竜ヶ池 (甲府市)
竜ヶ池(竜華池) | |
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武田神社社叢(躑躅ヶ崎館跡、中央)と竜ヶ池(竜華池、右) | |
所在地 | 山梨県甲府市古府中町 |
位置 | |
河川 | 富士川水系相川 |
ダム湖 | 竜ヶ池(竜華池) |
ダム諸元 | |
ダム型式 | アースダム |
堤高 | 17 m |
堤頂長 | 382 m |
堤体積 | 59,000 m3 |
湛水面積 | 3 ha |
総貯水容量 | 264,000 m3 |
有効貯水容量 | 264,000 m3 |
利用目的 | かんがい |
事業主体 | 相川土地改良区 |
着手年 / 竣工年 | ? / 1956年 |
出典 | [1] |
備考 | 2011年 - 2015年整備[2] |
竜ヶ池(りゅうがいけ、竜華池[3])は、山梨県甲府市にある池。高さ17メートルのアースダムで、かんがいを目的とする、相川土地改良区の人造湖(ため池)である[4]。
地理
[編集]標高370メートル[5]。甲府市・武田神社の東、躑躅ヶ崎の先端部分に位置する。大正時代、農業用のため池として相川耕地整理組合(当時)によって建設された人工の池で、面積は約3ヘクタール程度である。池は一級河川・富士川水系相川筋にあり、相川を流れる水は古くから躑躅ヶ崎館や甲府城の外堀、そして城下町の用水路へと引水されてきた。その相川が造る相川扇状地約4.5平方キロメートルのうち、武田神社以下66.45ヘクタールの農地を竜ヶ池の水が潤す。現代では宅地化により建設当時と比べて用水の利用は減少している[6]。池にはブラックバスが放流され、ルアーフィッシングやフライ・フィッシングの管理釣り場として活用されているほか[4]、散歩やバードウォッチングのスポットとしても知られている[7]。
歴史
[編集]1917年(大正6年)、当時の相川耕地整理組合によって竜ヶ池が築造された[6](1919年=大正8年までの3年間を要したとも)。武田神社がある躑躅ヶ崎館跡から100メートルほどの場所にあり、当地で掘り起こした石を土手(アースダム)の張り石として使用。これにより堅牢な造りとなっており、200ミリの降雨にも耐えるといわれている。池の築造と並行して、当地から南の山梨大学のあたりまで耕地整理が実施された[8]。なお、一般財団法人日本ダム協会による「ダム便覧」では、池の竣工年を1956年(昭和31年)度としている[4]。
年月が流れ、池の老朽化による漏水が問題となり、その対策について2008年(平成20年)10月29日に甲府市長(当時・宮島雅展)との間で対話の場が設けられた[9]。その後、2011年(平成23年)から2015年(平成27年)にかけて池の改修整備事業が行われた[2]。工事を請け負った国際建設は、考案した「間詰石投入時における法枠ブロックの保護」手法により施工の効率化を図った。一般財団法人全国建設業協会はこれを評価し、平成27年度技術研究発表会最優秀賞として表彰した[10][11]。
交通アクセス
[編集]その他
[編集]- その他、山梨県の竜ヶ池
- 『甲斐国志』によると、現在の笛吹市一宮町石(旧・東八代郡)、蜂城山(標高738メートル)のふもとにも「竜ヶ池」があったという。その小さな池には「干」と「満」という2つの玉石が祀られ、水不足の際は村人らが「満」の玉石を蜂城山の頂上まで運び、雨乞いをしたとされる[12]。
脚注
[編集]- ^ 「竜華池」の別名は『角川日本地名大辞典 19 山梨県』848ページ、所在地は『甲府市地域防災計画(平成29年4月) 資料編』、その他は「ダム便覧」による(2017年6月11日閲覧)。画像は国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成(1975年撮影)。
- ^ a b 『甲府市地域防災計画(平成29年4月) 資料編』178ページ。
- ^ 『角川日本地名大辞典 19 山梨県』848ページ。
- ^ a b c “ダム便覧 竜ヶ池”. 日本ダム協会. 2017年6月11日閲覧。
- ^ “竜華池(藤川支流)”. Mapion. 2017年6月11日閲覧。
- ^ a b 『角川日本地名大辞典 19 山梨県』73、848ページ。
- ^ a b c 『都市計画道路甲府外郭環状道路北区間に係る環境影響評価書 第8章20』8-12-4、7ページ。
- ^ “平成4年6月定例会(第4号)本文”. 甲府市議会 (1992年6月24日). 2017年6月11日閲覧。
- ^ “市長の主な動き(2008年10月)”. 甲府市 (2014年8月28日). 2017年6月11日閲覧。
- ^ “平成27年度 技術研究発表会を開催しました。”. 全国建設業協会 (2015年12月2日). 2017年6月11日閲覧。
- ^ “建設工事の工夫・改善10事例を紹介 全建が技術研究発表会”. 建設ネット (2015年11月26日). 2017年6月11日閲覧。
- ^ 『日本歴史地名大系 19 山梨県の地名』
参考文献
[編集]- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会・竹内理三編『角川日本地名大辞典 19 山梨県』角川書店、1984年。ISBN 4040011902
- 平凡社地方資料センター編『日本歴史地名大系 19 山梨県の地名』平凡社、1995年。ISBN 4582490190
- 『甲府市地域防災計画(平成29年4月) 資料編』甲府市、2017年。
- 『都市計画道路甲府外郭環状道路北区間に係る環境影響評価書 第8章20』山梨県、2012年。
関連項目
[編集]- ダム
- 日本のダム - 日本のダム一覧
- フィルダム - アースダム
- 人造湖 - 日本の人造湖一覧 - ため池
- ダム再開発事業
- 圃場整備
- 甲府盆地
- 笛吹川 - 荒川 (山梨県)
- 武田神社 - 躑躅ヶ崎館
- 竜ヶ池 - 曖昧さ回避