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紀里谷和明

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
きりや かずあき
紀里谷 和明
紀里谷 和明
生年月日 (1968-04-20) 1968年4月20日(56歳)
出身地 日本の旗 日本熊本県球磨郡あさぎり町(旧:免田町
身長 180 cm
血液型 A型
職業 映画監督
配偶者 宇多田ヒカル2002年 - 2007年
事務所 KIRIYA PICTURES
公式サイト kiriya.com
主な作品
映画
CASSHERN
GOEMON
世界の終わりから
海外映画
ラスト・ナイツ
受賞

高崎映画祭
若手監督グランプリ
2004年CASSHERN


ポルト国際映画祭
最優秀作品賞
2023年世界の終わりから
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紀里谷 和明(きりや かずあき、1968年4月20日 - )は、日本の元映画監督。KIRIYA PICTURES所属。熊本県球磨郡あさぎり町(旧免田町)出身[1]

略歴

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1968年、熊本県宮崎県で手広くパチンコ店を経営する岩下兄弟社代表の父・岩下博明と、軍人の娘である母・道子の長男・和裕として生まれる[2]。免田町の小・中学校に進学した。

1983年、中学2年終了と同時に中退し[1]、単身アメリカサンディエゴに向かう[2]マサチューセッツ州にあるアートハイスクール、Cambridge School of Westonに進学して[1]、デザイン・音楽・絵画・写真などを学ぶ。

1987年、パーソンズ美術大学(Parsons The New School for Design)環境デザイン科に進み建築を学ぶ[3]

1989年、大学を2年で中退。学生時代当初はビジネスマンを目指していたが、英語が通じない時に自分が描いた絵を渡して喜ばれた経験からアートの世界を志向するようになった。21歳のときデザイン会社を設立するもうまくいかず、ヨーロッパアフリカを放浪[2]。中退後の5年間は、自ら「暗黒の時代」と語っている[2]

1994年、ニューヨーク在住時26歳のときに知り合いから頼まれた音楽雑誌『VIBE』用の作品をきっかけにカメラマンとしてデビュー[1]ジェイ・Zなど多くのアーティストの写真を手掛けるようになる。以降、日本国内外でPV制作も数多く手掛ける[2]。CM、広告、雑誌のアートディレクションなど幅広く活躍。

2002年9月、ミュージック・ビデオ撮影を通じて知り合ったシンガーソングライター宇多田ヒカルと結婚したが、2007年3月に離婚[4]。二人の間に子どもはいなかった。

2004年、子供のころ好きだったテレビアニメ『新造人間キャシャーン』を映画化し、映画監督としてデビュー。2009年には2作目『GOEMON』を製作し、明智光秀役で俳優としても出演した。

2012年チェコで、クライヴ・オーウェンモーガン・フリーマン出演の映画『ラスト・ナイツ』を撮影、2015年公開。

2020年8月6日、対話形式の自己啓発小説「地平線を追いかけて満員電車を降りてみた」(文響社)を出版。

2023年公開の『世界の終わりから』をもって映画監督を引退することを発表した[5][6]

2024年12月25日にリリースされる花譜の4thアルバム「寓話」にて楽曲『スワン』の作詞を担当[7]

2024年12月25日紀里谷自身の公式Xにて再開すると投稿。

人物

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  • 父親が経営するパチンコ店の工事現場を見ていた子供のころの経験が、大人数を取りまとめなくてはならない映画制作の現場に役立ったという。「パチンコ屋の息子でなかったら、今の自分はなかった」とも述べている[2]
  • 軍人だった祖父が太平洋戦争ののち自決したことを子供の頃に聞かされ[2]冷戦湾岸戦争下のアメリカで青春を過ごしていたことから監督作品の『CASSHERN』『GOEMON』にて「世界平和」をテーマにしている。小説『トラとカラスと絢子の夢』は、この祖父の実話をもとにしている[8]
  • 毛皮反対プロジェクトとして『毛皮製品の残酷な生産実態を伝える映像』を創作し公開する。「美しいものと、醜いものを合わせたものが毛皮…その生産現場は残酷。この違和感に忠実になってほしい」と語った。

