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[[画像:Melonpan.jpg|thumb|円形のメロンパン]][[画像:サンライズ.JPG|thumb|サンライズとして販売されている円形のメロンパン([[生活協同組合コープこうべ]]で販売されているもの)]][[画像:メロンパン.JPG|thumb|関西地方の紡錘形のメロンパン(白餡入り)(生活協同組合コープこうべで販売されているもの)]]'''メロンパン'''とは、日本発祥の[[菓子パン]]の一種。全国的には、[[円 (数学)|円形]]の[[パン]]生地の上に甘い[[ビスケット]]生地([[クッキー]]生地)をのせて焼いたパンで、表面に[[格子模様]]が付いているものが主流だが、外見や材料の異なる様々なものがある<ref name=":5">{{Cite web|和書|title=メロンパン 神戸ではなぜ「サンライズ」? |
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[[File:CodazziMelonpan1.jpg|thumb|250px|メロンパン]] |
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|url=https://www.kobe-np.co.jp/news/backnumber/201610/0011888207.shtml |website=神戸新聞NEXT |date=2016-10-12 |access-date=2023-04-19 |language=Japanese}}</ref><ref name=":9">{{Cite web|和書|title=メロンパンの正体とは?ビスケット生地があればいいというものではないらしい |url=https://esse-online.jp/articles/-/11273 |website=ESSEonline(エッセ オンライン) |date=2016-11-01 |access-date=2023-04-20 |language=ja}}</ref><ref name=":10" />。関西と瀬戸内の一部では、「メロンパン」といえば[[紡錘形]]で[[白餡|白あん]]が入ったパンを意味し<ref name=":5" /><ref name=":6">{{Cite web|和書|url=https://style.nikkei.com/article/DGXZZO03387570Y6A600C1000000/ |title=サンライズという名のメロンパン 完全に西日本の文化 |date=2016-07-10 |access-date=2023-04-20 |publisher=日本経済新聞}}</ref><ref name=":7">{{Cite web|和書|title=メロンパンの豆知識|おいしいパンの百科事典 |url=https://www.panpedia.jp/knowledge/melon.html |website= |access-date=2023-04-20 |publisher=日本パン技術研究所}}</ref>、ビスケット生地の乗った円形のパンは、'''サンライズ'''と呼ぶ<ref name=":5" /><ref name=":6" />。名称の由来には諸説あるが、多くのメロンパンには[[メロン]]が入っていない<ref name=":9" /><ref>{{Cite web|和書|title=メロン味じゃないのになぜ「メロンパン」と言うの?ネーミングの秘密や歴史、込められた思いを紹介 | 和樂web 日本文化の入り口マガジン |url=https://intojapanwaraku.com/gourmet/70436/ |website=和樂web 日本文化の入り口マガジン |date=2020-01-21 |access-date=2023-04-20 |language=ja}}</ref>。 |
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'''メロンパン'''とは、日本発祥の[[菓子パン]]の一種。[[パン]]生地の上に甘い[[ビスケット]]生地([[クッキー]]生地)をのせて焼いたパンである。 |
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起源は諸説あるが、円形のメロンパンは昭和初期には誕生していたと考えられており{{Sfn|澁川祐子|2017|p=184-187|loc=}}、紡錘形のメロンパンは1936年<ref name="mitekure">{{Cite web|和書|url=https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/285045/www.city.kure.hiroshima.jp/mitekure/mite09_04.html |title=<特集 呉の食文化 4>昭和11年創業の老舗パン屋 メロンパン |publisher=呉市 |accessdate=2023-04-15}}『みて★くれ グラフ呉』第6号(呉市総務部秘書課 1999)の2004年時点のウェブ版。 [[国立国会図書館#WARP|WARP]](インターネット資料収集保存事業)</ref><ref name="hread">{{Cite web|和書|url=https://hread.home-tv.co.jp/post-251174/ |title=【広島雑学】創業1936年「呉名物・メロンパンのお店」カステラが入っているパンの名前とは? |website=ひろしまリード |publisher=広島ホームテレビ |archiveurl=https://web.archive.org/web/20230327050752/https://hread.home-tv.co.jp/post-251174/ |date=2023-03-16 |archivedate=2023-03-27 |accessdate=2023-04-14}}</ref>もしくは1952年<ref name=":5" /><ref name=":8">{{Cite web|和書|url=http://www.coop-kobe.net/ck/cam/melonpan/ |title=ハイカラメロンパンのあの形の誕生物語 |publisher=[[生活協同組合コープこうべ]] |work=コープこうべネット |accessdate=2014-10-22 |archive-url=https://web.archive.org/web/20110603100417/http://www.coop-kobe.net/ck/cam/melonpan/ |archive-date=2011-06-03}}</ref>に誕生したと考えられている。 |
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ビスケット生地は他のパンに見られないほどに分厚く広範囲を覆っており、このパンの最大の特徴であるとされる。主に[[紡錘形]]のタイプと[[円形]]のタイプとそれ以外の形のタイプに分かれる。[[近畿地方]]と[[四国地方]]の一部、[[中国地方]]の一部では円形のメロンパンを'''サンライズ'''と呼称する習慣がある{{efn2|これは、初の円形メロンパンがサンライズという商品名称であることが由来となっている<ref>[http://waga.nikkei.co.jp/play/kiko.aspx?i=MMWAh3000004062009 食べ物日本地図] - メロンパンとサンライズの呼称による日本地図</ref>。}}。 |
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主流である丸型のメロンパンは、ビスケット生地が他のパンに見られないほどに分厚く広範囲を覆っていることが一般的であり、このパンの最大の特徴であるとされる<ref>{{Cite web |url=https://13-sunplace-osaka.com/sunplacebakery/ |website= |access-date=2023-04-20 |title=Sunplace Bakery |publisher=Sunplace Bakery}}</ref>。しかし、丸型のメロンパンであってもビスケット生地がついていないものもあり、メロン果汁が含まれる[[クリーム (食品)|クリーム]]が入っているものなど多様な種類がある<ref name=":9" /><ref name=":10">{{Cite web|和書|title=コンビニのメロンパン食べ比べ - 王道から変わり種まで幅広く紹介! |url=https://news.mynavi.jp/article/20190710-856798/ |website=マイナビニュース |date=2019-07-10 |access-date=2023-04-20 |language=ja}}</ref>。[[長方形]]、[[楕円|楕円形]]、[[富士山]]型などの形のメロンパンも販売されている<ref name=":7" /><ref name=":11">{{Cite web|和書|title=富士山型メロンパンや足湯を堪能!富士山グルメ&癒しスポットが大充実の道の駅 |ウォーカープラス |url=https://www.walkerplus.com/article/39822/ |website=ウォーカープラス(Walkerplus)|date=2013-07-09 |access-date=2023-04-20 |language=ja}}</ref>。 |
