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美は乱調にあり

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『美は乱調にあり』
キャプテン・ビーフハート・アンド・ザ・マジック・バンドスタジオ・アルバム
リリース
録音 1980年6月
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 カリフォルニア州 ロサンゼルス サウンド・キャッスル・レコーディング・スタジオ
ジャンル ブルース・ロック
時間
レーベル アメリカ合衆国の旗イギリスの旗ヴァージン・レコード
プロデュース ドン・ヴァン・ヴリート
キャプテン・ビーフハート・アンド・ザ・マジック・バンド アルバム 年表
シャイニー・ビースト(バット・チェイン・プラー)
(1978年)
美は乱調にあり
(1980年)
烏と案山子とアイスクリーム
(1982年)
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美は乱調にあり』(Doc at the Radar Station)は、ドン・ヴァン・ヴリートが率いるキャプテン・ビーフハート・アンド・ザ・マジック・バンドが1980年に発表した通算11作目に相当するアルバムである[注釈 1]

解説

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経緯

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キャプテン・ビーフハート・アンド・ザ・マジック・バンドは1978年6月から8月にかけて前作『シャイニー・ビースト(バット・チェイン・プラー)』(以下、『シャイニー・ビースト』)を製作して秋にアメリカでワーナー・ブラザーズから発表し[1]、11月にはヴァン・ヴリート、ブルース・ファウラー(トロンボーン)、ジェフ・モリス・テッパー(ギター)、エリック・ドリュー・フェルドマン(キーボード)、ロバート・ウイリアムス(ドラムス)、リチャード・レダス(ギター)にファウラーのガールフレンド(パントマイム、マラカス)を加えた顔ぶれで短い国内ツアーを行なった[注釈 2][2]。しかしイギリスではワーナー・ブラザーズとヴァージン・レコードの交渉が難航して[注釈 3]、『シャイニー・ビースト』は翌1979年が終わっても発表されなかった[3]。彼等は1979年には目立った活動を何ら行なわなかったが、ヴァン・ヴリートはDoc at the Rader Station[注釈 4]という新作アルバムを製作する意向を同年秋に示し、年末にゲイリー・ルーカス[注釈 5]を新しいマネージャーに迎えた[4]

1980年2月、『シャイニー・ビースト』がようやくイギリスでヴァージン・レコードから発表された[5]。新作製作の開始予定日の直前にレダスが脱退したので、彼等はドラマー兼ギタリストのジョン・フレンチを再々度迎えて[注釈 6]、6月の数週間に渡って本作を制作した[6]

内容

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収録曲のうち、'Flavor Bud Living'、'Brickbats'、'A Carrot Is As Close As A Rabbit Gets To A Diamond'の3曲は、当時未発表だった『バット・チェイン・プラー』の収録曲の再録音版である[7]

ジャケットの絵は、ヴァン・ヴリートの作品である[8]

収録曲

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LP
Side One
全作詞・作曲: Don Van Vliet。
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.「Hot Head」Don Van VlietDon Van Vliet
2.「Ashtray Heart」Don Van VlietDon Van Vliet
3.「A Carrot Is as Close as a Rabbit Gets to a Diamond」Don Van VlietDon Van Vliet
4.「Run Paint Run Run」Don Van VlietDon Van Vliet
5.「Sue Egypt」Don Van VlietDon Van Vliet
6.「Brickbats」Don Van VlietDon Van Vliet
合計時間:
Side Two
全作詞・作曲: Don Van Vliet。
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.「Dirty Blue Gene」Don Van VlietDon Van Vliet
2.「Best Batch Yet」Don Van VlietDon Van Vliet
3.「Telephone」Don Van VlietDon Van Vliet
4.「Flavor Bud Living」Don Van VlietDon Van Vliet
5.「Sheriff of Hong Kong」Don Van VlietDon Van Vliet
6.「Making Love to a Vampire with a Monkey on My Knee」Don Van VlietDon Van Vliet
合計時間:
CD
全作詞・作曲: Don Van Vliet。
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.「Hot Head」Don Van VlietDon Van Vliet
2.「Ashtray Heart」Don Van VlietDon Van Vliet
3.「A Carrot Is as Close as a Rabbit Gets to a Diamond」Don Van VlietDon Van Vliet
4.「Run Paint Run Run」Don Van VlietDon Van Vliet
5.「Sue Egypt」Don Van VlietDon Van Vliet
6.「Brickbats」Don Van VlietDon Van Vliet
7.「Dirty Blue Gene」Don Van VlietDon Van Vliet
8.「Best Batch Yet」Don Van VlietDon Van Vliet
9.「Telephone」Don Van VlietDon Van Vliet
10.「Flavor Bud Living」Don Van VlietDon Van Vliet
11.「Sheriff of Hong Kong」Don Van VlietDon Van Vliet
12.「Making Love to a Vampire with a Monkey on My Knee」Don Van VlietDon Van Vliet
合計時間:

