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{{コンピュータゲーム
|Title = ディシディア ファイナルファンタジー<br /><small>''DISSIDIA FINAL FANTASY''</small>
| Genre = [[対戦アクションムーゲ|ドラマチック プログレッシブ アクション(対戦アクションゲーム)]]
| Plat = [[PlayStation Portable]]
| Dev = [[スクウェア・エニックス]]
| Pub = {{Flagicon|JPN}}{{Flagicon|USA}}{{Flagicon|EU}} スクウェア・エニックス<br />{{Flagicon|AUS}} [[ユービーアイソフト]]
| producer = [[北瀬佳範]]<br />[[野村哲也]]
| director = [[荒川健 (ゲームクリエイター)|荒川健]]<br />[[塩川洋介]]
| designer = 野村哲也
| programmer = 池田隆児
| writer = 酒見治徳<br />[[渡辺大祐]]
| composer = [[石元丈晴]]<br />[[関戸剛]]<br />[[鈴木光人]]
| artist = 野村哲也<br />大館隆幸
| series = [[ファイナルファンタジーシリーズ]]
| Play = 1人<br />2人(対戦)
| Media = [[ユニバーサル・メディア・ディスク|UMD]]<br />[[ダウンロード販売]] (1517MB)
| Date = {{Flagicon|JPN}} 2008年12月18日<br />{{Flagicon|JPN}} [[2010年]][[9月16日]](ダウンロード版)<br />{{Flagicon|USA}}{{Flagicon|CAN}} 2009年8月25日<ref name="scea200905">『PlayStation.Blog([[ソニー・コンピュータエンタテインメント|SCEA]]公式)』2009年5月14日[http://blog.us.playstation.com/2009/05/14/new-limited-edition-dissidia-final-fantasy-psp-entertainment-pack/ New Limited Edition DISSIDIA FINAL FANTASY PSP Entertainment Pack](最終更新確認: 2009年5月16日)</ref><br />{{Flagicon|AUS}}{{Flagicon|NZL}} 2009年9月3日<ref name="au_1">『[[:en:EB Games|EB Games]] Australia』[http://www.ebgames.com.au/psp/product.cfm?id=15109 DISSIDIA: Final Fantasy]{{リンク切れ|date=2013年8月}}(最終更新確認: 2009年7月22日)</ref><ref name="nz"/><br />{{Flagicon|EU}} 2009年9月4日<ref name="Eurogamer">『[[:en:Eurogamer|Eurogamer]] 』2009年7月3日[http://www.gamesindustry.biz/articles/dissidia-final-fantasy-psp-exclusive-to-get-a-release-in-pal-territories-on-september-4 DISSIDIA FINAL FANTASY // Press Release](最終更新確認: 2009年7月22日)</ref><br />{{Flagicon|JPN}} 2009年11月1日(UT版)<ref name="square_20090824">『SQUARE ENIX』2009年08月24日[http://release.square-enix.com/news/j/2009/08/6dq2xbxkw.html 発売日・価格決定のお知らせ](最終更新確認: 2009年8月30日)</ref>
| Rating = {{Flagicon|JPN}} {{CERO-C}}<ref name="square_20080902" /><ref name="square_20090824"/><br />{{Flagicon|USA}}{{Flagicon|CAN}} [[エンターテインメントソフトウェアレイティング委員会|ESRB]]: [[ESRBレイティング別対象ソフト一覧・T (13歳以上)|T(13歳以上対象)]]<ref name="na200905">『SQUARE ENIX MEMBERS(北米)』2009年5月14日[http://member.square-enix.com/na/blog/2009/05/dissidia-final-fantasy-package.php BLOG-DISSIDIA FINAL FANTASY Package Art]{{リンク切れ|date=2013年8月}}(最終更新確認: 2009年5月16日)</ref><br />{{Flagicon|AUS}}{{Flagicon|NZL}} [[Office of Film and Literature Classification|OFLC]]: PG<ref name="OFLC">『OFLC公式サイト(豪州)』[http://www.oflc.gov.au/www/cob/find.nsf/5c2433d416948a0bca25759f00820d25/205d1ff68aa5b101ca2575d60080b269 Search the Classification Database] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20160111220452/http://www.oflc.gov.au/www/cob/find.nsf/5c2433d416948a0bca25759f00820d25/205d1ff68aa5b101ca2575d60080b269 |date=2016年1月11日 }}(最終更新確認: 2009年6月20日)</ref><ref name="nz">『PlayStation.com(ニュージーランド)』[http://nz.playstation.com/games-media/games/detail/item159402/DISSIDIA%C2%AE-FINAL-FANTASY%C2%AE/ PlayStation Games &amp; Media - DISSIDIA FINAL FANTASY](最終更新確認: 2009年7月22日)</ref><br />{{Flagicon|EU}} [[Pan European Game Information|PEGI]]: 12(12歳以上対象)<ref>『Amazon.co.uk(英国)』[http://www.amazon.co.uk/Square-Enix-Dissidia-Final-Fantasy/dp/B002AB41IE/ Dissidia Final Fantasy (PSP)](最終更新確認: 2009年6月20日)</ref><br />{{Flagicon|ドイツ}} [[Unterhaltungssoftware Selbstkontrolle|USK]]: 12<small> (12歳未満提供禁止)</small><ref>『欧州版公式サイト(ドイツ語)』[http://www.dissidia-finalfantasy.com/index.php?lang=de#/home DISSIDA FINAL FANTASY](最終更新確認: 2009年6月29日)</ref>
| Sale= {{Flagicon|JPN}} 97万本<ref name="psp_sale">{{Cite web|url=http://www.vgchartz.com/game/14750/dissidia-final-fantasy/|title=Dissidia: Final Fantasy (PlayStation Portable) - Sales, Wiki, Cheats, Walkthrough, Release Date, Gameplay, ROM on VGChartz|accessdate=2017-02-27}}</ref><ref name="psp_U_sale">{{Cite web|url=http://www.vgchartz.com/game/38148/dissidia-final-fantasy-universal-tuning/|title=Dissidia: Final Fantasy Universal Tuning (PlayStation Portable) - Sales, Wiki, Cheats, Walkthrough, Release Date, Gameplay, ROM on VGChartz|accessdate=2017-02-27}}</ref><br />[[ファイル:Newworldmap.png|25px|世界]] 230万本<ref name="psp_sale"/><ref name="psp_U_sale"/>
| etc = MSD (448KB)<br />[[PlayStation Portable#ワイヤレスLAN|無線LAN機能]]対応<br />[[アドホック・パーティー]]対応<br />[[メモリースティック]]への[[データインストール]]対応<ref name="famitsu_1040">『ファミ通 1040号』 2008年11月、p.24-29。</ref>
}}
{{ウィキプロジェクトリンク|コンピュータゲーム|[[ファイル:Crystal Clear app package games.png|36px|ウィキプロジェクト コンピュータゲーム]]|break=yes}}
『'''ディシディア ファイナルファンタジー'''』(DISSIDIA FINAL FANTASY、略称: '''DFF'''など)は、[[スクウェア・エニックス]]より2008年12月18日に発売された[[PlayStation Portable]] (PSP) 専用の[[アクションゲーム]]である。


開発は「[[キングダム ハーツ シリーズ]]」などを手掛けた[[野村哲也]]を中心とするチームが行っており、「[[ファイナルファンタジーシリーズ]]」(以下『FF』)に登場した歴代の[[キャラクター]]を操作し1対1で戦う[[3次元コンピュータグラフィックス|3D]]のアクションゲームであり、また作品の垣根を越えた[[クロスオーバー作品]]として、シリーズ誕生20周年を記念して制作された。PSPの[[PlayStation Portable#ワイヤレスLAN|アドホックモード]]や[[PlayStation 3]](PS3) を介したネットワーク通信機能である[[PlayStation 3#PlayStation Network|アドホック・パーティー]]を用いた対戦が可能である他、[[すれちがい通信]]を利用してゴーストと呼ばれる「キャラクター[[人工知能|AI]]」を交換できる機能が盛り込まれた。これにより見知らぬプレイヤーとの対戦が可能となっている。


{{コンピュータゲームの新製品}}
ストーリー展開は光と闇の双方の神々によって[[パラレルワールド|異世界]]から[[召喚魔術|召喚]]されたシリーズキャラクターたちが、両陣営に分かれて戦うものとなっており、初代『FF』から『FFX』までの10作品の登場キャラクターが両陣営に1名ずつ配され、『FFXI』と『FFXII』からも隠しキャラクターとして1名ずつ登場する。この総勢22名が操作可能な[[プレイヤーキャラクター]]である。物語は光の陣営の10人の戦士が[[ファイナルファンタジーシリーズ#用語|クリスタル]]の力に導かれ、カオスを倒すまでを描いている。


本作の日本国内の販売実績は、発売週(初動)で約50万本<ref name="top30_200901"/>、累積で約95.4万本に達している<ref name="do20111104">{{Cite web|date=2011-11-04|url=http://news.dengeki.com/elem/000/000/423/423169/|title=約50万本を売り上げた『ファイナルファンタジー 零式』が堂々首位! 2位は『星のカービィ Wii』|work=電撃オンライン|accessdate=2013-01-31}}</ref>。初動50万本および2009年2月2日時点の累計84.7万本は、日本国内のPSPソフトの初動および累計で共に第3位(当時)の記録となる<ref name="asciimw_21"/><ref name="f.monthly200901"/>。


{{コンピュータゲーム
2009年11月1日にはバージョンアップ版である『'''ディシディア ファイナルファンタジー ユニバーサルチューニング'''』(DISSIDIA FINAL FANTASY UNIVERSAL TUNING)が発売された。またディシディアシリーズ第2弾として『[[ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー]]』が2010年9月に発表、2011年3月3日に発売されている。
|Title = ディシディア ファイナルファンタジー
|Genre = ドラマティック プログレッシブ アクション
|Pub = [[スクウェア・エニックス]]
|Plat = [[プレイステーション・ポータブル]]
|Play = 1人~2人
|Date = 2008年(予定)
|Price =
|Rating =
|etc = 無線LAN機能対応
}}{{ウィキプロジェクトリンク|コンピュータゲーム|[[画像:Crystal Clear app package games.png|36px|ウィキプロジェクト コンピュータゲーム]]|break=yes}}


『'''ディシディア ファイナルファンタジー'''』 ''(DISSIDIA FINAL FANTASY)'' は、[[スクウェア・エニックス]]より[[2008年]]に発売を予定している[[プレイステーション・ポータブル]]専用の[[コンピュータゲーム]]である。
== ジャンルと名称 ==
元々のシリーズが[[コンピュータRPG|RPG]]であることから[[アクションロールプレイングゲーム|ARPG]]と[[対戦アクションゲーム]]を足したイメージで開発されており、キャラクターの成長要素に比重が置かれているところが通常の対戦ゲームと異なる点である<ref name="DPS_389_iv" /><ref name="DPS_422_iv" />。RPGである従来シリーズとは一線を画した作品であり<ref>『ファミ通.com』2008年12月18日[http://www.famitsu.com/game/news/1220602_1124.html 『FF』シリーズ20周年記念作品 『ディシディア ファイナルファンタジー』プレイ・インプレッション](最終更新確認:2009年2月28日)</ref>、そうした点を強調する意味も込めてジャンル名には「[[wikt:progressive|プログレッシブ]]アクション」という名称が用いられた<ref name="B's-LOG_200707_iv">インタビュー(塩川洋介、野村哲也、北瀬佳範)『[[B's-LOG]] 2007年7月号』 エンターブレイン、2007年5月、p.14-17。</ref>。


== 概要 ==
タイトルに付けられた「ディシディア」とは、[[ラテン語]]や[[ギリシア語]]で「異説」などを意味する中性名詞dissidiumの複数(主格/対格)形である<ref group="注">[[田中秀央]]『[[羅和辞典 (研究社)|羅和辞典]] 増訂新版』(研究社、1966年)において「異説」という意味でdissidiumが登載されている。なおタイトルに「異説」を冠した理由として、スクウェアエニックス宣伝部は、RPGではなくアクションであること、原作とは異なるオリジナルのストーリーであることの2点を挙げている(ファミ通1058号41頁)</ref>。その名が示すとおり、[[世界観#文芸評論のなかでの世界観|世界観]]は本作オリジナルのものとなっており<ref name="DPS_422_iv">インタビュー(野村哲也、荒川健、高橋光則)『電撃PlayStation Vol.422』 2008年6月、p.14-15。</ref>、舞台は本作のオリジナルキャラクターである調和の神「[[コスモス (曖昧さ回避)|コスモス]]」と混沌の神「[[カオス (曖昧さ回避)|カオス]]」が、幾千年も争い続けてきた世界とされる。
本作は『[[ファイナルファンタジーシリーズ]]』(以下『FF』)の誕生20周年を記念して企画された。シリーズの過去作品に登場した[[キャラクター]]同士で、1対1で戦うことができる[[3次元コンピュータグラフィックス|3D]]の[[アクションゲーム]]である。タイトルに付けられた「ディシディア」とは、[[ラテン語]]や[[ギリシア語]]で「異説」を意味する。その名が示すとおり、シリーズ従来の[[コンピュータRPG|RPG]]作品とは一線を画した作品である<ref name="famitsu_963">『[[ファミ通]] 963号』 [[エンターブレイン]]、2007年5月、p.23-25。</ref>。[[世界観#文芸評論のなかでの世界観|世界観]]は本作オリジナルである<ref name="DPS_422_iv">インタビュー(野村哲也、荒川健、高橋光則)『[[電撃PlayStation]] Vol.422』 [[アスキー・メディアワークス]]、2008年6月、p.10-12。</ref>。舞台は調和の神「コスモス」と混沌の神「カオス」によって均衡を保っていた世界である。「カオス」によって[[パラレルワールド|異世界]]から[[召喚魔術|召喚]]された旧作キャラクターたちがこの世界のバランスを壊し、彼ら「破壊者」に対抗する存在として「コスモス」もまた旧作キャラクターたちを呼び寄せる。双方の神々はそれぞれ10人のキャラクターたちを世界に招き、戦いを繰り広げるといった筋立てが、本作の大まかな内容である<ref name="DPS_408">『電撃PlayStation Vol.408』 メディアワークス、2007年12月、p.18-23。</ref>。対応機種は、画面分割をせずに3D対戦をできるという点から[[プレイステーション・ポータブル|PSP]]が採用された<ref name="DPS_389_iv"/>。


