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「魔人探偵脳噛ネウロ」の版間の差分

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; 至郎田正影(しろた まさかげ)演:[[伊藤健太郎 (声優)|伊藤健太郎]]
; 至郎田正影(しろた まさかげ)演:[[伊藤健太郎 (声優)|伊藤健太郎]]
: フレンチレストランの[[オーナー]][[シェフ]]。
: 「成功を呼ぶ店」と呼ばれるフレンチレストラン『シュプリームS(シロタ)』の[[オーナー]][[シェフ]]。だが実際、その料理には違法な薬物が多量に含まれており、それを用いて“食の千年帝国”([[遊戯王]]からと思われる(師匠もファン))を作ろうと画策していた。そのことから反対するシェフの'''海野浩二(うんの こうじ)'''を殺す。編み出した究極の料理・ドーピングコンソメスープ(後述)で肉体を強化し逃走を図ったが、ネウロには全く通じず痩せ細った姿に変えられた。そのあまりのインパクト故、[[2ちゃんねる]]を中心にインターネット上などの一部における彼の人気は多大なものである。登場した時点で殺人を犯している事も含め、この漫画が色々な意味で、推理漫画では無い事を読者に知らしめた人物とも言える。尚、[[ボディビル]]の項目から「薬物を使えば、誰でも簡単に筋骨隆々になれるというわけではない。薬物を使用しようがしまいが、ハードなトレーニングを実施しない限り筋肉は発達しない」というのが本当で、瞬時に効果が出たのは「あくまで漫画だから」である。しかし「至郎田は筋肉を直接・瞬時に発達させるレシピを考えた!」、「至郎田は実は普段からかなりのトレーニングをしており、DCSは押さえた筋肉のバンプアップの為の起伏剤にすぎない」という線もある。
: [[至郎田正影]]を参照
: 人気投票では"犯"人気投票・一般人気投票を足した総合投票数が一位だったことは、結構有名。また、原作には3話しか登場していないにも関わらず、ドラマCDにおまけエピソードとして登場する他、Tシャツ、お皿、ピンズなどが発売され、根強い人気の高さが伺える。さらにWJ2007年3号には作者松井優征の師匠である[[澤井啓夫]]が描く『[[真説ボボボーボ・ボーボボ]]』にも'''「DCS(ドーピングコンソメスープ)真拳」'''なる真拳を使うキャラとしてゲスト主演している。

; 鷲尾正勝(わしお まさかつ)
; 鷲尾正勝(わしお まさかつ)
: 吾代が勤めていた金融会社の社長代理。小学生の頃から、自分が自分のいる巣(集団)の中心(かといって「一番になりたい」わけではない)にいないと気がすまない我侭な性格で、それ故に社長の'''早乙女國春(さおとめ くにはる)'''を殺害する。ネウロに気を狂わされ、怯えて奇声を上げながら、逃走。その後の行方は不明。[[名前]]のモデルは[[熱血硬派くにおくん|くにおくんシリーズ]]の鷲尾修二。
: 吾代が勤めていた金融会社の社長代理。小学生の頃から、自分が自分のいる巣(集団)の中心(かといって「一番になりたい」わけではない)にいないと気がすまない我侭な性格で、それ故に社長の'''早乙女國春(さおとめ くにはる)'''を殺害する。ネウロに気を狂わされ、怯えて奇声を上げながら、逃走。その後の行方は不明。[[名前]]のモデルは[[熱血硬派くにおくん|くにおくんシリーズ]]の鷲尾修二。

2007年1月7日 (日) 19:42時点における版

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魔人探偵脳噛ネウロ』(まじんたんてい のうがみねうろ)は、「週刊少年ジャンプ」2005年12号より連載中の少年漫画作品。作者曰く「推理物の皮を被った単純娯楽漫画」。作者はこれがデビュー作となる松井優征。本作のプロトタイプとして「赤マルジャンプ」2004年夏号と「週刊少年ジャンプ」2004年41号に掲載された二つの同タイトルの読切がある。

なお、連載開始から1年半で単行本100万部突破。2006年11月6日にオリジナルストーリーでのドラマCDの発売が開始された(以下、登場人物右の"演:"は担当声優)。2007年4月25日には、第二弾が発売される予定。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


概要

主人公はタイトルにもなっている魔人(異世界の生物)・脳噛ネウロと、食欲以外はごく普通の女子高生・桂木弥子の二人。

本作は、「謎」(正確には、謎が解かれたことによって開放される、秘められた悪意のエネルギー)を「食糧」とするネウロが、魔界の謎を喰べつくしてしまったため、新たな謎をもとめて人間界を訪れるところからスタートする。ネウロは人間界で目立たず生活するために弥子を探偵役に仕立て上げ、自らが解いた難事件をあたかも弥子が解いたかのように見せかけ、その事件の謎を「喰べる」ことを始める。こういった筋立てであるため、本作には「グルメ」、「食事」といったテーマが底辺に流れている。

また、推理そのものは本格推理の在り方を継承しているが、主人公のネウロそのものがファンタジー的な存在であるため、普通の推理ものでは反則と言われるようなことを平気で行える。よって推理方法は非常に個性的なものである。それは、読者にほとんどヒントを与えずに、主人公は「魔界777ツ能力(どうぐ)」という魔界の道具を使ってすぐに犯人を捜しあてる、という強引な解決方法である。推理には重きをおかず、突出したガジェットや荒唐無稽なトリック、犯人の異常な心理や奇怪なリアクションを特徴としている。

また、作者は推理小説ファンではないため「推理小説の犯人は勘で当てる」と、推理ものへの思い入れは薄い事を語っており、本作のジャンルは「推理物の皮を被った単純娯楽漫画」であると1巻のコメントに書いている。

「ストーリー上では特に重要なわけではなく、登場回数も1回きりだが、それでも読者の記憶に鮮明に刻み込まれる奇抜なキャラ」が数多く登場する。また、犯人達はいわゆる変態性欲変質者)が多い。

連載開始から、しばらくの間は推理漫画として批評していた者も少なからずいたが、単行本1巻が発売されて前述の表紙コメントが公表された現在では、インターネット上の評価にも娯楽漫画として割り切って楽しむというスタンスが浸透している。

作者は、挿絵画家石原豪人の毒気と色気を手本にし、また師匠である澤井啓夫の豪快でざっくばらんな画風を色濃く受け継いでいるため(余談だが設定面での破天荒さや構図なども澤井啓夫の特徴を継承しているといえる)、本作は非常に奇妙で滑稽な独特の作風となっている。また、犯人・サブキャラ・小ネタに世間一般を面白おかしく、多少過激に皮肉ったブラックユーモア溢れる描写が多々見られるのも本作の特徴の1つと言える。最近では狂気的なパロディも取り入れている。

6巻以降、定番の投稿イラストコーナーが設置された。しかし、イラストコーナーは巻末に2ページだけのため、作者からのコメント、投稿者の名前、住所すべてをカットし、イラストをびっしり敷き詰めた「すしづめ」状態になっている。また、左に行けば行くほど縮小されて掲載されている。このため、わずか2ページのスペースに八十数枚という大量のイラストを掲載している。

あらすじ

謎を食料とする突然変異種の魔人脳噛ネウロ。脳髄の空腹を満たすべく魔界のありとあらゆる「謎」を喰っていたが、いつしか単純で小さなそれらの「謎」全てを喰らい尽くしてしまったネウロは、自らの空腹を満たせるであろう「究極の謎」を求め、人間界へと赴く。

人間界へと降り立ったネウロが最初に見つけた謎は、女子高生である桂木弥子の父親・桂木誠一が殺された事件。警察の捜査が難航する中、弥子に接触したネウロは事件を解決する代わりに、探偵という名の傀儡(奴隷)を演じろと強要する。断れば間違いなく殺されるであろう脅迫を前に、弥子は嫌々ながらも探偵役を演じる羽目になる。桂木家の謎を解く前に、前菜として近場の喫茶店で起きた事件を『魔界777ッ能力(どうぐ)』を駆使し解決する(あくまでも表向きは弥子が解決したことになっている)。そして桂木家の謎もあっさりと解決する。父が殺された事により日常を失い、深い絶望感に苛まれていた弥子だが、この一連の出来事でようやく立ち直ることが出来た。

だが同時に、その後もネウロの隠れ蓑「女子高生探偵桂木弥子」として「謎」を解決していく羽目になった弥子は、多くの事件を通して次第に「謎」に満ちた奇妙な日常に慣れていく。そして、ひとりきりの歌姫・アヤ・エイジア、世界中を震撼させる凶悪犯罪者・怪盗“X”など多くの犯罪者と接していく中で、弥子の中に犯人の心理の奥底にある想いを理解しようとする感覚が芽生えていく…。