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漫画・映画・アニメなどの影響で、[[ヨーロッパ]]においても円形のメロンパンが食べられている<ref>{{Cite web|和書|title=いま、フランスで“日本のパン”が大ブレイクしているらしい|TBSテレビ |url=https://topics.tbs.co.jp/article/detail/?id=16771 |website=TBS Topics |date=2022-10-09 |access-date=2023-04-20 |language=ja}}</ref><ref name=":7" />。 |
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== 名称の由来 == |
== 名称の由来 == |
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名前の由来はいくつかの説があり、どれが正しいのかは不明である。 |
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{{出典の明記|date=2022年5月|section=1}} |
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名前の由来は以下の通りいくつかの説があり、どれが正しいのかは不明である。 |
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=== 円形のメロンパンについて === |
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* 表面のビスケット生地に数本の筋や格子状の溝が入れてある外見が、[[マスクメロン]]の模様に似ているため。現在はこの説が主流である。 |
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球形のメロンである[[マスクメロン]]が日本に伝わったのは大正時代であり、「メロンパン」という名称が広まったのは1930年代以降と考えられている<ref name=":1" />。 |
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* 「[[メレンゲ]]パン」が訛ってメロンパンになった。 |
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* 表面のビスケット生地に数本の筋や格子状の溝が入れてある外見がマスクメロンの模様に似ているためという説{{Sfn|東嶋和子|2007|loc=1章}}<ref name=":5" />。形状については、メロンの高級さにあやかって形を似せたという説と、偶然できたひび割れがメロンに似ていたという2つの説がある<ref>{{Cite web|和書|title=メロンパンの由来はメロンじゃない!? 意外と謎だらけだったメロンパン |url=https://www.lettuceclub.net/news/article/148493/ |website=レタスクラブ |date=2018-06-03 |access-date=2023-04-19 |language=ja}}</ref>{{Sfn|東嶋和子|2007|loc=1章}}。 |
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* [[紡錘形]]の形状と、表面に数本の溝が入れてある様が、メロン([[マクワウリ]])に似ているため。 |
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* 「メレンゲパン」が訛ってメロンパンになったという説{{Sfn|東嶋和子|2007|loc=1章}}{{Sfn|澁川祐子|2017|p=178-181|loc=}}。ビスケット生地に[[卵白]]を泡立てた[[メレンゲ (菓子)|メレンゲ]]を加えていたため、かつてはメレンゲパンとも呼ばれていた{{Sfn|東嶋和子|2007|loc=1章}}{{Sfn|話題の達人倶楽部|2012|p=127-130|loc=}}。ただし、[[澁川祐子]]はこの説を「一般に信憑性が薄い」説であると論じている{{Sfn|澁川祐子|2017|p=178-181|loc=}}。 |
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* [[業務用]][[調理器具]]「メロン型<ref>[https://item.rakuten.co.jp/sekiguchikunikichi/6102-550013/ 昭和のレトロな金物屋 関口国吉商店 昔懐かしの アルミライス型 メロン型] (2018年2月20日閲覧)</ref><ref>[http://www.maekawa-alumi.co.jp/publics/index/21/ 前川金属工業所・製品情報・キッチンツール・ライス型・メロン型] (2018年2月20日閲覧)</ref>」を使用して成型したパンだから。 |
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=== 紡錘形のメロンパンについて === |
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なお、後に実際に[[メロン]]を原材料に加えた商品も登場しているが、これは名称にスタイルが追いついた例であり、命名された理由とは無関係である。 |
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* 形状と表面に数本の溝が入れてある外見が、当時はメロンと呼ばれていた[[マクワウリ]]に似ているためという説{{Sfn|澁川祐子|2017|p=178-181|loc=}}<ref name=":5" /><ref name="hread" />。 |
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* [[チキンライス]]などに使われる業務用調理器具の、紡錘形のライス型である「メロン型{{Sfn|澁川祐子|2017|p=178-181|loc=}}<ref>[https://item.rakuten.co.jp/sekiguchikunikichi/6102-550013/ 昭和のレトロな金物屋 関口国吉商店 昔懐かしの アルミライス型 メロン型] (2018年2月20日閲覧)</ref><ref>[http://www.maekawa-alumi.co.jp/publics/index/21/ 前川金属工業所・製品情報・キッチンツール・ライス型・メロン型] (2018年2月20日閲覧)</ref>」を使用して成型したパンだからという説{{Sfn|澁川祐子|2017|p=178-181|loc=}}。 |
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* 1936年創業の呉市のパン屋「メロンパン」の[[中塩春馬]]が、メロンの高級なイメージをつけようと店名にしたことで広まったという説<ref name="mitekure" />。 |
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<!-- なお、後に実際にメロンを原材料に加えた商品も登場しているが、これは名称にスタイルが追いついた例であり、命名された理由とは無関係である。 --> |
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== 歴史 == |
== 歴史 == |
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=== 起源 === |
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{{出典の明記|date=2016年7月|section=1}} |
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[[1910年]]に[[アルメニア人]]のパン職人Hovhannes (Ivan) Ghevenian Sagoyan、通称イワン・サゴヤンがフランスの焼き菓子[[ガレット]]を元に発明したという説がある。[[満州]]の[[ハルビン]]のホテルニューハルビンから[[大倉喜八郎]]が[[帝国ホテル]]に引き抜いたイワン・サゴヤンは、[[ロシア帝国]]の[[ロマノフ家|ロマノフ皇帝家]]の元宮廷料理人であったため、[[フランスパン]]と[[ウィーン]]風パン([[ドイツ]]パン)両方の製法に精通していた。そうした様々な技法や食感のパンを組み合わせるロシアの伝統から、メロンパンは生まれたとされる<ref>[https://mirrorspectator.com/2019/10/03/the-armenian-who-invented-the-japanese-sweet-bun/ The Armenian Who Invented the Japanese Sweet Bun - The Armenian Mirror-Spectator]</ref>。 |
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=== 円形のメロンパン === |
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その他、駒込木村屋の店主・三代川菊次による、新しい菓子パンの[[実用新案権|実用新案]]登録(昭和5年)が製法や形状が現在のメロンパンに類似しており、これをルーツとする説がある。他に[[アメリカ]]経由で日本に入ってきた[[メキシコ]]の菓子「[[コンチャ]]」とも、ドイツの菓子「{{仮リンク|ストロイゼルクーヘン |de|Streuselkuchen}}」とも言われている。また、[[香港]]や[[台湾]]には「[[菠蘿包]]」(パイナップルパン)と呼ばれるメロンパンに酷似したパンが存在し、起源を同じくすると考えられる。 |
