コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

立川吉笑

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
立川たてかわ 吉笑きっしょう
立川(たてかわ) 吉笑(きっしょう)
丸に左三蓋松は、立川流の定紋である
本名 人羅ひとら 真樹まさき
生年月日 (1984-06-27) 1984年6月27日(40歳)
出身地 日本の旗 日本京都府京都市
師匠 六代目立川談笑
名跡 1. 立川吉笑
(2010年 - )
出囃子 東京節
活動期間 2010年 -
活動内容 落語家
配偶者 あり
所属 落語立川流
公式サイト 立川吉笑
受賞歴
2021年 渋谷らくご大賞・渋谷らくご創作大賞
2022年 NHK 新人落語大賞
2022年 渋谷らくご大賞
2024年 公推協杯全国若手落語家選手権 大賞

立川 吉笑(たてかわ きっしょう、1984年6月27日[1] - )は落語立川流所属の落語家。本名∶人羅 真樹京都府京都市出身[2]立川談笑門下一番弟子[2]、現在二ツ目。

経歴

[編集]

京都市立堀川高等学校自然探究科卒業[3]京都教育大学教育学部数学科教育専攻中退[1]

もともとお笑い芸人志望であり、大学を1年で中退した後コンビを組んで2年間baseよしもとのオーディションを受けていたが相方の失踪で解散。ヨーロッパ企画の舞台に影響を受け放送作家をしつつコンビ「イクイプメン」を組み4年間ほど活動。倉本美津留に目を留められて上京し仕事を行っていた時期があったものの相方との衝突やレベルの違いから空中分解の状態になる。その頃買った立川志の輔のCDから落語家を志すようになる[4]

2010年11月6日六代目立川談笑に入門[5]2012年4月、1年5か月という異例のスピードで二ツ目昇進[5]2021年1月23日・26日・29日に、新宿末廣亭落語芸術協会1月下席夜の部、瀧川鯉八の主任興行にて、食いつきの二ツ目交互枠に初出演。通常の落語芸術協会興行の立川流真打交互出演枠ではなく、笑福亭羽光春風亭昇々の落語芸術協会員との交互出演の中に入っての立川流出演となった。芸術協会員と混じっての出演、立川流の二ツ目全体の中での新宿末廣亭定席への出演はこの時が初。

2022年5月より「立川吉笑真打計画」と銘打った公演を定期開催し、真打昇進に向けた具体的な活動を開始した。

2023年7月から、博品館劇場にて5ヶ月連続で月替りのゲスト[6]を招き師匠の談笑とともに行う公演『立川吉笑 真打計画09 「真打トライアル」』を実施。11月8日の最終回『VOL.5』において、談笑より真打昇進が認められ、時期は未定ではあるが真打昇進が内定となった[7]。のち、「2025年6月1日付で真打昇進予定」と自身のXへのポストで発表した[8]

芸歴

[編集]

受賞歴

[編集]

人物

[編集]

身長180cm[1]、体重70kg[1]。 

立川談笑の一番弟子。弟弟子の立川笑二と2013年より同居していた[12]が、2015年3月に解消している。落語立川流では数少ない関西弁を使う落語家である(立川流で関西弁を使う落語家として、談志門下の立川文都 (2009年死去)や立川雲水がいる)一方で、マクラでは東京弁を使用している。

高座では独自性に富むオリジナル落語をかけることが多い。自分にとっての噺の重要なポイントは『ギミック(仕掛け、アイデア、新しい視点、発明性)』、と『ストーリー(物語性、話の進め方)』であると述べている[13]。また、高座では必ず袴を着用している。