登場人物

桂木弥子魔界探偵事務所

脳噛ネウロ(のうがみ ねうろ)演:子安武人
本作品の主人公一人称は、「我が輩」。表向きは『桂木弥子魔界探偵事務所』の探偵助手として腰の低い青年助手を演じているが、魔界の謎をすべて喰らい尽くし人間界に降り立った魔界の突然変異種である魔人。常識を超えた頭脳と身体を持つ。性格は傲岸不遜で傍若無人、弥子曰く「ドS」。理由の有無に関わらず積極的に奴隷(弥子や吾代)を虐めては楽しんでいる。普段は人間の姿に変身しているが、能力使用時と犯人などを威嚇するとき、および「謎の気配」を見つけて嬉しくなったときには鳥類の如き頭部を持つ魔人の姿になる。瘴気の薄い地上では魔人の力が弱まってしまうため、傷の回復が遅れたり魔界777ツ能力を何度も使えなくなったりという危機を迎えたこともある。それでも現時点では、手首を切断されても一晩切断面を繋げていれば元通りになる等、回復力も遥かに人間を凌駕している。
一人称は「我が輩」だが、助手を演じている際は「僕」。時として犯人以外の人間の前で本性を現すことも。当初は人間を格下の存在として見ていたが、弥子や怪盗“X”が困難を克服すべく工夫や努力を凝らして進化していく姿を見て、人間を「究極の謎を作り出す可能性を秘めた種族」として評価、少なからずも興味を抱いている。
誕生日は16月344日(ちなみにこれを人間界の日付に換算すると弥子の誕生日と同じ3月10日になる)、年齢は地上の言語では表記不能。劇中で電人HALが述べたところによると、神経細胞を示すニューロン(Neuron)が名前の由来のようである。
余談だが、連載開始時期の近い『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』のムヒョとは気が合う同士で仲が良いようだ。
桂木弥子(かつらぎ やこ)演:植田佳奈
本作品のヒロイン。一人称は「私」、若しくは(時折)「あたし」。表向きは『桂木弥子魔界探偵事務所』の所長兼女子高生探偵だが、実はネウロの正体を世間に晒さないための傀儡。当初は建築家だった父を殺した犯人を見つけてくれたネウロへの恩義と、魔人としての力を使った脅迫による恐怖心から、彼の指示に渋々従って行動していたが、最近は数々の事件を通して、犯人の心理に興味を持ち始め自ら進んで行動をとるようになった。アヤ・エイジアの事件や、「最後の自分」像を巡る怪盗“X”との対決などで徐々に研ぎ澄まされていく観察力を、ネウロも多少認めはじめた節がある。電人「HAL」の事件では在りし日の春川が講義を行う映像から電人「HAL」の目的とパスワードを読み解き、その優れた観察力を存分に発揮している。
貧乳で細身、小柄な体型によらず大食いの美食家で、その食に捧げる情熱は、学食のためだけに必死で勉強して難関高に合格するほど(入学後は当然の報いであるごとく赤点三昧)。その食事量は最早人間のレベルを遥かに超えており、周囲はおろかネウロですらあきれる有様である。味覚グルメ漫画の主人公と互角以上に鋭い。宝石キラキラしておいしそうだから詳しくなったりと、その思考はなにかれ構わず食に繋がる。毎週の登場人物紹介でその食に対するこだわりが垣間見られるような好物が一つずつ紹介されている。春川教授と出会った旅館では、1人でバイキングの料理を30分で壊滅させた。
誕生日は3月10日。座右の銘は「まず白米ありき」。
吾代忍(ごだい しのぶ)演:谷山紀章
元は『桂木弥子魔界探偵事務所』設立前にビルに入っていた、やくざ運営の金融会社『早乙女金融』の副社長代理。社長の殺人事件解決をネウロ達に依頼しその報酬として事務所そのものを要求され、事件解決をきっかけに建物を追い出される。その後コンビニのバイトなどをしていたが、ネウロに脅しを掛けられ事務所雑用として無理矢理雇われた。現在は望月総合信用調査の副社長兼監査役として出向中、実質的な社長として働いている。
チンピラなだけに血の気が多く、キレやすい性格。意外にもアヤ・エイジアの大ファンで、彼女が弥子達によって逮捕されたと知ったときには動揺を隠せなかった。喧嘩の腕は凄まじいほどで、社長のスパルタ教育により裏の世界の情報網にも詳しいが、最終学歴は小卒(悲惨な環境で育っただけあって、義務教育は6年と思い込んでいる)。それが露見されてからは、ネウロにいい虐めネタとして使われるようになり、幼少から社長の早乙女に拾われるまでの過去を思い出してしまうのかトラウマにもなりつつある(ドラマCDでも、彼の幼少期は非常に家が貧乏だったらしく、母親からそれを誤魔化す為に色々と嘘を吹き込まれていたという、悲しい過去が語られていた)。だが、早乙女金融在籍時に法律等の知識を叩き込まれたため仕事はそれなりにできる。望月総合信用調査で副社長として働くようになったおかげでBMW X3の車を30回ローンで購入できたが、ネウロが篚口の追跡に使用した際、完全に破壊。ローンだけが残る悲惨な結末となった。
誕生日は11月3日。得意技は凶器攻撃、求人誌速読。他の元闇金融会社メンバーや鷲尾の級友のネーミングの傾向から察するに、名前のモデルはファミコンゲームのくにおくんシリーズの名脇役・五代奨であると思われる。
あかねちゃん
探偵事務所の前の、金融会社が入るその前からその部屋にいたと思われる、コンクリート壁に塗り込められた女性の死体。生前は紛う事無き美少女である模様。ネウロの瘴気にあてられ中途半端に生き返り、髪だけが動く。普段はおさげだけが壁から露出している。直接話す事はできないが、おさげを自在に操って筆談で意思疎通するほか、あらゆる業務を完璧にこなす有能秘書である。弥子が惚れ惚れとするほどの美しい髪の持ち主。ちなみにメールチャットでは英語ペラペラ(だが、筆談やキーボードなどを介さないと話ができないため、ドラマCDでは効果音のみで出演していた)。
普段は壁から離れることが出来ないものの、後にネウロにより、何かしらの物質にくっついてエネルギーを貰うことで、短時間だけならおさげだけで外出できるように改造された。最近は弥子のケータイのストラップとしてエネルギーをもらい活動することが多い。長時間の活動を行う時は、弥子の髪の毛と合体し“弥かねちゃん”となって行動する。この“弥かねちゃん”は、噛み切り美容師の調査に大いに貢献した。
彼女の死には何らかの謎があるようだが、ネウロはその解決を行っていない。しかし、いずれはあかねの謎も「喰う」つもりだという。