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==== 起源 ==== |
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円形のメロンパンの起源には諸説ある。 |
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[[画像:メロンパン.JPG|thumb|関西地方の'''メロンパン'''(白餡入りの一例)]] |
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[[画像:Melonpan Kure.JPG|thumb|広島県呉市のメロンパン]] |
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[[生活協同組合コープこうべ|コープこうべ]]によると、1952年に同組合の前身である神戸消費組合のパン職人が[[オムライス]]用のキャップを見てひらめいたのが紡錘形メロンパンの始まりだという。円形のものとは違ってビスケット生地は使わず、中には[[マーガリン]]を加えた[[餡|白餡]]が入っている<ref>{{cite web |
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| url = http://www.coop-kobe.net/ck/cam/melonpan/ |
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| title = ハイカラメロンパンのあの形の誕生物語 |
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| publisher = [[生活協同組合コープこうべ]] |
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| work = コープこうべネット |
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| accessdate = 2014-10-22 |
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}}</ref> |
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<ref name="kobe"/>。[[洋食]]店などで使われるライスを成型するのに用いる食型で成型して焼き上げていたため、この当時のメロンパンは[[アーモンド]]を縦に割ったような[[紡錘形]]をしていた。上に乗ったビスケット生地の表面には数本の溝が付き、この形が、メロンの亜種であり、当時「メロン」として売られていた[[マクワウリ]]に似ていることからメロンパンという名で呼ばれるようになった。[[神戸市|神戸]]や[[京都市|京都]]などで売られているものは、中には白餡が入っている<ref>「週間トマト&テレビ京都」([[京都新聞]]:2011年1月14日発行)</ref>。[[令和]]になっても白餡入り紡錘形のタイプは製造販売されており、大阪府下のスーパーなどの小売店でも、兵庫県内の工場で大量生産された物やビスケット生地を乗せたものも含め、販売されている例は少なくない{{要出典|date=2020年12月}}。 |
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* [[1910年]]に[[アルメニア人]]のパン職人イワン・サゴヤンが、フランスの焼き菓子「[[ガレット・デ・ロワ|ガレット]]{{Refnest|フランス語で丸い形のパイ菓子のこと。東嶋によれば、ガレットには様々な種類があるため、どれに該当するかは不明である。|group=注}}」を元に発明したという説{{Sfn|東嶋和子|2007|loc=3章}}<ref name=":1">{{Cite web|和書|title=香港のパイナップルパン|Shall we Lotte|お口の恋人 ロッテ |url=https://www.lotte.co.jp/entertainment/shallwelotte/story/stamp/buttered-pineapple-bun/ | accessdate=2024-02-05 |language=ja |publisher=ロッテ}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=朝食新メニューにいかが?インスタで話題の「メロンパントースト」 (2016年4月3日) |url=https://www.excite.co.jp/news/article/Otakuma_184558/ |website=エキサイトニュース |date=2016-04-03 |access-date=2023-04-19 |language=ja}}</ref><ref name=":2">{{Cite web |title=The Armenian Who Invented the Japanese Sweet Bun |url=https://mirrorspectator.com/2019/10/03/the-armenian-who-invented-the-japanese-sweet-bun/ |website=The Armenian Mirror-Spectator |date=2019-10-03 |access-date=2023-04-19 |language=en-US |first=The Armenian |last=Mirror-Spectator}}</ref>。[[満州]]の[[ハルビン]]の東清鉄道直営の東清ホテル(後のヤマトホテル)から[[大倉喜八郎]]が[[帝国ホテル]]に引き抜いたイワン・サゴヤンは、[[ロシア帝国]]の[[ロマノフ家|ロマノフ皇帝家]]の元宮廷料理人であったため、[[フランスパン]]と[[ウィーン]]風パン([[ドイツ]]パン)両方の製法に精通していた<ref name=":1" />。そうした様々な技法や食感のパンを組み合わせるロシアの伝統から生まれたとされる<ref name=":2" />。サゴヤンは、このパンをメロンパンとは呼んでいなかった<ref name=":1" />。 |
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[[広島県]][[呉市]]では、[[第二次世界大戦]]前から、[[カスタードクリーム]]入りのメロンパンも作られている<ref>{{cite web |
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* 1930年に東京のパン屋「駒込木村屋」の店主・三代川菊次が[[実用新案権|実用新案]]登録したパンの製法や形状が現在のメロンパンに類似しており、これをルーツとする説{{Sfn|東嶋和子|2007|loc=7章}}<ref name=":12">{{Cite web|和書|url=https://ddnavi.com/news/358477/a/ |title=オムライスにメロンパン──。人気の定番メニューに秘められた意外な謎 |date=2017-03-09 |access-date=2023-04-20 |publisher=ダ・ヴィンチ |author=木谷誠}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=逆流係長「タダの小木」 - ザ・逆流リサーチャーズ {{!}} テレビ東京 |url=https://www.tv-tokyo.co.jp/gyakuryu/ogi/ |website=www.tv-tokyo.co.jp |access-date=2023-04-20}}</ref>。当時の記録にはパン生地にケーキ生地を被せて[[コーヒー]]や[[バナナ]]などの風味をつけると説明されており、パンの名称は書かれていない{{Sfn|東嶋和子|2007|loc=7章}}<ref name=":12" />。 |
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| url = http://tabetainjya.com/archives/cat_14/post_644/ |
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* 1930年代、神戸のパン屋「金生堂(きんせいどう、きんしょうどう)<ref name=":5" />」の呉支店が発売した、ビスケット生地を乗せた丸い形のパン「サンライズ」が日本で最初のメロンパンという説<ref name=":5" />。 |
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* [[アメリカ]]経由で日本に入ってきた[[メキシコ]]の菓子「[[コンチャ]]」{{Sfn|東嶋和子|2007|loc=8章}}、ドイツの菓子「{{仮リンク|ストロイゼルクーヘン |de|Streuselkuchen}}」{{Sfn|東嶋和子|2007|loc=6章}}がルーツという説。<!-- (https://www.lotte.co.jp/entertainment/shallwelotte/story/stamp/buttered-pineapple-bun/ によれば同じ起源ではない?)また、香港や台湾には「菠蘿包」(パイナップルパン)と呼ばれるメロンパンに酷似したパンが存在し、起源を同じくすると考えられる。 --> |
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[[画像:Melonpan cross section.jpg|thumb|円形のメロンパンの表面部分の断面]] |
