竹村和子
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竹村 和子(たけむら かずこ、1954年2月3日[1] - 2011年12月13日)は、日本の英文学者。専門は英米文学、批評理論、フェミニズム思想。元・お茶の水女子大学大学院教授。日本へのジュディス・バトラーの翻訳・紹介者としても広く知られる(著作一覧参照)。
竹村和子フェミニズム基金の設立者であり、2012年度から2021年度までの10回にわたり研究助成事業を実施し[2]、2023年6月に解散した[3]。
略歴
[編集]- お茶の水女子大学教育学部卒業。
- お茶の水女子大学大学院修士課程修了、筑波大学大学院博士課程退学[4]。
- 香川大学教育学部助手・講師・助教授、成蹊大学助教授、筑波大学助教授を経て、お茶の水女子大学教授。
- 2003年、論文「愛について:アイデンティティと欲望の政治学」にてお茶の水女子大学より博士(人文科学)の学位を取得[5]。
- 2011年(平成23年)12月13日、悪性腫瘍で死去。57歳没[6]。
著書
[編集]単著
[編集]- 『フェミニズム』岩波書店〈思考のフロンティア〉、2000年。ISBN 978-4-00-026432-7 / 岩波現代文庫、2024年。ISBN 978-4-00-600478-1
- 『愛について:アイデンティティと欲望の政治学』岩波書店、2002年。ISBN 978-4-00-022011-8 / 岩波現代文庫、2021年。ISBN 978-4-00-600441-5
- 『文学力の挑戦:ファミリー・欲望・テロリズム』研究社、2012年。ISBN 978-4-327-48161-2
- 『彼女は何を視ているのか:映像表象と欲望の深層』河野貴代美・新田啓子編、作品社、2012年。ISBN 978-4-86182-418-0
- 『境界を撹乱する:性・生・暴力』岩波書店、2013年。ISBN 978-4-00-022597-7
編著
[編集]- 『女というイデオロギー:アメリカ文学を検証する』海老根静江共編著、南雲堂、1999年。ISBN 978-4-523-29253-1
- 『"ポスト"フェミニズム』作品社〈思想読本:知の攻略〉、2003年。ISBN 978-4-87893-546-6
- 『かくも多彩な女たちの軌跡:英語圏文学の再読』海老根静江共編著、南雲堂、2004年。ISBN 978-4-523-29283-8
- 『欲望・暴力のレジーム:揺らぐ表象 / 格闘する理論』(ジェンダー研究のフロンティア・第5巻)作品社、2008年。ISBN 978-4-86182-179-0
- 『思想と文化』(ジェンダー史叢書・第3巻)義江明子共編著、明石書店、2010年。ISBN 978-4-7503-3233-8
分担執筆
[編集]- 上野千鶴子編『構築主義とは何か』勁草書房、2001年。ISBN 978-4-326-65245-7
- パトリック・カリフィアほか
『セックス・チェンジズ:トランスジェンダーの政治学』[注釈 1]サンディ・ストーン・野宮亜紀共著、石倉由・吉池祥子ほか訳、作品社、2005年。ISBN 978-4-86182-047-2
翻訳(ジュディス・バトラーは別記)
[編集]- ナサニエル・ホーソーン『人面の大岩』酒本雅之共訳、国書刊行会〈叢書バベルの図書館〉、1988年。ISBN 978-4-336-02558-6
- トリン・T・ミンハ『女性・ネイティヴ・他者:ポストコロニアリズムとフェミニズム』岩波書店、1995年。ISBN 978-4-00-002950-6 / 岩波人文書セレクション、2011年。ISBN 978-4-00-028514-8
- ピーター・B・ハイ『概説アメリカの文学〈ロングマン版〉』岩元巌共訳、桐原書店、1995年。ISBN 978-4-342-76060-0
- ジョン・バース『レターズ』(全2巻)岩元巌共訳、国書刊行会〈文学の冒険〉、2000年。1巻:ISBN 978-4-336-03578-3 2巻:ISBN 978-4-336-03579-0
- ソフィア・フォカ、レベッカ・ライト『〈イラスト図解〉 "ポスト"フェミニズム入門』河野貴代美共訳、作品社、2003年。ISBN 978-4-87893-561-9
- サラ・サリー『ジュディス・バトラー』共訳、青土社〈シリーズ現代思想ガイドブック〉、2005年。ISBN 978-4-7917-6225-5
- ガヤトリ・C・スピヴァク『スピヴァク、日本で語る』鵜飼哲監修、本橋哲也・新田啓子・中井亜佐子共訳、みすず書房、2009年。ISBN 978-4-622-07447-2
翻訳(ジュディス・バトラー)
[編集]- 『ジェンダー・トラブル:フェミニズムとアイデンティティの攪乱』青土社、1999年。ISBN 978-4-7917-5703-9 / 新装版、2018年。ISBN 978-4-7917-7047-2
- 『偶発性・ヘゲモニー・普遍性:新しい対抗政治への対話』エルネスト・ラクラウ、スラヴォイ・ジジェク共著、村山敏勝共訳、青土社、2002年。ISBN 978-4-7917-5957-6 / 新装版、2019年。ISBN 978-4-7917-7188-2
- 『アンティゴネーの主張:問い直される親族関係』青土社、2002年。ISBN 978-4-7917-6013-8
- 『触発する言葉:言語・権力・行為体』岩波書店、2004年。ISBN 978-4-00-023392-7 / 岩波人文書セレクション、2015年。ISBN 978-4-00-028813-2
- 『国家を歌うのは誰か:グローバル・ステイトにおける言語・政治・帰属』ガヤトリ・C・スピヴァク共著、岩波書店、2008年。
- 『問題 = 物質(マター)となる身体:「セックス」の言説的境界について』佐藤嘉幸監訳、越智博美・河野貴代美・三浦玲一共訳、以文社、2021年。ISBN 978-4-7531-0362-1
監修
[編集]- ジェニファー・アグロウ編『世界女性人名大辞典〈マクミラン版〉』日本語版監修:竹村和子、国書刊行会、2005年。ISBN 978-4-336-04396-2
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 本書は、Patrick Califia, Sex changes: The Politics of Transgenderism, 2nd ed., Cleis Press, 2003. を基に他の論考を加えた日本語版で、竹村和子は「「セックス・チェンジズ」は性転換でも、性別適合でもない:解説にかえて」を執筆。
出典
[編集]- ^ 『現代物故者事典2009~2011』(日外アソシエーツ、2012年)p.365
- ^ “竹村和子フェミニズム基金”. 2020年3月15日閲覧。
- ^ "竹村和子フェミニズム基金は2023年6月をもって解散しました."一般財団法人竹村和子フェミニズム基金. 2024年7月25日閲覧。
- ^ 「著者紹介」『フェミニズム』(2000年)奥付。
- ^ "博士論文書誌データベース."CiNii Dissertations. 2024年7月25日閲覧。
- ^ “竹村和子さん=お茶の水女子大大学院教授”. 読売新聞. (2011年12月16日) 2011年12月21日閲覧。