警察関係者

この漫画に登場し警察に所属する人物は、犯人キャラなどを入れてそのほとんどが名前の一部に「竹」または「竹冠」を含む。

笹塚衛士(ささづか えいし)演:遊佐浩二
事件現場などで度々会う顎ひげの31歳刑事。低いテンションと高い実力で有名。普段から無表情でくたびれた感じを漂わせているが、いざという時の動作は俊敏で、射撃の腕前も天才的。事件の資料を提供するなど弥子に協力的姿勢を見せるが、ネウロのことを怪しんでいる節もある。
笛吹、筑紫とは大学時代の旧友。大学生だった頃の性格は比較的に陽気で、笛吹よりも成績は優秀だった。大学在学中、妹の誕生日に家族(父、母、妹)を皆殺しにされ、それに関連して大学を卒業してから警察に入るまで1年ほど、行方をくらましていた。本来ならキャリア組として警察に入るはずだったが、その一件からノンキャリア組で警察に入っている。姿を消している間に地下(裏世界)に通じ、怪しげな人脈を持っているという噂がある。弥子のことを容姿や雰囲気の似ていた妹と重ねているとみられ、あまり大きな事件に巻き込みたくないようだ。Xによるトラウマのせいであるのか、元から日常的にそうしているのか、異常なほどに食欲が無い。塩と焼酎と日光だけで2週間生き延びたほど。
誕生日は7月20日。好物はたこわさ焼酎
石垣筍(いしがき じゅん)演: 鳥海浩輔
弥子父殺人事件解決以降から竹田に代わり笹塚とコンビを組む若き刑事。高いテンションと低いプライドを合わせ持つ、今時のミーハーな若者っぽい性格。刑事としては有能とは言いがたく、しばしばヘマを起こす。趣味は食玩集めやプラモデルフィギュアなどのモデル系ホビー全般だと思われ、コレクションを揃えたり、よく仕事の合間にプラモデルを作っている。オタクモデラーとしての腕前は確か(雑誌に掲載されたことがあり、ツッパリ系の弟子がいる)だが、その収集物・作成品は大抵の場合「ウザイ」という理由で、途中で笹塚によって破壊されたり、捨てられたりしてしまう。自分たちより先に事件を解決してしまう弥子達に対してあまりいい感情を持っていない。だが立場と能力的に無能そのもの(インタビューを試みた弥子いわく「チキン」)。学生時代の頃からカンニングとコネのみで試験を乗り切っていたらしい。
ドラマCD版ではアキバでおでん缶を買ってきたり、萌え喫茶(後述)通いが判明したりというエピソードがあった。その為、ファンの間では「原作よりもオタク度がアップしている」と言われている。また、一人称が一箇所だけ「僕」になっている所があり(普段は「オレ」)、ボーナストラックでも弥子を「弥子ちゃん」と呼ぶ等、弥子に対してもフレンドリーに接している面も見られたため、少々違和感を覚えるファンもいた模様。
単行本2巻において、本来の名前の読みは「いしがき しゅん」だったが、誤植によって「じゅん」が正式な名前になったことが明かされた。誕生日は4月18日。年齢・身長・体重が笹塚よりも7ずつ小さい。
笛吹直大(うすい なおひろ)
笹塚の上司で、キャリア組。大学時代は同輩であった笹塚といがみ合いながらも良き友でありライバルであったが、笹塚がXの一件のショックで国家試験に来なかったことで険悪な関係となり、刺々しい態度を見せていた。一般人にも関わらず事件に首を突っ込む弥子とネウロを快く思っておらず、彼らを「汚い者」と見なし目の仇にする。
根っからのキャリアタイプで、現場では空回りが多いようだが捜査指揮など管理・戦略側の仕事においては比類なき才能を見せる。態度が大きく、物や人に八つ当たりしやすく、気に食わない者に対して見下すようなイヤミを言う現場潔癖症。ただし、ヒステリア編以降はそうした面に多少軟化の傾向が見られる。
上記の通りのきつい性格だが、可愛いものと甘い食品を好む意外な一面もあり、憎めないキャラ。弥子にテディベア好きであることを見抜かれた。また、可愛らしいを育てる趣味もある。誕生日は4月18日(石垣と同じ)。背が低い(約164cm)ことを自分でも気にしているようだ。なお、コーヒーはブラックが苦手。
筑紫侯平(つくし こうへい)
笹塚の同僚、笛吹の部下で、大学時代の旧友(二人の一年後輩)にあたる。非常に無口だが、二人のことを気遣っている。笛吹の数少ない理解者。解説やフォローが得意で仕事もできる。目で語りかけることができるらしい。篚口を「まっとうな人間」にする際には、彼を手錠で拘束、さらには寝たら起こすという役目を担っている。
誕生日は2月4日。尊敬する人は笹塚、笛吹、ピロリ菌を飲んだ人(バリー・マーシャル)。
篚口結也(ひぐち ゆうや)
環境によっては文字がつぶれて表示される・或いは正しく表示できない可能性があります。正しい表記は匪に竹冠()です。
弱冠19歳にして特例で刑事となった、警視庁・情報犯罪科の刑事。連続放火事件で予備校生を装って「比田夕也(ひだ ゆうや)」と名乗り、弥子達と出会い接触。常に飄々としており、石垣とはまた違った意味で今時の若者風。笛吹や笹塚の後輩にあたるが、彼等に対しても遠慮なくタメ口を使うおよそ刑事らしくない人物。笛吹曰く「口の訊き方を知らないガキ」だが、専門の情報犯罪関係に関する腕は確かで、凄腕の天才。遠視がひどくなっているらしく、常に所持しているノートパソコンを使う時は眼鏡をかける。本人は同じく眼鏡をかけた笛吹とキャラがかぶるのを嫌がり、本部に居るときは大抵眼鏡を額に上げている。警察関係の中では弥子と親しいが、犯罪を行う人間に対する見解は、弥子の思考と視点とは異なる。
上の命令により、HALの電子ドラッグの特効薬(ワクチン)を作り上げたが、逆にHALの返り討ちを受け、その支配下に置かれる。その時に気付かされた犯罪願望は「混沌願望」。無秩序な犯罪者だらけの世界を作る事を望んでいる。しかし彼の場合は、過去に両親を失った経緯から、「普通の家庭を望む事が犯罪なら、世の中は犯罪者ばかり」と思った事が最大の要因。ちなみに自ら開発した特殊偏光グラスによって僅かにHALの洗脳を振り切っており、「犯罪に対する罪の意識」(罪悪感と苦悩)が残った故の不安な表情が弥子にその事を気付かせた。また彼の苦痛の心情による動機は、弥子が電人「HAL」の目的(パスワード)を解明する際の手懸かりの一つにもなった。
HAL消滅後、HALに洗脳された一件で警察を辞めようとしたが、弥子が笛吹に「篚口を残してくれ」という手紙を残していた為、結局は残る事になる。
名前の由来は、偽名・本名共に火に関連していると思われる。
筒井壮太(つつい そうた)
警視庁の刑事で、怪盗X事件を捜査中にネウロ達と出会う。粗暴な上、出世欲が異常に強く、Xを逮捕することにより一気に昇進しようと息巻くが、そのXによりあえなく「殉職=二階級特進」させられる羽目になる。最期は何が起こったかわからないまま「ぇはん」という情けない断末魔を挙げて死んだ。
箕野将三(みの しょうぞう)
警視庁捜査一課の刑事。中年で腰が低いが、良い人。
笠木(かさぎ)
笛吹の部下の一人。下の名前は不明。
管野広志(かんのひろし)
県警刑事。扇子を持っている。弥子のファンで、物分りがいい。

怪盗“X”と協力者達

ネウロの命をつけ狙う世界的な犯罪者、怪盗"X"と彼に力を貸す者。現在判明している協力者は一人だけだが、Xの口ぶりから他にも複数存在するとの見解が有力である。

怪盗X (Monster Robber X.I) (かいとうサイ) 演:斎賀みつき
世界を騒がす怪盗。作中ではX(サイ)と略されることが多い。怪盗Xは日本での略称であり、正しくは未知を表すXと、不可視(Invisible)を表すIを合わせた“怪物強盗X.I”。語源は全く目撃されない上に証拠一つ残さない手際の良さと後述するある特徴を指して海外のメディアが率直に表現した呼称だが、作者の意図的には“魔人探偵脳噛ネウロ”と対比させたネーミングのキャラと思われる。
人間の突然変異とも言うべき存在で、細胞を変化させ、子供から老婆までありとあらゆる人物の顔に化けることが可能。また、脳細胞が常に変化する為に記憶が常に失われ続ける。故に年齢、性別などを含め自分の正体が自分でも分からず、「作った奴の中身が全部詰まった」美術品を盗んだり、その過程で出会った他人を解体(殺害)しその中身を“箱”として見ることで、自分が何であるかの答えを探し出そうとしている。自分の姿が分かっていないが便宜上、普段は少年の姿をとる。性格も外見年齢を反映してか極めて無邪気、そのくせ残酷。ただし、内面には「自分の中身がわからない」故の苦悩と不安を抱え込んでいる。
人間でないネウロに深く興味を持ち、純粋な関心と自身の中身の所在の可能性を見て彼の中身を見ることに執着している。殺した人間に化けることで、一般人から著名人まで多くの人間に「なって」おり、内閣総理大臣にすら成り代わっていた事もある。細胞の変異が急ピッチで進行中。現在は外見だけなら動物に成り代わることや体の一部を増やすことすら可能。
一人称は「オレ」だがドラマCDではなぜか石垣同様、一箇所のみ「僕」になっている。原作でも本誌掲載時に一度だけ「僕」と間違われたことがあったが、単行本で修正された。
モチーフ怪人二十面相と思われる。
アイ 演:上原さやか
Xの犯行を影ながらサポートする、謎の女性。主に死体の処理、Xの記憶の補完、彼が"なっている"人々のリスト管理などを担当しているらしい。性格は寡黙で礼儀正しい。Xに対しても付き従う者としての姿勢を常時崩さないが、時に盗みを面倒がる彼に"怪盗キャラ"としての振る舞いを求めることも。興味が惹かれる(人の思いが詰まった)品が無いためにXが適当に選んだ盗品(B級グッズ)を下げ渡されることもしばしばで、自宅にはそうした品がどんどん溜まっていっている。
素性は不明。Xの正体を知ることだけが自分の望みであると語る。Xは彼女の中身にも興味を持っているが丁重にお断りしている。手術も出来るらしい。

犯人達

『ネウロ』の最大の特徴であり魅力になっているのは、個性的な犯人たちの描写である。「謎」が解き明かされた瞬間、性格や(時には)姿までが豹変して、狂った本性を見せる犯人のシーンは、同作品の見せ場の一つになっている。そのため本誌では人気投票とは別に「"犯"人気投票」なるものが行われた。ここでは、前述した怪盗Xを除き「犯人気投票」にエントリーされた犯人たちと、その後の事件の犯人たちを掲載するが、厳密には犯人ではない者も含まれている。また、犯人と似たような性質を持つ風刺的なキャラクターなども作中には多数登場するが、殺害や犯罪を起こしているわけでもなく、ストーリーでの重要性も低いため、ここでは省略する。

※また、「推理漫画ではない」事を強調するためなのか、コミックスの目次(ドラマCDではブックレット)の「まじんたんていのうがみねうろ」の文字がたくさん並んでいる部分には、よく見ると犯人の名前が隠されているというギミックがある。

事件解決後に弥子達に協力した犯人達

犯罪を犯し、弥子達に犯行を暴かれた後、弥子達に協力する犯人達のこと。全員一周年記念の「犯」人気投票にエントリーされている(例:アヤ・エイジアは面会時、弥子にアドバイスしてくれた。早坂兄弟は、弥子達と共に電人HALとの戦いに加勢した)。