元々のシリーズがRPGであることから、[[アクションロールプレイングゲーム|ARPG]]と[[対戦型格闘ゲーム]]を足したイメージで開発されている<ref name="DPS_422_iv"/>。成長要素の無い通常の格闘ゲームと異なり、RPG要素としてキャラクターを育てる点に比重が置かれている<ref name="DPS_389_iv"/><ref name="DPS_422_iv"/>。各キャラクターは[[戦闘 (コンピュータゲーム)|戦闘]]で[[経験値]]を稼ぎ、[[レベル (ロールプレイングゲーム)|レベル]]が上がるごとに成長し、最高レベル100まで育てることができる<ref name="famitsuPSP_200808_iv">インタビュー(野村哲也、荒川健、高橋光則)『ファミ通PSP+PS3 2008年8月号』 エンターブレイン、2008年6月、p.129-133。</ref>。また装備や[[ファイナルファンタジーのアビリティシステム|アビリティ]]を変更することにより、各キャラクターを自在にカスタマイズすることができる<ref name="B's-LOG_200707_iv">インタビュー(塩川洋介、野村哲也、北瀬佳範)『[[B's-LOG]] 2007年7月号』 エンターブレイン、2007年5月、p.14-17。</ref>。シリーズファンの主体が、アクションに不慣れなRPGユーザーであることも考慮し、カスタマイズで「オート機能」などの付加を行える工夫がなされている<ref name="gemaga_200707">『[[ゲーマガ]] 2007年7月号』 [[ソフトバンククリエイティブ]]、2007年5月、p.16-19。</ref>。また本作では時間制限が設けられていないが、アクションを得意とするユーザーはカスタマイズによってそうした厳しい制限を逆に付加することで、より格闘ゲームらしさを追及したプレイも可能となる<ref name="gemaga_200707_iv">インタビュー(塩川洋介、野村哲也、北瀬佳範)『ゲーマガ 2007年7月号』 ソフトバンククリエイティブ、2007年5月、p.16-19。</ref>。こうした成長要素を強調する意味で「プログレッシブアクション」という名称が用いられた<ref name="B's-LOG_200707_iv"/>。
== ゲーム内容 ==
戦闘部分は「[[キングダム ハーツ シリーズ]]」(以下『KH』)の発展型であり<ref name="DPS_389_iv" />、ボタン操作1つで壁や柱を自在に駆け上がることができ、3Dを生かした360度の空間を使った空中アクションが可能となる<ref name="DPS_389">『電撃PlayStation Vol.389』 2007年5月、p.20-23。</ref>。コスモス陣営に属するプレイヤーキャラクターには、思い入れのあるファンも多いため「好きなのに扱えない」といったことが起きないように操作を比較的容易に設定しており、反対にカオス陣営はコスモス陣営以上に強い個性をつけており、「玄人好み」のクセの強い操作性のキャラクターが多い<ref name="famitsu_1020_iv" />。各キャラクターは[[戦闘 (コンピュータゲーム)|戦闘]]で[[経験値]]を稼ぎ、[[レベル (ロールプレイングゲーム)|レベル]]が上がるごとに成長し、レベル100まで育てることができる。さらに装備や[[ファイナルファンタジーのアビリティシステム|アビリティ]]を変更することにより、各キャラクターの能力値や特性をカスタマイズすることができる。


戦闘部分は『[[キングダムハーツ]]』の発展型である<ref name="DPS_389_iv"/>。ボタン操作1つで壁や柱を自在に駆け上がることができ、3Dを生かした360度の空間を使った空中アクションが可能となる<ref name="DPS_389">『電撃PlayStation Vol.389』 メディアワークス、2007年5月、p.21-23。</ref>。戦闘マップには「クリスタルワールド」や「カオス神殿」といった旧作で馴染みの深い場所が多数用意されている<ref name="DPS_389"/>。
本作のメインモードとなるストーリーモードも通常の対戦ゲームと異なり物語性の強いものとなっている。ストーリーモードでは、コスモス側のキャラクターごとに別々のシナリオが用意され、訪れる場所や出会う仲間や敵、難易度なども異なる。[[ステージ (コンピュータゲーム)|ステージ]]は神が登場人物を動かす「神目線」のイメージで開発されており<ref name="DPS_433_iv"/>、チェスの盤面のようにマスで区切られたフィールドを基盤とする。盤上には宝箱や[[ポーション (ファイナルファンタジー)|ポーション]]などが配置されており、キャラクターによって盤面のデザインや構成も異なる。移動は自身のキャラクターの形を模した駒を進める形式で行い、敵の駒と隣接すると[[エンカウント]]で戦闘、ボスの駒などが待つ目的地まで到達するとステージクリアとなる。なおカオス側にはストーリーモードはないが、コスモス側のストーリー中でその動向が語られている。真のエンディングに到達するには、全キャラクターのシナリオをクリアする必要がある<ref name="DPS_433_iv">インタビュー(打道良二、石倉敦子、星野小夜子、内島康雅、鈴木裕之)『電撃PlayStation Vol.433』 2008年11月、p.20-21。</ref>。


またPSPの[[プレイステーション・ポータブル#ワイヤレスLAN|アドホックモード]]を用いた通信対戦が可能であるほか<ref name="DPS_408"/>、『[[すばらしきこのせかい]]』の通信システムを発展させた「対戦コミュニティ」的な要素も盛り込まれる<ref name="DPS_389_iv">インタビュー(塩川洋介、野村哲也、北瀬佳範)『電撃PlayStation Vol.389』 メディアワークス、2007年5月、p.24-25。</ref>。
開発元が意図した本作のターゲット層は「FFシリーズのファン」および「対戦アクションファン」であり、試算した平均プレイ時間は、ストーリークリアまでが40時間、やり込み要素を加えると100時間以上である<ref name="famitsu_review"/>。ゲームをクリアすると、隠しキャラクターが登場する2つのシナリオと、最高難易度のシナリオ「INWARD CHAOS」が新たに使用できるようになる。また「デュエルコロシアム」「レポート」と呼ばれる2つの機能が開放される。デュエルコロシアムとは、ストーリーモード、クイックバトル、通信モードに続く、本作の4つめのモードであり、カードゲームの形式で場に出されたカードを選択し、カードに描かれた敵と次々に対戦していく。レポートは、BGMなどを聴くことができる「ミュージアム」の中に出現するテキストデータである。「コスモスレポート」「カオスレポート」の2種類から成り、それぞれ10種類、合計20種類のレポートで構成される。

その他、本作では対戦の経過をメモリースティックに録画し、さらにその映像を編集することができる。編集ではカメラアングルなども詳細に設定でき、通常戦闘では見られないような角度での再生も可能である<ref name="famitsu_1044">『ファミ通 1044号』 2008年12月、p.22-29。</ref>。

=== 戦闘システム ===
戦闘は1対1の対戦となり、攻撃によって相手の[[ヒットポイント|HP]]をゼロにした時点で勝利となる。戦闘ではシンプルなボタン操作で様々な攻撃技を容易に発動でき<ref name="DPSP_392">『電撃PSP Vol.392』 2007年6月、p.76-79。</ref>、技の種類はHPにダメージを与える「HP攻撃」と、ブレイブポイントを奪い取る「ブレイブ攻撃」の2つに大別される。ブレイブポイントとは「攻撃の威力」を現す値であり、本作の戦闘で重要な役割を果たす。これは固定値ではなく「ブレイブ攻撃」のヒットによって増減し、「HP攻撃」を当てることによって溜めたポイントを全て消費して、その分のダメージを敵のHPに与えることができる。敵のブレイブポイントを0以下にすると相手はBREAK(ブレイク)状態となり、バトルマップにプールされたブレイブポイント(マップブレイブ)が自キャラクターにボーナス加算され、攻撃力が著しく上昇する<ref group="注">BREAK時に加算されるマップブレイブは両プレイヤーの最大HPによって決まる他、マップによっては特定の条件で増加することがある。全てのマップには固有のギミックによりマップブレイブが変動する「真マップ」があり、真マップのギミックの中には両プレイヤーのブレイブ値に影響を与えつつマップブレイブを増やす物も存在する。</ref>。このためBREAK状態からのHP攻撃は相手に大ダメージを与えることが可能であり、ブレイブポイントの奪い合いが勝敗の決め手となる。ブレイブポイントを上手に活用することで、レベルの低いキャラクターが、高いキャラクターに勝利することも可能となる<ref name="famitsuPSP_200808_iv">インタビュー(野村哲也、荒川健、高橋光則)『ファミ通PSP+PS3 2008年8月号』 2008年6月、p.129-133。</ref>。

敵を攻撃すると得られる「EXフォース」と、戦闘ステージに現れる「EXコア」を集めることで、「EXゲージ」と呼ばれる値が溜まっていく。このEXゲージが満たされると「EXモード」が発動可能になり、発動することでキャラクターごとに固有の変身やクラスチェンジなどを行う。変身中は体力が少しずつ回復するほか、能力値の上昇など各キャラクターごとに設定された様々なプラス効果を得られ、外見の印象も大幅に変化する。またEXモード中にHP攻撃をヒットさせると画面上にコマンドが表示され、それを入力することにより強力な超必殺技である「EXバースト」が発動する。EXバーストは各キャラクターごとに固有の技が用意され、原作で馴染みのある特徴的なものが多い<ref name="famitsu_1020">『ファミ通 1020号』 2008年6月、p.220-223。</ref>。また、「EXバースト」が成功すると同時に「EXモード」は解除される。

1キャラにつき1種類のみ装備できる「召喚石」を使用することで、[[ファイナルファンタジーシリーズの召喚獣|召喚獣]]を1戦闘につき原則1度のみ召喚できる。使用方法は召喚獣によって、条件を満たしたときに自動的に発動か手動での二通りがあり、効果は各召喚獣によって違うが、基本的にブレイブポイントに作用し、HPに直接打撃を与えるような効果はない。50種類以上の召喚獣が登場する。

戦闘はストーリーに沿って敵と戦っていく「ストーリーモード」の他に、戦闘のみを行う「クイックバトル」、通信対戦が可能な「通信モード」などでも行える。クイックバトルなどで育てたキャラクターのレベルは、ストーリーモードでも引き継がれる<ref name="famitsu_1040" />。シリーズファンの主体がアクションに不慣れなRPGユーザーであることも考慮し、RPGのように「たたかう」などのコマンドを選ぶだけでオートで戦闘がなされる「コマンドバトル」の機能も盛り込まれている<ref name="gemaga_200901_iv">インタビュー(荒川健)『ゲーマガ 2009年1月号』 2008年11月、p.20-21。</ref>。

=== カスタマイズ要素 ===
{| class="wikitable" | style="float:right; width:25em; font-size:80%; margin:5px;"
|+ アビリティの種類
! colspan="2" style="background-color:#d1dbdf;"|攻撃アビリティ
|-
| colspan="2"|HPやブレイブへの攻撃を行うコマンド。
|-
! colspan="2" style="background-color:#d1dbdf;"|基本アビリティ
|-
| colspan="2"|キャラクターの能力をアップさせるアビリティ。次の3つに大別される。
|-
! nowrap="nowrap" |アクション
| 各種のアクションや移動能力の強化などを行う
|-
! サポート
| いくつかの行動の入力を自動化したりすることができる
|-
! nowrap="nowrap" |エキストラ
| 特定条件下での能力アップや装備可能アイテムの追加など
|}
レベル制を採用し、キャラクターを育てるRPG的な点に比重が置かれた本作では、様々なカスタマイズ要素が用意されている。装備品は4種類(武器・手防具・頭防具・体防具)のアイテムと、最高10個まで装備可能なアクセサリに分類される。この他、基本的に1戦につき1回だけ使用可能な召喚石も装備できる。また、攻撃や各種サポート、移動能力のアップなどを提供する[[ファイナルファンタジーのアビリティシステム|アビリティ]]の付け替えも行える。アビリティの装備にはキャパシティポイント(以下CP)と呼ばれるパラメーターが必要となる。アビリティはレベルが上がると覚え、装備したアビリティには戦闘で得られるアビリティポイント(以下AP)が蓄積される。APが一定量に達するとそのアビリティを「マスター」し装備に必要なCPが軽減される他、マスターしたアビリティから派生アビリティが発生することがある。なお攻撃アビリティは、攻撃の種類(ブレイブ攻撃とHP攻撃)および自分の位置(地上と空中)による4種類のカテゴリのそれぞれにパッド入力方向による3つのスロットがあり、計12個まで装備できる<ref group="注">ブレイブ攻撃においては派生アビリティが存在する物があるが、派生アビリティは元のアビリティに続く技として各3個の枠とは別の扱いがされる</ref>。

戦闘中に一定条件を満たすとアクセサリが生成される「バトルライズ」や、戦闘回数などの特定条件をこなす「ミッション」が存在する。これらを達成することでレアアイテムやレアアイテムとトレードするための素材が入手できる。また、各キャラクターには「アナザーフォーム」と呼ばれる衣装などが異なる別モデルが存在する(いわゆる2Pモデルに当たる)。こうしたアナザーフォームや戦闘[[バックグラウンドミュージック|BGM]]は、戦闘で得られるプレイポイント(以下PP)を貯めてゲーム内の「PPカタログ」で購入していく。アナザーフォームは通常は同キャラクター戦での相手側のカラーとして登場するが、購入することで自ら選択できるようになる。

クリア後に解放されるデュエルコロシアムでは、戦闘に勝利するとカードの強さに見合ったメダルを得られ、メダルはレアアイテムやレアアイテムを作る素材との交換が可能である。本作は「レベル100まで育ててからが本番である」と開発者が語るとおり、最強の装備を揃えるなどのカスタマイズ要素が楽しめる。特にストーリーモードの存在しないカオス陣営のキャラクターについては、このモードで育てることが推奨されている<ref name="famitsu_1044_iv2">インタビュー(野村哲也、荒川健、高橋光則、池田隆児)『ファミ通 1044号』 2008年12月、p.30-33。</ref>。なお、このモードや最難度の「INWARD CHAOS」では育成できるキャラクターの最大レベル100を超えた最高130レベルの敵も登場する。

=== 通信モード ===
通信対戦は、PSPの無線LAN機能を利用した[[PlayStation Portable#ワイヤレスLAN|アドホックモード]]に加え、PS3を介してネットワーク経由で見知らぬ人と対戦が可能な[[PlayStation 3#その他|アドホック・パーティー]]にも対応している。通信モードで重要なのが「フレンドカード」と呼ばれる機能である。フレンドカードには、メッセージの他に、ゴーストと呼ばれる自身のプレイ方法を学習した「キャラクター[[人工知能|AI]]」と、プレイヤーアイコンを登録できる。プレイヤーアイコンは、シリーズファンに馴染みの画が250種類以上用意されている。通信モードでは、オンラインロビーに入ることで自動的にロビーにいる相手とフレンドカードが交換され、対戦したい相手のフレンドカードを選び、対戦を申し込む。戦闘前にハンディやルールなどを決めることも可能である。一度交換したフレンドカードは通信を切っても最大50枚まで保存され、非通信時でも交換したフレンドカードに付加された相手のゴーストとの「擬似対戦」を自由に行うことができる。フレンドカードは、PSPの[[すれちがい通信]]を使っても交換が可能である。また、通信対戦では人から人へ渡っていく[[アーティファクト]]と呼ばれるアイテムを稀に入手できる。このアイテムは名前を変更できるリネーム機能があり、リネームする際に特殊効果が変化することがある。多くの人を渡り歩いたアイテムほど優秀な特殊効果が得られやすく、これまでの所持者とリネームの遍歴も確認することができる。

