
- 2017年
- 2018年
- 2019年
- 5月8日:院内代表に非主流派で86世代グループを代表する李仁栄を選出[166]
- 2020年
党勢推移
総選挙
※総議席数300議席。
年 | 月日 | 代 | 議席数 | 得票率 (比例代表) |
備考 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
地域区 | 比例 代表 |
合計 | |||||
2016年 | 4月12日 | 第20代総選挙 | 110 | 13 | 123 | 25.5% | |
2020年 | 4月15日 | 第21代総選挙 | 163 | 17 | 180 | 33.35% | 比例代表は共に市民党として。 |
大統領選挙
年 | 月日 | 代 | 候補者名 | 得票数 | 得票率 | 当落 |
---|---|---|---|---|---|---|
2017年 | 5月9日 | 第19代大統領選挙 | 文在寅 | 13,423,800 | 41.08% | 当選 |
地方選挙
選挙 | 年月日 | 広域 団体長 |
基礎 団体長 |
広域議会 | 基礎議会 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
合計 | 地域区 | 比例代表 | 得票率 | 合計 | 地域区 | 比例代表 | ||||
第6回選挙 | 2014年6月4日 | 9 | 80 | 349 | 309 | 40 | 41.14% | 1,157 | 989 | 168 |
第7回選挙 | 2018年6月13日 | 14 | 151 | 652 | 605 | 47 | 51.42% | 1,638 | 1,400 | 238 |
- 出典:중앙선거관리위원회 선거통계시스템(中央選挙管理委員会 選挙統計システム)(2014年6月11日閲覧)。広域議会議員の得票率は比例代表選挙。
出来事
北朝鮮無人偵察機を巡って
4月11日、新政治民主連合の国会議員である鄭清来は国会外交統一委員会の全体会議で北朝鮮から侵入した無人偵察機について「北朝鮮から飛来したものではない」と疑問を呈する発言を行った[170][171]。これに対してセヌリ党は新政治民主連合に対して「従北宿主党」と批判、セヌリ党代表である黄祐呂も14日の最高会議で「天安の事件など安保関連事件が発生する度に野党は陰謀説を持ち出す」とした上で「新政治民主連合は所属議員の発言に対する立場を明らかにすべきだ」と批判した[172][173]。15日、新政治民主連合共同代表である金ハンギルは「言動には慎重を規して欲しい」とする旨の公開警告状を鄭清来に送付、3軍司令官出身の議員であるペク・グンギも「我が党のある議員が「北朝鮮が送ったものではないのかもしれない」として論難が起きている」「残念だ」と指摘した[174]。
2014年光州市長選挙の候補公認をめぐる党内葛藤
2014年5月2日、同年6月に予定されている全国同時地方選挙における光州広域市長の候補に、安哲秀(共同代表)の側近であるユン・ジャンヒョン(前・新政治連合共同委員長)を戦略公認することを決定した[175]。支持率で他の予備候補に後れを取っていたユン・ジャンヒョンを巡っては、4月13日に光州市選出の新政治民主連合所属国会議員7名のうち5名が支持を表明、これに対して党内の予備候補である姜雲太(光州市長)と李庸燮(国会議員)からは、予備選を前に特定候補への支持表明したことに対する批判を表明するなど、葛藤が続いていた[176]。またユン・ジャンヒョンを戦略公認した背景に、全国同時地方選挙の要である広域自治団体17市道の候補者が旧民主系で独占されることによって、統合の意義が損なわれることを憂慮した党指導部の配慮が指摘されていた[177]。そのため、ユン・ジャンヒョンが戦略公認されたことに対し、寛雲太と李庸燮は強く批判すると共に離党して無所属で出馬することを表明、他党候補や地元の市民団体からも批判が相次いだ[178][179][180]。また全羅道内の基礎団体長公認をめぐっても、旧・民主党と安哲秀系による「分け合い公認」が行われているとの批判が提起され、党内議員からは共同代表である金ハンギルと安哲秀に退陣を求める声が挙がるなど深刻な党内対立を生じることになった[181]。
日本経済侵略対策特別委員会の設置・活動
2019年7月1日、日本がキャッチオール規制の運用見直し(ホワイト国適用除外)などを発表した際には、党内に「日本経済報復対策特別委員会」を立ち上げて対応。さらに同月7月17日には、委員会名を「日本経済侵略対策特別委員会」に委員会名を変更して日本に対する強硬姿勢を鮮明なものとした。同月7月18日には、韓国国会内で崔宰誠委員長が記者会見に応じ、日本の措置を輸出規制とした上で、「日本発の経済大戦が現実のものとなるなら、日本は再び国際貿易秩序を崩壊させた経済戦犯国として記録されるだろう」と警告している[182]。
2019年9月26日、日本経済侵略対策特別委員会は、福島第一原子力発電所事故による放射能汚染地図を作製、公開した。朝鮮日報によれば汚染地図は、日本の市民団体みんなのデータサイトで公開している資料を基に制作したとされているが、現地に測定ポイントがない場所の数値が汚染地図で示されていたり、付近のデータと大きな乖離が見られるなど根拠に欠けるものとなっていた。状況を把握したみんなのデータサイト側は、共に民主党側に釈明を求めていくこととしている[183]。
参考文献
関連項目
脚注
注釈
- ^ 朝鮮語: 더불어민주당(「ト」ブロ「ミンジュ」ダン)に由来。「朝鮮語: 더(ト)」単独でも「さらに」「もっと」などの意味を持つ他、英語の「the」(定冠詞)の音訳にも用いられる。
- ^ 開かれたウリ党(ウリ党)は共に民主党の前身となる政党で、盧武鉉大統領(盧武鉉政権)の与党である。ウリ党は2004年の総選挙で勝利し国会第1党となったが、その後改革立法をめぐって与野党や党内の対立が深まって支持率が急落し、2007年の大統領選挙敗北につながった経験があった。
- ^ 韓国では以前からソウル圏の不動産価格の急騰が問題となっていた所、今回の補選前に韓国土地住宅公社職員と共に民主党の国会議員による不正な土地の投機疑惑が浮上した。詳細は韓国土地住宅公社#事件を参照のこと。
- ^ 今回の補選対象となったソウル市と釜山市は、各市長がいずれもセクハラをきっかけとして職を失う事態となっていた。詳細は朴元淳と呉巨敦の項目を参照のこと。
出典
- ^ 2019년도 정당의 활동개황 및 회계보고
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