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草上仁

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

(くさかみ じん、1959年12月20日 -)は、神奈川県鎌倉市出身の小説家日本SF作家クラブ宇宙作家クラブ会員。

SFを得意とし、優れた構成力で奇想天外なストーリーの短編を中心に、長編やコミカルなライトノベルに至るまで、幅広いジャンルで作品を発表している。ミステリーホラーの作品も多く、『異形コレクション』の常連寄稿者でもあった。

短編の名手ゆえに、主たる活躍場所だった早川書房の『SFマガジン』誌では、編集者にとっては急場に頼りになる作家として、表紙や目次に名前が載らないことが多かった。このため、編集部には未発表の作品が多数保管されているのではないか[要出典]と言われたりもした。

2022年、第42回日本SF大賞の選考委員となる。

略歴

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小中学生の頃から短編を書きはじめ、筑波大学附属高等学校[1]在学中に新人賞へ応募するようになる

  • 1981年 第7回ハヤカワ・SFコンテスト佳作入賞
  • 1982年 慶應義塾大学法学部法律学科を卒業し、保険会社に入社[2]
  • 1982年 SFマガジン8月号に短篇「割れた甲冑」を発表
  • 1987年 ハヤカワ文庫『こちらITT』発売(カバーイラスト:吾妻ひでお
  • 1989年「くらげの日」で第20回星雲賞日本短編部門受賞
  • 1997年「ダイエットの方程式」で第28回星雲賞受賞日本短編部門受賞
  • 1997年『東京開化えれきのからくり』(イラスト:唐沢なをき)でSFマガジン読者賞受賞
  • 2002年 「スター・ハンドラー」(イラスト:鈴木雅久)シリーズを発表
  • 2005年 「ホーンテッド・ファミリー」(イラスト:るりあ046)を発表
  • 2009年 「数学的帰納の殺人」を発表

作品リスト

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長編

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ライトノベル系のスター・ハンドラーシリーズとスター・ダックスシリーズほかがある。

スター・ハンドラー

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  1. 『スター・ハンドラー』ソノラマ文庫 上巻 (2001) ISBN 978-4-257-76937-8、下巻 (2001) ISBN 978-4-257-76943-9
  2. 『さまよえる海 スター・ハンドラー2』ソノラマ文庫 上巻 (2002) ISBN 978-4-257-76961-3、下巻 (2002) ISBN 978-4-257-76974-3
  3. 『ゲートキーパー スター・ハンドラー3』ソノラマ文庫 上巻 (2002) ISBN 978-4-257-76983-5、下巻 (2003) ISBN 978-4-257-77002-2

スター・ダックス

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  1. 『スター・ダックス』ソノラマノベルス (2003) ISBN 978-4-257-01058-6
  2. 『トリプル・スパイ スター・ダックス2』ソノラマノベルス (2004) ISBN 978-4-257-01065-4

単発

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連作短編集

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収録作品:砕けた石 / 割れた壷 / 折れた枝 / 裂けた布 / 融けた氷 / 燃えた紙

短編集

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収録作品:アル牛 / ベター・ハーフ? / 進化の道 / 分裂剤 / こちらITT / 目には目を / 道化の釘
収録作品:生物兵器 / 強制輪廻 / 眼鏡探し / くらげの日 / サルガッソーの虫 / サクラ、サクラ
収録作品:時間不動産 / 国民不在 / ダ・ビ・ン・グ / 蜂の幸福 / 嫌煙権 / 明日にのばすな
収録作品:無重力でも快適 / クーラー売ります / 太公望 / ウィークスを探して / ヘイブン・オートメーション
収録作品:キーヴの墓掘り / 夢よもう一度 / キャンペーン虫! / 空白の一日 / レッド・アンド・ブルー / あてようか? / いたずら電話 / 暗号 / 魂の問題 / かれはロボット
収録作品:虫食い / 予約制 / ハデスの牧場 / プラスティックのしゃれこうべ / タイムカプセル / チキンラン
収録作品:パートナー / 宇宙人 / 征服ヘルメット / 交枕クラブ / 死因 / パーソナリティー / 花か種か / 見張り〈ウォッチャー〉
収録作品:夜を明るく / セルメック / 割れた甲冑 / 牛乳屋 / ラッキー・カード / ウォーターレース / 可哀相な王女の話
収録作品:よっちゃんの株 / 在宅勤務? / 星売り / 特急便 / 最後の信販 / 輸出仕様 / 嘘は罪 / ショットダウン / 故障プログラム / ファンタシイ
収録作品:死刑 / ローテーション / コンドーム / フード・プロセッサー / 中古者 / お喋りセッション / 狼男 / ヒッチハイク / 外科ニック
収録作品:殺せ! / オリジナル / おお、白い花びらが / おじいさんの時計 / 隻眼ディガート / ピューイ / ゆっくりと南へ
収録作品:国境を越えて / ポルノグラフィック / 転送室の殺人 / 豆電球 / 市長、お電話です
収録作品:辞めさせて頂きます / 同居時代 / 妻の顔 / 毒 / おばあちゃんの復讐 / テルを待ってます / ホームテレホ / 方向音痴 / テレホンカード / SENDAIHAGI / スーパーサラリーマン
収録作品:江路村博士の大発明 / 悪徳ランド / ホロ・ドレス / 最後の納税者 / カワヘビ / 紙の盃 / ここまでおいで / 飛んで行きたい
収録作品:大恐竜 / 扉 / マダム・フィグスの宇宙お料理教室 / 最後の一夜 / カンゾウの木 / 断続殺人事件 / 半身の魚 / ひとつの小さな要素 / トビンメの木陰 / 結婚裁判所 / 二つ折りの恋文が / ワーク・シェアリング / ナイフィ / 予告殺人 / 生煙草 / ユビキタス
収録作品:カツブシ岩 / キッチン・ローダー / この日のために / カレシいない歴 / 免許停止 / スリープ・モード / チューリング・テスト / 壁の向こうの友 / 緊急避難 / ラスト・メディア / パラム氏の多忙な日常
収録作品:十五パズル / 記念品 / 飛び入りの思い出 / お別れ / 変身 / お父さんの新聞 / ダイエット・ペット / 公聴会 / オーバードーズ / 国境の南 / アイウエオ / われらの農場を守れ / 鉄の胃袋 / OEの謎 / 文通 / ブラボー / 家庭の幸せ / キスギショウジ氏の生活と意見 / R依存対策条例
収録作品:スタート・ピストル / スカイダイブ / 大酋長 / ハパンサペナ / 顔 / 大人になる時 / 犬のプレゼント / 自分殺し / 妻の味 / 皮まで愛して / バディ / ワクチン