== 物語の構造 ==
=== 登場人物 ===
{| class="wikitable" | style="float:right; width:25em; font-size:80%; margin:5px;"
|-
! style="width:20%;"| '''原作'''
! style="width:40%;"| '''コスモス陣営'''
! style="width:40%;"| '''カオス陣営'''
|-
| 『[[ファイナルファンタジー|FF]]』
| ウォーリア・オブ・ライト
| ガーランド
|-
| 『[[ファイナルファンタジーII|FFII]]』
| フリオニール
| 皇帝
|-
| 『[[ファイナルファンタジーIII|FFIII]]』
| オニオンナイト
| 暗闇の雲
|-
| 『[[ファイナルファンタジーIV|FFIV]]』
| セシル・ハーヴィ
| ゴルベーザ
|-
| 『[[ファイナルファンタジーV|FFV]]』
| バッツ・クラウザー
| エクスデス
|-
| 『[[ファイナルファンタジーVI|FFVI]]』
| ティナ・ブランフォード
| ケフカ・パラッツォ
|-
| 『[[ファイナルファンタジーVII|FFVII]]』
| クラウド・ストライフ
| セフィロス
|-
| 『[[ファイナルファンタジーVIII|FFVIII]]』
| スコール・レオンハート
| アルティミシア
|-
| 『[[ファイナルファンタジーIX|FFIX]]』
| ジタン・トライバル
| クジャ
|-
| 『[[ファイナルファンタジーX|FFX]]』
| ティーダ
| ジェクト
|-
| 『[[ファイナルファンタジーXI|FFXI]]』
| シャントット
| -
|-
| 『[[ファイナルファンタジーXII|FFXII]]』
| -
| ガブラス
|}
{{main|ディシディア ファイナルファンタジーシリーズの登場人物}}
プレイヤーキャラクターは総勢22名であり、『FFI』から『FFX』までの10作品から2名ずつ、隠しプレイヤーキャラクターとして『FFXI』と『FFXII』から各1名ずつ登場する。なお、『[[ファイナルファンタジーXIII|FFXIII]]』以降の作品は、『DDFF』発売当時は未発売だったため登場しない。基本的にプレイヤーキャラクターは、調和の神「コスモス」と混沌の神「カオス」のどちらかの陣営に属する。原則、コスモス陣営は原作の[[主人公]]、カオス陣営は主人公と因縁がある人物(主に原作の[[ボスキャラクター]])で構成される。ストーリーモードが存在するのはコスモス陣営のみであり、カオス陣営は前述の「PPカタログ」でキャラクターを購入することでクイックモードなどで使用できるようになる。

キャラクターの性格や設定は原作とほぼ同一であるが、出生やキャラクター同士の関係などの細かな点については本作オリジナルの調整が加えられている<ref name="DPS_422_iv" />。

=== 世界観 ===
{| class="wikitable" | style="float:left; width:25em; font-size:80%; margin:5px;"
|-
! style="width:12%;"| '''原作'''
! style="width:38%;"| '''マップ'''
! style="width:12%;"| '''原作'''
! style="width:38%;"| '''マップ'''
|-
| style="text-align:center" |FF
| 過去のカオス神殿
| style="text-align:center" |VI
| ガレキの塔
|-
| style="text-align:center" |II
| パンデモニウム
| style="text-align:center" |VII
| 星の体内
|-
| style="text-align:center" |III
| 闇の世界
| style="text-align:center" |VIII
| アルティミシア城
|-
| style="text-align:center" |IV
| 月の渓谷
| style="text-align:center" |IX
| クリスタルワールド
|-
| style="text-align:center" |V
| 次元城
| style="text-align:center" |X
| 夢の終わり
|-
| style="text-align:center" |DFF
| 秩序の聖域
| style="text-align:center" |DFF
| 混沌の果て
|}
ゲームの舞台は、秩序の神コスモスと混沌の神カオスと呼ばれる光と闇の二神が、幾千年も戦い続けてきた世界と設定されている。これは『FF』シリーズの根本的な世界観を崩さず、原作のキャラクターたちが戦う理由としてもわかりやすい点から採用された<ref name="arakawa"/>。各キャラクターたちは、別の次元から神々によって召喚されており、また世界そのものも同様に別次元から引き寄せられた要素の集合体とされる。そのため、戦闘マップも各原作のラストダンジョンを中心に、馴染みの深い場所が再現されている<ref>インタビュー(亀田泰士)『アルティマニア』P.681。</ref>。

ゲームを進めていくと、この世界は、秩序と混沌を戦わせることによって、カオスが生まれながらに持っていた混沌の力を育て、カオスという究極の兵器を生み出すために「大いなる意志」によって創られた世界であったことが明かされる<ref group="注">Shade Impulse C2-3,
C2-4(ガーランド・ゴルベーザ台詞より)『Dissidia Final Fantasy』SQEX,PSP,2008-12-18</ref>。片方の神が破れると「大いなる意志」
と契約を交わした「神竜」が全てを巻き戻し、神々や戦士たちは蘇り、また戦いを繰り返すことで力を増していく。その輪廻を何千年も続けてきたのが、今の世界であると物語の終盤で示される<ref group="注">なお、後述のレポートには「大いなる意志」とは誰か等、ゲーム内で語られなかった世界観の謎を推測できる記述が多く含まれているが、確定的に断定できる資料が存在しないため、ここでの記述は避ける。</ref>。{{-}}

=== ストーリー ===
{| class="wikitable" | style="float:right; width:25em; font-size:80%; margin:5px;"
|-
! colspan="4" style="background-color:#d1dbdf;"|Prologue(チュートリアル)
|-
| style="text-align:center" |FF
| colspan="3"|砕かれた世界
|-
! colspan="4" style="background-color:#d1dbdf;"|Destiny Odyssey(個別シナリオ)
|-
! style="width:12%;"| '''原作'''
! style="width:38%;"| '''シナリオ'''
! style="width:12%;"| '''原作'''
! style="width:38%;"| '''シナリオ'''
|-
| style="text-align:center"|FF
| 導かれし光
| style="text-align:center"|VI
| 誰がための力
|-
| style="text-align:center" |II
| 見果てぬ夢
| style="text-align:center" |VII
| 宿命
|-
| style="text-align:center" |III
| 少年は誇りを胸に
| style="text-align:center" |VIII
| 獅子は荒野を越えて
|-
| style="text-align:center" |IV
| 月影の騎士たち
| style="text-align:center" |IX
| 生命のしらべ
|-
| style="text-align:center" |V
| 旅と勇気と相棒と
| style="text-align:center" |X
| 明日へ続く道
|-
! colspan="4" style="background-color:#d1dbdf;"|Shade Impulse(共通シナリオ)
|-
| style="text-align:center"|-
| colspan="3"| 1. 失われた真理<br /> 2. 策謀の支配者<br /> 3. 限りある時の中で<br /> 4. 決戦
|-
! colspan="4" style="background-color:white;"|クリア後に出現するシナリオ
|-
! colspan="4" style="background-color:#d1dbdf;"|Distant Glory(隠しキャラクター用)
|-
! style="width:12%;"| '''原作'''
! style="width:38%;"| '''シナリオ'''
! style="width:12%;"| '''原作'''
! style="width:38%;"| '''シナリオ'''
|-
| style="text-align:center"|XI
| 伝説の淑女
| style="text-align:center"|XII
| 贖罪の武人
|-
! colspan="4" style="background-color:#d1dbdf;"|Inward Chaos(最強難度)
|-
| style="text-align:center"|-
| colspan="3"|究極の幻想へ
|}
「最初からクライマックス」の雰囲気を出すため、物語はコスモスがカオスに敗れ、コスモス側が窮地に陥った場面から始まる<ref>インタビュー(野村哲也、荒川健)『[[月刊少年ガンガン]] 2009年1月号』 スクウェア・エニックス、2008年12月。</ref>。コスモスは世界を救う為の鍵として、[[ファイナルファンタジーシリーズ#用語|クリスタル]]を手に入れるようにと僅かに生き残ったコスモス側の10人の戦士に促す。10個のクリスタルを集めることで、世界を救う希望が生まれるとのコスモスの言葉を信じ、各キャラクターたちはクリスタルを探すために行動を開始する。各キャラクターの個別シナリオは、各々がクリスタルを手に入れるまでを描く。仲間と共に行動する者、単独行動を取る者など、[[オムニバス]]形式で並行して物語は進行していく。各キャラクターたちは、それぞれの心に迷いや悩みを抱えており、それを劇中で克服し、シナリオの最後で同一原作のカオス陣営の戦士と戦い勝利することでクリスタルを手に入れていく。

10人のシナリオを全て終えると、カオスとの戦いが待つ共通シナリオが出現する。このシナリオの冒頭でコスモスは死を迎える。それは、これまでのような神竜の力によってすぐに復活する「仮初めの死」ではなく「完全なる死」であった<ref group="注">Shade Impulse C1-3(皇帝の台詞より)『Dissidia Final Fantasy』SQEX,PSP,2008-12-18</ref>。クリスタルの正体は僅かに残ったコスモスの調和の力そのものであり、それを手放したことによりコスモスが完全なる死を迎えたのだと知った戦士たちは、コスモスに託されたクリスタルにカオス打倒を誓う<ref>『アルティマニア』P.417。</ref>。コスモスの完全なる死は、カオス陣営にも異変を生じさせる。対となる存在の神コスモスを失ったカオスは、その哀しみと虚しさから、己もろとも世界を滅ぼすことを決意する<ref>『アルティマニア』P.441。</ref>。カオスと対峙したコスモスの戦士たちは、最終決戦に挑み、勝利する。平和になった世界を見届けると、コスモスの戦士たちは、それぞれの世界へと戻っていく。最後に残った『FFI』の主人公ウォーリア・オブ・ライトが、クリスタルを手に遠くに見える城へと向かって歩いていくシーンで、本作はエンディングを迎える。このシーンは、FFシリーズの第1作である『FFI』のオープニングシーンと同じ構図であり<ref>『アルティマニア』p.180。</ref>、本作の最後の場面が『FFI』の世界であり、物語の始まりであることを示している<ref>インタビュー(石倉敦子)『アルティマニア』P.676。</ref>。{{-}}


== 開発 ==
== 開発 ==
=== 開発チーム ===
本作は[[野村哲也]]が企画、立案を行っており、クリエイティブ[[プロデューサー]]として「一歩引いた立場で」ゲーム全体のプロデュースやサポート役も務めている<ref name="famitsu_1020_iv" />。野村には2001年からPS2用に考えていた対戦ゲームの企画<ref group="注">初期の企画書でのタイトルは『Shade Theory FINAL FANTASY』(Shade Theory=「影の理論」=「異なる説」の意)であった(野村哲也インタビュー『ファミ通 1073号』 2009年6月、p.129より)。</ref>があり、スクウェア・エニックスがFFシリーズ20周年記念作品として「お祭り」的な要素のある作品を検討していた中で、この野村が温めていたアイデアと<ref name="nikkeibp_20081003">『日経トレンディネット』2008年10月6日[http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20081003/1019450/ 開発者に聞く! スクウェア・エニックス『ディシディア ファイナルファンタジー』は『FF』20年の集大成]</ref>、若手スタッフの「新しいことをしたい」という意見とが結びつき、本企画が誕生した<ref name="famitsu_963_iv">インタビュー(塩川洋介、野村哲也、北瀬佳範)『ファミ通 963号』 2007年5月、p.23-25。</ref><ref name="DPS_389_iv" />。キャラクターが集まって戦うというコンセプトはもともと『KH』で使うつもりだったが、[[ウォルト・ディズニー・カンパニー|ディズニー]]キャラクター同士が戦うのは良くないと判断があり、企画が『KH』から『FF』へとシフトした経緯がある<ref>インタビュー(野村哲也)『キングダム ハーツ 358/2 Days アルティマニア』2009年6月25日、P.485。</ref>。対応機種は、画面分割をせずに3D対戦ができるという点から[[PlayStation Portable|PSP]]が採用された<ref name="DPS_389_iv">インタビュー(塩川洋介、野村哲也、北瀬佳範)『電撃PlayStation Vol.389』 2007年5月、p.24-25。</ref>。
『[[キングダムハーツ|KH]]』のスタッフを主軸に構成される<ref name="famitsu_963"/>。20周年記念作品として「お祭り」的な要素のある作品を検討していた中で、塩川洋介ら若手スタッフの「新しいことをしたい」という意見と結びつき、現在の形となった<ref name="famitsu_963_iv">インタビュー(塩川洋介、野村哲也、北瀬佳範)『ファミ通 963号』 エンターブレイン、2007年5月、p.23-25。</ref><ref name="DPS_389_iv"/>。制作は塩川ら次代のリーダー候補となるサブリーダーを核に進められ、若手スタッフが多いのも特徴である<ref name="B's-LOG_200707_iv"/>。これは、本作の企画意図に「若手スタッフにチャンスを作ろう」という面があった事も関係している<ref name="famitsu_1020_iv">インタビュー(野村哲也、荒川健、高橋光則)『ファミ通 1020号』 エンターブレイン、2008年6月、p.221-223。</ref>。いちユーザーとしてFFに親しんできた世代が中心となるため旧作への思い入れが強いスタッフも多く、その結果として旧作をリスペクトした「深いネタ」が多く盛り込まれることになったという<ref name="famitsuPSP_200808_iv"/>。

企画は2005年秋にまとまり、プロジェクトとして始動したのが2006年1月頃となる。開発期間はおおよそ2年<ref name="arakawa">『PlayStation.com(Japan)』2008年12月16日[http://www.jp.playstation.com/psworld/interview/200812/ インタビュー 荒川 健さん] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20081217110749/http://www.jp.playstation.com/psworld/interview/200812/ |date=2008年12月17日 }}(最終更新確認:2008年12月18日)</ref>。開発は当初の想定よりも長くかかり、発売は20周年ぎりぎり(正確には21周年当日)の2008年12月18日となった(FC版『[[FF1]]』と同じ発売日)。

開発チームは、『[[キングダム ハーツII|KHII]]』の戦闘シーンを担当したスタッフを主軸に構成される<ref name="nikkeibp_20081003" />。開発前半期にコンセプトディレクターとしてチームの取りまとめを担った[[塩川洋介]]は過去に『KH』などを担当していた。プランニングディレクターとしてバトル全般のディレクションをした[[高橋光則]]は『KH』、『KH2』ではボス戦などを任されていた<ref name="famitsuPSP_200808_iv" />。シネマティクスムービークリエイティブディレクターとしてムービー全般のディレクションを行った[[野末武志]]は過去に『[[ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン|FFVII AC]]』、『KH』などに関わった。メイン[[プログラマ|プログラマー]]の[[池田隆児]]は過去に『KH』などを担当している。

本作の開発には「若手スタッフにチャンスを作ろう」という意図があったことも関係して<ref name="famitsu_1020_iv">インタビュー(野村哲也、荒川健、高橋光則)『ファミ通 1020号』 2008年6月、p.224-225。</ref>、若手スタッフが多いのも特徴<ref name="B's-LOG_200707_iv" />。ゲーム全体のディレクションは『[[すばらしきこのせかい]]』でプランニングディレクターを担った[[荒川健 (ゲームクリエイター)|荒川健]]がシニア[[ディレクター]]として担当した<ref name="famitsuPSP_200808_iv" />。そして、そんなチームに開発をまかせつつ、プレッシャーをあたえる役<ref name="B's-LOG_200707_iv" />を担うのが本作の最年長スタッフ<ref name="f.com_200806">『ファミ通.com』2008年06月30日[http://www.famitsu.com/game/coming/1216221_1407.html 開発者に直撃インタビュー『ディシディア ファイナルファンタジー』](最終更新確認:2008年7月12日)</ref>となるプロデューサーの[[北瀬佳範]]である。