自身が所属する新作ユニット「ソーゾーシー」(春風亭昇々瀧川鯉八玉川太福、立川吉笑)では、企画演出音響宣伝担当である。

2022年9月、経営危機のためクラウドファンディングをスタートさせて連絡をとってきた演芸CDショップの西新宿ミュージックテイトの店長・菅野建二に対して広報や運営の心構えや具体的な方法を指南[14]。ソーゾーシーの全国ツアー資金のクラウドファンディングを自力で成功させた経験を活かし、募金成功のための手段を積極的に発信。落語芸術協会の若手落語家の協力も得て[15]、最終日の9月30日の数日前に目標額の1200万円を超える成果を得た[16][17]

2024年1月、2023年度公推協杯全国若手落語家選手権大賞を受賞したが、その賞金50万円全額を元旦に発生した令和6年能登半島地震のために寄付している[18]

主なオリジナル落語

[編集]
  • 『テレスコ・序(=『見たことも聞いたこともない虫』)』
  • 『狸の恩返しすぎ』(『たぬき』の改作)
  • 『大根屋騒動』
  • 『舌打たず』
  • 『手動販売機』
  • 『くじ悲喜』
  • 『粗粗茶』
  • 『ぞおん』
  • 『約百物語』
  • 『台本問題(スポーツ編・ラブコメ編・ヤンキー編・サスペンス編)』
  • 『何時材』
  • 『一人相撲』
  • 『tion』
  • 『カレンダー』
  • 『赤ん』
  • 『ふすま屋』
  • 『歩馬灯』
  • 『茶法』
  • 『蔵替え』
  • 『新銭形平次』
  • 『八五郎方向転換』
  • 『良薬は口に甘し』
  • 『本物の偽物』
  • 『炭酸ガス研究会』
  • 『尻子玉』
  • 『寄席鍋』
  • 『ノマド』
  • 『第四者』
  • 『悲し笑い』
  • 『テロップ』
  • 『サプリメント泥棒』
  • 『親切』
  • 『盲線』
  • 『遺影屋』
  • 『よっ先輩』
  • 『ペープサート』
  • 『大向こう』
  • 『電子ヤンキー』
  • 『情けは人の為ならずんば』
  • 『当日談』
  • 『乙の中の甲』
  • 『小人十九』
  • 『床女坊』
  • 『ぷるぷる』

オリジナルではない新作に『桜の男の子』『明晰夢』『非明晰夢』(作・ナツノカモ)がある。

出演

[編集]

Bリーグ

[編集]

プロバスケットBリーグの試合を開催している横浜アリーナで落語を披露している。

配信

[編集]
  • youtube「ジカ熱に注意!~落語編~ 立川吉笑とチャレンジ」(2017年、内閣国際感染症対策調整室[22]) 
  • 丸亀製麺「耳で味わう丸亀寄席」(2024年4月、webCM・店内配信)

著作

[編集]

単行本

[編集]

連載

[編集]
  • 「次世代落語家研究所」(Quick Japan
  • 「炎上するまくら」(中央公論 2017年1月号 〜 )

寄稿

[編集]
  • 「一塁走者の孤独」(文學界 2016年10月号)[23]
  • 「潮」(文學界 2022年1月号)[24]
  • 「歩馬灯」(文學界 2022年11月号)[25]

出典

[編集]
  • 立川吉笑、吉笑年鑑編纂委員会『吉笑年鑑2012 from the beginning』合資会社グッドクエッスチョン、2013年。 
  • 立川吉笑web”. 2013年6月2日閲覧。