アヤ・エイジア
本名は逢沢綾(あいざわ あや:正確には「逢」の文字はしんにょうの点が二つ)。探偵事務所開設後最初の依頼客。世界的な知名度と不動の地位を築いた本格派歌手だが「世界中で自分はひとりきり」だと思っており、それが彼女の歌の根源となっている。同じように「世界中で自分はひとりきり」だと思っている人(思考する人間)が彼女の歌を聞くと、ダイレクトに脳を揺らされて感涙し、時には感動のあまり失神する。自分を理解している人ができた事で「ひとりきり」でなくなることに自身の存在感を保てなくなり、親しくなったプロデューサーの台島拓郎(だいじま たくろう)とマネージャーの大泉ひばり(おおいずみ -)を殺害。ただしそのことに罪悪感は感じており、贖罪の賭けとして桂木弥子探偵事務所に捜査を依頼した。また、歌によってダイレクトに脳を揺らすという特異な能力はネウロの興味を引き、犯人たちの犯行動機に興味を一切持たなかったネウロが人間の進化の可能性に気付くきっかけとなった。また、彼女の事件は作品自体のエンターテイメント性をも大きく向上させるきっかけとなり、その意味では至郎田正影と同様に作品への貢献度は高いといえる。
現在は罪を償う為に服役しているが、色々と心の整理がついたためにか現在の彼女の歌う歌は「ひとりきり」ではない人の脳も揺らすまでにレベルアップしている。その歌声は聞いたものを失神させる程で、本人の意思次第では誰にも触れられずに脱獄も可能なようだが、殺した2人への償いのためと、自分の犯行と心理を看破した弥子への敬意(感謝と敬愛)故に行わない。一時は彼女を虐めようと襲いかかった女看守井伊朋子(いい ともこ)とも、現在はそれなりに仲良くしているようである(朋子本人は懲りずに虐めようとするが、すっかり彼女に怖気づいている模様)。また、弥子が電人「HAL」のパスワードを解明する手懸かりを与え、やる気を起こさせた。
"犯"人気投票では堂々一位に輝き、しかも一般人気投票一位のネウロよりも投票数が上回った(分母が違うため単純に比べる事は出来ないが)。
早坂久宜(はやさか ひさのり)
望月総合信用調査の総務部長。常に笑顔で応対する男だが、その笑顔は本物ではなく作り物の笑顔であり、彼のである。麻薬と共に武器(後に、電人「HAL」が学生達を通して発注していた事が明らかになった)の密輸を行い社長である望月建雄を殺してトップに立つ予定だったが、濡れ衣を着せた相手が不運にもネウロだった。ネウロの犯人の中では数少ない、謎らしき謎は持たない犯人(ネウロたちが謎に組み込まれかけた為)である人物。当然、犯行が発覚しても「笑顔の鎧」が崩れる事はなかった。ネウロに犯行を阻止され、最後に笑顔が取れた時も、読者には素顔を見せないようになっていた。弟は同社トラブル処理班の早坂幸宜。
この事件の後、弟と共に有限会社『笑顔』を設立。「香辛料輸入卸販売」を謳っているが、実際は武器麻薬臓器、何でもござれの密輸業を展開している。目だけは本性を表しているのかサングラスをかけ、を生やしてダンディーな姿になり再登場。ネウロと再会を果たした当初は銃で脅したりもしたが、電人「HAL」を倒すことによる利害が一致したので一時的に手を結び、宝石と引き換えに改造を施した中古のAH-64 アパッチを用意した。しかし、やはり本当はネウロとHALの相打ちを期待していたようだ。
早坂幸宜(はやさか ゆきのり)
通称はユキ。早坂久宜の弟で望月総合信用調査のトラブル処理班所属。暗器の扱いを得意とする。故郷が雪里。幼い頃、雪崩に呑み込まれて死にかけた事が原因で、常に冬物のコートを着用していた。「兄弟の絆こそ最強」と豪語し吾代と戦うが、二度目の戦いで吾代に攻撃のトリックを見破られ敗北。その後、燃え盛る倉庫に閉じ込められた兄を助け、二人でどこかへと去っていった。兄共々苗字は、くにおくんシリーズの早坂良麻からか。
この事件の後、兄とともに有限会社『笑顔』を設立。兄を助けるときに燃えてしまった為、現在はコートを脱いでおり、半袖の状態で再登場した。今度は以前より扱いやすく、より強力な”武器”を装備しているらしい。なお、電人「HAL」編では宝石の鑑定やアパッチの操縦などの特殊なスキルを持っている事も明らかになった。
望月建雄(もちづき たてお)
警視庁OB。退職後、警察時代で得た経験やパイプを利用し、望月総合信用調査を設立する。いつも顔がテカっており笑顔を絶やさない。早坂久宜に笑顔を教えたのはこの人。探偵の真似事をするネウロ達に近づき、あわよくば麻薬密輸の現行犯としてでっち上げ自社の評判を上げるつもりだったが、早坂の裏切りとネウロのしたたかさに敗北。ネウロに弱みを握られ、『パトロン』という名の奴隷と化した。設立した頃から早坂兄弟に依存し過ぎたせいか、実際の実力は警察OBとしてのコネを持つだけで、彼ら無しでは何も出来ない無能と化していた。だが彼らが去った後は吾代に依存することで事無きを得た。現在は業務の大半を吾代にまかせっきりの上、ゲーム『殺人兵器丸ロボ』にハマり没頭する(しかも重要なところでいちいち吾代にゲームの攻略法を聞きに来る)日々を過ごし、お飾り社長っぷりは相変わらずだが、漢検一級を持っている事などで吾代の為なら役に立つところがある模様。名前の由来はくにおくんシリーズの望月駿。

