ハヤカワ・SFコンテスト
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ハヤカワ・SFコンテストは、早川書房が主宰するSF小説の公募新人賞である。
- ハヤカワ・SFコンテスト:1961年に開始。断続的に1992年の第18回まで行われた。
- ハヤカワSFコンテスト:2012年に開始。
ハヤカワSFコンテスト(2012年〜)
[編集]2010年2月、『SFが読みたい! 2010年版』で18年ぶりの再開が予告され、〈S-Fマガジン〉2012年10月号で正式に告知された。新しい賞は中黒点をとった『ハヤカワSFコンテスト』として「第1回」からの開始となる。日本SFの振興を図る「ハヤカワSF Project」の一環として始めた新人賞という位置づけで、中篇SFおよび長篇SFを対象とし、長さに関わらずもっとも優れた作品に大賞が与えられる。[1]
選考委員
[編集]受賞作
[編集]回(年) | 応募数 | 受賞作 | 受賞者 | 初刊 | |
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第1回(2013年) | 547篇 | 大賞 | 『みずは無間』 | 六冬 | 2013年11月(ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) |
最終候補 | 『ファースト・サークル』 | 坂本壱平 | 2013年12月(ハヤカワ文庫JA) | ||
「オニキス」 | 下永聖高 | 『オニキス』2014年2月(ハヤカワ文庫JA)所収 | |||
『テキスト9』 | 小野寺整 | 2014年1月(ハヤカワSFシリーズJコレクション) | |||
「新世界より」 | 泉氏 | ||||
第2回(2014年) | 362篇 | 大賞 | 『ニルヤの島』 | 柴田勝家 | 2014年11月(ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) |
最終候補 | 『鴉龍天晴』 | 神々廻楽市 | 2014年12月(ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) | ||
『母になる、石の礫で』 | 倉田タカシ | 2015年3月(ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) | |||
「オルフェウスの妻」 | 伏見完 | ||||
「月の王冠」 | 梶原祐二 | ||||
第3回(2015年) | 336篇 | 大賞 | 『ユートロニカのこちら側』 | 小川哲 | 2015年11月(ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) |
佳作 | 『世界の涯ての庭』 | つかいまこと | 2015年11月(ハヤカワ文庫JA) | ||
最終候補 | 「暗黒惑星」 | 冬乃雀 | |||
「花屋旦那の事件帳 狗駆ける夜」 | 茶屋休石 | ||||
「Dystopiartwork」 | 維嶋津 | ||||
第4回(2016年) | 335篇 | 大賞 | 該当作なし | ||
優秀賞 | 『世界の終わりの壁際で』 | 吉田エン | 2016年11月(ハヤカワ文庫JA) | ||
『ヒュレーの海』 | 黒石迩守 | 2016年11月(ハヤカワ文庫JA) | |||
特別賞 | 『最後にして最初のアイドル』 | 草野原々 | 2016年11月(早川書房 電子書籍) | ||
最終候補 | 「マキガイドリイム」 | 斧田小夜 | |||
「ゴリンデン」 | 西川達也 | ||||
第5回(2017年) | 400篇 | 大賞 | 『コルヌトピア』 | 津久井五月 | 2017年11月(早川書房 単行本) |
『構造素子』 | 樋口恭介 | 2017年11月(早川書房 単行本) | |||
最終候補 | 『赤いオーロラの街で』 | 伊藤瑞彦 | 2017年12月(ハヤカワ文庫JA) | ||
「スターダスト・レイン」 | 愛内友紀 | 2018年1月(ハヤカワ文庫JA)
(『星を墜とすボクに降る、ましろの雨』に改題) | |||
「オルゴール」 | 平島摂子 | ||||
「記憶の熱量」 | 若里実 | ||||