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d 日本経済新聞社・日経BP社. “テレビとスマホ、落語はどっちが笑える?|エンタメ!|NIKKEI STYLE”. NIKKEI STYLE. 2022年6月22日閲覧。
  2. ^ a b 落語家は社会のカウンター 立川吉笑が語る伝統と現代性”. 朝日新聞デジタルマガジン&[and]. 2022年6月22日閲覧。
  3. ^ 第4回吉笑ゼミ・プロフィール(原宿ヒミツキチオブスクラップ)”. 2016年7月26日閲覧。
  4. ^ 【スペシャルインタビュー】立川吉笑「立川流であるということが唯一のアイデンティティ。」 - 噺 -HANASHI-、2015年10月21日閲覧
  5. ^ a b 第2回吉笑ゼミ。 | 公益財団法人 大学セミナーハウス”. iush.jp. 2022年6月22日閲覧。
  6. ^ vol.1(7月26日)立川志の輔、vol.2(8月17日)春風亭昇太、vol.3(9月25日)春風亭一之輔、vol.4(10月10日)三遊亭白鳥、vol.5(11/8)立川談春
  7. ^ 立川吉笑 [@tatekawakisshou] (2023年11月8日). "[ご報告] この度、師匠•談笑から真打昇進の許しを頂戴しました。". X(旧Twitter)より2023年11月9日閲覧
  8. ^ 立川吉笑 [@tatekawakisshou] (2024年9月2日). "[ご報告] この度、2025年6月1日付で真打に昇進させて頂く運びとなりました。". X(旧Twitter)より2024年9月13日閲覧
  9. ^ a b c <らくご最前線>立川吉笑 論理に翻弄される快感:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2022年6月22日閲覧。
  10. ^ 立川吉笑、「NHK新人落語大賞」受賞に涙「やってきたことが報われた」 自作「ぷるぷる」で50点満点」『スポーツ報知』2022年11月23日。2022年11月24日閲覧。
  11. ^ 立川吉笑が大賞 全国若手落語家選手権」『サンスポ』2024年1月29日。2024年1月29日閲覧。
  12. ^ 吉笑年鑑2012、p37
  13. ^ 吉笑年鑑2012、p41
  14. ^ 立川吉笑 (2022年9月5日). “ミュージックテイト菅野さんへの手紙”. ameba blog. 2022年10月8日閲覧。
  15. ^ ミュージック・テイト西新宿店(@music_teito) (2022年10月1日). “テイトのクラファン終了と収支の報告”. twitter. 2022年10月10日閲覧。 “このクラファンの最大の功労者である 立川吉笑さん 三遊亭あら馬さん 桂小右治さん 笑福亭希光さん 春風亭吉好さん 達に感謝致します。”
  16. ^ ミュージック・テイト 西新宿店. “ミュージック・テイトにエールを!落語演芸CD専門店、存続の危機”. Readyfor. 2022年10月10日閲覧。
  17. ^ 井上秀樹 (2022年10月2日). “(around Stage)コロナ下の経営難 CF頼み、綱渡りの演芸拠点”. 朝日新聞 夕刊 (東京): p. 2. https://www.asahi.com/articles/DA3S15438207.html 
  18. ^ 立川吉笑(@tatekawakisshou) (2024年2月1日). “公推協杯終わって作業場へ凱旋。”. X. 2024年4月8日閲覧。
  19. ^ 放送大学「より良い思考の技法('23)」(テレビ授業科目案内)”. 放送大学Youtubeチャンネル. Youtube. 2023年5月28日閲覧。
  20. ^ 立川吉笑 (2019年10月13日). “Bリーグ開幕でサプライズ 「アリーナ落語」大作戦”. NIKKEI STYLE. 立川談笑の「らくご虎の穴」. 日本経済新聞社. 2021年5月29日閲覧。
  21. ^ 日本生命 B.LEAGUE FINALS 2020-21 のオープニングとハーフタイムゲストが決定!”. ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ (2021年5月13日). 2021年5月28日閲覧。
  22. ^ 2022年現在、内閣官房新型コロナウイルス等感染症対策推進室youtubeで見ることができる。
  23. ^ 文學界 2016年10月号 特集 藝能春秋”. 文藝春秋. 2022年4月5日閲覧。
  24. ^ 文學界 2022年1月号 総力特集 笑ってはいけない?”. 文藝春秋. 2022年4月5日閲覧。
  25. ^ 文學界 2022年11月号 短篇競作 忘れる”. 文藝春秋 (2022年10月7日). 2022年10月7日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]