スタッフにはいちユーザーとしてFFをプレイしていた思い入れが強い世代が多く、その結果として原作をリスペクトした「深いネタ」が多く盛り込まれることになったという<ref name="famitsuPSP_200808_iv" />。中でもヘルプメッセージは、歴代のキャラクターたちが当時の画像と共にそのキャラクターの口調で説明する形式という非常に凝ったものとなっている。制作にあたっては、統一感を図るため歴代FFを全てプレイし直している。原作内で情報が少ない『FFIII』以前のボスキャラクターについては、ファンサイトなどを調べ、ファンの思い入れを崩さないように配慮されている。原作の忠実な再現にもこだわり、ソフトの対象年齢が上がることを知りつつも野村の判断により『FFVI』の衣装を身に着けていないトランス状態のティナを登場させた<ref name="arakawa"/>。こうした原作をリスペクトする開発様式については、ディズニーという原作がある『KH』シリーズのスタッフが主軸であったことがプラスに働いたという<ref name="DPS_435_iv">インタビュー(荒川健、野村哲也)『電撃PlayStation Vol.435』 2008年12月、p.32-35。</ref>。

[[キャラクターデザイン]]は、これまでのシリーズ作品の多くでキャラクターデザインなどを手掛けてきた[[天野喜孝]]の原作発売当時の原画と、ゲーム中に登場する絵を融合させ、新たに全キャラクターを野村哲也が描き起こした。天野喜孝はサントラのパッケージなどにも使用されたコスモス陣営とカオス陣営の「メインビジュアル」の[[イラストレーション]]を担当している<ref>『天野喜孝オフィシャルホームページ』2008年12月15日[https://amanosworld.blog.ss-blog.jp/2008-12-11 天野喜孝 Amano`s World: 年の瀬](最終更新確認:2009年1月24日)</ref><ref name="f.com1124" />。声優については、既存作品で日本語ボイスがあるキャラクターは、一部の例外を除き、原則同一声優が続投している。この他、日本語版のナレーションには俳優の[[菅原文太]]が起用された。


キャラクターデザインは[[野村哲也]]が務める。当時の[[天野喜孝]]の原画とゲーム中の絵を融合させ、本作品用に新たに全キャラクターを野村が描き起こした。各シリーズキャラクターが一堂に会するため、年齢的な違和感がないように調整も施されている<ref name="famitsu_1020_iv"/>。[[ドット絵]]しか資料が存在しないガーランドなどのキャラクターについては旧作のイメージを残しつつ想像で描かれた。音楽は『すばらしきこのせかい』などを手がけた石元丈晴が担当する。
=== 音楽 ===
[[ファイル:Your favorite enemies 01.jpg|thumb|[[ユア・フェイバリット・エネミーズ]]<br />ラスボス戦で流れる挿入歌を担当したロックバンド|200px]]
メイン[[作曲家|コンポーザー]]として[[石元丈晴]]、アレンジャーとして[[関戸剛]]、鈴木光人らが加わり、スクウェア・エニックスの現役スタッフが担当している。本作のコンセプトに合わせ、『FFI』から『FFXII』までの歴代シリーズの曲が万遍なく使用されているのが特徴であり、エンディングでは野村の発案により、10作品のBGMのメドレーが使用された<ref name="ULT_ishimoto"/>。TVCM(30秒)では「あの音が流れてきたら、うれしくないわけないだろ?」との[[キャッチコピー|コピー]]が使用され<ref name="sce30"/>、懐かしいBGMを聴くことができる点も本作の売りの1つとしている。[[サウンドトラック|オリジナルサウンドトラック]]では、新規楽曲18曲に加え、本作で使用された歴代のシリーズの人気楽曲(アレンジ25曲、原作オリジナル11曲)が収録されている。また、本作の新楽曲として、カナダ出身の6人組のロックバンド「[[ユア・フェイバリット・エネミーズ]]」(以下YFE)が歌う英語歌詞による挿入歌『Cosmos』『Chaos』が使用された<ref>『SQUARE ENIX MUSIC』2008年12月18日{{PDFlink|1=[http://www.square-enix.co.jp/music/sem/page/dissidia/ddf.pdf SQUARE ENIX PRESS DECEMBER 18,2008]|2=30KB}}(最終更新確認:2008年12月28日)</ref>。作曲は石元、作詞はYFEのヴォーカリストであるアレックス・フォスターが担当している。男女のツインボーカルである点がYFEの起用要因であり、コスモスをイメージした『Cosmos』は女性ボーカルがメイン、ラスボス戦で使用されるカオスをイメージした『Chaos』は男性ボーカルがメインとなっている<ref name="ULT_ishimoto">インタビュー(石元丈晴)『アルティマニア』P.689</ref>。なお、ゲーム内では、サントラ収録曲以外の原作曲も多数収録されており、そうした楽曲は、前述のゲーム内の「PPカタログ」で開放することで、BGMとして使用可能となる。
{{-}}


== 販売 ==
=== プロモーション ===
=== プロモーション ===
本作について最初の発表がなされたのは[[2007年]]5月8日である。スクウェア・エニックスの公式サイトに作品の[[ロゴタイプ|ロゴ]]のみが掲載され、他の情報は一切発表せず秘密にする形が取られた<ref name="famitsu_963_sub">「スクウウェア・エニックスパーティ2007」『ファミ通 963号』 エンターブレイン、2007年5月、p.16-17。</ref>。内容が明かされたのは、2007年5月12日、13日に開催された「スクウェア・エニックスパーティ2007」である。このイベントでプロモーション映像と共に作品ジャンル、プラットホームなどが示され<ref>『ゲームWatch』2007年05月12日[http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20070512/closed.htm クローズドメガシアター レポート](最終更新確認:2008年7月12日)</ref>、翌週発売の各ゲーム雑誌で一斉に詳細情報が解禁となった。
==== オリジナル版(日本語版) ====
;発売前
:本作について最初の発表がなされたのは[[2007年]]5月である。作品タイトルや[[ロゴタイプ|ロゴ]]のみを記した[[ティザー広告|ティザーサイト]]が8日に開設され<ref name="famitsu_963_sub">「スクウェア・エニックスパーティ2007」『ファミ通 963号』 2007年5月、p.16-17。</ref>、12日、13日に開催された「スクウェア・エニックスパーティ2007」においてプロモーション映像と共に作品ジャンルやゲーム概要が明らかにされた<ref>『GameWatch』2007年05月12日[http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070512/closed.htm クローズドメガシアター レポート](最終更新確認:2008年7月12日)</ref>。9月の「[[東京ゲームショウ]]2007」では映像のみの出展であったが<ref>『GameWatch』2007年09月21日[http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070921/sqex1.htm 東京ゲームショウ2007レポート](最終更新確認:2008年7月12日)</ref>、12月22日、23日に開催された「[[ジャンプフェスタ]]2008」は一般ユーザー向けの初の試遊の場となり、46台の大量の試遊台が設置された<ref>『GameWatch』2007年12月22日[http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071222/jf.htm 「ジャンプフェスタ2008」開幕](最終更新確認:2008年7月12日)</ref>。翌2008年6月に公式サイトが正式稼動。9月には発売日が公表され、併せてオリジナルデザインの[[PlayStation Portable#PSP-3000|PSP-3000]]同梱版の存在が明らかになった<ref name="square_20080902">『SQUARE ENIX』2008年09月02日[http://release.square-enix.com/news/j/2008/09/20080902_01.html 発売日・価格決定、PSP本体同梱版についてのお知らせ](最終更新確認:2008年10月11日)</ref>。10月の「東京ゲームショウ2008」では、神々2名と両陣営20名のキャラクターが出展映像の中で出揃い<ref>『ファミ通.com』2008年10月9日[http://www.famitsu.com/event/tgs/2008/1218808_1829.html スクウェア・エニックスのクローズドメガシアター、注目の最新情報をまとめてお伝え!](最終更新確認:2008年10月11日)</ref>、11月の『FFXI』の公式ファンイベントにおいて『FFXI』からの隠しキャラクター<ref name="f.com_200811">『ファミ通.com』2008年11月23日[http://www.famitsu.com/game/news/1220016_1124.html 『ディシディア ファイナルファンタジー』にシャントット博士が参戦決定](最終更新確認:2008年11月23日)</ref>、発売直前の12月15日にテレビ番組で放映された最終[[予告編|トレーラー]]で<ref>『ファミ通.com』2008年12月12日[http://www.famitsu.com/game/news/1220539_1124.html ゲームの特番『ゲームセンターCX 特別編 』にて、未公開映像満載の『ディシディア ファイナルファンタジー』の最終トレーラーが放送](最終更新確認:2008年12月18日)</ref>『FFXII』からの隠しキャラクターが公開された。
:雑誌広告やポスターなどで使用されたキャッチフレーズは「またお前と戦う時が来るとはな。」である<ref name="DPSP_436">『電撃PSP Vol.436』 2008年12月、p.2-3。</ref>。発売前のプロモーションでは「長年培ったFFファンのイメージを壊さない」ことを念頭に置き、FFの世界観とRPG的要素を前面に出す戦略をとった<ref name="ssbiz_200902">ヒット案内人 スクウェ・エニックスシニアディレクター荒川健氏『[[日経産業新聞]]』2009年2月12日朝刊、4面。</ref>。テレビCMは、発売月である12月に入ると、[[サントリー]]との[[コラボレーション]]商品である缶飲料『ディシディアファイナルファンタジーポーション』の15秒CM『乾杯』篇が、ゲームに先駆けて12月2日よりスタート<ref>『サントリー』2008年12月2日[http://www.suntory.co.jp/enjoy/cm/log/sd454.html CMワールド 知る・楽しむ] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20081205231747/http://www.suntory.co.jp/enjoy/cm/log/sd454.html |date=2008年12月5日 }}(最終更新確認:2008年12月12日)</ref>。追って11日よりゲーム自体の15秒CMも始まり、[[ソニー・コンピュータエンタテインメント|SCE]]枠で『FF』から『FFV』までのキャラクターが登場するCM、スクウェアエニックス枠で『FFVI』から『FFX』のキャラクターが登場するCMが流され始めた。18日の発売日を迎えると、SCE制作の30秒CM『あの、あの、あの篇』も放映開始となった<ref name="sce30">『PlayStation.com(Japan)』2008年12月18日[http://www.jp.playstation.com/psworld/movie/cm.html テレビCM一覧] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20081218022547/http://www.jp.playstation.com/psworld/movie/cm.html |date=2008年12月18日 }}(最終更新確認:2008年12月20日)</ref>。
;発売後
:発売後は、従来のFFシリーズのような広告宣伝費をかけ大量のCMを流す類のプロモーションではなく、[[インターネット]]によるユーザーの[[口コミ]]を活用する戦略を採用した<ref name="nikkeibp_20090224">『日経トレンディネット』2009年2月25日[http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/special/20090224/1024073/ 新作『FF』でネットの有効性検証するスクエニ ネット化の加速でゲームは大変革時代に突入]</ref>。本作にはユーザーがインターネット上に手軽に動画を公開できるよう意図したリプレイ機能がある<ref group="注">映像は[[Audio Video Interleave|avi]]形式、[[スクリーンショット]]は[[JPEG]]形式で書き出すことができ、メモリースティックを介してPCへの保存も可能である。</ref>。ユーザーがサイトに動画をあげてくれることによりコストをかけずに宣伝ができることを見込んでおり、公認はしないものの[[YouTube]]や[[ニコニコ動画]]などの動画投稿サイトへの投稿も制限しないとしている<ref name="ssbiz_200901"/>。さらに通信機能によって自力では困難なアイテムなどの入手ができる機能を持たせたことが功を奏し、[[ソーシャル・ネットワーキング・サービス]]などでのオフ会も盛んに行われている<ref name="ssbiz_200902"/>。発売日の翌日には、スクウェア・エニックスの無料会員制サイト内にある3D仮想空間サービス「メンバーズ バーチャルワールド」のリニューアルに合わせてディシディアFFの特設サイトが開設され、プレイ動画の公開が行えるようになり<ref>『ITmedia +D Games』2008年12月19日[http://plusd.itmedia.co.jp/games/articles/0812/19/news096.html スクエニファンのための3D空間「バーチャルワールド」がバージョンアップ](最終更新確認:2008年12月25日)</ref>、投稿コンテストなどの企画も実施された<ref>『ファミ通.com』2009年3月26日[http://www.famitsu.com/game/news/1223026_1124.html 『ディシディア』の”バトルリプレイ”を使ったコンテストが実施](最終更新確認:2009年4月5日)</ref>。
:また、本来は通信モードで用いるフレンドカードには、通信用途とは別の隠し機能があり、フレンドカードのメッセージ欄にパスワードを入力することで、予めゲーム内に組み込まれたレアアイテムやフレンドカードを出現させることができる。こうしたパスワードは各種雑誌やインターネットを通じて、発売直後から約三か月後の2009年4月まで、計16回に分けて段階的に公開された<ref>『マイコミジャーナル』2009年4月11日[https://news.mynavi.jp/news/2009/04/11/002/ スクエニ、『DISSIDIA FINAL FANTASY』最後のマル秘パスワードを公開](最終更新確認:2009年4月22日)</ref>。これは、中古ソフトの流通を防ぐことを狙いとしていたが<ref name="ssbiz_200901">ゲームの魅力、ネットで"拡張"――スクエニなど露出拡大(エンタビジネス)『日経産業新聞』2009年1月19日朝刊、4面。</ref>、同一機種のアクションゲームである『[[モンスターハンター ポータブル#モンスターハンター ポータブル 2nd G|モンスターハンターポータブル 2nd G]]』などと比べ中古流通量は多いとも言われる<ref>『毎日jp(毎日新聞)』2009年2月12日[http://mainichi.jp/enta/mantan/game/trader/archive/news/2009/20090212mog00m200030000c.html アキバ中古ゲーム市況(まんたんウェブ)] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20090615063711/http://mainichi.jp/enta/mantan/game/trader/archive/news/2009/20090212mog00m200030000c.html |date=2009年6月15日 }}(最終更新確認:2009年3月8日)</ref><ref group="注">各種雑誌やインターネットで公開される前にパスワード(通称:未公開パスワード)を[[リバースエンジニアリング]]等の行為によって「解析」する行為も一部で行われていた。この行為についてスクウェア・エニックス側は対応・コメントは出していない。</ref>。