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==== 変遷 ==== |
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1930年代に、神戸に本店があるパン屋「金生堂」の呉支店において、[[円形]]のパンにビスケット生地を乗せた「'''サンライズ'''(サンライス)」が誕生した{{sfn|澁川祐子|2013|p=127}}。[[旭日旗]]を模して放射状の線を付けたパンであったため、サンライズと名付けられた<ref name=":5" />。その後、生地表面に格子模様を施したパンが普及し、その見た目から名前をメロンパンに変える店が増加した<ref name=":5" />。大手の製パン業者も、それまでサンライズという名で製造していたものをメロンパンと改めた<ref name=":7" />。金生堂ではサンライス{{Refnest|客が間違えることが多かったことから、戦前には金生堂のサンライズは「ズ」が「ス」になった。|group=注}}の名前は残ったものの、日の出模様のパンの金型が入手しにくくなり格子模様に変えた<ref name=":5" />。 |
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広島に本店を置く[[アンデルセン (製パン)|アンデルセン]]や[[マーメイドベーカリーパートナーズ|リトルマーメイド]]は、2000年以降においても全国で「サンライズ」の名称で円形のメロンパンを販売している<ref>{{Cite web|和書|title=わたしのふるさと便:お国トリビア 広島県 メロンパンとは限らない |url=https://mainichi.jp/articles/20220703/ddm/013/040/011000c |website=毎日新聞 |date=2022-07-03 |access-date=2023-04-20 |language=ja}}</ref><ref name=":7" />。2000年代に行われた[[日本経済新聞]]の[[野瀬泰申]]の調査によれば、京都、広島、滋賀、愛媛、兵庫などでは「サンライズ」と呼ばれることが多い<ref name=":6" />。 |
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==== 普及 ==== |
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1993年に[[山崎製パン]]のメロンケーキデニッシュが6月からの半年間で2800万個を売り上げる爆発的ヒットを記録しメロンパンブームを牽引した。これが最初のメロンパンブームとされる{{Sfn|東嶋和子|2007|loc=10章}}。メロンケーキデニッシュは薄いスポンジケーキにクリームを挟んで周りをメロンパンの皮で包んだ菓子パンであった{{Sfn|東嶋和子|2007|loc=10章}}。 |
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2005年ごろに円形のメロンパンを販売する[[移動販売|移動販売車]]が増加し、メロンパンブームと言われた{{sfn|澁川祐子|2013|p=128}}<ref name=":13">{{Cite web|和書|title=平成もあとわずか!ヒット商品から「平成」の時代を振り返る<後篇> {{!}} パンキジ {{!}} 山崎製パン |url=http://www.yamazakipan.co.jp/entertainment/pankiji/report/index32.html |website=パンキジ |date=2019-02-01 |access-date=2023-04-20 |language=ja}}</ref><ref name=":14">{{Cite web|和書|title=【八王子市】メロンパンブーム再来か?厳選食材を使用した行列のできるメロンパン専門店が、横山町にオープンします |url=https://hachioji.goguynet.jp/2022/11/30/melon-de-melon/ |website=号外NET 八王子市 |date=2022-11-29 |access-date=2023-04-20 |language=ja}}</ref>。2015年ごろにもメロンパン専門店が徐々に増加し、メロンパンブームが復活しているとされた<ref name=":13" /><ref name=":14" />。 |
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[[東京]]では、2003年ごろから「[[浅草]]花月堂」をきっかけに[[土産|お土産]]や食べ歩きフードとして円形のメロンパンが話題になり、名物として人気が定着した<ref>{{Cite web|和書|title=浅草の新名物「メロンパン」3選。花月堂、アルテリア・ベーカリー、浅草さくらを実食紹介【東京】 |じゃらんニュース |url=https://www.jalan.net/news/article/525352/ |website=じゃらんニュース |date=2021-01-20 |access-date=2023-04-20 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=浅草・メロンパン専門店の二大巨頭を食べ比べ!花月堂とアルテリア・ベーカリーの魅力を徹底解説 {{!}} はらへり |url=https://haraheri.net/article/1092/melon_flavored_bun |website=haraheri.net |access-date=2023-04-20 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=浅草の甘味所「花月堂」で「アイスジャンボめろんぱん」夏季限定発売 |url=https://asakusa.keizai.biz/headline/386/ |website=浅草経済新聞 |date=2015-07-14 |access-date=2023-04-20}}</ref>。 |
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=== 紡錘形のメロンパン === |
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[[画像:Melonpan Kure.JPG|thumb|広島県呉市のメロンパン]]{{See also|呉のメロンパン}}1936年に[[広島県]][[呉市]]でパン屋「メロンパン」が創業し、ビスケット生地をのせて焼いた[[カスタードクリーム]]入りの紡錘型のパンを「メロンパン」として販売した{{Sfn|東嶋和子|2007|loc=8章}}<ref name="mitekure" /><ref name="hread" /><ref>{{Cite web|和書 |
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| url = https://tabetainjya.com/archives/cat_14/post_644/ |
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| title = 呉のメロンパン はズッシリ重い!旧日本海軍も愛した呉の名物パン |
| title = 呉のメロンパン はズッシリ重い!旧日本海軍も愛した呉の名物パン |
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| last = Itoh |
| last = Itoh |
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44行目: | 58行目: | ||
| date = 2010.8.13 |
| date = 2010.8.13 |
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| accessdate = 2014-10-22 |
| accessdate = 2014-10-22 |
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}}</ref>。呉市では「メロンパン」は主に紡錘形のメロンパンを表し、円形のメロンパンはコッペパンと呼ばれ、他の地域で[[コッペパン]]と呼ばれているパンは「給食のパン」などと呼ばれている{{Sfn|東嶋和子|2007|loc=8章}}<ref>{{Cite web|和書|url=https://style.nikkei.com/article/DGXZZO09289620Y6A101C1000000/ |title=メロンパンに別名があった キングパン、コッペパン… |date=2016-12-17 |access-date=2023-04-20 |publisher=日本経済新聞}}</ref>。 |
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}}</ref>。また[[昭和]]11年([[1936年]])創業の呉市の老舗パン店「メロンパン」<ref>[http://kuremelon.com/ メロンパン] (広島県呉市に本店があるパン屋の店名)</ref>への取材からは、かつて業務用調理器具「メロン型」([[洋食]]のランチに添えるライスを成型するための金属製で紡錘形のライス抜き型の通称)を使って[[パン生地]]を成型していたので、メロンパンと命名されたと推察される<ref>{{cite web |
|||
| url = http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37294 |