「芯」を持った真の犯罪者達

後述の電子ドラッグによって洗脳されても、電子ワクチンによって元通りにしても、変化がない犯罪者達。

毒殺女
本名は不明。愛人下呂光(げろ ひかる)に裏切られた恨みから、下呂を毒殺する。しばらく幸せな日々を過ごしていたが、一枚の写真から全てが壊れ始めたらしい。彼女が語る犯行の動機にネウロは一切の関心を示さなかった。他の犯人達と比べインパクトは薄く、比較的理性もあるように見えるが、飛び散った被害者の血で自らの頬にピースマークを描くあたり、彼女も他の犯人達ほどではなく、理性は残っていたようだが、少々狂っていたと言えるだろう。
竹田敬太郎(たけだ けいたろう)
捜査一課の刑事で、笹塚の元・上司。人の良さそうな性格をした老刑事だが、額と舌にピアスを付ける若者のようなファッションをしている。長く殺人事件を調査するうちに、人間が恐怖や悲しみに「加工」された表情を見ることに快感を覚えるようになった。遺族の表情を「加工」するため、建築士である弥子の父親・桂木誠一(かつらぎ せいいち)の他、多数の人間を惨殺してきた。片目にだけコンタクトレンズを入れたままで数日間生活する奇人。謎を喰われた後、ネウロに(実験的に)脳をいじられ、廃人と化した。
犯行時、手に8本ものナイフを持ったまま窓から侵入する様は圧巻の一言。また犯行動機を語る際に頭から直接足が生えているようなポーズをしたり、その不気味さからこの漫画の人気の軽い火付け役となった。
至郎田正影(しろた まさかげ)演:伊藤健太郎
フレンチレストランのオーナーシェフ
至郎田正影を参照
鷲尾正勝(わしお まさかつ)
吾代が勤めていた金融会社の社長代理。小学生の頃から、自分が自分のいる巣(集団)の中心(かといって「一番になりたい」わけではない)にいないと気がすまない我侭な性格で、それ故に社長の早乙女國春(さおとめ くにはる)を殺害する。ネウロに気を狂わされ、怯えて奇声を上げながら、逃走。その後の行方は不明。名前のモデルはくにおくんシリーズの鷲尾修二。
糸田(いとだ)
アヤ・エイジアに執着し、動物の死体を事務所に送る、窓を割るなどの過激なストーカー行為を繰り返した。締めつけられることに快感と万能感を覚える男(初登場シーンがパーカーのひもで自分の首を絞めるという非常にインパクトのある登場であった)。アヤを拘束しようとするが、あまりの過激さに見かねた笹塚に顔面を蹴飛ばされ、ネウロの「エグい能力」により痛覚神経を直に弾かれあえなく悶絶。逮捕されても異常な性癖は結局直らなかったが、強烈なトラウマにより、もう音楽どころか音すらも聴きたくはないようである。
篠原紀夫(しのはら のりお)
ハンディーカメラ片手に情報を集めるフリーライター。過激なパパラッチである人物。報道の自由を勘違いしており、「有名人はマスコミに有名税を払う義務がある」をモットーに過去多くの芸能人・文化人をヤラセ中傷的なデマ、過剰報道で失脚させてきた。右目は何故かカメラのレンズと一体化しており、眼球剥き出しになっている。弥子に笑顔で強引な取材を試みたが、たまたま現場にいた吾代に殴られ本性を現すも、ネウロに気を狂わされた挙句、通りかかった怪盗Xに殺され、“箱”にされた。豹変して本性を現した後マスコミ対策としてネウロからの制裁を受けはしたが、厳密にはネウロが解決した事件の犯人という訳ではない。名前のモデルは篠山紀信か。
ちなみに、彼の着用しているバリ8Tシャツ(後述)はファンの間では有名。余談だが、回想シーンでは「KENGAI」Tシャツを着ている。
堀口明(ほりぐち あきら)
怪盗Xに憧れて動物などを殺し“箱”に詰めていた、引きこもりの少年。Xのことを考えるだけで鳥肌が止まらないらしく、怪盗Xの模倣犯に到る。異様に怪盗Xに憧れている点を除けは「普通の」犯人であり、犯行が発覚しても、「未成年だし大した刑期にもならないでしょ」と居直るのみ。ネウロには全然相手にされず、憧れていたX直々に「形だけ“箱”っぽくまとめ」られ絶命。ガラスの箱には入れられていないので、厳密な意味で“箱”にはされていない。
賀久安由美(かく あゆみ) = 爆弾魔ヒステリア (Histerrier)
二人の子供を持つ一般主婦。犯人であるヒステリアはある一定の法則で爆弾テロを起こす巷で話題の爆弾魔。自分の中に、あらゆる破壊衝動を掻き集めて組み立てた“本能(カレ)”というもう一つの人格を持ち、“本能(カレ)”の言葉に忠実に従う“理性(イヌ)=ヒステリア”として犯行を行う。「人間は本能に忠実なである」が持論で、本能を表にさらけ出すことを「ブッちゃける」と呼ぶ(その“本能(カレ)”の存在と持論は妄想からの構成に近い)。仕掛た爆弾をネウロに暴かれ、もう一つの爆弾は笹塚の精密射撃により爆破を阻止される。必死に反抗した直後、ネウロの圧倒的な気迫に脅され、犬同然に。名前の由来は「核爆弾」。偶然にも彼女と共に乗っていたエレベーター内の女性らの名前も火薬品に基づいている。
デイビッド・ライス
異文化交流を研究する、私立大学の留学生。自分を振った友人の露木 さくら(つゆき -)毒ガスで自殺に見せかけ殺害。親日家を装っていたが、実は狂信的なまでの愛国主義者で、自国のネガティブな部分すら全肯定し、日本の文化を見下している。常にリボルバーを携帯していないと眠れないくらい安心できないらしい。異文化交流を勘違いしており、「格上が格下を見下げる事が異文化交流」だと思っていたが、その思考を弥子に「考え方そのものが幼稚で格下」と指摘され逆上。発砲したがネウロに指弾きで鼻に返されて文字通り出鼻をくじかれ、その上納豆を食べ続けないと呼吸出来ない状態にされる。
明らかにアメリカ人を風刺したキャラだが、少年漫画としては過激な論を語るせいか劇中では“アメリカ”という具体名は一切登場しなかった(「僕の国」と言う表現をしている)。ちなみに、ライスを日本語に直すと「米」、つまり「米国」を表しており、露木を始めこの事件の関係者達は全員国名を表す漢字が名前についている(余談であるが、後述の春川英輔も国名を現す漢字が含まれている)。
百舌貴泰(もず たかやす) = 噛み切り美容師
美容院『ファング』を経営するカリスマ美容師。異常なほどに人を髪の毛で判断する性格。美しい髪の持ち主の首を切断して殺害した後、血液を整髪剤に使って髪をセットするという犯行を繰り返し、世間では「噛み切り美容師」と呼ばれていた。自称「髪の神」。無名の頃に女性に暴行を働いた上で無理やりセットするという事件を起こしている。犯行が暴かれたときは目と眉毛が鋏のような形に変化した。結局、最後は彼に捕らえられた“弥かねちゃん”の元に駆けつけたネウロに魂ごと髪の毛を全部刈り取られる。名前の元ネタは整髪料ブランドのモッズ・ヘアシリーズ。更に彼の用いたアリバイトリックは「百舌の早贄」を模したものと思われる。


ここからは「犯人気投票」よりも後の話での犯人たちを挙げる。

真栗一茂(まぐり かずしげ)
金銭(遺産)目的で有名芸術家・絵石家塔湖(えしや とうご)と、その夫人である実の妹・妙(たえ)を殺害した犯人。犯行に及んだのは、“家族(えだ)を切れば切るほど残った家族(えだ)に栄養が集中する(=遺産の取り分が増える)”という理屈からであった。豹変時には頭部に髪の毛で枝を形成した。最終的にはネウロが手をチェーンソーらしきものに変化させて髪の毛の枝を刈り取ったことで、彼自身が「剪定(まび)かれる」こととなった。直後にXがネウロを殺そうと放ったショットガンの流れ弾が額に当たり、死亡した。ちなみに真栗・絵石家という苗字の由来は、それぞれ画家のルネ・マグリットマウリッツ・エッシャーが由来だと思われる。

電人「HAL」と、彼に洗脳され犯罪に走った犯人達

電人「HAL」の暴走により、春川教授と電人「HAL」の作り出した電子ドラッグによって洗脳され、犯罪に至った。
なお、いずれも何らかの願望は持ってはいるが、犯罪を起こすつもりの無い人物である(些細な感情、持っている願望を電子ドラッグによって、極限まで強化されてしまったといってもいい。)。
電人「HAL」(でんじんハル)
春川が自分の脳をコンピュータに読み取らせて生み出した(複製した)プログラム人格。性格は春川と同一だが、物事の考え方は若干春川と異なり、目的達成の為には手段を選ばない。春川と自分を別人格であると考え、学生達を操り現実世界の春川を殺害した。プログラム人格(すなわちコンピュータの中の存在)であるため、電子ドラッグを用い現実世界の人間を操ることで自己保身を行う。また、コンピューターウィルス等の侵入には無数のトラップを仕掛ける事ができる。
記憶の中の本城刹那をプログラムとして蘇らせるという、無謀かつ、ささやかな願望を実現するために、国内に始めて導入された原子力空母オズワルド』を占拠し、そこを拠点に世界中のスーパーコンピュータを集めようとした(作中における、この空母の存在は現代社会の核武装論や、核抑止に対する風刺的な意味合いもある模様)。だが、ネウロの傀儡だと判断していた弥子にパスワードと目的を破られ、ネウロに謎を解かれ上に徹底的に叩きのめされた。再起不能となったところで敗北を認め、弥子に電子ドラッグのワクチンを託し、デリートしてもらうことで自ら消える道を選んだ。
一種のテロ行為とも言える大規模な犯罪を起こし、ネウロに対して「良質な謎」を提供することとなった犯人であるが、狂った性分の持ち主ではなく、むしろ正気であった想い故に暴走した行為でもある。デリートを受け、消える狭間で一瞬だけ、ようやく刹那に会うことができ、満足の笑みを浮かべ消滅した。名前の由来はおそらく「2001年宇宙の旅」に出てきた人工知能を備えたコンピューター「HAL9000」と電人M
余談だが、『オズワルド(正式名称:ハーヴェイ・オズワルド)』は、『ウィルクス・ブース』級原子力空母の2番艦で、ケネディ大統領暗殺事件の容疑者であるリー・ハーヴェイ・オズワルド、つまりは、アメリカ海軍が、自部隊の艦船に絶対に付けない名前である(更に因んでおくと、『ウィルクス・ブース』という名称も、リンカーン大統領暗殺犯であったジョン・ウィルクス・ブースが由来である)。
穂村徹行(ほむら てつゆき)
塗装工を勤める青年であり、連続放火魔。消化器型火炎放射器で様々な建物を焼いていた。放火する際には、「急に」ビン底メガネをかけたり、シャツをズボンにしまったり、バンダナの巻き方を変えたり、ニキビを(鳥肌のように)生やしてみたりと、アキバ系オタクのような格好をしたくなってしまうらしい。放火をすると「燃える(=萌える)」らしく、「人たん燃え~」や「家たん燃え~」などとオタクのような言葉を口にする。自ら事件を起こすも何で燃えると萌えるのか分からなくなっており、弥子の詰問に答えられず最後はネウロにより自分自身が「燃えキャラ」にされてしまう。その後の調査で、ある特殊なWebページ(電子ドラッグ)を見ていたことが判明する。全国指名手配の連続放火魔・葛西善二郎(かさい ぜんじろう)の甥。HAL消滅後は正気を取り戻したようだが、電子ドラッグによって目覚めた性格がそのまま定着してしまい、すっかりアキバ系オタクとなり日常を楽しんでいる模様。苗字の由来は炎の別名「焔(ほむら)」。彼を始めとした連続放火犯の容疑者達の苗字も火に関係している。
小柴達夫(こしば たつお)
錯刃大学研究生。HALの電子ドラッグによる洗脳兵の内、HALを護衛する「スフィンクス」を現実世界で守る役目を務めるようになった。電子ドラッグによって気付かされた犯罪願望は「撲殺願望」。魔界探偵事務所に(事故に見せかけて)鉄球を叩き込みネウロと弥子を殺そうとしたが失敗、ネウロに軽傷を負わせたのみだった。その後、自身と同じタイプの洗脳兵を率いて、手がかりを求めて錯刃大学にやってきた弥子とネウロを階段や鈍器で襲ったが、失敗に終わる。最後のスフィンクスを守っていたが、ネウロ達と遭遇する前に見限られ、「小柴よりも篚口の方が使える」と判断したHALに解任させられた。苗字は物理学者の小柴昌俊から。
朝永博斗(あさなが ひろと)
錯刃大学院生。元は学科試験に手こずる陽気な兄ちゃんだったが、HALの電子ドラッグによる洗脳兵の内、HALを護衛する「スフィンクス」を現実世界で守る役目を担っていた。電子ドラッグによって気付かされた犯罪願望は「銃殺願望」。同じタイプの洗脳兵を率いてネウロを窮地に追い込んでいくが、ネウロの策略より返り討ちとなってしまい、弾丸が腹部に直撃してしまい、洗脳兵達と共に負傷した。苗字は物理学者の朝永振一郎から(こちらの読み方は「ともなが」だが)。
江崎志帆(えざき しほ)
錯刃大学研究生。元は春川に好意を寄せる女性だったが、HALの電子ドラッグによる洗脳兵の内、HALを護衛する「スフィンクス」を現実世界で守る役目を担っていた。電子ドラッグによって気付かされた犯罪願望は「刺殺願望」ならぬ「貫通願望」。春川より願望に気づかせてくれたHALの方が好きだからという理由で、春川に止めを刺した。洗脳兵の中では尤も悦に入っている犯人と言える。開発された大量の特殊レーザー砲を駆使し、ネウロの肩と髪を打ち抜いて見せたが、ネウロの単純な策により、あっさり撃破された。ちなみに、5歳の時にはだんご3兄弟ブームの火付け役となったこともある。このCDの発売は1999年3月3日なので、現在の江崎が大学生だという事を考えると、HAL編は現在よりも数年先の話だと推測される。苗字は物理学者の江崎玲於奈から。

