獅子の如く
『獅子の如く』(ししのごとく)は、あずみ椋による日本の漫画作品である。作画グループが不定期で刊行する『GROUP』の第61号(1993年8月)[1]から第88号(1999年10月)[2]にかけて連載され、1994年から2001年にかけて単行本化された。
スノッリ・ストゥルルソンによる『トリュッグヴィの息子オーラーヴル王のサガ』を題材に、10世紀のノルウェーに実在した王オーラヴ1世の一生を物語っている[3]。
あらすじ
[編集]10世紀末のノルウェーに生まれたオーラブは、出生の直前に父を殺され、3歳で母とも引き離されて奴隷として売られる。ロシアで過ごした後、18歳でヴァイキングとなり「海王オーレ」として知られるようになる。デンマーク王スヴェンの妹ティレ(en)との偶然の出会いののち、スヴェンと協力しロンドンの攻撃にあたる。やがてカンタベリー大司教から、自分がキリスト教徒になり王になるとの予言を聞かされる。オーラブは洗礼を受け、さらに故郷ノルウェーに渡って、ラーデ(en)の侯(en)ホーコンを打ち倒し、予言通り王となった。ホーコンの息子エリクは父の復讐を誓いつつスウェーデンへ逃れる。オーラブは強引なキリスト教化を進めていき、異教徒であった親友のスカルド詩人ハルフレズはオーラブから離れていった。オーラブを憎悪していたスウェーデン女王のシグリーズ(en)はスヴェンと結婚し、またオーラブに反発する者達がノルウェーからエリクの元に集まっていたが、エリクはスヴェンのもう1人の妹と結婚して、ここにオーラブ打倒を狙う三国同盟が結成された。オーラブは王都ニダロスを建設し、さらに巨大な船「長蛇号」を建造する。西暦1000年、大艦隊を率いた長蛇号は、それと知らず最後の戦いの場に向かっていった[4]。
単行本
[編集]- あずみ椋『獅子の如く』SG企画
- 第1巻「雷鳴の章」(SAKUGA GROUPシリーズ47)、1994年
- 第2巻「疾風の章」(SAKUGA GROUPシリーズ52)、1996年、ISBN 978-4-900872-52-3
- 第3巻「烈火の章」(SAKUGA GROUPシリーズ53)、2000年、ISBN 978-4-900872-53-0
- 第4巻「氷刃の章」(SAKUGA GROUPシリーズ54)、2000年、ISBN 978-4-900872-54-7
- 第5巻「波濤の章」(SAKUGA GROUPシリーズ55)、2001年、ISBN 978-4-900872-55-4
脚注
[編集]- ^ “SG企画/GROUP61号”. 2011年12月18日閲覧。
- ^ “SG企画/GROUP88号”. 2011年12月18日閲覧。
- ^ 伊藤盡「北欧神話の世界とそのイメージの受容」『ユリイカ』青土社、2007年10月号、196頁。
- ^ “獅子の如く少女コミックあずみ椋 - 電子書籍・コミックはeBookJapan”. 2011年12月18日閲覧。[リンク切れ]