2007年7月の「[[Electronic Entertainment Expo|E3]]」は、イベント規模が大幅に縮小されたことを受けて、日本国内での展開に関する新情報の発表は見送られた<ref name="famitsuPSP_200808_iv"/>。9月の「[[東京ゲームショウ]]2007」では映像のみの出展であったが<ref>『ゲームWatch』2007年09月21日[http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20070921/sqex1.htm 東京ゲームショウ2007レポート](最終更新確認:2008年7月12日)</ref>、12月22日、23日に開催された「[[ジャンプフェスタ]]2008」は日本国内の一般ユーザー向けの初の試遊の場となり、46台の大量の試遊台が設置された<ref>『ゲームWatch』2007年12月22日[http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20071222/jf.htm 「ジャンプフェスタ2008」開幕](最終更新確認:2008年7月12日)</ref>。
==== 他言語版 ====
「[[Electronic Entertainment Expo|E3]]」が2007年からイベント規模を大幅に縮小したことを受けて、野村の意向により2007年、2008年共にE3での初出映像などは作成されず、情報公開は日本語版が発売されるまでの期間は日本国内を優先して行われていた<ref name="famitsuPSP_200808_iv"/>。北米向けの公式サイトは日本語版が発売された2008年12月18日当日に開設され<ref>『SQUARE ENIX(北米)』2008年12月18日[http://release.square-enix.com/na/2008/12/dissidia_final_fantasy_announced_for_mid-year_2009.html DISSIDIA FINAL FANTASY ANNOUNCED FOR MID-YEAR 2009 RELEASE IN NORTH AMERICA](最終更新確認:2008年12月20日)</ref>、欧州向けのプロモートは2009年5月から本格化した<ref>『[[:en:Bit-tech|Bit-tech.net]](英国)』2009年5月5日[http://www.bit-tech.net/gaming/psp/2009/05/05/dissidia-final-fantasy-interview/1 Dissidia: Final Fantasy Interview](最終更新確認:2009年5月6日)</ref>。同月14日には、ソニー・コンピュータエンタテインメント・アメリカ(SCEA)からPSP-3000他同梱版の存在と共に、北米版の発売日が公表され<ref>『PlayStation.com([[ソニー・コンピュータエンタテインメント|SCEA]]公式)』2009年5月14日[http://www.us.playstation.com/News/PressReleases/513 Press Releases - Sony Computer Entertainment America Announces](最終更新確認:2009年5月16日)</ref>、6月に開催された北米最大級のゲーム見本市「E3 2009」は北米市場向けの試遊の場となり、同時に北米向けの新たなも[[予告編|トレーラー]]も公開された<ref>『SQUARE ENIX HOLDINGS』2009年6月1日[http://release.square-enix.com/jpn/news/2009/06/sbpl37j0s.html スクウェア・エニックス・グループ、E3 出展タイトルラインアップを発表](最終更新確認:2009年6月20日)</ref>。欧州版の公式サイトは同月29日に開設され<ref>『[[:de:4Players|4Players]](独語のニュースサイト)』[http://www.playstationportable.de/news/EU-Releasetermin%2B%2526%2BWebsite%2Bf%25FCr%2B%2527Dissidia%253A%2BFinal%2BFantasy%2527.html EU-Releasetermin & Website fur 'Dissidia: Final Fantasy'](最終更新確認:2009年6月29日)</ref>、英・独・西・仏・伊・露の6か国語対応となっている<ref>『欧州版公式サイト』[http://www.dissidia-finalfantasy.com/ DISSIDA FINAL FANTASY](最終更新確認:2009年6月29日)</ref>。また同日には、北米向けに[[北瀬佳範]]名義で「DISSIDIA FINAL FANTASY Developer Blog」が開設され、開発スタッフによる開発秘話の掲載がスタートした<ref>『1UP.com』2009年6月29日[http://dissidia.1up.com http://dissidia.1up.com](最終更新確認:2009年6月30日)</ref>。発売直前の同年8月にドイツのケルンで開催された欧州最大のゲーム見本市「Gamescom 2009」は、欧州市場向けの試遊の場となった<ref>『SQUARE ENIX』2009年07月28日{{PDFlink|1=[http://www.square-enix.com/eu/en/whatsnew/GC_2009.pdf SQUARE ENIX EUROPE CONFIRMS EXCITING COMBINED LINE-UP AT GAMESCOM 2009] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20101224035923/http://www.square-enix.com/eu/en/whatsnew/GC_2009.pdf |date=2010年12月24日 }}|2=118KB}}(最終更新確認:2009年08月30日)</ref>。


なお2008年8月のスクウェア・エニックスのプライベートイベント「DKΣ3713」で発売日の発表が予定されている<ref name="DPS_422_iv"/>。
=== 発売 ===
日本ではスクウェア・エニックスより2008年12月18日に発売された。なお本作は、FFシリーズ初の[[コンピュータエンターテインメントレーティング機構|CERO]]レーティング「C」(15歳以上対象)の作品となる<ref group="注">この作品が出るまでは、すべて「A」(全年齢対象)か「B」(12歳以上対象)のどちらかだった。</ref>。これはティナがトランス([[ファイナルファンタジーシリーズの召喚獣|幻獣]]化)した際のビジュアルが理由とされる<ref group="注">ティナの幻獣体は原作『ファイナルファンタジーVI』では発光する人型の生物として描かれていたが、この姿において着衣はなく全裸と言える状態であった。この姿を[[ドット絵]]として使用していた原作では、[[ゲームボーイアドバンス]]版においてCEROレーティングが「A」(全年齢対象)となっていたが、[[ポリゴン]]で再現した本作では「C」(15歳以上対象)となった。このことに関しては、「B」(12歳以上対象)に落とすための努力をすると原作とのイメージの乖離が起きてしまうことから、レーティング引き上げ覚悟で原作に忠実にしたとされている(インタビュー(グラフィックセクション)『アルティマニア』p.681、[http://www.jp.playstation.com/psworld/interview/200812/page2.html インタビュー 荒川 健さん] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20090629171451/http://www.jp.playstation.com/psworld/interview/200812/page2.html |date=2009年6月29日 }}(『PlayStation.com(Japan)』 2008年12月16日))。なお他のキャラクターにも類型の描写が見られるが、レーティングに関してはティナが代表的に挙げられている。</ref>。


== 登場人物 ==
売れ行きが好調であったため、当初は続編について期待する声も聞かれていたが、野村は構想はあるものの「現時点では続編の予定はない」とインタビューに答えていた<ref>インタビュー(野村哲也/収録日2008年12月29日)『アルティマニア』p.699</ref>。
登場キャラクターの総数は、20人強である<ref name="famitsuPSP_200808_iv"/>。本作のオリジナルキャラクターは、調和の神「コスモス」と混沌の神「カオス」の2名である<ref>『ファミ通.com』2008年06月30日[http://www.famitsu.com/game/coming/1216221_1407.html 開発者に直撃インタビュー『ディシディア ファイナルファンタジー』](最終更新確認:2008年7月12日)</ref>。コスモス側については、キャラクターに思い入れのあるファンも多いため「好きなのに扱えない」といった事が起きないように扱いが容易となっている。反対にカオス側は「玄人好み」のクセの強い操作性のキャラクターが多い<ref name="famitsu_1020_iv"/>。


=== プレイヤーキャラクター ===
[[2009年]][[11月1日]]には『ディシディア ファイナルファンタジー ユニバーサルチューニング』が発売された。これは北米と欧州で発売されたバージョンをベースとしており、変更点としてはキャラクターの性能の調整や新たな技の追加の他、新モード「アーケードモード」やデュエルコロシアムの最高難易度コースといった、更なるやり込み要素の追加などが挙げられる。オリジナル版からセーブデータを引き継ぐこともでき、その場合は4種類の引き継ぎパターンの中から選択することとなる。なお、音声は全編英語であるが、オプションでバトル時のみ日本語音声に切り替えることが可能。
『[[ファイナルファンタジー|FF]]』より
;;ウォーリア オブ ライト ([[声優|声]]:[[関俊彦]])
::【コスモス陣営】
::バランス型の戦士。戦闘中にジョブチェンジを行うことができ<ref name="DPS_422">『電撃PlayStation Vol.422』 メディアワークス、2008年6月、p.10-12。</ref>、「戦士」から「ナイト」への変身などが可能<ref name="DPS_389"/>。
;;ガーランド (声:[[内海賢二]])
::【カオス陣営】
::カオス陣営の中ではバランス型で比較的使用しやすい、裏のスタンダード的な存在<ref name="famitsu_1020">『ファミ通 1020号』 エンターブレイン、2008年6月、p.220-223。</ref>。双剣や斧へと形状を変える変形自在な大剣を操る<ref name="famitsu_963"/>。
『[[ファイナルファンタジーII|FFII]]』より
;;フリオニール (声:[[緑川光]])
::【コスモス陣営】
::武器のスペシャリスト。近距離・遠距離を問わず多彩な武器を使いこなし<ref name="DPS_422"/>、必殺技では全ての武器で攻撃可能<ref name="gemaga_200802">『ゲーマガ 2008年2月号』 ソフトバンククリエイティブ、2007年12月。</ref>。
;;皇帝 (声:[[堀内賢雄]])
::【カオス陣営】
::メテオなどの強力な魔法を操り<ref name="DPS_408"/>、機雷や追尾魔法でフィールドに罠を仕掛ける技も使用する<ref name="famitsuPSP_200808">『ファミ通PSP+PS3 2008年8月号』 エンターブレイン、2008年6月、p.128-131。</ref>。
『[[ファイナルファンタジーVIII|FFVIII]]』より
;;スコール・レオンハート (声:[[石川英郎]])
::【コスモス陣営】
::ガンブレードを用いて戦い<ref name="gemaga_200802"/>、[[コンボ (ゲーム)|コンボ]]攻撃を得意とする<ref name="famitsuPSP_200808_iv"/>。女性プレイヤーでも簡単に操作ができるよう調整が施されており<ref name="famitsu_1020"/>、同キャラ対戦時には片方が旧作のSeedの制服を纏う<ref name="gemaga_200802"/>。
;;アルティミシア (声:[[田中敦子 (声優)|田中敦子]])
::【カオス陣営】
::ボタンを連打することで遠距離からの魔法連射が行える。遠距離攻撃に特化したマジックシューターで、ボタンを溜め押しすることにより魔法の威力を増すことも可能<ref name="famitsuPSP_200808"/>。
『[[ファイナルファンタジーIX|FFIX]]』より
;;ジタン・トライバル (声:[[朴ロ美|朴 {{lang|zh|璐}}美]])
::【コスモス陣営】
::エアマスター。両手に[[ダガー]]を装備し、素早さを生かした連続攻撃を得意とする。多彩な空中コンボ技を持つ<ref name="DPS_389"/>。
;;クジャ (声:[[石田彰]])
::【カオス陣営】
::手に武器は一切持たず、遠距離魔法と空中を自在に移動できる能力が特徴<ref name="gemaga_200707"/>であり、レンジによる影響を受けにくい<ref name="famitsuPSP_200808"/>。
『[[ファイナルファンタジーX|FFX]]』より
;;[[ティーダ (ファイナルファンタジー)|ティーダ]] (声:[[森田成一]])
::【コスモス陣営】
::エナジーレインなどの回避と攻撃が一体となった技を得意とする回避アタッカー<ref name="famitsuPSP_200808"/>。
;;ジェクト (声:[[天田益男]])
::【カオス陣営】
::肉弾戦を得意とし、接近戦では抜群の強さを誇るインファイターである<ref name="famitsu_1020"/>。


== システム ==
[[2010年]]9月には、ディシディアシリーズ第2弾として『[[ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー]]』が[[2011年]]に発売されることが発表された<ref>『ファミ通.com』2010年9月13日[http://www.famitsu.com/news/201009/13033399.html ライトニングが参戦! 『ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー』が発表!!](最終更新確認:2010年9月14日)</ref>。<!--[[2011年]][[3月3日]]に発売された。-->シリーズ上は続編であるが、物語上では本作で断片的に語られた「12回目の戦い」を描いている。本作に登場するキャラクターに加え、新たなキャラクターが多数参戦し、また新システムも追加されている。
攻撃方法は、ボタン操作が主体のシンプルなものが多く、ボタンを連打しているだけで様々なコンボ技を容易に発動できる<ref name="DPSP_392">『電撃PSP Vol.392』 メディアワークス、2007年6月、p.76-79。</ref>。敵との距離によって攻撃方法が変化し、それに合わせて○ボタンや、□ボタンなどを操作して攻撃を行う。壁などは△ボタンを押すことで、自在に駆け上がることができる。


;補助技
2010年9月16日より、[[PlayStation Store]]においてオリジナル版のダウンロード配信が開始された。
○ボタンで行う攻撃である。この攻撃では相手のHPを削ることはできない。補助技が相手にヒットすることで、ブレイブポイントと呼ばれる数値が溜まり、逆に相手のブレイブポイントが減少する。○ボタンの攻撃は、×ボタンで回避が可能である<ref name="gemaga_200707"/>


