老川慶喜
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老川 慶喜(おいかわ よしのぶ、1950年3月29日[1] - )は、日本の経済学者、歴史学者。跡見学園女子大学教授。立教大学名誉教授。さいたま市大宮盆栽美術館館長。専門は近代日本経済史、経営史。経済学博士(立教大学、1982年)。
交通史、特に鉄道史から研究をスタートし、戦間期の自動車工業、第1次大戦後の生鮮食料品市場問題、さらには戦後の運輸業などに研究対象を広げている。
来歴
[編集]1972年、立教大学経済学部卒業[1]。1974年、同大学経済学研究科修士課程修了[1]、川口市立川口高等学校教諭となる[1]。1980年、同研究科博士課程単位取得退学[1]。1982年「日本資本主義と地方鉄道の展開」で経済学博士(立教大学)の学位を取得[1]。
1983年、関東学園大学経済学部専任講師[1]、1986年、同助教授[1]。1987年、帝京大学経済学部助教授[1]、1991年、立教大学経済学部助教授[1]、1993年、同教授[1]。2015年、立教大学を定年退職し[1]、跡見学園女子大学観光コミュニティ学部教授兼副学長[1]。2016年立教大学名誉教授。2020年さいたま市大宮盆栽美術館館長。
受賞歴
[編集]- 1987年 - 『日本の鉄道 成立と展開』で第13回交通図書賞[1]。
- 2007年 - 鉄道博物館のさいたま市への誘致に対する貢献により、2007年度さいたま市文化賞[1]。
- 2009年 - 『近代日本の鉄道構想』で第34回交通図書賞[1]。
- 2014年 - 『井上勝』で企業家研究フォーラム賞[1]。
著書
[編集]- 『埼玉の鉄道』(埼玉新聞社、1982年)
- 『明治期地方鉄道史研究 地方鉄道の展開と市場形成』(日本経済評論社、1983年)
- 『産業革命期の地域交通と輸送』(日本経済評論社、1992年)
- 『鉄道 日本史小百科 近代』(東京堂出版、1996年)
- 『近代日本の鉄道構想』(日本経済評論社、2008年)
- 『埼玉鉄道物語 鉄道・地域・経済』(日本経済評論社、2011年)
- 『井上勝 職掌は唯クロカネの道作に候』ミネルヴァ書房〈ミネルヴァ日本評伝選〉、2013年
- 『日本鉄道史 幕末・明治篇 蒸気車模型から鉄道国有化まで』中央公論新社〈中公新書〉、2014年
- 『もういちど読む 山川日本戦後史』山川出版社 2016年
- 『日本鉄道史 大正・昭和戦前篇 (日露戦争後から敗戦まで) 』中公新書 2016年
- 『小林一三 都市型第三次産業の先駆的創造者』「PHP経営叢書 日本の企業家」PHP研究所 2017年
- 『鉄道と観光の近現代史』「河出ブックス」河出書房新社 2017年
- 『井上勝 「長州ファイブ」から「鉄道の父」へ』ブックレット:萩ものがたり 2018年。小冊子
- 『日本鉄道史 昭和戦後・平成篇 国鉄の誕生からJR7社体制へ』中公新書 2019年
- 『満州国の自動車産業 同和自動車工業の経営史』日本経済評論社 2020年
- 『堤康次郎 西武グループと20世紀日本の開発事業』中公新書 2024年
編著
[編集]- 『東京オリンピックの社会経済史』(日本経済評論社、2009年)
- 『両大戦間期の都市交通と運輸』(日本経済評論社、2010年)
共著
[編集]- (仁木良和・渡邉恵一)『日本経済史 太閤検地から戦後復興まで』(税務経理協会、2002年)
- (渡邉恵一)『ライフスタイルを形成した鉄道事業』(芙蓉書房出版、2014年)
共編著
[編集]- (野田正穂・原田勝正・青木栄一)『日本の鉄道 成立と展開』(日本経済評論社、1986年)
- (由井常彦・前田和利)『堤康次郎』(リブロポート、1996年)
- (野田正穂・原田勝正・青木栄一)『多摩の鉄道百年』(日本経済評論社、1993年)
- (野田正穂・原田勝正・青木栄一)『神奈川の鉄道1872-1996』(日本経済評論社、1996年)
- (小笠原茂・中島俊克)『経済史』(東京堂出版、1998年)
- (大豆生田稔)『商品流通と東京市場 幕末~戦間期』(日本経済評論社、2000年)
- (野田正穂)『日本鉄道史の研究 政策・経営/金融・地域社会』(八朔社、2003年)
- (前田一男)『ミッション・スクールと戦争 立教学院のディレンマ』(東信堂、2008年)
- (須永徳武・谷ヶ城秀吉・立教大学経済学部)『植民地台湾の経済と社会』(日本経済評論社、2011年)
ビジュアル日本経営史シリーズ
〈Maruzen audiovisual library 日本の企業家群像〉丸善出版事業部映像メディア部、丸善(制作著作)
- (佐々木聡)『第1巻 近代産業の形成 : 幕藩体制-1913』2004年、ビデオ、ISBN 4839503001、NCID BA70394312。DVD、ISBN 4839503052、NCID BA69549615。
- (佐々木聡)『第4巻 都市型第三次産業の開拓者』2006年、ISBN 4839503737、NCID BB04846372。
- 『II-第7巻 高度経済成長期の革新的・創造的企業家』2003年、ビデオ、ISBN 4839502234、NCID BA60999033。DVD、ISBN 4839503834、NCID BB00225974。
- 『III-第2巻 私鉄経営と沿線・観光地開発』、2010年、ISBN 9784839500498、NCID BB0411343X。
訳書
[編集]- ダニエル・R・ヘッドリク『帝国の手先 ヨーロッパ膨張と技術』(原田勝正・多田博一共訳、日本経済評論社、1989年)
- ダニエル・R・ヘッドリク『進歩の触手 帝国主義時代の技術移転』(原田勝正・多田博一・濱文章共訳、日本経済評論社、2005年)
監修
[編集]公刊史料
[編集]- (野田正穂・原田勝正・青木栄一)『大正期鉄道史資料』<第Ⅱ期>全17巻(日本経済評論社、1990年-1992年)
- (野田正穂・原田勝正・青木栄一)『昭和期鉄道史資料』全45巻(日本経済評論社、1990年-1992年)
- (渡邉恵一)『近代日本物流史資料』全28巻(東京堂出版、1998年)
- 鉄道省運輸局編『港湾と鉄道との関係調書』全3輯(日本経済評論社、2003年)
- (野田正穂)『戦間期都市交通史資料集』全20巻(丸善、2003年-2004年)
- (中村尚史)『日本鉄道会社』全5巻<明治期私鉄営業報告書集成1>(日本経済評論社、2004年)
- (宮下弘美)『北海道炭礦鉄道会社』全4巻<明治期私鉄営業報告書集成2>(日本経済評論社、2005年)
- (三木理史)『関西鉄道会社』全8巻<明治期私鉄営業報告書集成3>(日本経済評論社、2005年)
- 『山陽鉄道会社』全7巻<明治期私鉄営業報告書集成4>(日本経済評論社、2005年)
- (渡邉恵一)『九州鉄道会社』全8巻<明治期私鉄営業報告書集成5>(日本経済評論社、2006年)
- 鉄道省編『関東大震災・国有鉄道震災日誌』(日本経済評論社、2011年)
関連項目
[編集]- 鉄道史学会 - 理事を務める。