ドラマCDオリジナルの犯人

ドラマCDの脚本は松井優征自身が手がけている訳ではないので、いわば番外的な事件の犯人である。

磯目亜 愛美(いそめあ まなみ) 演:能登麻美子
ドラマCD第一弾の犯人。天知 英生の屋敷のメイドとして雇われていた。穏やかで優しい性格を装っていたが、実際は自己中心的な性格。看護士免許を持ち、体の弱った天知氏の身辺の世話や食事作りを担当していた。看病することに異常な執着を持ち、その為に彼の病気が完治しないように細工していたら誤って殺してしまったようなので、今までの犯人達とは違い殺害することが目的ではない。
名前の由来は、他のメイドたち(野々山ミハル、空流まゆ)と合わせて「陸・海・空」だと思われる(野山=陸地、磯=海という解釈ができるため)。

その他の人物

籠原叶絵(かごはら かなえ)
弥子の友人。弥子の大食いぶりにあきれたり振り回されたりだが、元気のない弥子を心配するなど、親友としては優しい面も見せる。ちなみに弥子にうどんをぶっかけられたのも彼女。8000円も(パスタ料理8皿)おごらされたこともある。5巻収録のおまけ漫画によると、彼女のポジションは「ツッコミのツッコミ」であるとのこと。勉強ができる割に彼氏(男)を求める遊び(合コン)好きな面がある。中学時代での成績はトップ。その豊富な知識によって、些細な口論から、電人「HAL」のパスワードを解明する際の手懸かりの一つを弥子に与えた。
桂木遥(かつらぎ はるか)
弥子の母。情報誌の編集者が仕事で、その関係で弥子に食事券などをあげることもある。しかし、本人は殺人的(あからさまにピントがずれている為)に料理が下手で、弥子の父である夫を危うく殺しかけたことがある。そのため桂木家では家政婦を雇っている。突然に探偵を始めた弥子に戸惑うが、弥子が父の死にポジティブに向き合う様を見て、探偵業に理解を示している。
桂木誠一(かつらぎ せいいち) 演:大西健晴
弥子の父。一級建築士で、理数系の頭脳を持っていた。竹田敬太郎の手により他界。初登場時で既に死亡しているため、以降の登場は主に回想シーンが中心だが、その殆どがギャグシーン。番外編では幽霊となって浅田忠信と共に影ながら弥子を見守っていた。
浅田忠信(あさだ ただのぶ)
弥子と同じ学校の生徒。熱烈な弥子のファンらしく、常に弥子のことを見守っている、いわゆるストーカー。太った外見に似合わず、かなり俊敏な動きを見せる。だが勉強はできないのか弥子のテスト勉強を手助けしなかった(むしろ逃げた)。いつも弥子の直筆サイン入りTシャツを着ている。決め台詞は「僕等は優しく見守る」。この「僕等」とは自分と桂木誠一の事を指すと思われる。現在の弥子とは事務所を気軽に訪れたり、クリスマスプレゼントを貰うくらいの交流を持ち、それなりに親密な関係になっている。名前の元ネタは浅野忠信と思われる。
春川英輔(はるかわ えいすけ)
錯刃大学の教授。専攻は脳科学。性格は沈着冷静でちょっとイヤミ。アヤ・エイジアや弥子(ネウロ)の能力に関心を持つ。温泉旅館の事件で初登場。
元々は化学・物理学・医学など、ありとあらゆる分野に通じた万能の天才科学者だったが、生涯で初めて心を動かされた女性である本城刹那を救えなかったことから、プログラムとして彼女を甦らせることを決心。自らの脳を忠実に転写(トレース)したプログラム『電人HAL』を作り上げ、HALと共に刹那の復活に心血を注いだが、「春川が生きている間に刹那を完成させることは不可能」というHALの判断により、HALに操られた教え子(朝永博斗・小柴達夫・江崎志帆)に殺される。刹那の復活はHALにしかなし得ないことは春川自身も理解しており、最後は江崎の一撃を避けず、自らの意思で殺されることを選んだ。
本城刹那(ほんじょう せつな)
春川と電人HALが「0と1の狭間」に創りたがっていた人物。有名な数学者の娘であり、誕生日10月18日であったため少数単位の「刹那=1/1018」から名前を付けられている。聡明な人物だが、自らを「変人」と称するなどユーモアのセンスも持ち合わせている。脳細胞が徐々に破壊されていき、少しずつ「体が自分で操作できない時間」=「凶暴になって暴れる時間」が増えていくという治療不可能な脳の難病を患い、脳の権威である春川の元に治療を依頼されてきた。春川のプライドをかけた必死の治療も空しく病状は悪化していき、彼女が表情も含め本来の「自分」に戻れたのは息を引き取った後だった。
魔元帥(まげんすい)
初出は「赤マルジャンプ」2004年夏号に掲載された番外編(『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』とのコラボ企画。単行本3巻収録)。ネウロがお試し版の魔法律書を用いて魔元帥の刑を発動させようとした結果、出現した失敗作。赤マル掲載時は「魔スコット元帥」。失敗作であることに関して、増刊「Go!Go!ジャンプ」にて掲載された番外編のキャラ紹介では「カワイイので許す」と書かれている。Go!Go!ジャンプでの外編では、角の形がトナカイ型に変化するなどのクリスマス仕様になっていた。
天知 英生(あまち ひでお)演:宝亀克寿
ドラマCD第一弾の依頼人。高名な画家にしてミステリー作家。自分が殺されかけていると認識したため、魔界探偵事務所に送ったはがき暗号と、あるレコードの音声(演:夏樹リオ)を利用して助けを求めたが、事務所にはがきが届いた日に亡くなってしまった。
野々山 ミハル(ののやま ―)演:新野美知
ドラマCD第一弾に登場。天知氏の屋敷のメイドの一人で、担当は掃除洗濯。金に細かくぶっきらぼうな性格だが、それを恥じることなく堂々と表面に出している。一見粗暴だが、根が優しいこともあってか、正直者が好きな天知氏には3人のメイドのうちで最も気に入られていた模様。
空流 まゆ(くうる ―)演:木下鈴奈
ドラマCD第一弾に登場。やはり天知氏の屋敷のメイド。担当についてはミハルから「掃除とか庭の手入れ」という台詞があったが、「掃除」はミハルも担当していることからおそらく二人で分担していたと思われる(文脈からすると彼女は庭掃除の担当か)。性格はミハルに「殴りたくなったらいつでも殴っていいから」と言わしめるほどの超ぶりっ子。ビジネス用とプライベートの顔を見事に使い分けており、そのきっぱりと割り切った性格は弥子を驚かせていた。「空流」という名前の由来には、彼女のこういったクールな素顔の要素も絡んでいるのではないかと考えられる。しかし、彼女には実は誰も知らない、いわば“第三の顔”ともいうべきものがあり、その正体は多くのファンを驚かせた。また、石垣が通っている萌え喫茶ツンデレラに勤務経験あり。
絵石家 由香(えしや ゆか)
絵石家塔湖の娘。態度が悪く、粗暴な言動をするベリーショートの女性。

魔界777ツ能力(どうぐ)