;ブレイブポイント
== 作品の反響 ==
ブレイブポイントとは、いわゆる「攻撃力」を現す値である<ref name="famitsu_1020"/>。補助技によって相手のブレイブポイントをゼロにすると「ブレイク状態」となり、一定の期間、相手の攻撃力が低下する。双方が所持するブレイブポイントの他に、場にプールされたポイントが存在するが、ブレイク状態となると一時的にこのプール分が自キャラクターに加算される<ref name="gemaga_200707"/>。このブレイブポイントを上手に活用することで、レベルの低いキャラクターが、高いキャラクターに勝利することも可能となる<ref name="famitsuPSP_200808_iv"/>。
{| style="float:right; text-align:center; width:23em; font-size:80%; margin:5px; padding:0; background:none;" cellpadding="0" cellspacing="0" white-space:nowrap;"
! style="font-size:120%;" |各種評価
|-
|
{| class="infobox wikitable" style="width:100%; margin:0; border-bottom:none;" cellpadding="3" cellspacing="0"
! colspan="2" style="background-color:#d1dbdf;font-size:120%;"|ゲームレビュー(日本)
|-
! 評価者
! 点数
|-
! [[ファミ通|週刊ファミ通]]
|(10,9,9,8)/40<ref name="famitsu_review">批評家(フランソワ林、メルヘン須藤、奥村キスコ、ローリング内沢)『ファミ通 1045号』 2008年12月、p.42。</ref>
|-
! [[電撃PlayStation]]
|(90,95,85,85)/400<ref name="DPS_review">レビュアー(みと、ダイック、有部デルチHG、城イドム)『電撃PlayStation Vol.435』 2008年12月、p.201、P203。</ref>
|-
! colspan="2" style="background-color:#d1dbdf;font-size:120%;"|ゲームレビュー(日本国外)
|-
! 評価者
! 点数
|-
! [[:en:GamesTM|GamesTM]]
|8/10<ref>『GameSpot』2009年03月1日[http://www.gamespot.com/psp/action/dissidiafinalfantasy/review.html?mode=web Dissidia: Final Fantasy Critic Reviews for PSP](最終更新確認:2009年8月30日)</ref>
|-
! [[:en:Eurogamer|Eurogamer]]
|8/10<ref>Matt Edwards『Eurogamer』2009年03月2日[http://www.eurogamer.net/articles/dissidia-final-fantasy-review Dissidia: Final Fantasy Review](最終更新確認:2009年8月30日)</ref>
|-
! [[IGN]]
|8.9/10<ref>Ryan Clements『ign.com』2009年08月14日[http://psp.ign.com/articles/101/1014058p1.html IGN: Dissidia Final Fantasy Review](最終更新確認:2009年8月30日)</ref>
|-
! [[:en:1UP.com|1UP.com]]
|A-<ref>Ray Barnholt『1UP.com』2009年08月19日[http://www.1up.com/do/reviewPage?cId=3175648 Dissidia Final Fantasy Review for the PSP from 1UP.com](最終更新確認:2009年8月30日)</ref>
|-
! [[:en:X-Play|X-Play]]
|{{rating|4|5}}<ref>Raymond Padilla『XPlay』2009年08月19日[http://g4tv.com/games/psp/57140/Dissidia-Final-Fantasy/review/ Dissidia Final Fantasy for PlayStation Portable - Reviews - G4tv.com](最終更新確認:2009年8月30日)</ref>
|-
! [[:en:GameShark|GameShark]]
|A-<ref>Cole Jones 『GameShark』2009年08月19日[http://www.gameshark.com/reviews/3321/Dissidia-Final-Fantasy.htm Dissidia: Final Fantasy Review] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20090830044805/http://www.gameshark.com/reviews/3321/Dissidia-Final-Fantasy.htm |date=2009年8月30日 }}(最終更新確認:2009年8月30日)</ref>
|-
! [[:en:RPGamer|RPGamer]]
|4/5<ref>Adriaan den Ouden 『RPGamer』2009年08月19日[http://www.rpgamer.com/games/ff/dissidia/reviews/dissidiastrev1.html RPGamer Staff Review Dissidia: Final Fantasy](最終更新確認:2009年8月30日)</ref>
|-
! [[GameSpot]]
|8.5/10<ref> Kevin VanOrd『GameSpot』2009年08月20日[http://www.gamespot.com/psp/action/dissidiafinalfantasy/review.html Dissidia: Final Fantasy Review for PSP - GameSpot](最終更新確認:2009年8月30日)</ref>
|-
! [[GameTrailers]]
|8.7/10<ref>『GameTrailers.com』2009年08月20日[http://www.gametrailers.com/video/review-hd-dissidia-final/54673 DDissidia: Final Fantasy Video Game, Review HD](最終更新確認:2009年8月30日)</ref>
|-
! [[:en:GameZone|GameZone]]
|8.7/10<ref>Steven Hopper 『GameZone』2009年08月21日[http://psp.gamezone.com/gzreviews/r37164.htm Dissidia Final Fantasy Review - PSP] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20090826192951/http://psp.gamezone.com/gzreviews/r37164.htm |date=2009年8月26日 }}(最終更新確認:2009年8月30日)</ref>
|-
! [[:en:GameSpy|GameSpy]]
|{{rating|3.5|5}}<ref>Eric Neigher 『GameSpy』2009年08月24日[http://psp.gamespy.com/playstation-portable/final-fantasy-dissidia/1017463p1.html GameSpy: The Consensus: Dissidia Final Fantasy Review](最終更新確認:2009年8月30日)</ref>
|-
! [[:en:GamePro|GamePro]]
|{{rating|4|5}}<ref>Will Herring 『GamePro』2009年08月25日[http://www.gamepro.com/article/reviews/211742/dissidia-final-fantasy/ Review : Dissidia: Final Fantasy [PSP] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20090828020924/http://www.gamepro.com/article/reviews/211742/dissidia-final-fantasy |date=2009年8月28日 }} - from GamePro.com](最終更新確認:2009年8月30日)</ref>
|-
! [[:en:Cheat Code Central|CCC]]
|4.1/5<ref>Amanda L. Kondolojy 『Cheat Code Central』2009年08月27日[http://cheatcc.com/psp/rev/dissidiafinalfantasyreview.html Dissidia: Final Fantasy Review for PlayStation Portable (PSP)](最終更新確認:2009年8月30日)</ref>
|-
! [[:en:PlayStation: The Official Magazine|PSM(US)]]
|{{rating|4|5}}<ref>『PlayStation: The Official Magazine』2009年10月号p.76(参考:[http://www.gamespot.com/psp/action/dissidiafinalfantasy/review.html?mode=web Dissidia: Final Fantasy Critic Reviews for PSP](最終更新確認:2009年8月30日)</ref>
|-
! colspan="2" style="background-color:#d1dbdf;font-size:120%;"|受賞歴
|-
! 賞名
! 受賞年・回
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! [[日本ゲーム大賞]]<br />「フューチャー部門」
| style="vertical-align:middle"|2008年<ref name="awards081012">『日本ゲーム大賞』[http://awards.cesa.or.jp/2008/award/future_06.html 日本ゲーム大賞2008|フューチャー部門受賞作品詳細](最終更新確認:2009年5月5日)</ref>
|-
! FAMITSU AWARDS<br />「優秀賞」
| style="vertical-align:middle"|2008年<ref name="f.com_200904">『ファミ通.com』2009年04月24日[http://www.famitsu.com/game/news/1223669_1124.html 速報! ゲームユーザーが選ぶ“FAMITSU AWARDS 2008”は、この作品!!](最終更新確認:2009年4月25日)</ref>
|-
! IGN Best of E3(PSP)<br />Best Fighting Game
| style="vertical-align:middle"|2009年<ref>『ign.com』2009年06月10日[http://psp.ign.com/articles/992/992659p1.html Best of E3 2009: PlayStation Portable](最終更新確認:2009年8月30日)</ref>
|}
|}
=== 評価 ===
発売前の評価として、2008年10月の「東京ゲームショウ2008」に出展された未発売作品を対象とした、[[日本ゲーム大賞#フューチャー部門(GAME AWARDS FUTURE)|日本ゲーム大賞2008「フューチャー部門」]]において、受賞作品の1つに選出された<ref name="awards081012"/>。また各種雑誌レビューにおいては、『週刊[[ファミ通]]』のクロスレビューにおいて10、9、9、8の36点と採点され、35点以上のソフトが対象となる「プラチナ殿堂」入りとなった<ref name="famitsu_review"/>。『[[電撃PlayStation]]』では、90、95、85、85の355点と採点され、また同誌のBUYERS GUIDEにおいてはS,A,B,C,D,Eの6段階でのA評価とされた<ref name="DPS_review"/>。『[[ゲーマガ]]』では、「FF20周年」「対戦アクション」「キャラ育成」「懐かしBGM」に興味がある人に推薦できるとしている<ref>レビュアー(TETSU)『ゲーマガ 2009年1月号』 2009年11月、p.179。</ref>。


;HP攻撃
発売後の評価では、『ファミ通PSP+PS3』では50時間ほどプレイした後でのレビューとして、「『FF』度」「シナリオ」「操作性」「爽快感」「やり込み度」の5項目について5点満点の5点と評価している<ref>レビュアー(トマト杉原)『ファミ通PSP+PS3 2009年2月号』 2008年12月、p.99。</ref>。[[Impress Watch|GAME Watch]]では、FFファン向けのソフトである点は否定できないとしたものの「満足度の高い良作」であるとレビューしている<ref>『GameWatch』2009年02月26日[http://game.watch.impress.co.jp/docs/20090226/dff.htm PSPゲームレビュー「DISSIDIA FINAL FANTASY」](最終更新確認:2009年2月28日)</ref>。発売から3箇月間のユーザーの得票を集計した『週刊ファミ通』のユーザーズアイでは、147票が集まり平均は9.05点となった(4点以下:1票、5-7点:11票、8点以上:135票)<ref name="famitsu_1060">『ファミ通 1060号』 2009年3月、p.49。</ref>。また、2008年発売のソフトを対象にファンの投票を参考にして審査を行う『FAMITSU AWARDS 2008』において、「優秀賞」11作品の中の1つに選出された<ref name="f.com_200904"/>。
□ボタンで行う攻撃である。ブレイブポイントが一定値に溜まったところで、□ボタンで開放することで、溜めた値に応じたダメージを敵のHPに与えることができる。特にブレイク状態からのHP攻撃は、相手に大ダメージを与えることが可能である<ref name="DPS_408"/>。相手のHPをゼロにした時点で勝利となる。なおHP攻撃を使用すると、ブレイブポイントは一旦ゼロに戻る。


;EXモード
=== 売上 ===
敵を攻撃すると得られる「EXフォース」と、戦闘ステージに現れる「EXコア」を集めることで、「EXゲージ」と呼ばれる値が溜まっていく。このEXゲージが満たされると「EXモード」となり、キャラクターごとに固有の変身やクラスチェンジなどを行う。外見の印象も大幅に変化する他、能力値などもパワーアップする。またEXモードでのみで使える強力な技「EXバースト」を発動できる<ref name="DPS_408"/>。変身中は体力が少しずつ回復する効果など様々なプラス効果がある<ref name="famitsu_1020"/>。
2008年クリスマス直前週(12月15-21日)に発売された本作は、発売日には朝から長蛇の列が出来る店も見られた<ref>『[[Nintendo iNSIDE|iNSIDE]]』2008年12月18日[http://www.inside-games.jp/news/327/32754.html FFシリーズ20周年記念作品『ディシディア ファイナルファンタジー』本日発売!店頭では朝から長蛇の列!] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20090121073428/http://www.inside-games.jp/news/327/32754.html |date=2009年1月21日 }}(最終更新確認:2009年1月21日)</ref>。初動(発売週の売上)は約50万本に達し、週間ランキングで1位となった(「エンターブレイン」発表:503,723本<ref name="top30_200901">『ファミ通.com』2009年01月09日[http://www.famitsu.com/game/rank/top30/1221127_1134.html 【ゲームソフト販売本数ランキング TOP30】 集計期間:2008年12月15日~12月21日](最終更新確認:2009年1月15日)</ref>)(「アスキー総合研究所」発表:496,178本<ref name="asciimw_21">『電撃オンライン』2008年12月26日[http://news.dengeki.com/elem/000/000/130/130925/ 【3分ランキング】PSP『ディシディア FF』が約50万本を販売してトップに!](最終更新確認:2008年12月28日)</ref>)(「メディアクリエイト」発表:489,000本<ref>『Gpara.com』2008年12月25日[http://www.gpara.com/ranking/mediacreatebn/ranking_20081225.php 『ディシディア ファイナルファンタジー』1週間でハーフミリオン目前!](最終更新確認:2008年12月28日)</ref>)。発売当時の日本国内のPSPソフトの初動としては、[[モンスターハンター ポータブル|モンスターハンターシリーズ]]の『MHP2G』『MHP2』に続く歴代3位の売上であった<ref name="asciimw_21"/><ref group="注">2010年12月に『[[モンスターハンター ポータブル#モンスターハンター ポータブル 3rd|MHP3]]』がPSPソフトの初週売上記録を更新したため、現在の順位は3位より落ちている。<br />アスキー総研調べ:{{Cite web|date=2010-12-10|url=http://news.dengeki.com/elem/000/000/327/327663/|title=圧倒的な強さで『モンスターハンターポータブル 3rd』がトップ|publisher=電撃オンライン|accessdate=2011-05-27}}<br />メディアクリエイト調べ:{{Cite web|date=2010-12-08|url=http://www.4gamer.net/games/117/G011794/20101208062/|title=売り切れも納得? 出荷200万本の「MHP3rd」,販売本数でも195万本を記録。PSP販売台数はなんと32万台の「ゲームソフト週間販売ランキング」|publisher=4Gamer.net|accessdate=2011-05-27}}</ref>。初動が好調だった理由として、メディアクリエイトでは『FF』シリーズの「ファンに対する訴求力が強かったことが要因」であると分析している<ref>『メディアクリエイト』2008年12月26日[https://megalodon.jp/2008-1226-1112-06/www.m-create.com/ranking/ 週間ソフト&ハードセルスルーランキング(2008年12月15日~12月21日)](最終更新確認:2008年12月28日)(2008年12月26日時点の[[ウェブ魚拓]])</ref>。


;必殺技
また、発売月である2008年12月の月間ランキングで1位<ref>『ファミ通.com』2009年01月08日[http://www.famitsu.com/game/rank/monthly/1221126_1818.html 2008年12月期・月間ゲームソフト販売ランキング(集計期間:2008年12月1日~12月28日)](最終更新確認:2009年1月15日)</ref>、翌2009年1月の月間ランキングでも連続1位となった(エンターブレイン発表)<ref name="f.monthly200901">『ファミ通.com』2009年02月02日[http://www.famitsu.com/game/rank/monthly/1221723_1818.html 2009年1月期・月間ゲームソフト販売ランキング(集計期間:2008年12月29日~2009年1月25日)](最終更新確認:2009年2月28日)</ref>。2008年の年間ランキングでは、エンターブレイン集計で12位(集計期間:2007年12月31日から2008年12月28日)<ref name="famitsu_1051">『ファミ通 1051号』 2009年1月、p.10-15、p.110-113。</ref>、アスキー総研集計においては発売から4日間の売り上げで16位(集計期間:2007年12月31日から2008年12月21日)にランクインとなった<ref>『電撃オンライン』2008年12月26日[http://news.dengeki.com/elem/000/000/130/130812/ 【3分ランキング号外】2008年ベストヒットゲーム発表!](最終更新確認:2008年12月28日)</ref>。
特定条件を満たすと画面上にコマンドが表示される。それを入力することにより必殺技が発動する。必殺技は、各キャラクターごとに固有の技が用意され、旧作で馴染みのある特徴的なものが多い<ref name="famitsu_1020"/>。


== 主なスタッフ ==
アメリカでは2009年8月に発売され、[[NPD]]グループの調査では発売月に13万本を売り上げたと記録されている<ref>『gamebusiness.jp』 2009年9月11日[http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=375 米国8月はPS3が躍進、アメフトとアメコミが強さを発揮~8月NPDデータ]</ref>。2010年9月時点での全世界累計出荷本数は180万本を突破している<ref>スクウェア・エニックス e-STORE[http://store.jp.square-enix.com/detail/ULJM-05814 ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー商品詳細ページ]{{リンク切れ|date=2013年8月}}より</ref>。
*[[野村哲也]] (クリエイティブプロデューサー/キャラクターデザイン)
{{-}}
*[[塩川洋介]] (ディレクター)