|||
| title = 固い皮の中は謎だらけ、「メロンパン」の形はどこからやって来たのか |
|||
| date = 2013-3-8 |
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| author = 澁川祐子 |
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| publisher = JBpress([[日本ビジネスプレス]]) |
|||
| accessdate = 2018-2-19 |
|||
}}</ref>。同社製を始め呉市(広島県でも少数)では、メロンパンはコッペパンと呼ばれ、コッペパンは同社や利用者では「給食のパン」「普通のパン」「長いパン」等と呼ばれている<ref>{{cite web |
|||
| url = https://www.hulu.jp/watch/100062159 |
|||
| title = [[月曜から夜ふかし]](2)全国御当地問題 メロンパンをメロンパンと呼ばない街。 |
|||
| date = 2020-8-17 |
|||
| author = 日本テレビ |
|||
| accessdate = 2021-04-04 |
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}}</ref>。 |
|||
{{See also|呉のメロンパン}} |
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1952年に[[生活協同組合コープこうべ]]の前身である神戸消費組合のパン職人が[[オムライス]]用のキャップから着想を得て開発したのが紡錘形メロンパンの始まりとする説もある<ref name=":5" /><ref name=":8" /><ref name=":7" />。神戸消費組合のメロンパンはビスケット生地は使わず、中には[[マーガリン]]を加えた[[餡|白餡]]が入っている<ref name=":8" /><ref name="kobe">{{Cite web|和書|url=https://www.kobe-np.co.jp/news/backnumber/201610/0011888207.shtml |title=メロンパン 神戸ではなぜ「サンライズ」? |publisher=[[神戸新聞]] |work=神戸新聞NEXT |date=2016-10-12 |accessdate=2016-10-12}}</ref><ref>「週間トマト&テレビ京都」([[京都新聞]]:2011年1月14日発行)</ref>。 |
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=== 円形のメロンパン === |
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[[画像:Melonpan.jpg|thumb|サンライズ]] |
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[[画像:Melonpan cross section.jpg|thumb|表面部分の断面]] |
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1930年代に、[[日の出]]の形を真似て、[[円形]]で上にビスケット生地を乗せたパン、'''サンライズ'''が誕生した{{sfn|澁川祐子|2013|p=127}}。神戸に本店のある金生堂の呉支店が[[軍艦旗]]の放射状の線を付けていたことからサンライズと呼称した。放射状の線より格子状の線が付けやすいので、現在の形になった。これが一般化するにつれ、旧来の紡錘形のメロンパンは次第に姿を消していった。また、[[大正|大正時代]]に入り[[マスクメロン]]が日本に輸入されるようになると、「メロン」という言葉で丸いマスクメロンが連想されるようになる。サンライズと上記のメロンパンは別物だったが、マスクメロンに形が似ているサンライズも混同されてメロンパンと呼ばれるようになった。大手の製パン業者もこれに倣い、それまでサンライズという名で製造していたものをメロンパンと改めた。 |
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2000年 |
2000年代に行われた[[日本経済新聞]]の[[野瀬泰申]]の調査によれば、京都、滋賀、兵庫、高知などでは白餡入りの紡錘型のメロンパンが販売されていることが多い<ref name=":6" />。 |
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== 発展 == |
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[[近畿地方]]([[大阪]]地域は含まず)の一部店舗では、現在でも円形のサンライズと紡錘形のメロンパンの両方が製造・販売されている。また、神戸や京都などではサンライズを「サンライス」と呼ぶ人も少なくない<ref name="kobe">{{cite web |
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[[画像:親亀 子亀 (8489689014).jpg|thumb|カメの形をしたメロンパン]] |
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円形のメロンパンであってもビスケット生地が付いておらず表面が柔らかいものや、メロン果汁が含まれる[[クリーム (食品)|クリーム]]が入っているもの、メロン味ではないクリームが入っているものなど多様な種類がある<ref name=":9" /><ref name=":10" />。 |
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| title = メロンパン 神戸ではなぜ「サンライズ」? |
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| accessdate = 2016-10-12 |
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}}</ref>。 |
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円形のメロンパンの変化形として、メロンの形とは関係のない長方形や楕円形などの形をしたメロンパンも販売されている<ref name=":7" />。富士山周辺などでは富士山型のメロンパンも販売されている<ref>{{Cite web|和書|title=【東名・足柄SA】超一流料理人大絶賛の「まきばロール」など絶品グルメ&スイーツ3つ|TBSテレビ |url=https://topics.tbs.co.jp/article/detail/?id=16432 |website=TBS Topics |date=2022-08-23 |access-date=2023-04-20 |language=ja}}</ref><ref name=":11" />。また、円形のメロンパンを[[亀甲]]に見立てて、頭・四肢・尾を付けた[[カメ]]の形のメロンパンも複数の場所で販売されている<ref>{{Cite web|和書|title=『Pain SiNGE(パンサンジュ)』人宿町のベーカリーでお堀カメパン! |url=https://www.sakuyaoi.com/entry/painsinge_hy |website=静岡市観光&グルメブログ『みなと町でも桜は咲くら』 |date=2022-11-18 |access-date=2023-04-20 |language=ja |last=sakuyaoi}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=カメぱん|菓子パン|メニュー紹介・ご注文|口コミで人気のおいしい焼き立てパン 京都伊三郎製ぱん(いさぶろう) |url=https://www.isaburo.jp/menu/archives/276 |website=口コミで人気のおいしい焼き立てパン 京都伊三郎製ぱん(いさぶろう) |access-date=2023-04-20 |language=ja}}</ref>。 |
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他方、[[アンデルセン (製パン)|アンデルセン]]や[[マーメイドベーカリーパートナーズ|リトルマーメイド]]は本社を広島県に持っため、「サンライズ」が販売されている。 |
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=== メロンパンの皮焼いちゃいました === |
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2014年、[[山崎製パン]]がメロンパンの皮の部分をイメージした菓子パン『メロンパンの皮焼いちゃいました』を発売した<ref name=":15">{{Cite web|和書|title=平成のヒットシリーズ第2弾にメガヒット商品「メロンパンの皮焼いちゃいました。」も登場! {{!}} パンキジ {{!}} 山崎製パン |url=http://www.yamazakipan.co.jp/entertainment/pankiji/report/index34.html |website=パンキジ |access-date=2023-06-18 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=メロンパンの皮戦争勃発! 本家山崎製パンと後発フジパンの「メロンパンの皮」を食べ比べてみた / フジパンが一歩リードか!? |url=https://rocketnews24.com/2014/12/13/521678/ |website=ロケットニュース24 |date=2014-12-13 |access-date=2023-06-18 |language=ja |last=https://www.facebook.com/hidenori.satou.376}}</ref>。社内の開発からの「メロンパンの皮がおいしい」「メロンパンの皮を剥いで食べる人もいる」という意見をもとにブリオッシュメロンパンを参考に開発された<ref name=":15" />。発売当初は販売数が伸び悩んだが発売から3週間後に[[twitter]]で「夢のような商品が登場した」と話題になり各種メディアに取り上げられ1年で3400万個を出荷する人気商品となった<ref name=":15" />。 |