参加ミュージシャン

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Captain Beefheart and The Magic Band
  • Captain Beefheart (Don Van Vliet) – ヴォーカル、チャイニーズ・ゴング、ハーモニカ、ソプラノ・サクソフォーン、ベース・クラリネット,
  • John French – スライド・ギター、ギター、ベース・ギター(CD #11)、ドラムス(CD #2、11)、マリンバ(CD #12)、ヴォーカル(CD #4、7)
  • Jeff Moris Tepper – スライド・ギター、ギター、ナーヴ・ギター、バックグラウンド・ヴォーカル(CD #4)
  • Eric Drew Feldman – シンセサイザー、ベース・ギター、メロトロン、グランド・ピアノ、エレクトリック・ピアノ、バックグラウンド・ヴォーカル(CD #4)
  • Robert Arthur Williams – ドラムス、バックグラウンド・ヴォーカル(CD #4)
客演

脚注

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注釈

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  1. ^ 1960年代に発表した3作のアルバムと『ミラー・マン』(1971年)はキャプテン・ビーフハート・アンド・ヒズ・マジック・バンド名義だった。『ミラー・マン』はヒズ・マジック・バンド時代の1967年の未発表音源集。『ザ・スポットライト・キッド』(1972年)はキャプテン・ビーフハート名義だった。
  2. ^ 同年11月18日にニューヨーク州ロズリンで開かれたコンサートの音源が、2000年にライノ・レコードからI'm Going to Do What I Wanna Do: Live at My Father's Place 1978として発売された。
  3. ^ 1973年にキャプテン・ビーフハート・アンド・ザ・マジック・バンドのマネージャーになったアンディ・ディマルティーノとデイブ・ディマルティーノの兄弟は、それまでのリプリーズ(ワーナー・ブラザーズの子会社)との契約を捨てて、アメリカではマーキュリー・レコード、イギリスではヴァージン・レコードと契約を結んだ。彼等はディマルティーノ兄弟のマネージメントの下で『アンコンディショナリー・ギャランティード』(1974年)と『ブルージーンズ・アンド・ムーンビームズ』(1974年)の2作を発表した後に解散。1977年にヴァン・ヴリートはバンドを再結成して新マネージャーのハリー・ダンカンの下で『シャイニー・ビースト(バット・チェイン・プラー)』を製作したが、ディマルティーノ兄弟がイギリスでヴァージン・レコードと結んだ契約はまだ有効だったので、この作品がイギリスで発表されるためには、ワーナー・ブラザーズとヴァージン・レコードの交渉が必要だった。
  4. ^ 砂漠で航空管制官として働く友人に因んだ命名。
  5. ^ ギタリスト兼ソングライター。1972年にヴァン・ヴリートにラジオ・インタビューして以来、彼と交流を保っていた。
  6. ^ デビュー・アルバム『セイフ・アズ・ミルク』(1967年)から6作目の『ザ・スポットライト・キッド』(1972年)まで参加して離脱し、再加入して1976年に制作された『バット・チェイン・プラー』(2012年)に参加した後に再度離脱した。

出典

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  1. ^ Barnes (2011), pp. 247–251.
  2. ^ Barnes (2011), pp. 252–253.
  3. ^ Barnes (2011), p. 256.
  4. ^ Barnes (2011), pp. 257–259.
  5. ^ Barnes (2011), p. 259.
  6. ^ Barnes (2011), pp. 259–260.
  7. ^ Barnes (2011), p. 265.
  8. ^ Barnes (2011), p. 260.

引用文献

[編集]
  • Barnes, Mike (2011). Captain Beefheart: The Biography. London: Omnibus Press. ISBN 978-1-78038-076-6 

関連項目

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