第6回(2018年) | ?篇 | 大賞 | 該当作なし | ||
優秀賞 | 『トランスヒューマンガンマ線バースト童話集』 | sanpow | 2018年11月(早川書房 単行本) | ||
最終候補 | 「陰花 kagehana」 | 梶原祐二 | |||
「無名標」 | 九条鷹 | ||||
「最初の殺人」 | 耳目 | ||||
「名前と臓器が交差する220と284」 | 小橋徹 | ||||
「なかよくしようよ」 | 蒜山目賀田 | ||||
第7回(2019年) | ?篇 | 大賞 | 該当作なし | ||
優秀賞 | 『オーラリメイカー』 | 春暮康一 | 2019年11月(早川書房 単行本) | ||
特別賞 | 「不可視の檻」 | 葉月十夏 | 2019年11月(早川書房 単行本)
(『天象の檻』に改題) | ||
最終候補 | 「耳調師セツと小さな赤の女王」 | 成田杣道 | |||
「Earth II Europa」 | 瀧本無知 | ||||
「ハチェットマンズ・ディストーション」 | 水町綜 | ||||
第8回(2020年) | ?篇 | 大賞 | 該当作なし | ||
優秀賞 | 「ヴィンダウス・エンジン」 | 十三不塔 | 2020年11月(ハヤカワ文庫JA) | ||
「電子の泥舟に金貨を積んで」 | 竹田人造 | 2020年11月(ハヤカワ文庫JA)
(『人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアル』に改題) | |||
最終候補 | 「それがぼくらのアドレセンス」 | 酒田青枝 | |||
「サムライズ・リグ」 | 毒島門左衛門 | ||||
「識閾の弔歌」 | 満腹院蒼膳 | ||||
第9回(2021年) | ?篇 | 大賞 | 『スター・シェイカー』 | オスタハーゲンの鍵 | 2022年1月(早川書房 単行本) |
優秀賞 | 『サーキット・スイッチャー』 | 安野貴博 | 2022年1月(早川書房 単行本) | ||
最終候補 | 「機構―In the System―」 | 満腹院蒼膳 | |||
「ドーン・プロトコル」 | 江島周 | ||||
「このしらす」 | 塩崎ツトム | ||||
第10回(2022年) | ?篇 | 大賞 | 『標本作家』 | 小川楽喜 | 2023年1月 |
特別賞 | 『ダイダロス』 | 塩崎ツトム | 2023年1月 | ||
最終候補 | 「スランバー・デイズ」 | 江島周 | |||
「アクアリウム・ララバイ」 | 麻上柊 | ||||
「白のマチエール」 | 小田明宜 | ||||
第11回(2023年) | ?篇 | 大賞 | 「ホライズン・ガール~地平の少女~」 | 矢野アロウ | 2023年12月(早川書房 単行本)
(『ホライズン・ゲート 事象の狩人』に改題) |
特別賞 | 「ここはすべての夜明けまえ」 | 間宮改衣 | 『S-Fマガジン』2024年2月号に全文掲載。 | ||
最終候補 | 「アポロ・チルドレン」 | ナイン | |||
「NORTHERN LIGHTS HOTEL」 | 山下新 | ||||
「新世界まであと何歩」 | はにかみいちご | ||||
「リ・エングラム」 | 江島周 | ||||
第12回(2024年) | ?篇 | 大賞 | 「コミケへの聖歌」 | カスガ | |
「羊式型人間模擬機」 | 犬怪寅日子 | ||||
優秀賞 | 「マイ・ゴーストリー・フレンド」 | カリベユウキ | |||
最終候補 | 「あなたの音楽を聞かせて」 | 藤田祥平 | |||
「クラップ、クラッパー、クラップ」 | やまだのぼる | ||||
「バトルシュライナー・ジョーゴ 崩壊編/黎明編/飛翔編」 | 水町綜 |
ハヤカワ・SFコンテスト(1961年~1992年)
[編集]第1回は「空想科学小説コンテスト」、第2・3回は「SFコンテスト」として開催。第4回は「SF三大コンテスト」として小説部門、アート部門、漫画・劇画部門の三部門を募集した。第5回から「ハヤカワ・SFコンテスト」として開催されていた。
選考委員
[編集]- 第1回:安部公房、半沢朔一郎、藤本真澄、田中友幸、円谷英二、早川清、SFマガジン編集部
- 第2回:安部公房、半沢朔一郎、藤本真澄、田中友幸、円谷英二、SFマガジン編集部