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その他にも、円形のものを中心としたメロンパンの変種が次々と作られる中で、中にはメロンの形とは全く無関係の[[長方形]]や楕円形などの形をしたメロンパンも登場している。[[富士山]]型のメロンパンもある。また、表面にビスケット生地が乗せられてはいるものの、平行線が付けられているなどメロンの表面の模様を全くイメージしていないものも多い。また、円形の物が亀甲をイメージしやすいのと語呂合わせの容易さから、頭・四肢・尾を付けた「カメロンパン」がある。 |
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=== メロンパンアイス === |
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[[画像:メロンパンアイス 大阪 2016 (31278900614).jpg|thumb|円形のメロンパンにアイスクリームを挟んだメロンパンアイス]] |
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2015年ごろから、焼きたての円形のメロンパンに[[アイスクリーム]]を挟んだ[[金沢市|金沢]]発祥のスイーツ「世界で2番めにおいしい焼きたてメロンパンアイス」が全国的にブームになった<ref>{{Cite web|和書|title=「メロンパンアイス」生みの親 今度は創作おはぎ:北陸中日新聞Web |url=https://www.chunichi.co.jp/article/201392 |website=中日新聞Web |date=2021-02-13 |access-date=2023-04-20 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=女子高生が生みの親!? 金沢市発祥の人気メロンパンアイス誕生秘話 |url=https://www.rbbtoday.com/article/2015/04/20/130590.html |website=RBB TODAY |date=2015-04-20 |access-date=2023-04-20 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=鹿経・上半期1位は「メロンパンアイス」 流行スイーツに、サラリーマン心くすぐる話題も |url=https://kagoshima.keizai.biz/headline/1255/ |website=鹿児島経済新聞 |date=2016-07-01 |access-date=2023-04-20}}</ref>。このブーム以降、メロンパンにアイスクリームを挟んだメロンパンアイスは、発祥の店以外でも販売されている<ref>{{Cite web|和書|title=「アイスが選べるメロンパン」いかが? 地域物産館が開発「新たな名産品に」 沖縄・南城市 |url=https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1592037.html |website=琉球新報デジタル |date=2022-09-29 |access-date=2023-04-20 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=東大阪・布施の「はぴぱん」にアイスメロンパン 夏季限定で3種類 |url=https://higashiosaka.keizai.biz/headline/261/ |website=東大阪経済新聞 |date=2016-06-01 |access-date=2023-04-20}}</ref>。 |
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円形のメロンパンの形を模したアイスクリームも「メロンパンアイス」と呼ばれることがある。味、香り、形状までメロンパンに似せたアイスクリームは2009年に[[オハヨー乳業]]が[[ファミリーマート]]で販売を開始したものが初めてであったとされ、これは10年以上販売されるロングセラーとなった<ref>{{Cite web|和書|title=バター感UPで濃厚リッチに! ファミマで買える「メロンパンアイス」、数量限定で新発売 |url=https://news.mynavi.jp/article/20221124-2520068/ |website=マイナビニュース |date=2022-11-24 |access-date=2023-04-20 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=2秒に1個売れる!? ザクザク感満点のファミマ「メロンパンアイス」を食べてみた |url=https://www.syokuraku-web.com/news/77728/ |website=食楽web |date=2021-11-12 |access-date=2023-04-20 |language=ja}}</ref>。 |
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== 栄養素 == |
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[[日本食品標準成分表]]2020年版(八訂)によれば、メロンパンの100gあたりの栄養成分は、[[エネルギー]]349kcal、[[タンパク質]]6.7g、[[脂質]]10.5g、[[炭水化物]]59.9gなどとなっている<ref>{{Cite web|和書|title=日本食品標準成分表2020年版(八訂):文部科学省 |url=https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html |website=文部科学省ホームページ |access-date=2023-06-19 |language=ja}}</ref>。メロンパン1個あたりの糖質は約46gであり、6枚切りの食パン一枚あたりの糖質が約27gなのと比較すると高めである<ref name=":0">{{Cite web|和書|title=【管理栄養士監修】メロンパンのカロリーと糖質|栄養図鑑 {{!}} 食・料理 |url=https://www.olive-hitomawashi.com/column/2020/01/post-7908.html |website=オリーブオイルをひとまわし |access-date=2023-06-19 |language=ja}}</ref>。表面に砂糖がたっぷりまぶされているタイプはさらに糖質が高くなる<ref name=":0" />。総じてメロンパンのカロリーや糖質は高い傾向がある<ref name=":0" />。ただし製品によっては低カロリー低糖質なものもある<ref name=":0" />。 |
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== 取り上げた作品 == |
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; 『[[アンパンマン]]』([[やなせたかし]]) |
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: 1992年にメロンパンをモチーフにしたキャラクター、[[メロンパンナ]]が登場している<ref>{{Cite web|和書|title=HISTORY |url=https://www.anpanman.jp/30th/ |website=「それいけ!アンパンマン」30周年記念サイト |access-date=2023-07-01 |language=ja}}</ref>。誕生のきっかけは読者からの投書であった。「他のパンはあるのになぜメロンパンのキャラクターがいないのか」という内容の投書がかなりの数来ていたが、作者のやなせたかしはそれまでにメロンパンを食べたことがなかった。メロンパンのイメージを膨らませるため2年間メロンパンを食べ続けてようやくメロンパンナというキャラクターが生まれた。やなせたかしはメロンパンナが最も苦労したキャラクターだったと述べている{{Sfn|田埜|1993|p=110-111}}。 |
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=== 楽曲 === |
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; 『5つのメロンパン』([[中川ひろたか]] 1977年) |
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: イギリスの民謡『Five Currant Buns』を中川ひろたかが訳したもの。原詞に登場する「パン」を「メロンパン」と訳している{{Sfn|中川|2003|p=66-67}}。 |
