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箒川ダム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
箒川発電所から転送)
箒川ダム
箒川ダム
所在地 栃木県那須塩原市塩原
位置
箒川ダムの位置(日本内)
箒川ダム
北緯36度57分57秒 東経139度51分25秒 / 北緯36.96583度 東経139.85694度 / 36.96583; 139.85694
河川 那珂川水系箒川
ダム諸元
ダム型式 重力式コンクリートダム
堤高 11.1 m
堤頂長 59.5 m
堤体積 2,221 m3
流域面積 108.8 km2
有効貯水容量 62,000 m3
利用目的 発電
事業主体 東京電力
電気事業者 東京電力
発電所名
(認可出力)
箒川発電所 (4,800kW)
着手年 / 竣工年 1940年1943年
出典 [1][2][3][4][5][6][7]
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箒川ダム(ほうきがわダム)は、栃木県那須塩原市一級河川那珂川水系箒川に建設されたダム。高さ11.1メートルの重力式コンクリートダム)で、東京電力発電用ダムである。同社の水力発電所・箒川発電所に送水し、最大4,800キロワットの電力を発生する。

歴史

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1895年明治28年)、福島県初の電力会社として設立された福島電灯は、1925年大正14年)に栃木県の電力会社である野州電気合併し、関東地方に進出[8]。さらに1936年昭和11年)には栃木県那須郡および塩谷郡を主な供給エリアとしていた塩那電気を合併し、栃木県内でのシェアをいっそう拡大した[9]。同社は1940年(昭和15年)、塩谷郡箒根村(現・那須塩原市)において箒川発電所の建設工事に着手[10][11]。しかし、日本発送電1939年(昭和14年)に、そして1942年(昭和17年)に関東配電など9つの配電会社が設立され、日本の電力業界はこうした特殊会社へと整理・統合された。箒川発電所の建設工事については関東配電へと引き継がれ、1943年(昭和18年)に運転を開始した[11]

1951年(昭和26年)、日本の電気事業は再編成・民営化され、箒川発電所は東京電力に継承された。出力は完成当時4,550キロワットであったが[11]、現在は4,800キロワットにまで増強されている。

周辺

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塩原温泉郷大網温泉から斜面を下ると箒川ダムに至る。箒川ダムの周辺には金網が張り巡らされており、ダムの設備やダム湖(人造湖)、ダム下流の川原への一般の立ち入りを制限している。箒川は当地で潜竜峡と呼ばれる峡谷をなし、に沿って塩原渓谷歩道が整備されている。この遊歩道は箒川ダムを過ぎると、ダム上流に位置する布滝を経て塩原温泉ビジターセンターへと至る[12]

箒川ダムの下流には塩原ダムがある。治水利水を目的とする栃木県営多目的ダムで、1978年(昭和53年)に完成したものの、箒川ダムの水没は免れた。塩原ダムの天端からは、すぐ下流に位置する箒川発電所を望むことができる。

発電所の付近には東京電力のPR施設・TEPCO塩原ランドがある。ここでは、かつて箒川発電所で使用されていた小型の水車が屋外展示されている。これは水車発電機を運転するために必要な油圧を作るための水車で、発電所の運転を開始した1943年から1976年(昭和51年)にかけて使用されていた[13]タービン軸受を覆うカバーが切り取られ、内部の構造が見て取れるようになっている。

脚注

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  1. ^ 所在地は「ダム便覧」(2010年10月18日閲覧)によると「栃木県那須郡塩原町下塩原」となっているが、合併により住所が変更となっているため、当該ページの「地図」のリンク先(Yahoo!地図情報、2010年10月18日閲覧)を参照したところ、「栃木県那須塩原市塩原」を示していたのでこれを記す。
  2. ^ 河川、ダム形式、堤高、堤頂長、堤体積、利用目的、事業主体(管理者)は「ダム便覧」(2010年10月18日閲覧)による。
  3. ^ 位置は「ウォッ地図」(2010年10月18日閲覧)にて得たダム中心の座標である(参考値)。
  4. ^ 有効貯水容量は「栃木県の近代土木遺産 箒川取水堰(箒川発電所)」(2010年10月18日閲覧)に「調節容量62,000m3」とあるのでこれを記す。
  5. ^ 流域面積、電気事業者、発電所名(認可出力)は「水力発電所データベース」(2010年10月18日閲覧)による。
  6. ^ 着工年は「栃木県の近代土木遺産 箒川取水堰(箒川発電所)」(2010年10月18日閲覧)による箒川発電所の建設に着手した年を記す。
  7. ^ 竣工年は「水力発電所データベース」(2010年10月18日閲覧)による箒川発電所の運転開始年を記す。
  8. ^ 『関東の電気事業と東京電力 電気事業の創始から東京電力50年への軌跡』384ページ。
  9. ^ 『関東の電気事業と東京電力 電気事業の創始から東京電力50年への軌跡』472ページ。
  10. ^ 栃木県の近代土木遺産 箒川取水堰(箒川発電所)」(2010年10月18日閲覧)による。
  11. ^ a b c 『関東の電気事業と東京電力 電気事業の創始から東京電力50年への軌跡 資料編』88ページ。
  12. ^ 那須塩原市商工会塩原支所 自然散策ガイド 塩原渓谷歩道 やしおコース案内図」(2010年10月18日閲覧)による。
  13. ^ TEPCO塩原ランド説明板より。

参考文献

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  • 東京電力編『関東の電気事業と東京電力 電気事業の創始から東京電力50年への軌跡』東京電力、2002年。
  • 東京電力編『関東の電気事業と東京電力 電気事業の創始から東京電力50年への軌跡 資料編』東京電力、2002年。

関連項目

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外部リンク

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