作品

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映画

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公開年 作品名 備考
2004年 CASSHERN
2009年 GOEMON 明智光秀役として自身も出演
2015年 ラスト・ナイツ[9][10] クライヴ・オーウェンモーガン・フリーマン出演
2022年 The Little Star MIRRORLIAR FILMS Season2 山田孝之松本まりか出演
2023年 世界の終わりから 主演伊東蒼 2023年4月7日全国劇場公開

MV

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発表年 アーティスト名 作品名 備考
2000年 THE BACK HORN 風船
2001年 空、星、海の夜
ひとり言
中村俊介 雪がとける前に…
宇多田ヒカル FINAL DISTANCE
traveling
2002年
SAKURAドロップス
Deep River
2004年 誰かの願いが叶うころ 監督作品『CASSHERN』主題歌
2005年 UTADA You Make Me Want to Be a Man
宇多田ヒカル Be My Last
Passion
2006年 Keep Tryin'
GLAY
2015年 三代目J Soul Brothers Unfair World
2017年 saisa Vicissitudes
2020年 R1SE周震南 中国人アーティスト
2021年 LUX OMNIA VINCIT featuringシシド・カフカ  無重力の夜 紀里谷自身が楽曲製作に参加。パイロットMOVIE「新世界」の主題歌『I Will 彼方の君へ』(featuring黒木華)も同様

演出

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写真

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他多数

小説

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  • 『トラとカラスと絢子の夢』幻冬舎2009年 ISBN 4344016742
  • 『地平線を追いかけて満員電車を降りてみた』文響社2020年 ISBN 9784866511658

[2]

舞台演出

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  • ハムレット」(シェイクスピア原作、長屋晃一脚本 2016年12月9日〜11日)

その他

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他多数

受賞歴

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2004年度

2023年度

宇多田ヒカルPV監督作品

  • traveling」 
  • SAKURAドロップス
    • 第17回日本ゴールドディスク大賞「ソング・オブ・ザ・イヤー」受賞
  • 誰かの願いが叶うころ
    • 映画「CASSHERN」主題歌 。映画の出演者と共演。第19回日本ゴールドディスク大賞「ソング・オブ・ザ・イヤー」受賞
  • Be My Last
    • 第20回日本ゴールドディスク大賞「ソング・オブ・ザ・イヤー」受賞

メディア出演

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テレビ

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ラジオ

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YouTube

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  • YouTubeチャンネル『FREEWORLDtube』にて、様々な業界からゲストを招いて紀里谷自身がインタビュー(2012年)
  • 『紀里谷和明KAZUAKI KIRIYA』Official YouTubeチャンネル開設(2019年)
  • 堀潤のYouTubeチャンネル『8bit News』にて、対談(2020年4月)
  • 近藤麻理恵のYouTubeチャンネル『こんまりちゃんねる』にて、こんまり夫妻と対談(2020年10月)

脚注

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  1. ^ a b c d 紀里谷和明、離婚・金融危機…どん底から見つけた道 新作への決意”. withnews (2015年11月16日). 2023年5月18日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h パチンコ文化史 「息子の主体性に賭けた・岩下博明」6日本遊技関連事業協会広報誌 2010年8月号
  3. ^ 「既成概念」は人間の成長の大きな足かせ 国家を築く礎の「教育」で日本を変えよう”. kknews (2009年4月18日). 2023年5月18日閲覧。
  4. ^ 紀里谷和明、宇多田ヒカルとの離婚語る「今でも愛してる」”. ORICON NEWS (2013年6月14日). 2023年5月18日閲覧。
  5. ^ 監督引退宣言の紀里谷和明、「マツコ会議」で今の暮らしを語る”. 映画ナタリー (2023年5月6日). 2023年5月18日閲覧。
  6. ^ 紀里谷和明氏、映画監督からの引退を宣言「これで全うできた」 ラスト作は伊東蒼「世界の終わりから」”. スポーツ報知 (2023年3月20日). 2023年5月18日閲覧。
  7. ^ 花譜アルバムに大森靖子、水槽、紀里谷和明ら参加 星街すいせいやMoe Shopとのコラボ曲配信”. 音楽ナタリー (2024年11月3日). 2024年12月25日閲覧。
  8. ^ 夕刊フジ2009年7月8日
  9. ^ Last Knights (IMDb)
  10. ^ 紀里谷和明『ラスト・ナイツ』 孤独の軍師が見つけた映画の愉楽”. GOETHE. 2022年6月9日閲覧。

外部リンク

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