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: |
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; 『[[メロンパンのうた]]』([[ゆっぴ]] 2007年) |
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: カレーパンにはカレーが入っているのにメロンパンにはメロンが入っていないという不条理を歌っている。作詞作曲歌唱は小学3年生のゆっぴが行っている<ref>{{Cite web|和書|title=「おしりかじり虫」に続くヒットの予感!? 「メロンパンのうた」 |url=https://www.barks.jp/news/?id=1000034637 |website=BARKS |date=2007-10-03 |access-date=2023-07-02 |language=ja}}</ref>。 |
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
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=== 注釈 === |
=== 注釈 === |
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=== 出典 === |
=== 出典 === |
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== 参考文献 == |
== 参考文献 == |
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* {{Citation|和書 |
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| title = 知れば知るほど一段とウマくなる! 関東の味のしきたり 関西の味のしきたり |
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| author = 話題の達人倶楽部 |
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| year = 2012 |
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| publisher = [[青春出版社]] |
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| isbn = 978-4-413-09533-4 }} |
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* {{Citation|和書 |
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| title = ニッポン定番メニュー事始め |
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94行目: | 115行目: | ||
| publisher = [[彩流社]] |
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| isbn = 978-4-7791-1934-7 }} |
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* {{Citation|和書 |
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| title = オムライスの秘密 メロンパンの謎 人気メニュー誕生ものがたり |
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| author = 澁川祐子 |
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| publisher = [[新潮社]] |
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| isbn = 978-4-10-120681-3 }} |
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* {{Citation|和書 |
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* {{Citation|和書|title=ひみつのあっこちゃんのコンパクトはなぜ ボクが解決したサブカルチャー疑問集|last=田埜|first=哲文|year=1993|publisher=徳間書店|isbn=4-19-555133-1}} |
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* {{Citation|和書 |
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| title = メロンパンの真実 |
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| author = 東嶋和子 |
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| isbn = 4-06-212278-2 }} |
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* {{Citation|和書|title=中川ひろたかグラフィティ―歌・子ども・絵本の25年|last=中川|first=ひろたか|year=2003|publisher=旬報社|isbn=978-4845108022}} |
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== 関連項目 == |
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{{Commonscat|Melonpan}} |
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* [[菠蘿包]] - メロンパンに似た形状、製法をした[[香港]]のパン。 |
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* [[海老名サービスエリア#海老名メロンパン|海老名サービスエリア]] - 海老名メロンパンが有名なサービスエリア。 |
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<!--ここに加筆するにあたっては、その前にノートで議論を行い合意の形成をお願いします。--> |
<!--ここに加筆するにあたっては、その前にノートで議論を行い合意の形成をお願いします。--> |
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[[Category:菓子パン]] |
[[Category:菓子パン]] |
2024年11月11日 (月) 12:46時点における最新版
メロンパンとは、日本発祥の菓子パンの一種。全国的には、円形のパン生地の上に甘いビスケット生地(クッキー生地)をのせて焼いたパンで、表面に格子模様が付いているものが主流だが、外見や材料の異なる様々なものがある[1][2][3]。関西と瀬戸内の一部では、「メロンパン」といえば紡錘形で白あんが入ったパンを意味し[1][4][5]、ビスケット生地の乗った円形のパンは、サンライズと呼ぶ[1][4]。名称の由来には諸説あるが、多くのメロンパンにはメロンが入っていない[2][6]。
起源は諸説あるが、円形のメロンパンは昭和初期には誕生していたと考えられており[7]、紡錘形のメロンパンは1936年[8][9]もしくは1952年[1][10]に誕生したと考えられている。
主流である丸型のメロンパンは、ビスケット生地が他のパンに見られないほどに分厚く広範囲を覆っていることが一般的であり、このパンの最大の特徴であるとされる[11]。しかし、丸型のメロンパンであってもビスケット生地がついていないものもあり、メロン果汁が含まれるクリームが入っているものなど多様な種類がある[2][3]。長方形、楕円形、富士山型などの形のメロンパンも販売されている[5][12]。
漫画・映画・アニメなどの影響で、ヨーロッパにおいても円形のメロンパンが食べられている[13][5]。
名称の由来
[編集]名前の由来はいくつかの説があり、どれが正しいのかは不明である。
円形のメロンパンについて
[編集]球形のメロンであるマスクメロンが日本に伝わったのは大正時代であり、「メロンパン」という名称が広まったのは1930年代以降と考えられている[14]。
- 表面のビスケット生地に数本の筋や格子状の溝が入れてある外見がマスクメロンの模様に似ているためという説[15][1]。形状については、メロンの高級さにあやかって形を似せたという説と、偶然できたひび割れがメロンに似ていたという2つの説がある[16][15]。
- 「メレンゲパン」が訛ってメロンパンになったという説[15][17]。ビスケット生地に卵白を泡立てたメレンゲを加えていたため、かつてはメレンゲパンとも呼ばれていた[15][18]。ただし、澁川祐子はこの説を「一般に信憑性が薄い」説であると論じている[17]。
紡錘形のメロンパンについて
[編集]- 形状と表面に数本の溝が入れてある外見が、当時はメロンと呼ばれていたマクワウリに似ているためという説[17][1][9]。
