「原田左之助」の版間の差分
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| 氏名=原田左之助 |
| 氏名=原田左之助 |
2021年11月26日 (金) 22:46時点における版
時代 | 江戸時代末期(幕末) |
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生誕 | 1840年(天保11年) |
死没 | 1868年7月6日(慶応4年5月17日、29歳没) |
別名 | 諱:忠一 |
藩 | 伊予松山藩 |
妻 | 原田まさ(まさ(おけい)) |
子 | 原田茂(しげる) |
原田 左之助(はらだ さのすけ)1840年(天保11年) - 1868年7月6日(慶応4年5月17日)は、新選組隊士(十番隊組長)。諱は忠一。
経歴
1840年(天保11年)に伊予松山藩に生まれる。はじめ藩の武家奉公人(中間)だったが、のちに出奔。谷万太郎から種田流槍術(または宝蔵院流槍術)の免許皆伝を受け、槍の名手として知られた。
江戸試衛館の近藤勇につき従い浪士組に参加して上洛。新選組結成後は殿軍である十番隊組長となる。主だった新選組の戦闘に関わり活躍した(芹沢鴨一派の粛清、長州藩の間者・楠小十郎斬殺、大阪西町奉行与力・内山彦次郎暗殺、池田屋事件、禁門の変、三条制札事件、油小路事件など)。また一時は、坂本龍馬暗殺(近江屋事件)の下手人として疑われたが(暗殺現場に落ちていた鞘を伊東甲子太郎が原田の差し料と証言したことと、下手人が「こなくそ」という伊予訛りの言葉を発したのを聞かれたため)、実際は龍馬暗殺と新選組とは関係がなかったといわれている。
鳥羽・伏見の戦いや甲州勝沼の戦いまでは新撰組(甲陽鎮撫隊)として戦うが、板垣退助ら率いる御親征東山道先鋒総督軍(主力部隊は土佐藩迅衝隊)に敗れ、江戸に敗走の後、近藤らと意見衝突して袂を分かち永倉新八と共に靖兵隊を結成する。ところが、江戸を離れてから用を思い出したと山崎宿(現在の千葉県野田市山崎)にて靖兵隊を離れ江戸に戻り彰義隊に加入した。
しかし、上野戦争の際に負傷し、その傷がもとで1868年7月6日(慶応4年5月17日)にて本所の神保山城守邸で死亡したとされる[1]。享年29。なお、入隊時期が遅いために彰義隊の名簿に原田の名は載っていない。
人物
短気な性格であったようで、中間時代に上官に当たる武士と喧嘩をして「腹を切る作法も知らぬ下司め」と罵られ、カッとなった原田は本当に腹を切って見せた。傷は浅く命に別状は無かったが、その傷から、「死損ね左之助」と隊内でアダ名されたという。以降腹に一文字の傷が残ったが、天気の良い日には傷を日にさらしながら「てめぇたちのようなヤワなのとは違うんだ。俺の腹は金物の味を知ってるんだぜ」と自慢していたという。これを元に家紋を○に切腹傷の一文字を入れた形にしてしまったという逸話が残っている。その後も酒を飲んでは腹の傷を自慢したり、大声で「切れ!切れ!」と叫んだという。また、このときの切腹の傷が左から真一文にあったため、左利きではないかという説がある。
愛妻家であったとされる他、非番の日には子供を抱いて屯所を訪れ、子供の自慢をするなど、家族を大事にしていたと思われるエピソードがあり、また新選組の中では美男子だったといわれている。永倉新八と仲が良かった。
江戸藩邸に出仕していた頃、同じく江戸藩邸に住んでいた数歳年下の内藤助之進(後の内藤鳴雪)とよく遊んでいた[2]。
長州の間者(スパイ)だったという楠小十郎を背後から斬り殺して「あぁ、良い気持ちだ」と言って笑っていたので、あとで近藤に酷く叱られたと言われる。
馬賊伝説