- 第3回:安部公房、星新一、藤本真澄、田中友幸、円谷英二、SFマガジン編集部
- 第4回(小説部門):石川喬司、小松左京、筒井康隆、福島正実、星新一、森優
- 第4回(アート部門):武部本一郎、野田昌宏、真鍋博
- 第4回(漫画・劇画部門):石森章太郎、小野耕世、手塚治虫
- 第5回 - 第6回:小松左京、眉村卓、伊藤典夫
- 第7回 - 第11回:眉村卓、石原藤夫、伊藤典夫
- 第12回 - 第14回:眉村卓、石原藤夫、伊藤典夫、今岡清
- 第15回 - 第18回:眉村卓、柴野拓美、川又千秋、今岡清
受賞作
[編集]回(年) | 応募数 | 賞 | 受賞作 | 受賞者 | 掲載 | |
---|---|---|---|---|---|---|
第1回(1961年) | 不明 | 入選 | 該当作なし | |||
佳作(第1席) | 『地球エゴイズム』 | 山田好夫 | 『SFマガジン』1961年9月号 | |||
佳作(第2席) | 『下級アイデアマン』 | 眉村卓 | 『SFマガジン』1961年10月号 | |||
佳作(第3席) | 『時間砲』 | 豊田有恒 | ||||
努力賞 | 『地には平和を』 | 小松左京 | ||||
SF奨励賞 | 『宇宙艇発信せよ』 | 野町祥太郎 | ||||
『殺人地帯』 | 平井和正 | |||||
『宇宙都市計画』 | 小隅黎 | |||||
『行くもの』 | 平田自一 | |||||
『第三の天才』 | 篠原靖忠 | |||||
『十八年後』 | 淵上襄 | |||||
『死者還る』 | 徳納晃一 | |||||
『ナポレオンの帽子』 | 小野耕世 | |||||
『何かが後からついてくる』 | 宮崎惇 | |||||
『アミーバ作戦』 | 加納一朗 | |||||
『私は死んでいた』 | 島内三秀 | |||||
『シローエ2919』 | 光瀬龍 | |||||
第2回(1962年) | 349編 | 入選(第1席) | 該当作なし | |||
入選(第2席) | 該当作なし | |||||
入選(第3席) | 『お茶漬けの味』 | 小松左京 | 『SFマガジン』1963年1月号 | |||
『収穫』 | 半村良 | 『SFマガジン』1963年3月号 | ||||
佳作 | 『無機世界へ』 | 筒井康隆 | ||||
『平和な死体作戦』 | 朝九郎 | |||||
『震える』 | 山田好夫 | |||||
『火星で最後の……』 | 豊田有恒 | 『SFマガジン』1963年4月号 | ||||
第3回(1964年) | 258編 | 入選 | 該当作なし | |||
佳作(第1席) | 『太陽連合』 | 吉原忠男 | 『SFマガジン』1964年8月号 | |||
佳作(第2席) | 『プログラムどおり』 | 松崎真治 | ||||
佳作(第3席) | 『黒潮』 | 永田実 | ||||
努力賞 | 『金色の蟻』 | 岩武都 | ||||
『昆虫都市』 | 二瓶寛 | |||||
『宇宙艇307』 | 西崎恭 | |||||
『海底より永遠に』 | 小川俊一 | |||||
奨励賞 | 『復活』 | 津田道夫 | ||||
『太陽系の子ら』 | 栗山豪 | |||||
『化石』 | 美留町明 | |||||
『望郷の国』 | 古帆里麻 | |||||
『孵化』 | 丹土真紀 | |||||
『黒い死』 | 武藤紘幸 | |||||
『植物戦争』 | 今保川登志夫 | |||||
第4回(1974年) | 620編 | 小説部門 | 入選(第1席) | 『クロマキー・ブルー』 | 川田武 | 『SFマガジン』1974年9月号 |
入選(第2席) | 『そして……』 | 松崎保美 | 『SFマガジン』1974年9月号 | |||
入選(第3席) | 『奇妙な民間療法』 | 石川智嗣 | 『SFマガジン』1974年9月号 | |||
佳作 | 『封印された書』 | 海上真幸 | ||||
『夏の旅人』 | 田中文雄 | 『SFマガジン』1974年11月号 | ||||
選外優秀作 | 『決戦日本シリーズ』 | かんべむさし | 『SFマガジン』1975年1月号 | |||
『仮面舞踏会』 | 山尾悠子 | 『SFマガジン』1975年11月号 | ||||
アート部門 | 入選(第1位) | 加藤直之 | ||||
佳作 | 新井功 | |||||
畠山弥生 | ||||||
宮武一貴 | ||||||
