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硫化リチウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
硫化リチウム
識別情報
CAS登録番号 12136-58-2 チェック
PubChem 6093265
EC番号 235-228-1
RTECS番号 OJ6439500
特性
化学式 Li2S
モル質量 45.95 g/mol
外観 白色の固体
密度 1.66 g/cm3
融点

938℃ (1211 K)

沸点

1,372℃ (1645 K)

構造
結晶構造 蛍石立方晶, cF12
空間群 Fm3m, No. 225
配位構造 四面体4配位 (Li+)
立方体8配位 (S2–)
熱化学
標準生成熱 ΔfHo -9.401 kJ/g
−441.4 kJ mol−1[1]
危険性
安全データシート(外部リンク) External MSDS
NFPA 704
1
3
1
関連する物質
その他の陰イオン 酸化リチウム
その他の陽イオン 硫化ナトリウム
硫化カリウム
関連物質 水硫化ナトリウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

硫化リチウム(りゅうかリチウム、Lithium sulfide)はリチウム硫化物で、化学式Li2Sあるいは(Li+)2S2–で表される無機化合物蛍石のような結晶構造で、潮解性のある粉末。卵の腐ったような独特の臭気がある [2]

用途

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リチウムイオン二次電池全固体電池などの電解質・正極材に使用される[3]

製法

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無水アンモニア中で[4]、リチウムと硫黄から生成される[5]

性質

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無色または白色の結晶で、立方晶系に属し逆蛍石型構造でその格子定数はa = 5.708Åである[6]

水に易溶であるが加水分解しやすく、水溶液はアルカリ性を示す。また水溶液は硫黄を溶解し、Li2S2あるいはLi2S4などポリ硫化物を生成する。

危険性

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不燃性であるが、加熱により二酸化硫黄硫化水素が発生する。酸類との接触でも硫化水素が生じる。腐食性があり、目や皮膚に接触すると炎症や痛みが生じる。水との接触で発熱する。経口投与した場合の半数致死量(LD50)は、ラットで240mg/kg、マウスで1,200mg/kg[7]

脚注

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  1. ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
  2. ^ Materials Safety Data Sheet for Lithium Sulfide
  3. ^ 出光興産プレスリリース(2006年10月18日)2009年10月6日閲覧
  4. ^ Rankin, D. W. (1974), “Digermanyl Sulfide”, Inorg. Synth. 15: 182–84 
  5. ^ Webelements – Lithium Sulfide”. 2005年9月16日閲覧。
  6. ^ 『化学大辞典』 共立出版、1993年
  7. ^ 製品安全データシート(純正化学株式会社)

外部リンク

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