原田は上野では死なず生き延び、新潟・下関・釜山を経て大陸へ渡り馬賊の頭目になったという伝説がある。日清・日露戦争のときに松山で昔語りをする老軍人がいて「私は原田左之助だ」と名乗ったと伝わっている。1907年(明治40年)頃の愛媛新聞にて弟や甥と会って会話をした後に「満州に帰る」と言い残して去っていったと報じられたが真偽は不明[1]。
家族
息子の名前は茂(しげる)、この「茂」という名は江戸幕府14代征夷大将軍徳川家茂から一文字取ったといわれている[3]。
妻のまさ(おけい)は1930年(昭和5年)まで生き、沢山の孫たちに見守られ亡くなったとされる。また新選組の証言などをまとめた記録文書新選組三部作(子母澤寛著)にて、夫・左之助の事を語っている。
原田左之助を主人公とする小説
- 池波正太郎『炎の武士』角川文庫、2007年、252頁。ISBN 978-4041323144。(収録短編「ごろんぼ左之助」)
- 早乙女貢『新選組 原田左之助―残映』人物文庫、2001年8月20日、430頁。ISBN 978-4313751477。
- 菊地明『新選組十番組長 原田左之助』新人物往来社、2009年3月31日、238頁。ISBN 978-4404035974。
- 松本攸吾『原田左之助―新選組の快男児』文芸社、2004年3月15日、238頁。ISBN 978-4835571478。
原田左之助を演じた人物
映画
- 伴淳三郎(維新の京洛 竜の巻 虎の巻)
- 仁礼功太郎(新選組)
- 品川隆二(壮烈新選組 幕末の動乱)
- 堂本寛(新選組始末記)
- 尾形伸之介(新選組血風録 近藤勇)
- 青木義朗(幕末残酷物語)
- 山崎竜之介(新選組 (1969年の映画))
- 大木正司(沖田総司 (1974年の映画))
- 野崎海太郎(幕末純情伝#映画)
- 浦田賢一(御法度 (映画))
- 本宮泰風(実録 新選組)
- 吉田健悟(燃えよ剣#2021年版)
ドラマ
- 小松方正(燃えよ剣#1966年版)
- 西田良(燃えよ剣#1970年版)
- 長江英和(燃えよ剣#1990年版)
- 新田昌玄(新選組始末記#テレビドラマ(1977年))
- 徳大寺伸(新選組血風録_(テレビドラマ)#1965年版)
- 小西博之(新選組血風録_(テレビドラマ)#1998年版)
- 武智健二(新選組血風録_(テレビドラマ)#2011年版)
- 河原崎長一郎(新選組 (テレビドラマ))
- 三上寛(壬生の恋歌)
- 大鶴義丹(壬生義士伝#テレビドラマ)
- 山本太郎(新選組!、新選組!! 土方歳三 最期の一日)
- 伊崎右典(新撰組異聞PEACE MAKER#テレビドラマ)
舞台
- 山内圭哉(燃えよ剣#舞台2004年版)
- 麻樹こずえ、千城恵、真波そら、天月翼(星影の人)
- 橘幸(壬生義士伝#宝塚歌劇団)
- 田倉伸紘、住谷正樹(レイザーラモンHG)、黒藤結軌(新撰組異聞PEACE MAKER#舞台)
- 橋本淳(薄桜鬼 新選組炎舞録)
- 小野健斗、五十嵐麻朝、東啓介、小鳥遊潤、水石亜飛夢、川上将大(薄桜鬼 〜新選組奇譚〜)
アニメ
脚注
- ^ a b 『別冊宝島 2036号 新撰組“散り様”列伝』宝島社、2013年7月。ISBN 978-4800213211。59ページより。
- ^ 山村竜也『新選組証言録 『史談会速記録』が語る真実』PHP研究所、2004年7月16日。ISBN 978-4569637181。106ページより。
- ^ 『別冊宝島 2036号 新撰組“散り様”列伝』宝島社、2013年7月。ISBN 978-4800213211。57ページより。
参考文献
- 『別冊宝島 2036号 新撰組“散り様”列伝』宝島社、2013年7月、110頁。ISBN 978-4800213211。
関連項目
- 新選組#新選組を主題にした作品
- 相楽左之助 - 原田をモデルにしたとされる『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の登場人物