:2000年11月スクウェア(現スクウェア・エニックス)入社。職種はプランナー。[http://www.square-enix.com/jp/recruit/what/voice/vol2/09/p1.html]
== ソフトの種類と関連商品 ==
:本作の中心メンバー。『KH』、『KH2』に携わり、主にセフィロス戦やスケボー部分などを担当した<ref name="DPSP_392_iv">インタビュー(塩川洋介、野村哲也)『電撃PSP Vol.392』 メディアワークス、2007年6月、p.77。</ref>。
=== ソフトの種類 ===
; ディシディア ファイナルファン
*荒川健 (ニアディレクター
:1998年5月スクウェア(現スクウェア・エニックス)入社。職種はデザイナー。[http://www.square-enix.com/jp/recruit/what/voice/vol1/07/p1.html]
: 2008年12月18日発売。廉価版2010年9月16日発売。規格番号:ULJM-05262。レーティング:{{CERO-C}}。発売元:[[スクウェア・エニックス]](Square Enix Co., Ltd.)
:本作ではゲーム全体のディレクションを務める。『すばらしきこのせかい』ではプランニングディレクターを担った<ref name="famitsuPSP_200808_iv"/>。
: 日本国内向けに発売された通常版。パッケージは、白地にコスモスとカオスが描かれたタイトルロゴがあしらわれている。
*[[高橋光則]]
; ディシディア ファイナルファンタジー -FF 20th Anniversary Limited-
:本作ではバトル全般のディレクションを担当。『KH』、『KH2』ではボス戦などを任されていた<ref name="famitsuPSP_200808_iv"/>。
: 2008年12月18日発売。規格番号:ULJM-05405。
*[[渡辺大祐]] (シナリオ)
: オリジナルデザインの[[PlayStation Portable#PSP-3000|PSP-3000]]をゲームに同梱した日本国内向けの限定版。PSPの本体色はパール・ホワイトを採用。表面の右ボタン下には20周年の記念ロゴ、背面にはディシディアFFのロゴであるコスモスとカオスのイラストが描かれている。同梱ソフトのパッケージも天野喜孝のイラストを使用した限定仕様である<ref>『GameWatch』2008年11月13日[http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081113/dff.htm 同梱版続報 ソフトのパッケージを天野喜孝氏がデザイン](最終更新確認:2008年11月22日)</ref>。ソフト本体は通常版(ULJM-05262)と同一。
*[[野末武志]] (ムービーディレクター)
; ディシディア ファイナルファンタジー(北米版)
*[[石元丈晴]] ([[作曲家|コンポーザー]])
: 2009年8月25日発売。レーティング:[[エンターテインメントソフトウェアレイティング委員会|ESRB]]:[[ESRBレイティング別対象ソフト一覧・T (13歳以上)|T(13歳以上対象)]]。発売元:スクウェア・エニックス(北米)(Square Enix, Inc.)
*[[今泉英樹]] (Co.プロデューサー)
: [[北アメリカ|北米]]向けの通常版。パッケージには野村哲也のイラストが使用され、コスモス陣営のキャラクターが描かれた表面をめくると裏にはカオス陣営が描かれており、好みに合わせて入れ替え可能なダブルジャケットとなる<ref name="na200905"/>。また、GameStop([[:en:GameStop]])のみの特典パッケージとして、天野喜孝のイラストを使用したコスモスジャケットとカオスジャケットも存在する<ref>『SQUARE ENIX MEMBERS(北米)』2009年6月19日[http://member.square-enix.com/na/blog/2009/06/dissidia-final-fantasy-who-will-you-buy-from.php BLOG-DISSIDIA FINAL FANTASY: WHO WILL YOU BUY FROM?] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20090629094920/http://member.square-enix.com/na/blog/2009/06/dissidia-final-fantasy-who-will-you-buy-from.php |date=2009年6月29日 }}(最終更新確認:2009年6月20日)</ref>。
*[[北瀬佳範]] (プロデューサー)
; ディシディア ファイナルファンタジー -Limited Edition Entertainment Pack-(北米版)
: 2009年8月25日発売。
: PSP-3000他をゲームとセットにした北米向けの同梱版。PSPの本体色はミスティック・シルバー(PSP-3000MS)であり、オリジナルデザインではなく通常仕様である。PSPの他に『[[ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン]]』の[[ユニバーサル・メディア・ディスク|UMD]]版(PSP用)と、2GBの[[メモリースティック#メモリースティック PRO Duo|メモリースティック PRO Duo]]も同梱されている<ref name="scea200905"/>。ソフト本体は北米向け通常版と同一。GameStopのみでの販売となる。
; ディシディア ファイナルファンタジー(欧州版)
: 2009年9月4日発売。レーティング:[[Pan European Game Information|PEGI]]:12+(12歳以上対象)、 ドイツのみ[[Unterhaltungssoftware Selbstkontrolle|USK]]:12(12歳未満提供禁止)。発売元:スクウェア・エニックス(欧州)(Square Enix, Ltd.)
: [[ヨーロッパ]]向けの通常版。パッケージイラストは北米通常版と同一。
; ディシディア ファイナルファンタジー -Limited Collector's Edition(欧州版)
: 2009年9月4日発売。
: 付属品がセットになったヨーロッパ向けの版。白地にコスモスとカオスが描かれたタイトルロゴがあしらわれたデザインの箱に、各種の付属品が同梱されている。同梱品は、石元のライナーノーツ付きのミニサウンドトラックCD、CGイラストなどが収められた48ページのハードカバーのアートブック、[[:en:BradyGames|BradyGames]]編集の32ページのフルカラーのガイドブック、コスモス陣営とカオス陣営のCGがそれぞれ描かれた2枚のリトグラフプリント等である<ref name="Eurogamer"/>。
; ディシディア ファイナルファンタジー(豪州版)
: 2009年9月3日発売。レーティング:[[Office of Film and Literature Classification|OFLC]]:PG(Parental Guidance)。発売元:[[ユービーアイソフト]](UBISOFT)<ref name="OFLC"/>
: [[オーストラリア]]向けの通常版。パッケージイラストは、北米通常版と同一<ref name="au_1"/>。
; ディシディア ファイナルファンタジー Collector's Edition(豪州版)
: 2009年9月3日発売。
: 付属品がセットになったオーストラリア向けの版。パッケージイラストや同梱内容は欧州版と同一<ref>『EB Games Australia』[http://www.ebgames.com.au/psp/product.cfm?id=15156 DISSIDIA: Final Fantasy Collector's Edition]{{リンク切れ|date=2013年8月}}(最終更新確認:2009年7月22日)</ref>。
; ディシディア ファイナルファンタジー PSP3000 Bundle(豪州版)
: 2009年9月3日発売。
: PSP-3000他をゲームとセットにしたオーストラリア向けの同梱版。PSPの本体色は北米版と同一のミスティック・シルバーであり、この他に白の合皮ケース、PSPに貼ることが可能な2枚のステッカーが同梱されている<ref>『EB Games Australia』[http://www.ebgames.com.au/psp/product.cfm?id=15128 DPSP 3000 DISSIDIA: Final Fantasy Bundle]{{リンク切れ|date=2013年8月}}(最終更新確認:2009年7月22日)</ref>。
; ディシディア ファイナルファンタジー ユニバーサルチューニング
: 2009年11月1日発売。廉価版2010年9月16日発売。
: 北米版や欧州版(以下「海外版」)を日本国内向けにアレンジした版。UMD版とダウンロード版の2種類がある。

=== コラボレーション商品他 ===
; ディシディアファイナルファンタジーポーション
: 2008年12月9日発売。FFシリーズに登場するアイテム「[[ポーション (ファイナルファンタジー)|ポーション]]」の名を冠した、缶入りの清涼飲料水<ref>『電撃オンライン』2008年08月02日[http://news.dengeki.com/elem/000/000/096/96260/ スクエニタイトルの新情報が公開された「DKΣ3713」 発売時期が続々と明らかに](最終更新確認:2008年8月4日)</ref>。350ml缶。ゲームの発売に先駆け、[[サントリー]]より数量限定で発売。奇数作品の登場人物が描かれた白い缶(コスモス)は[[グレープフルーツ]]味、偶数作品の黒い缶(カオス)は[[マスカット]]味である<ref>『サントリー』2008年10月09日[http://www.suntory.co.jp/news/2008/10250.html 「DISSIDIA FINAL FANTASY POTION」新発売](最終更新確認:2008年10月11日)</ref>。両缶ともに8種類、計16種類のデザイン缶が存在する<ref>『サントリー』2008年10月09日[http://www.suntory.co.jp/softdrink/potion/ POTION サントリー] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20081020073221/http://www.suntory.co.jp/softdrink/potion/ |date=2008年10月20日 }}(最終更新確認:2008年10月11日)</ref>。飲料部門の発売週の新製品売上ランキングでは、カオス缶が4位、コスモス缶が5位にランクインした<ref>新製品週間ランキング(飲料)調査期間12月7日 - 12月13日(商品ヒットチャート)『[[日経MJ]]』2008年12月19日、9面。</ref>。なお、この2種類を混ぜ合わせると無色透明になる<ref>『電撃PlayStation ONLINE』2008年12月09日[http://dps.dengeki.com/2008/12/_2_12.html ディシディア ポーションの2つのシリーズを混ぜると何かが起こりますよ!] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20081219125735/http://dps.dengeki.com/2008/12/_2_12.html |date=2008年12月19日 }}(最終更新確認:2008年12月18日)</ref>。このことを指しているか定かではないが、サントリーのホームページには「コスモスとカオスが交わるとき、何かが起るかも…?」との示唆が記載されている<ref>『サントリー』2008年10月9日[http://www.suntory.co.jp/softdrink/potion/product/ POTION サントリー Products商品情報] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20081217040452/http://www.suntory.co.jp/softdrink/potion/product/ |date=2008年12月17日 }}(最終更新確認:2008年12月12日)</ref>。
; ディシディアファイナルファンタジー[[シリーズオブアーツ#トレーディングアーツ|トレーディングアーツ]]
: 2009年2月発売。[[スクウェア・エニックス#マーチャンダイジング部門|スクウェア・エニックスマーチャンダイジング事業部]]から発売された、登場キャラクターのトレーディング[[フィギュア]]。全高10cm代、彩色済み[[ポリ塩化ビニル|PVC]](硬質樹脂)モデル<ref>『[[月刊ホビージャパン]] Vol.474』 [[ホビージャパン]]、2008年10月、p.182。</ref>。vol.1は、コスモス陣営のキャラクター5種(ウォーリア・オブ・ライト、クラウド、スコール、ジタン、ティーダ)<ref>『アルティマニアα』p.124。</ref>。
; DISSIDIA FINAL FANTASY×PORTER×PS Pictogram
: [[ソニー・コンピュータエンタテインメント|SCEJ]]から発売されたPSP用ケース。SCEJのブランドである「PS Pictogram」と、[[吉田カバン]]のブランド「PORTER」とのコラボレーション商品であり、野村が監修を行っている<ref>『ファミ通.com』2009年04月09日[http://www.famitsu.com/game/news/1223368_1124.html SCEJのブランド“PS Pictogram Series”に『ディシディア ファイナルファンタジー』仕様のPSPケースが登場](最終更新確認:2009年4月9日)</ref>。カラーは黒、素材は高密度ナイロンツイルを使用。正面に模様上のキャラクターのシルエットがプリントされている(品番:SCZX-93291)<ref>『PlayStation.com(Japan)』[http://www.jp.playstation.com/scej/goods/pspictogram/dissidia/ DISSIDIA FINAL FANTASY×PORTER×PS Pictogram公式サイト](最終更新確認:2009年4月9日)</ref>。

=== 書籍類 ===
; ディシディア ファイナルファンタジー アルティマニアα
: 2008年12月4日発売。(ISBN 978-4-7575-2466-8)
: ゲームの発売に先駆けて出版されたAB版(大型サイズ)の基礎知識本。編集[[スタジオベントスタッフ]]、出版スクウェア・エニックス<ref>『スタジオベントスタッフ』2008年11月20日[http://www.bent.co.jp/main/news/20081120.htm 「DFFアルティマニアα」大判サイズで12月4日に発売!] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20081217100731/http://www.bent.co.jp/main/news/20081120.htm |date=2008年12月17日 }}(最終更新確認:2008年11月22日)</ref>。
; ディシディア ファイナルファンタジー Destiny Hero's Guide
: 2008年12月18日発売。(ISBN 978-4-08-779489-2)
: ソフトと同時発売のVジャンプブックスの基礎攻略本<ref>『Vジャンプ WEB』2008年12月1日[http://vjumpbooks.com/bc0812-dissidia.html Vジャンプブックス スクウェアエニックス公式攻略本](最終更新確認:2008年12月14日)</ref>。
; ディシディア ファイナルファンタジー ポストカードブック
: 2008年12月18日発売。(ISBN 978-4-7575-2463-7)
: 本ゲームのイラストを集めたポストカード集。天野喜孝や野村哲也のキャラクターイラストなどを収録<ref>『SQUARE ENIX GAME BOOKS ONLINE』2008年12月1日[http://www.square-enix.co.jp/magazine/gamebooks/ddff/index.html#ddff_post ディシディア ファイナルファンタジー ポストカードブック] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20090603212946/http://www.square-enix.co.jp/magazine/gamebooks/ddff/index.html |date=2009年6月3日 }}(最終更新確認:2008年12月14日)</ref>。
; ディシディア ファイナルファンタジー アルティマニア
: 2009年1月29日発売。(ISBN 978-4-7575-2488-0)
: ゲーム発売の一か月後以降に発売された完全攻略本。編集[[スタジオベントスタッフ]]、出版スクウェア・エニックス<ref>『スタジオベントスタッフ』2009年01月22日[http://www.bent.co.jp/main/news/20090122C.htm 「ディシディア ファイナルファンタジー アルティマニア」充実の704ページで1月29日に発売!](最終更新確認:2009年1月24日)</ref>。
; ピアノソロ 中・上級 ディシディア ファイナルファンタジー(楽譜)
: 2009年4月24日発売。(ISBN 978-4-636-84471-9)
: ピアノ用の公式楽譜集。[[ヤマハミュージックメディア]]より発売。全18曲収録、楽譜の他にカラーページ付きで56ページ<ref>『ヤマハミュージックメディア』[http://www.ymm.co.jp/p/detail.php?code=GTP01084471 商品詳細:ピアノソロ DISSIDIA FINAL FANTASY](最終更新確認:2009年6月20日)</ref>。

=== 音楽CD ===
; ディシディアファイナルファンタジーオリジナルサウンドトラック
: 2008年12月24日発売。本ゲームの[[サウンドトラック|オリジナルサウンドトラック]]。CD2枚組で、歴代のシリーズで使用された楽曲の他、[[石元丈晴]]、[[関戸剛]]、鈴木光人、土橋稔らによる新規の楽曲・[[編曲|アレンジ]]曲も収録。初回限定盤(Limited Edition)は天野喜孝のイラストを使用したパッケージ付きである<ref name="f.com1124">『ファミ通.com』2008年11月7日[http://www.famitsu.com/game/news/1219579_1124.html 『ディシディア ファイナルファンタジー』のオリジナルサウンドトラックが発売](最終更新確認:2008年11月8日)</ref>。同日発売の通常盤は、パッケージが異なるのみで、CDの収録内容は同一である。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
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<div class="references-small">
=== 注釈 ===
※ 表紙に記載された巻号と、通号(書誌情報)が異なる雑誌がある。ここでは表紙の巻号を使用。
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=== 出典 ===
※ 参考文献に記したものについては、書籍名・雑誌名を省略形式で記述。


※ ソース(発言者)を明確にするため、通常記事と、開発者発言(インタビュー)については別記載。
※ ソース(発言者)を明確にするため、通常記事と、開発者発言(インタビュー)については別記載。
{{reflist|25em}}


<references/>
== 参考文献 ==
</div>
* [[スタジオベントスタッフ]]編著、SE-MOOK『ディシディア ファイナルファンタジー アルティマニアα』 スクウェア・エニックス、2008/12、ISBN 978-4-7575-2466-8
* Vジャンプ編集部編纂、『ディシディア ファイナルファンタジー Destiny Hero's Guide』 [[集英社]]、2008/12、ISBN 978-4-08-779489-2
* スタジオベントスタッフ編著、SE-MOOK『ディシディア ファイナルファンタジー アルティマニア』 スクウェア・エニックス、2009/02、ISBN 978-4-7575-2488-0


=== 雑誌 ===
== 外部リンク ==
*[http://www.square-enix.co.jp/dissidia/ 公式サイト]
複数号からの出典があるものに限り記載。
* 『週刊[[ファミ通]]』 [[エンターブレイン]]
* 『ファミ通PSP+PS3』 エンターブレイン
* 『[[電撃PlayStation]]』 [[アスキー・メディアワークス]]
* 『電撃PSP』 アスキー・メディアワークス
* 『[[ゲーマガ]]』 [[ソフトバンククリエイティブ]]
* 『[[Vジャンプ]]』 集英社
* 『[[週刊少年ジャンプ]]』 集英社


== 関連項目 ==
* [[対戦アクションゲーム一覧]]


{{FinalFantasy}}
== 外部リンク ==

* [https://www.jp.square-enix.com/game/detail/dissidia/ DISSIDIA FINAL FANTASY]