- チキンライスなどに使われる業務用調理器具の、紡錘形のライス型である「メロン型[17][19][20]」を使用して成型したパンだからという説[17]。
- 1936年創業の呉市のパン屋「メロンパン」の中塩春馬が、メロンの高級なイメージをつけようと店名にしたことで広まったという説[8]。
歴史
[編集]円形のメロンパン
[編集]起源
[編集]円形のメロンパンの起源には諸説ある。
- 1910年にアルメニア人のパン職人イワン・サゴヤンが、フランスの焼き菓子「ガレット[注 1]」を元に発明したという説[21][14][22][23]。満州のハルビンの東清鉄道直営の東清ホテル(後のヤマトホテル)から大倉喜八郎が帝国ホテルに引き抜いたイワン・サゴヤンは、ロシア帝国のロマノフ皇帝家の元宮廷料理人であったため、フランスパンとウィーン風パン(ドイツパン)両方の製法に精通していた[14]。そうした様々な技法や食感のパンを組み合わせるロシアの伝統から生まれたとされる[23]。サゴヤンは、このパンをメロンパンとは呼んでいなかった[14]。
- 1930年に東京のパン屋「駒込木村屋」の店主・三代川菊次が実用新案登録したパンの製法や形状が現在のメロンパンに類似しており、これをルーツとする説[24][25][26]。当時の記録にはパン生地にケーキ生地を被せてコーヒーやバナナなどの風味をつけると説明されており、パンの名称は書かれていない[24][25]。
- 1930年代、神戸のパン屋「金生堂(きんせいどう、きんしょうどう)[1]」の呉支店が発売した、ビスケット生地を乗せた丸い形のパン「サンライズ」が日本で最初のメロンパンという説[1]。
- アメリカ経由で日本に入ってきたメキシコの菓子「コンチャ」[27]、ドイツの菓子「ストロイゼルクーヘン 」[28]がルーツという説。
変遷
[編集]1930年代に、神戸に本店があるパン屋「金生堂」の呉支店において、円形のパンにビスケット生地を乗せた「サンライズ(サンライス)」が誕生した[29]。旭日旗を模して放射状の線を付けたパンであったため、サンライズと名付けられた[1]。その後、生地表面に格子模様を施したパンが普及し、その見た目から名前をメロンパンに変える店が増加した[1]。大手の製パン業者も、それまでサンライズという名で製造していたものをメロンパンと改めた[5]。金生堂ではサンライス[注 2]の名前は残ったものの、日の出模様のパンの金型が入手しにくくなり格子模様に変えた[1]。
広島に本店を置くアンデルセンやリトルマーメイドは、2000年以降においても全国で「サンライズ」の名称で円形のメロンパンを販売している[30][5]。2000年代に行われた日本経済新聞の野瀬泰申の調査によれば、京都、広島、滋賀、愛媛、兵庫などでは「サンライズ」と呼ばれることが多い[4]。
普及
[編集]1993年に山崎製パンのメロンケーキデニッシュが6月からの半年間で2800万個を売り上げる爆発的ヒットを記録しメロンパンブームを牽引した。これが最初のメロンパンブームとされる[31]。メロンケーキデニッシュは薄いスポンジケーキにクリームを挟んで周りをメロンパンの皮で包んだ菓子パンであった[31]。
2005年ごろに円形のメロンパンを販売する移動販売車が増加し、メロンパンブームと言われた[32][33][34]。2015年ごろにもメロンパン専門店が徐々に増加し、メロンパンブームが復活しているとされた[33][34]。
東京では、2003年ごろから「浅草花月堂」をきっかけにお土産や食べ歩きフードとして円形のメロンパンが話題になり、名物として人気が定着した[35][36][37]。
紡錘形のメロンパン
[編集]1936年に広島県呉市でパン屋「メロンパン」が創業し、ビスケット生地をのせて焼いたカスタードクリーム入りの紡錘型のパンを「メロンパン」として販売した[27][8][9][38]。呉市では「メロンパン」は主に紡錘形のメロンパンを表し、円形のメロンパンはコッペパンと呼ばれ、他の地域でコッペパンと呼ばれているパンは「給食のパン」などと呼ばれている[27][39]。
1952年に生活協同組合コープこうべの前身である神戸消費組合のパン職人がオムライス用のキャップから着想を得て開発したのが紡錘形メロンパンの始まりとする説もある[1][10][5]。神戸消費組合のメロンパンはビスケット生地は使わず、中にはマーガリンを加えた白餡が入っている[10][40][41]。
2000年代に行われた日本経済新聞の野瀬泰申の調査によれば、京都、滋賀、兵庫、高知などでは白餡入りの紡錘型のメロンパンが販売されていることが多い[4]。
発展
[編集]円形のメロンパンであってもビスケット生地が付いておらず表面が柔らかいものや、メロン果汁が含まれるクリームが入っているもの、メロン味ではないクリームが入っているものなど多様な種類がある[2][3]。
円形のメロンパンの変化形として、メロンの形とは関係のない長方形や楕円形などの形をしたメロンパンも販売されている[5]。富士山周辺などでは富士山型のメロンパンも販売されている[42][12]。また、円形のメロンパンを亀甲に見立てて、頭・四肢・尾を付けたカメの形のメロンパンも複数の場所で販売されている[43][44]。
メロンパンの皮焼いちゃいました
[編集]2014年、山崎製パンがメロンパンの皮の部分をイメージした菓子パン『メロンパンの皮焼いちゃいました』を発売した[45][46]。社内の開発からの「メロンパンの皮がおいしい」「メロンパンの皮を剥いで食べる人もいる」という意見をもとにブリオッシュメロンパンを参考に開発された[45]。発売当初は販売数が伸び悩んだが発売から3週間後にtwitterで「夢のような商品が登場した」と話題になり各種メディアに取り上げられ1年で3400万個を出荷する人気商品となった[45]。
メロンパンアイス
[編集]2015年ごろから、焼きたての円形のメロンパンにアイスクリームを挟んだ金沢発祥のスイーツ「世界で2番めにおいしい焼きたてメロンパンアイス」が全国的にブームになった[47][48][49]。このブーム以降、メロンパンにアイスクリームを挟んだメロンパンアイスは、発祥の店以外でも販売されている[50][51]。
円形のメロンパンの形を模したアイスクリームも「メロンパンアイス」と呼ばれることがある。味、香り、形状までメロンパンに似せたアイスクリームは2009年にオハヨー乳業がファミリーマートで販売を開始したものが初めてであったとされ、これは10年以上販売されるロングセラーとなった[52][53]。
栄養素
[編集]日本食品標準成分表2020年版(八訂)によれば、メロンパンの100gあたりの栄養成分は、エネルギー349kcal、タンパク質6.7g、脂質10.5g、炭水化物59.9gなどとなっている[54]。メロンパン1個あたりの糖質は約46gであり、6枚切りの食パン一枚あたりの糖質が約27gなのと比較すると高めである[55]。表面に砂糖がたっぷりまぶされているタイプはさらに糖質が高くなる[55]。総じてメロンパンのカロリーや糖質は高い傾向がある[55]。ただし製品によっては低カロリー低糖質なものもある[55]。
取り上げた作品
[編集]- 『アンパンマン』(やなせたかし)
- 1992年にメロンパンをモチーフにしたキャラクター、メロンパンナが登場している[56]。誕生のきっかけは読者からの投書であった。「他のパンはあるのになぜメロンパンのキャラクターがいないのか」という内容の投書がかなりの数来ていたが、作者のやなせたかしはそれまでにメロンパンを食べたことがなかった。メロンパンのイメージを膨らませるため2年間メロンパンを食べ続けてようやくメロンパンナというキャラクターが生まれた。やなせたかしはメロンパンナが最も苦労したキャラクターだったと述べている[57]。
楽曲
[編集]- 『5つのメロンパン』(中川ひろたか 1977年)
- イギリスの民謡『Five Currant Buns』を中川ひろたかが訳したもの。原詞に登場する「パン」を「メロンパン」と訳している[58]。
- 『メロンパンのうた』(ゆっぴ 2007年)
- カレーパンにはカレーが入っているのにメロンパンにはメロンが入っていないという不条理を歌っている。作詞作曲歌唱は小学3年生のゆっぴが行っている[59]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l “メロンパン 神戸ではなぜ「サンライズ」?” (Japanese). 神戸新聞NEXT (2016年10月12日). 2023年4月19日閲覧。
- ^ a b c d “メロンパンの正体とは?ビスケット生地があればいいというものではないらしい”. ESSEonline(エッセ オンライン) (2016年11月1日). 2023年4月20日閲覧。
- ^ a b c “コンビニのメロンパン食べ比べ - 王道から変わり種まで幅広く紹介!”. マイナビニュース (2019年7月10日). 2023年4月20日閲覧。
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参考文献
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- 澁川祐子『ニッポン定番メニュー事始め』彩流社、2013年。ISBN 978-4-7791-1934-7。
- 澁川祐子『オムライスの秘密 メロンパンの謎 人気メニュー誕生ものがたり』新潮社、2017年。ISBN 978-4-10-120681-3。
- 締木信太郎『パンの百科』中央公論社〈中公文庫〉、1980年。全国書誌番号:81010504。
- 田埜哲文『ひみつのあっこちゃんのコンパクトはなぜ ボクが解決したサブカルチャー疑問集』徳間書店、1993年。ISBN 4-19-555133-1。
- 東嶋和子『メロンパンの真実』講談社〈Kindle版〉、2007年。ASIN B08MF2LH4C。
- 中川ひろたか『中川ひろたかグラフィティ―歌・子ども・絵本の25年』旬報社、2003年。ISBN 978-4845108022。
関連項目
[編集]- 菠蘿包 - メロンパンに似た形状、製法をした香港のパン。
- 海老名サービスエリア - 海老名メロンパンが有名なサービスエリア。