漫画・劇画部門 | 入選(第1位) | 『地球人のポートフォリオD・S』 | 塩沢太一 | |||
入選(第2位) | 『風景の精神』 | 塚本俊昭 | ||||
入選(第3位) | 『無題』 | 桑原継夫 | ||||
第5回(1979年) | 409編 | 入選(第1席) | 『花狩人』 | 野阿梓 | 『SFマガジン』1979年8月号 | |
佳作 | 『狐と踊れ』 | 神林長平 | 『SFマガジン』1979年9月号 | |||
参考作 | 『超ゲーム』 | 浅利知輝 | ||||
第6回(1980年) | 306編 | 入選 | 該当作なし | |||
佳作 | 『一人で歩いていった猫』 | 大原まり子 | ||||
参考作 | 『アウトクライド・ドリーマー』 | 大河司 | ||||
『時を克えすぎて』 | 火浦功 | |||||
『夢魔のふる夜』 | 水見稜 | |||||
第7回(1981年) | 487編 | 入選 | 該当作なし | |||
佳作(第1席) | 『放浪者目覚めるとき』 | 冬川正左 | 『SFマガジン』1981年11月号 | |||
佳作(第2席) | 『ふたご』 | 艸上人 | ||||
佳作(第3席) | 『真夜中のカーニバル』 | 所与志夫 | ||||
『スペリオル・サエクルム』 | 萩裕子 | |||||
第8回(1982年) | 717編 | 入選 | 該当作なし | |||
努力賞 | 『狂える神のしもべ』 | 川瀬義行 | ||||
第9回(1983年) | 不明 | 入選 | 該当作なし | |||
努力賞 | 『惑星〈ジェネシス〉』 | 内藤淳一郎 | ||||
参考作 | 『硝子細工のプライヴェイト・アイ』 | 香野雅紀 | ||||
『複眼の怒り』 | 生成順次 | |||||
第10回(1984年) | 不明 | 入選 | 該当作なし | |||
佳作 | 『進化の運命』 | 川村晃久 | ||||
『我ら月にも輝きを与えよ』 | 工藤雅子 | |||||
第11回(1985年) | 749編 | 入選 | 該当作なし | |||
参考作 | 『竜の降りる夜』 | 中井紀夫 | ||||
『半人娼婦』 | 江黒基 | |||||
第12回(1986年) | 828編 | 入選 | 該当作なし | |||
佳作 | 『凍った嘴』 | 岸祐介 | ||||
参考作 | 『生が二人を分かつとも』 | 野波恒夫 | ||||
『一万年の貝殻都市』 | 藤田雅矢 | |||||
第13回(1987年) | 852編 | 入選(第3席) | 『邪眼(イーヴル・アイズ)』 | 柾悟郎 | 『SFマガジン』1987年12月号 | |
佳作 | 『天に光を』 | 桜井翼 | ||||
参考作 | 『コルクの上で悶えるものは』 | 山品千璋 | ||||
第14回(1988年) | 641編 | 入選 | 該当作なし | |||
佳作 | 『葉末をわたる風』 | 金子隆一 | ||||
第15回(1989年) | 588編 | 入選 | 該当作なし | |||
第16回(1990年) | 515編 | 入選(第3席) | 『ひとすくいの大海』 | 御影防人 | ||
佳作 | 『聖花』 | 山下敬 | ||||
参考作 | 『シュガーボクサー』 | 芳賀良彦 | ||||
『Dancing Electric Bear』 | 北野勇作 | |||||
第17回(1991年) | 480編 | 入選(第2席) | 『夢の樹が接げたなら』 | 森岡浩之 | ||
入選(第3席) | 『バルーン・タウンの殺人』 | 松尾由美 | ||||
第18回(1992年) | 445編 | 入選 | 該当作なし | |||
佳作 | 『ミューズの額縁』 | 完甘直隆 |
関連項目
[編集]- SFを対象とした新人賞
- 創元SF短編賞(短編SF、2010年 -)
- 日本SF評論賞(SFに関する評論、2005年 - 2014年)
- 奇想天外SF新人賞(短編SF、1978年 - 1980年)
- 日本SF新人賞(長編SF、1999年 - 2009年)
- 小松左京賞(長編SF、2000年 - 2009年)
- 早川書房の新人賞
- アガサ・クリスティー賞(長編推理小説、2010年 -)
- ハヤカワ・ミステリ・コンテスト(短編推理小説、1990年 - 1992年、全3回)