ネウロが犯行現場の捜査や犯人への制裁、時には単なる娯楽に用いる様々な奇妙な道具の事を、「魔界777ツ能力」(能力と書いて「どうぐ」と読む)と呼ぶ。言葉通りに777種類あるのかどうかは不明であるが、「ネウロ」を盛り上げる重要なアイテムである。何れも強力な道具であるが、使用するとネウロのエネルギー(魔力)をある程度は消費してしまうらしく、多用はできないらしい。名前の由来は江戸川乱歩少年探偵団シリーズに登場する少年探偵団の七つ道具だと思われる。

魔界の凝視虫(イビルフライデー)
目玉の形をした虫を大量に放出。謎を解く手がかりを見つける。また、ネウロの雑務の助手も務める。読みきり版でも類似の魔界能力が登場しており、そちらは「魔界の千里眼(イビルフォーカス)」。両方どちらも元ネタは、写真週刊誌である『FOCUS』と『フライデー』から。
異次元の侵略者(イビルスクリプト)
体の一部(主に左手)、もしくは全身をデータ化してからそのままパソコンなどのモニターに直接手を入れてハッキングを行う。その際文章ではなく画像の一部だけでも検索が出来る。その強力さの前はファイアウォール自体も無意味。ハッキング中は全くの無防備になる上、ハッキング中にプログラムなどに攻撃されると、そのダメージは本人にフィードバックされる(作中の描写は機械的な情報を何か別の形で構造的に読み取っているようにも見える)。
断面への投擲(イビルジャベリン)
刃先から発せられるソナーにより、通過した物質の材料を解析する。シュプリームSのメインディッシュの原料及び殺人トリックの道具を看破した。
無気力な幻灯機(イビルブラインド)
これの効果を受けた者は半径10m内に限って「存在の解像度」が大幅に下がり(簡単に言うと極端に目立たなくなる)、同時にレーダーにも映らなくなる。同類として毒入り消毒液があるが、持続時間が短いため、本来は暗殺向きの道具。
魔界の追尾蟲(イビルストーカー)
狙った人物を追跡する。アンモナイトに数個の眼球や羽が付いたような形状をしている。吾代の場所を把握するのに使用。
拷問楽器「妖謡・魔」(イビルストリンガー)
弦のない弦楽器の形をしている。寄生対象の痛覚神経を引きずり出して弦とし、激痛とともに弾く。糸田の気を狂わせた。能力の漢字表記はチェリストヨーヨー・マに由来する。
卑焼け線照射器(イビルロウビーム)
対象者の網膜に、無数の目から見られている映像を焼き付ける。篠原に対して使用。
毒入り消毒液(イビルキャンセラー)
液を被った者は他人の目には見えなくなる。ただし効果が働くのは視覚へのみのため、足音や話し声などで気付かれる可能性がある。同類として無気力な幻灯機があるが、持続時間が長いため、追跡行動に向いている道具。弥子に対して使用。
孔雀色の絵の具(イビルコクーン)
背中に一塗りするだけで、上半身だけ癒し(卑し)ムードに包まれる。例えば、陸上部の学生が学校の屋上から遠く離れたプールにトぶくらい卑される。弥子に対して使用。
目潰し目薬(イビルドロップ)
目に注して瞬きをすると破壊光線を発射できる目薬。ヒステリアの爆弾を処理する際に最終手段として弥子が無理矢理使用することになりかけたが、笹塚の活躍で使用せずに済んだ。
生まない女王様(イビルバジャー)
大変偏食な魔界の虫。胃に寄生してそこから脳に常に一つの食べ物だけを求めるように働きかけ、取り付かれた者はその食べ物を食べている間しか呼吸が出来なくなる。デイビッド・ライスに取り付いた個体が求めたのは納豆だった。また、この虫のデザインは女性器乳房を模したものである。また、デイビッド・ライスの胃の中でしゃべっていた事から、言葉はよく分かるらしい。
単行本5巻で「生まない女王様」は誤字&誤植であり、本来は「産まない女王蟻」であったことが判明したが、この誤植が敢えて残されている為、「生まない女王様」が正式名称の様である。
追尾蟲の追尾蟲(イビルステッカー)
魔界の追尾蟲に対応した受信機。対象者が近くにいると反応が強くなってステッカーを張った部分が立つので、間違っても中指の腹に貼ってはいけない。吾代の居場所をネウロ以外が把握する時に使用された。
虚栄の兜(イビルフルフェイス)
煙幕。それ以上でもそれ以下でもないただの煙幕。望月らに嵌められた際にその場から逃亡する為に使用したが、毒入り消毒液は効きはじめるまでに時間がかかる様子だったこと、無気力な幻灯機は範囲が狭い上長く持たないことから、特殊効果はないが即時に有効となるこれを選択したと思われる。
泥の指輪(イビルディバーシー)
ネウロの魔力がこめられた、人肉色(人間界で言うピンク色)の魔界電池。これによりあかねちゃんの活動時間や髪型は思いのままとなる。この能力で一時的に弥子とあかねちゃんが合体し「弥かねちゃん」となった。ただし、合体すると生身の人間にはその魔力は負に働き、時間とともに髪と土台の力関係が逆転し、最終的には2人の人格が入れ替わってしまう(ネウロの発言から、使った日から1日経つと入れ替わってしまうと思われる)。
禁断の退屈(イビルステーション)
ネウロが魔界から持ってきたゲーム機。化け物だらけの魔界の様子を再現できる。ネウロ曰く、人間界のゲームジャンルでいうなら恋愛シミュレーションに一番近いらしい。立体映像らしいが、何故か一匹に弥子は噛み付かれ、溶かされかけた。名前はプレイステーションのパロディ。
地獄の地獄耳(イビルバタフライ)
魔界の盗聴器。これの前ではコンクリの壁も紙ペラ同然らしい。子機を耳につければ拾った会話を囁いてくれる。しかし、時折くしゃみをして、その度に人間の脳を軽く貫くほどの針が飛び出すので、耳につけている間は常に警戒しなければならない。
理性の媚薬(イビルアンプル)
飲むと脳内の伝達物質の回転速度が2倍になる液体。テストが赤点のピンチに瀕した弥子に薦めた。ちなみに代金はネウロの靴舐め3分間(もちろん弥子は拒否)。
理性的逆上(イビルファンブル)
理性の媚薬(イビルアンプル)を魔人に使う際の強化版。これを服用すれば十倍の難易度のテストが作れるようになるが、実際に服用した教師生徒らは、人間の限界体温44度(魔界の知恵熱)を出して入院する結果に。これにより、弥子はかろうじて留年を逃れた。ちなみに、デザインの元ネタは「脳のホムンクルス体性感覚)」の図。
醜い姿見(イビルリフレクター)
衝突した物体を、ベクトルを反転させ元のスピードで来た方向に返す鏡。朝永率いる銃犯罪部隊に対して使った。しかし、跳ね返された銃弾が撃った人物の腹に当たることからも、正確に方向を反転させているのではないようだ。
単行本のおまけでは、「この世で一番美しいのは誰?」との問いに「甲子園の球児達…とかじゃないかしら」と、とぼけた返答をしている。
惰性の超特急5(イビルレイピッド)
魔界の車だが、機関車のような形をしている。1秒でマッハまで加速するため、普通の人間が乗り込むとGに負けて体が引き千切れる。弥子が拒否したため、実際には使用していない。
城壁の苔(イビルサラウンダー)
ネウロの取り出した種から発芽した、魔界の植物。金属を餌としているため、外敵に狙われるとそれを護る性質を持つ。篚口の電子ドラッグver.2により洗脳された一般人らに車を襲われた際に使用。
硫酸の粉雪(イビルブリザード)
2006年12月15日に発売された雑誌「Go!Go!ジャンプ」に掲載された番外編で、ネウロが雪の演出に使用した道具。『雪だるまの化け物』とも言える形をしており、これが降らせた雪に触れたものは溶けてしまう。名前からして、硫酸で溶けないものには効果はないと思われる。
イビルターンテーブル(漢字表記不明)
ドラマCD第一弾に登場。表向きは「特注のテープレコーダー」だが、ネウロいわく「呪われた鼓膜の塊」で、魔界生物の断末魔を聞くのが好きらしい。なぜかが出ている。劇中では録音と逆再生にしか使っていないが、魔界能力だけにおそらく他にも機能はあるのではないかと思われる。
イビルデスオペレッタ(同上)
ドラマCD第一弾に登場。魔界に生息する巻貝の一種で、対象の耳に差し込むと一生脳に響く救いの声を叫び続ける。

魔帝7ツ兵器(どうぐ)

第81話から登場した、魔界777ツ能力よりも上位の能力。魔界でも数人しか扱うことができない程の力を秘めている。

深海の蒸発(イビルアクア)
魔界王の護身兵器。強力な銃火器系統のような能力。電子ドラッグを使った強化兵たちを一瞬で戦闘不能にする威力を持つ。デザインがアランダスピスという魚に似ているが、一部では「醤油さしに見える」との声も。

