第10回関西府県連合共進会
第10回関西府県連合共進会 | |
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会場の様子、手前に噴水塔、奥に愛知県売店 | |
開催時期 | 1910年(昭和43年)3月16日〜6月13日(90日間)[1] |
会場 | 名古屋市中区(当時)鶴舞公園 |
来場者数 | 263万2,748人[1] |
第10回関西府県連合共進会(だい10かいかんさいふけんれんごうきょうしんかい)は、1910年(明治43年)に愛知県名古屋市において開催された博覧会。
概要
[編集]1883年(明治16年)以降、西日本の各地で開催された関西府県連合共進会の10回目に当たる。
1910年(明治43年)3月16日から6月13日の90日間の会期が設定され、造成が開始されたばかりの鶴舞公園を会場に開催された[1]。関西府県連合共進会とは銘打っていたものの、参加府県は北海道・東北地方の県を除く3府28県にも及び、果ては台湾(当時は日本統治下)からも出品された[1]。入場者数は263万2,748人と記録されており、これは当時の名古屋市の人口約41万人を軽く超えるものであった[1]。
参加府県
[編集]参加府県は東京府・京都府・大阪府の3府と神奈川県・兵庫県・新潟県・埼玉県・群馬県・茨城県・栃木県・奈良県・三重県・静岡県・山梨県・滋賀県・岐阜県・長野県・福井県・石川県・富山県・鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県・和歌山県・徳島県・香川県・愛媛県・高知県・愛知県の28県であった[2]。
観覧時間
[編集]午前九時から午後四時まで[3]。
会場内施設
[編集]会場内には機械館・特許館・農産館などの最新技術などを展示するパビリオンのほか、不思議館・天女館・活動写真館といった娯楽要素をもつパビリオンも設置された[4]。さらには、名古屋城を模した愛知県売店などもあった[4]。
また、パビリオンのほか、貴賓館・奏楽堂・噴水塔・鈴菜橋などの建築物や胡蝶ヶ池・鯱ヶ池といったものが配置された[1]。
会期終了に伴い、多くの仮設建物は撤去されたが、奏楽堂・噴水塔・貴賓館などは名古屋市に寄付され、会場となった鶴舞公園に残されることとなった[5]。
- 世界漫遊館
- 入場料大人12銭、子供6銭[6]。
- 観戦鉄道
- 不思議館
- 入場料大人10銭、子供6銭[6]。
- 電気館
- 大阪丸御殿
- 入場料大人5銭、子供3銭[6]。
- 旅順海戦館
- 天女館
- 入場料特等40銭、並等20銭[8]。
- 大鰐館
- 入場料大人5銭、子供3銭[8]。
- 横田活動写真
会場アクセス
[編集]共進会開催に伴い、名古屋電気鉄道公園線(新栄の広小路通から鶴舞公園前を経て上前津に至る路線)が開業し、会場へのアクセスを担った[9]。
沿革
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h 名古屋の公園100年のあゆみ編集委員会 2010, p. 182.
- ^ 大阪府 1910, p. 1.
- ^ 大阪府 1910, p. 19.
- ^ a b 名古屋市開府400年記念事業実行委員会 2010, pp. 116–117.
- ^ 名古屋の公園100年のあゆみ編集委員会 2010, p. 183.
- ^ a b c d e f g h 井上善博 2009, p. 116.
- ^ a b 小松史生子 2013, p. 163.
- ^ a b c d 井上善博 2009, p. 117.
- ^ a b c 井上善博 2009, p. 6.
- ^ 井上善博 2009, p. 112.
参考文献
[編集]- 大阪府 編『第10回関西府県聯合共進会調査報告』大阪府、1910年10月。
- 井上善博『名古屋絵はがき物語 二十世紀のニューメディアは何を伝えたか』風媒社、2009年4月15日。
- 名古屋市開府400年記念事業実行委員会 編『名古屋開府400年記念誌 尾張名古屋大百科』名古屋市開府400年記念事業実行委員会、2010年5月1日。ISBN 978-4-8356-1761-9。
- 名古屋の公園100年のあゆみ編集委員会 編『名古屋の公園 100年のあゆみ』2010年。
- 小松史生子 著「日本の探偵小説の創始者 江戸川乱歩 パノラマ館やお化け屋敷、幻灯機に恋いこがれた名古屋の少年時代」、小松史生子 編『東海の異才・奇人列伝』風媒社、2013年。
外部リンク
[編集]- ウィキメディア・コモンズには、第10回関西府県連合共進会に関するカテゴリがあります。