若草物語 (1964年の映画)
若草物語 | |
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監督 | 森永健次郎 |
脚本 | 三木克巳 |
出演者 |
吉永小百合 浅丘ルリ子 芦川いづみ 和泉雅子 浜田光夫 和田浩治 杉山俊夫 |
音楽 | 崎出伍一 |
主題歌 | 吉永小百合『若草物語』 |
撮影 | 松橋梅夫 |
編集 | 井上治 |
製作会社 | 日活 |
配給 | 日活 |
公開 | 1964年12月31日[1] |
上映時間 | 85分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
『若草物語』(わかくさものがたり)は、1964年末から翌年にかけて公開された日本映画。カラー、シネマスコープ(2.35:1)、84分。
当時の日活のスター女優4人(吉永小百合、浅丘ルリ子、芦川いづみ、和泉雅子)が姉妹役で共演し、高度成長期を生きる若い女性たちの恋愛観や結婚観、幸福の形を描いた青春物語である。姉妹を演じる4人は全編にわたり大阪弁のセリフを話す。オルコットの小説『若草物語』とは無関係である(姉妹の物語であるという以上の共通点は無い)。
封切り時の同時上映作品は『黒い海峡』。
製作
[編集]東京の晴海団地、日比谷公園などでロケーション撮影された。また、東京オリンピックに向けて完成したばかりの東京モノレール・代々木競技場・首都高速、そして東京タワー展望台などが空撮で映し込まれ、当時の東京案内の趣もある。
ストーリー
[編集]大阪の模型店の次女・由紀、三女・しずか、四女・チエコの姉妹は、若い後妻をもらった父・勇造を気遣い、実家を出て飛行機で東京へ向かう。3人は郊外で暮らす新婚の長女・早苗とその夫・宏一が住む団地に押しかける。やがて3人は早苗の援助で夫妻宅を出て、アパート暮らしを始める。そんな中、姉妹たちは同郷のカメラマン・次郎と再会する。
由紀としずかは百貨店・銀座松屋のデパートガール採用試験に合格し、由紀はカメラ売り場、しずかは男性用下着売り場を担当する。一方、海外旅行を夢見るチエコは高給に惹かれ、姉たちに秘密でアルバイトサロン(アルサロ)で働き始める。そのことが明るみに出たことで、チエコがアルプスに憧れていることを知った一同は、志賀高原のスキー場に遊びに行く。この旅を通じ、由紀としずかは次郎を巡って恋のライバルとなる。また、姉妹はかつて羽田空港で出会った裕福な家の大学生・圭一とスキー場で再会する。
勇造が夫婦喧嘩をし、早苗の団地に転がり込む。由紀・しずか・チエコも様子を見に来る。早苗たちは勇造の態度を非難し、大阪に帰そうとするが、しずかだけは父親の面倒を見ると申し出る。特に由紀に反発したしずかは、次郎の下宿に勇造をかくまい、自身もそこに居座る。勇造は改心し、大阪に帰る。それを知らずに勇造を迎えに来た由紀は、しずかが次郎の部屋にいるのを見て逆上し、しずかの頬を張る。次郎の同僚・山本が落ち込むしずかを慰めようと松屋に行き、毎日下着やワイシャツを買い込む。しずかはそんな山本の生活ぶりを心配し、彼のアパートに通って家事を手伝うようになる。山本はしずかに迫るが、しずかは拒絶する。しずかが次郎を想っていることを悟った山本は身を引く。
由紀はみたび圭一と再会する。由紀は、次郎が仕事で東京を空けている間、圭一から繰り返しデートに誘われ、寂しさから断りきれずに応じる。このことを由紀から明かされた次郎は焦りを感じるが、由紀は「次郎と結婚したい」と告げて次郎を安心させようとする。一方、圭一は由紀を両親に紹介する。次郎が式根島に長期出張している間、由紀は圭一と婚約してしまう。そのことを告げられた次郎は黙って去る。両者の態度を理解できないしずかは次郎を追い、「あんたは意気地なしや」と彼をなじり、泣き叫ぶ。
由紀と圭一が新婚旅行に発つ日、しずかは由紀らの見送りをやめて、同じ時間に長期出張に発つ次郎のもとへ向かおうとする。東京駅で次郎が乗った列車はしずかの目の前で発車する。帰宅したしずかは旅支度を始める。しずかの本気を知ったチエコは、海外旅行のために貯めていた大金をしずかに渡す。しずかを見送った早苗とチエコは銀座で別れ、それぞれの自宅に帰る。
キャスト
[編集]クレジット順は本作タイトルバックに、役名は日活公式サイト[1]に基づく。
- 瀬川早苗(長女):芦川いづみ
- 高村由紀(次女):浅丘ルリ子
- 高村しずか(三女):吉永小百合
- 高村チエコ(四女):和泉雅子
- 矢坂次郎(ニュース社カメラマン):浜田光夫
- 野沢まゆみ(圭一の妹):田代みどり
- 河野健吉(チエコの友達):山内賢
- 山本和雄(次郎の同僚):杉山俊夫
- 野沢圭一(大学生):和田浩治
- 高村弘子(勇造の後妻):東恵美子
- 京子(由紀の大阪時代の同僚):進千賀子
- 和子(しずかの同僚):和田悦子
- 今村多平(次郎の下宿の大家):井東柳晴
- ニュース社の同僚A:糸賀靖雄
- サラリーマンA:石丘伸吾
- 加藤(次郎の上司):天坊準
- サラリーマンB:露木護
- 勝又:桂小かん
- 小野武雄
- ニュース社の同僚D:井田武
- サラリーマンD:平塚仁郎
- ニュース社の同僚B:織田俊彦
- ニュース社の同僚E:押見史郎
- 食料品売り場の店員:菊田一郎
- 今村ふみ(多平の妻):早川由記
- 由紀の百貨店の同僚:清水千代子
- よし子(チエコの大阪時代の同僚):川口道江
- ニュース社の同僚C:浜口竜哉
- サラリーマンC:有村道宏
- 高村勇造(4姉妹の父):伊藤雄之助(特別出演)
- 野沢章二郎(圭一の父):清水将夫
- 野沢路子(圭一の母):高野由美
- 瀬川宏一(早苗の夫):内藤武敏
スタッフ
[編集]クレジット順(監督を除く)は本作タイトルバックに基づく。クレジットのない主要スタッフは日活公式サイト[1]およびキネマ旬報映画データベース(KINENOTE[2])で補った。
- 監督:森永健次郎
- 企画:坂上静翁
- 脚本:三木克巳
- 撮影:松橋梅夫
- 照明:森年男
- 録音:高橋三郎
- 美術:横尾嘉良
- 編集:井上治
- 音楽:崎出伍一
- 主題歌:吉永小百合「若草物語」(ビクターレコード 作詩:佐伯孝夫 作曲:吉田正)
- 挿入歌:浅丘ルリ子・吉永小百合・和泉雅子「路」(作詩:松本栄 作曲:崎出伍一)
- 協賛:松屋、長瀬産業
- スクリプター:内田絢子(クレジットなし)
- スチール:井本俊康(クレジットなし)
- ボクシング指導:山口養治
- 方言指導:木下静子
脚注
[編集]外部リンク
[編集]- 若草物語 - 日活
- 若草物語(1964) - KINENOTE
- Wakakusa monogatari (1964) - IMDb