小道具

ドーピングコンソメスープ
略称は「DCS」、「コンソメ」など。至郎田正影が考案した、数え切れない食材と薬物を精密なバランスで配合、特殊な味付けを施し7日7晩煮込み続けた究極の料理。血管から注入(たべ)ることで効力を倍量に出す。一応推理漫画と言われていたにも関わらず、犯人がドーピングによる力技で強引に逃亡しようとする有り得ない展開、究極の『料理』にも関わらず血管注入するという不条理さ、これによって上半身だけが筋骨隆々な体型になった至郎田の外見的なインパクトの大きさ、更に同時にその回に見られた「クシカツ(「クシャッ」という物をつぶす擬音表現が、作者の癖字により誤読されたもの)」、「ゴシカァン(同様に「ゴシャァン」の誤読)」、「フゥーフゥー…クワッ(「ククッ」という笑い声の誤植だと思われるが、読者に受けたことを察してか、単行本でも修正が行われなかった)」などの独特の表現が、インターネットコミュニティや一部の漫画ファンの間では大きな話題となり、『ネウロ』が「推理物の皮を被った単純娯楽漫画」であることを決定付けたアイテムである。
後に、単行本1巻にレシピが掲載されたが、所々墨で塗り潰されており、「電球の■」等訳の分からない材料が数多く混じっていた。06年7月28日にジャンプショップから公式にドーピングコンソメスープTシャツが発売された。また、ドラマCDおまけでは「ドーピングホワイトシチュー」なる新メニューが登場。ジャンプアルティメットスターズにもネウロ4コマの必殺技Bとして登場しており、「ゴシカァン」の擬音とともに相手を攻撃している。
余談だが週刊少年サンデーの『ハヤテのごとく!』に、このドーピングコンソメスープと思われることが書いてある。
バリ8Tシャツ
作中では篠原紀夫が着ていたTシャツで、その絵柄はバリ3ならぬ「バリ8」であり文字通りアンテナが8本立っているもの。単行本空きページで作者が商品化希望案として描いていた。当初は没となったが、ジャンプフェスタで販売された模様。
怪盗Xが盗みの現場に必ず置く、殺した人間が詰まった“赤い箱”。人間の細胞を余すところなく観察するために製作される。本来Xにとって重要なのは、盗みよりもこの“箱”を作って人間の中身を覗き見ることであるが、既に世間では「怪盗キャラ」として定着してしまっているため、目ぼしい(人の思いが詰め込まれた)美術品が無い場合は後付けとして、何の価値もない置物を適当に盗む事もある(その場合、助手アイに盗んだ品物が手渡されるが、渡された本人曰く「どんどんB級グッズが溜まっていく」らしい)。模倣犯である堀口明が真似して作った“箱”は、Xいわく「出来損ないの箱」(気泡や繊維などが入っている、接着剤でフタをするところなどがマイナスらしい)。
2005年に発生した広島小1女児殺害事件において、被害者の女児が段ボール箱に詰められていたことから、日本テレビ週刊文春などの一部マスメディアで、この“箱”の模倣ではないかという指摘が報道された。しかし、逮捕された犯人は日本語を満足に話すことも出来ないペルー人の移民であり、この指摘は全くの的はずれだった。なお、この指摘は事件報道での再現映像において段ボール箱にビニールテープが"XI"の字の形に巻かれていた事から来ていると見られるが、その段ボール箱は再現映像のために作られた別物であり、実際に犯行に使われた段ボール箱の状態とは無関係である。このことから、この指摘はマスメディアによる強引なこじつけであったと考えられる。
後に本編に怪盗Xが再登場した際、Xの「不用意な事を書いたマスコミも“箱”にした」という台詞とともに、日本テレビのマスコットである『なんだろう』によく似た豚が箱に閉じ込められているイメージカットが描かれ、一部ファンの間で「松井からの、日テレに対する意趣返しではないか」と話題になった。これが意図したものであるかどうかの真偽は定かではない。
ヒステリアの犯行予告カード
無差別爆弾魔ヒステリアによる犯行現場に必ず落ちている金属製のカード。ヨークシャテリアを模したと思われる絵も描かれている。「I AM BOMMER SO I AM CUTE I AM HISTERRIER!!(私は爆弾魔 だから私はカワイイ 私の名前はヒステリア)」と刻まれている。本来、ボマー(爆弾魔)のつづりはBOMBERだが、これは意図的な誤字であり、爆破の場所を暗示するものであった。
殺人兵器丸ロボ
望月建雄がハマっている、笑いあり涙ありの大作テレビゲーム。ジャンルは昔ながらの2Dアクション。ハードはプレイステーション2。明らかに炎が弱点のボス(氷のロボット、本体はペンギン)が登場していることなどから難易度はそれほど高くないと思われるが、ゲーム慣れしていない中年の望月には難しいようで、10日以上プレイしても2面の途中までしか進められていない。
電子ドラッグ
春川がインターネットを通して2,3人の実験台に見せていた画像データ。視覚的な刺激で脳を反応させ、脳内物質の分泌状態を麻薬中毒者のようにしてしまう。更に人間の深層心理に潜む「犯罪願望」を開放する指令が潜んでおり、結果的にこれを見た者は犯罪を犯す確率が飛躍的に上昇する。電人「HAL」はこれを春川の知らぬ間に大量の人間に見せ、犯罪者を大量に作り出した。その後、洗脳した篚口によって即効性・支配性と脳の潜在力の引き出しに特化したVer.2が制作された。
篚口曰く「+の人間を-にするプログラム」で、自らの意思で犯罪を起こそうとする「-の人間」つまり「『芯』を持った真の犯罪者」には効果が薄いらしい。
スフィンクス
電人「HAL」の本体を護衛するプログラム名。ネット世界だけではなく、電子ドラッグの中毒者を一括管理するなど現実世界においてもHALを護衛する。多量の妨害データを発するのに膨大な演算能力を必要とする為、必然的にスーパーコンピュータ専用アプリである。日本内のスーパーコンピュータを乗っ取り、プログラムがインストールされていた。
ピラミッド
HALが安住の地として原子力空母『オズワルド』を評した単語。ネウロが進攻してこなければHALはここで目的にたどり着くまで脳科学研究の計算を行い続ける筈だった。
電子ドラッグのワクチン
春川が製作した電子ドラッグの効果を無効化して元の脳の状態に戻すプログラム。電人HAL曰く、「電子ドラッグ製作時の副産物」らしい。こちらも視覚的な刺激で脳を反応させる仕組みになっていると思われる。
篚口曰く「電子ドラッグによって-になった人間を+に戻す」プログラムのため、元が-の人間がこれによっておかしくなるということはないと思われる。
予談だが、ほとんどの人間はテレビなどの大勢が見る映像装置によって治療されたが、篚口は笛吹らに未治療の疑いをかけられ、椅子に手錠で拘束された上に教育DVD付きで強制的に見させられた。それ以前に篚口がワクチン入り映像を見たかは不明。
萌え喫茶ツンデレラ
ドラマCD第一弾において、石垣がよく行っていた事が明らかになった店。ドラマCDオリジナルキャラの「空流 まゆ」が以前ここで働いていたことで露呈した。一部のファンの間では、モデラーオタクであるはずの彼がなぜこういった美少女物系オタク御用達のような店に通っていたのか、ということで物議をかもしていた。
店名のとおり、店員の決めゼリフは「あ、あんたのためにガラスの靴を置いていったんじゃないんだからねっ!!」と、「ツンデレ」と「シンデレラ」がミックスされたものとなっている。ちなみにこれを言ってもらったときに石垣が返した台詞「萌えー!!」は、2006年12月のジャンプフェスタにおいて、当作品のステージイベントに出演した彼役の声優・鳥海浩輔が登場するときの第一声にもなっていたが、マイクのスイッチが入っておらず「えー!!」の部分しか聞こえていなかったとのこと。

コミックス

  1. 「脳髄の空腹」 ISBN 4-08-873834-9 
  2. 「ひとりきりの歌姫」 ISBN 4-08-873854-3
  3. 「鮮明なる“X(アンノウン)”」 ISBN 4-08-873875-6
  4. 「犬に爆弾」 ISBN 4-08-874007-6
  5. 「鎧の兄弟」 ISBN 4-08-874043-2
  6. 「髪とハサミとキリトリ線」 ISBN 4-08-874113-7
  7. 「細胞から愛をこめて」 ISBN 4-08-874143-9
  8. 「造られた放火魔」 ISBN 4-08-874266-4
  9. 「“電人”HAL」 ISBN 4-08-874291-5

読切版データ

読切では魔界77つ道具と、桁が一つ少なくなっている。また、ネウロの性格もそこまで酷くなく、力関係も弥子と同じくらいだった。読切版の弥子は推理小説を買うだけ買って、最後数ページを読むという奇妙な趣味を持っていた。また、ネウロの解いた「謎」自体が意識を持っていた。

ドラマCD

ドラマCD

2006年11月6日発売。2940円

通常特典:描き下ろしポストカード

初回封入特典:ネウロの髪飾り風ヘアゴム

声の出演

ドラマCD2

2007年4月25日発売予定。予価:2940円

通常特典:描き下ろしポストカード

初回封入特典:犯人さんビフォーアフターシール

声の出演
  • 上記と同様。

外部リンク