* [https://www.jp.square-enix.com/game/detail/dffut/ DISSIDIA FINAL FANTASY UNIVERSAL TUNING]
{{Video-game-stub}}
* {{Twitter|DFF_Arcade|ディシディアFF 公式}}
* [https://www.jp.square-enix.com/music/sem/page/dissidia/NTOST/ DISSIDIA FINAL FANTASY Original Soundtrack]
* [https://www.jp.square-enix.com/music/sem/page/dissidia/NT2/ DISSIDIA FINAL FANTASY Original Soundtrack Vol.2]
* {{YouTube|playlist = PLsHA74V3bmZ5rXSOSXHsJzmP_Ow2mQn0P}}


{{FinalFantasy|FF=DFF}}
{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:ていしていあふあいなるふあんたしい}}
{{DEFAULTSORT:ていしていあふあいなるふあんたしい}}


[[Category:ファイナルファンタジーのコンピュータゲーム]]
[[Category:ファイナルファンタジー]]
[[Category:PlayStation Portable用ソフト]]
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[[Category:3D対戦アクションゲーム]]
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[[Category:2008年のコンピュータゲーム]]
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[[Category:スクウェア・エニックスのクロスオーバー作品]]
[[Category:クロスオーバー作品]]

[[Category:アドホック・パーティー対応ソフト]]
[[en:Dissidia: Final Fantasy]]
[[Category:すれちがい通信対応ソフト]]
[[es:Dissidia: Final Fantasy]]
[[Category:ミリオンセラーのゲームソフト]]
[[fr:Dissidia: Final Fantasy]]
[[Category:冒険ゲーム]]
[[Category:健忘を題材としたコンピュータゲーム]]
{{Featured article}}

2021年8月1日 (日) 14:28時点における版



ディシディア ファイナルファンタジー
ジャンル ドラマティック プログレッシブ アクション
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 スクウェア・エニックス
人数 1人~2人
発売日 2008年(予定)
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ディシディア ファイナルファンタジー(DISSIDIA FINAL FANTASY) は、スクウェア・エニックスより2008年に発売を予定しているプレイステーション・ポータブル専用のコンピュータゲームである。

概要

本作は『ファイナルファンタジーシリーズ』(以下『FF』)の誕生20周年を記念して企画された。シリーズの過去作品に登場したキャラクター同士で、1対1で戦うことができる3Dアクションゲームである。タイトルに付けられた「ディシディア」とは、ラテン語ギリシア語で「異説」を意味する。その名が示すとおり、シリーズ従来のRPG作品とは一線を画した作品である[1]世界観は本作オリジナルである[2]。舞台は調和の神「コスモス」と混沌の神「カオス」によって均衡を保っていた世界である。「カオス」によって異世界から召喚された旧作キャラクターたちがこの世界のバランスを壊し、彼ら「破壊者」に対抗する存在として「コスモス」もまた旧作キャラクターたちを呼び寄せる。双方の神々はそれぞれ10人のキャラクターたちを世界に招き、戦いを繰り広げるといった筋立てが、本作の大まかな内容である[3]。対応機種は、画面分割をせずに3D対戦をできるという点からPSPが採用された[4]

元々のシリーズがRPGであることから、ARPG対戦型格闘ゲームを足したイメージで開発されている[2]。成長要素の無い通常の格闘ゲームと異なり、RPG要素としてキャラクターを育てる点に比重が置かれている[4][2]。各キャラクターは戦闘経験値を稼ぎ、レベルが上がるごとに成長し、最高レベル100まで育てることができる[5]。また装備やアビリティを変更することにより、各キャラクターを自在にカスタマイズすることができる[6]。シリーズファンの主体が、アクションに不慣れなRPGユーザーであることも考慮し、カスタマイズで「オート機能」などの付加を行える工夫がなされている[7]。また本作では時間制限が設けられていないが、アクションを得意とするユーザーはカスタマイズによってそうした厳しい制限を逆に付加することで、より格闘ゲームらしさを追及したプレイも可能となる[8]。こうした成長要素を強調する意味で「プログレッシブアクション」という名称が用いられた[6]

戦闘部分は『キングダムハーツ』の発展型である[4]。ボタン操作1つで壁や柱を自在に駆け上がることができ、3Dを生かした360度の空間を使った空中アクションが可能となる[9]。戦闘マップには「クリスタルワールド」や「カオス神殿」といった旧作で馴染みの深い場所が多数用意されている[9]

またPSPのアドホックモードを用いた通信対戦が可能であるほか[3]、『すばらしきこのせかい』の通信システムを発展させた「対戦コミュニティ」的な要素も盛り込まれる[4]

開発

開発チーム

KH』のスタッフを主軸に構成される[1]。20周年記念作品として「お祭り」的な要素のある作品を検討していた中で、塩川洋介ら若手スタッフの「新しいことをしたい」という意見と結びつき、現在の形となった[10][4]。制作は塩川ら次代のリーダー候補となるサブリーダーを核に進められ、若手スタッフが多いのも特徴である[6]。これは、本作の企画意図に「若手スタッフにチャンスを作ろう」という面があった事も関係している[11]。いちユーザーとしてFFに親しんできた世代が中心となるため旧作への思い入れが強いスタッフも多く、その結果として旧作をリスペクトした「深いネタ」が多く盛り込まれることになったという[5]

キャラクターデザインは野村哲也が務める。当時の天野喜孝の原画とゲーム中の絵を融合させ、本作品用に新たに全キャラクターを野村が描き起こした。各シリーズキャラクターが一堂に会するため、年齢的な違和感がないように調整も施されている[11]ドット絵しか資料が存在しないガーランドなどのキャラクターについては旧作のイメージを残しつつ想像で描かれた。音楽は『すばらしきこのせかい』などを手がけた石元丈晴が担当する。

プロモーション

本作について最初の発表がなされたのは2007年5月8日である。スクウェア・エニックスの公式サイトに作品のロゴのみが掲載され、他の情報は一切発表せず秘密にする形が取られた[12]。内容が明かされたのは、2007年5月12日、13日に開催された「スクウェア・エニックスパーティ2007」である。このイベントでプロモーション映像と共に作品ジャンル、プラットホームなどが示され[13]、翌週発売の各ゲーム雑誌で一斉に詳細情報が解禁となった。

2007年7月の「E3」は、イベント規模が大幅に縮小されたことを受けて、日本国内での展開に関する新情報の発表は見送られた[5]。9月の「東京ゲームショウ2007」では映像のみの出展であったが[14]、12月22日、23日に開催された「ジャンプフェスタ2008」は日本国内の一般ユーザー向けの初の試遊の場となり、46台の大量の試遊台が設置された[15]

なお2008年8月のスクウェア・エニックスのプライベートイベント「DKΣ3713」で発売日の発表が予定されている[2]

登場人物

登場キャラクターの総数は、20人強である[5]。本作のオリジナルキャラクターは、調和の神「コスモス」と混沌の神「カオス」の2名である[16]。コスモス側については、キャラクターに思い入れのあるファンも多いため「好きなのに扱えない」といった事が起きないように扱いが容易となっている。反対にカオス側は「玄人好み」のクセの強い操作性のキャラクターが多い[11]

プレイヤーキャラクター

FF』より

ウォーリア オブ ライト (関俊彦
【コスモス陣営】
バランス型の戦士。戦闘中にジョブチェンジを行うことができ[17]、「戦士」から「ナイト」への変身などが可能[9]
ガーランド (声:内海賢二
【カオス陣営】
カオス陣営の中ではバランス型で比較的使用しやすい、裏のスタンダード的な存在[18]。双剣や斧へと形状を変える変形自在な大剣を操る[1]

FFII』より

フリオニール (声:緑川光
【コスモス陣営】
武器のスペシャリスト。近距離・遠距離を問わず多彩な武器を使いこなし[17]、必殺技では全ての武器で攻撃可能[19]
皇帝 (声:堀内賢雄
【カオス陣営】
メテオなどの強力な魔法を操り[3]、機雷や追尾魔法でフィールドに罠を仕掛ける技も使用する[20]

FFVIII』より

スコール・レオンハート (声:石川英郎
【コスモス陣営】
ガンブレードを用いて戦い[19]コンボ攻撃を得意とする[5]。女性プレイヤーでも簡単に操作ができるよう調整が施されており[18]、同キャラ対戦時には片方が旧作のSeedの制服を纏う[19]
アルティミシア (声:田中敦子
【カオス陣営】
ボタンを連打することで遠距離からの魔法連射が行える。遠距離攻撃に特化したマジックシューターで、ボタンを溜め押しすることにより魔法の威力を増すことも可能[20]

FFIX』より

ジタン・トライバル (声:
【コスモス陣営】
エアマスター。両手にダガーを装備し、素早さを生かした連続攻撃を得意とする。多彩な空中コンボ技を持つ[9]
クジャ (声:石田彰
【カオス陣営】
手に武器は一切持たず、遠距離魔法と空中を自在に移動できる能力が特徴[7]であり、レンジによる影響を受けにくい[20]

FFX』より

ティーダ (声:森田成一
【コスモス陣営】
エナジーレインなどの回避と攻撃が一体となった技を得意とする回避アタッカー[20]
ジェクト (声:天田益男
【カオス陣営】
肉弾戦を得意とし、接近戦では抜群の強さを誇るインファイターである[18]

システム

攻撃方法は、ボタン操作が主体のシンプルなものが多く、ボタンを連打しているだけで様々なコンボ技を容易に発動できる[21]。敵との距離によって攻撃方法が変化し、それに合わせて○ボタンや、□ボタンなどを操作して攻撃を行う。壁などは△ボタンを押すことで、自在に駆け上がることができる。

補助技

○ボタンで行う攻撃である。この攻撃では相手のHPを削ることはできない。補助技が相手にヒットすることで、ブレイブポイントと呼ばれる数値が溜まり、逆に相手のブレイブポイントが減少する。○ボタンの攻撃は、×ボタンで回避が可能である[7]

ブレイブポイント

ブレイブポイントとは、いわゆる「攻撃力」を現す値である[18]。補助技によって相手のブレイブポイントをゼロにすると「ブレイク状態」となり、一定の期間、相手の攻撃力が低下する。双方が所持するブレイブポイントの他に、場にプールされたポイントが存在するが、ブレイク状態となると一時的にこのプール分が自キャラクターに加算される[7]。このブレイブポイントを上手に活用することで、レベルの低いキャラクターが、高いキャラクターに勝利することも可能となる[5]

HP攻撃

□ボタンで行う攻撃である。ブレイブポイントが一定値に溜まったところで、□ボタンで開放することで、溜めた値に応じたダメージを敵のHPに与えることができる。特にブレイク状態からのHP攻撃は、相手に大ダメージを与えることが可能である[3]。相手のHPをゼロにした時点で勝利となる。なおHP攻撃を使用すると、ブレイブポイントは一旦ゼロに戻る。

EXモード

敵を攻撃すると得られる「EXフォース」と、戦闘ステージに現れる「EXコア」を集めることで、「EXゲージ」と呼ばれる値が溜まっていく。このEXゲージが満たされると「EXモード」となり、キャラクターごとに固有の変身やクラスチェンジなどを行う。外見の印象も大幅に変化する他、能力値などもパワーアップする。またEXモードでのみで使える強力な技「EXバースト」を発動できる[3]。変身中は体力が少しずつ回復する効果など様々なプラス効果がある[18]

必殺技

特定条件を満たすと画面上にコマンドが表示される。それを入力することにより必殺技が発動する。必殺技は、各キャラクターごとに固有の技が用意され、旧作で馴染みのある特徴的なものが多い[18]

主なスタッフ

  • 野村哲也 (クリエイティブプロデューサー/キャラクターデザイン)
  • 塩川洋介 (ディレクター)
2000年11月スクウェア(現スクウェア・エニックス)入社。職種はプランナー。[1]
本作の中心メンバー。『KH』、『KH2』に携わり、主にセフィロス戦やスケボー部分などを担当した[22]
  • 荒川健 (シニアディレクター)
1998年5月スクウェア(現スクウェア・エニックス)入社。職種はデザイナー。[2]
本作ではゲーム全体のディレクションを務める。『すばらしきこのせかい』ではプランニングディレクターを担った[5]
本作ではバトル全般のディレクションを担当。『KH』、『KH2』ではボス戦などを任されていた[5]

脚注

※ 表紙に記載された巻号と、通号(書誌情報)が異なる雑誌がある。ここでは表紙の巻号を使用。

※ ソース(発言者)を明確にするため、通常記事と、開発者発言(インタビュー)については別記載。

  1. ^ a b c ファミ通 963号』 エンターブレイン、2007年5月、p.23-25。
  2. ^ a b c d インタビュー(野村哲也、荒川健、高橋光則)『電撃PlayStation Vol.422』 アスキー・メディアワークス、2008年6月、p.10-12。
  3. ^ a b c d e 『電撃PlayStation Vol.408』 メディアワークス、2007年12月、p.18-23。
  4. ^ a b c d e インタビュー(塩川洋介、野村哲也、北瀬佳範)『電撃PlayStation Vol.389』 メディアワークス、2007年5月、p.24-25。
  5. ^ a b c d e f g h インタビュー(野村哲也、荒川健、高橋光則)『ファミ通PSP+PS3 2008年8月号』 エンターブレイン、2008年6月、p.129-133。
  6. ^ a b c インタビュー(塩川洋介、野村哲也、北瀬佳範)『B's-LOG 2007年7月号』 エンターブレイン、2007年5月、p.14-17。
  7. ^ a b c d ゲーマガ 2007年7月号』 ソフトバンククリエイティブ、2007年5月、p.16-19。
  8. ^ インタビュー(塩川洋介、野村哲也、北瀬佳範)『ゲーマガ 2007年7月号』 ソフトバンククリエイティブ、2007年5月、p.16-19。
  9. ^ a b c d 『電撃PlayStation Vol.389』 メディアワークス、2007年5月、p.21-23。
  10. ^ インタビュー(塩川洋介、野村哲也、北瀬佳範)『ファミ通 963号』 エンターブレイン、2007年5月、p.23-25。
  11. ^ a b c インタビュー(野村哲也、荒川健、高橋光則)『ファミ通 1020号』 エンターブレイン、2008年6月、p.221-223。
  12. ^ 「スクウウェア・エニックスパーティ2007」『ファミ通 963号』 エンターブレイン、2007年5月、p.16-17。
  13. ^ 『ゲームWatch』2007年05月12日クローズドメガシアター レポート(最終更新確認:2008年7月12日)
  14. ^ 『ゲームWatch』2007年09月21日東京ゲームショウ2007レポート(最終更新確認:2008年7月12日)
  15. ^ 『ゲームWatch』2007年12月22日「ジャンプフェスタ2008」開幕(最終更新確認:2008年7月12日)
  16. ^ 『ファミ通.com』2008年06月30日開発者に直撃インタビュー『ディシディア ファイナルファンタジー』(最終更新確認:2008年7月12日)
  17. ^ a b 『電撃PlayStation Vol.422』 メディアワークス、2008年6月、p.10-12。
  18. ^ a b c d e f 『ファミ通 1020号』 エンターブレイン、2008年6月、p.220-223。
  19. ^ a b c 『ゲーマガ 2008年2月号』 ソフトバンククリエイティブ、2007年12月。
  20. ^ a b c d 『ファミ通PSP+PS3 2008年8月号』 エンターブレイン、2008年6月、p.128-131。
  21. ^ 『電撃PSP Vol.392』 メディアワークス、2007年6月、p.76-79。
  22. ^ インタビュー(塩川洋介、野村哲也)『電撃PSP Vol.392』 メディアワークス、2007年6月、p.77。

外部リンク