書籍未収録短編

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SFマガジン異形コレクションなどで多数の短編を発表していたが、長らく短編集が発行されておらず、未収録作品が多い。以下に、一部の作品を列挙する。

雑誌

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『SFマガジン』掲載作品

  • 目には目を(1984) 317号
  • パーソナリティー(1987/7)
  • りスペク(1989/7トル・ガン(1994) 452号
  • 長屋の花見(1994) 453号
  • 中身はでっかく(1994) 455号
  • 地区担当削減官(1995) 466号
  • ひとつの小さな要素(1997) 488号
  • 寿命(1997) 489号
  • ゲーム(1997) 491号
  • カット(1997) 496号
  • 五百光年(1998) 500号
  • 関係妄想(1998) 510号
  • ひとりぼっち(1998) 510号
  • 花のプロペラ(1999) 512号
  • 剣をなくした冒険者(1999) 516号
  • マダム・フィクスの宇宙お料理教室スペシャル(1999) 518号
〈前菜〉シンクウクラゲのじわじわ焼き
〈スープ〉バラエッチのパラレルスープ
〈主菜〉ゼラマサウルスのコトコトシチュー
〈試食〉作家・草上仁氏を迎えてのカクテル・コーナー
  • パラム氏の多忙な日常(1999) 521号
  • 長距離通勤(1999) 523号
  • 青銅の人形(2003) 566号

『現代の小説』(日本文藝家協会編集)掲載作品

  • ひとつの小さな要素(1998)
  • セキュリティ・プロフェッショナル(2004) 短篇ベストコレクション
情報技術に取り残された辺境の惑星と、ハイテクに疎い主人公の苦闘をコミカルに描いている。

異形コレクション

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ホラーアンソロジーシリーズ『異形コレクション』掲載作品。掲載号の詳細については、元記事を参照。

廣済堂文庫

  • 命の武器(1998) II 侵略!
  • いつの日か、空へ(1998) III 変身
  • 川惚れの湯(1998) V 水妖
  • 月見れば(1999) VIII 月の物語
  • スケルトン・フィッシュ(1999) XI トロピカル
  • 頭ひとつ(2000) XIV 世紀末サーカス

光文社文庫

  • サージャリ・マシン(2000) XVII ロボットの夜
  • パンとワイン(2001) XVIII 幽霊船
  • 赤と青(2002) XXIII キネマ・キネマ
  • 秘伝(2002) XXIV 酒の夜語り
  • トンネル(2003) XXVIII アジアン怪綺
  • ディープ・キス(2004) XXX 蒐集家
法廷ミステリーの形式をとりながら、最後にはぞっとするような結末に導く。
  • 燃える電話(2006) XXXV 闇電話
  • どこかの--(2007) XXXIX ひとにぎりの異形
  • 缶の中の神(2008) XXXX 未来妖怪

光文社カッパ・ノベルス

  • 人魚屋(2001) 綺賓館IV 人魚の血

その他のアンソロジー

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祥伝社文庫ホラー・アンソロジー(月刊小説NON掲載作品)

  • 虫愛づる老婆(1999) 『おぞけ』
  • 誰かいる(1999) 『ゆきどまり』
  • 心霊写真(2001)

SF Japan vol.3 手塚治虫COVER タナトス篇

  • ミクロイドS―胸の鼓動を聞きながら(2002)

参考資料

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  1. ^ http://www.hoshishinichi.com/note/77.html
  2. ^ 塾員山脈 2009年AUTUMN No.264 慶應義塾

関連項目

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外部リンク

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